就職浪人生Nさん初めまして。 当HP管理人のねぎのリーダーでございます〜
さてさて、当サイトを参考にして頂けている様で嬉しいですよ。 どうもありがとうございます〜
と、これはなかなか興味深い点のお話ですね。 あのクソ長いコンテンツをお読み頂けているだけでも嬉しいですが(笑
> 本ページを読み込んで勉強して > いく中で、トルクカムは45度が一番 > キックダウンが強い事 > を確認するために、高校物理を思い出しながら計算してみました。 > 既出の場合ご了承ください。
いえいえ、こういった事は既出であろうが無かろうが、話題にして頂けると私も とっても楽しいですし嬉しいので遠慮無くどうぞ。
> 計算のやり方としては、トルクカムピンが押す力を斜面上の物体に掛かる > 重力と考え。 > @斜面上(トルクカム溝の面)に対し垂直に掛 > かる力を計算する。
計算式、と言いますか力のかかり方の考え方としてはそんな感じだと私も 分析していますよ。
ただ、1のトルクカム溝である斜面上に掛かる力、というのは、本来は 「トルクカム溝がピンを押している」といった動作になっていますね。
ベルトが引かれて回転するのはトルクカムの溝が切られているお皿ですから、 力の入力としてはピンとの接点から真っ直ぐ溝側へ、という事になります。
> Aその力をシャフト軸方向(フェイス面 > を押し付ける力)と回転方向に分解する。
次にこちらですが、溝角度によりピンからの入力が軸方向へどれだけ変化して いるか、といった作用になりますが、これは平面状の考え方で良いでしょうね。
回転方向とはこの場合、イコールでピンに対してかかる力としても良いはずなので トルクカム皿自体は確かに回転方向へ「引かれて」いますが、ピンとの接点に掛かる 力というのは、お皿が回転するからといって別口になる訳ではありません。
むしろ、この入力すべき力というのはピンの位置、すなわちトルクカム溝との 接点が存在する「場所」であり、これは軸の中心点からどれだけの距離にピンが 存在するか、が大切になってきます。
仮に、トルクカムピンがギヤのシャフト中心から半径50oの点に存在しており、 なおかつトルクカム溝との接点も同一点であると仮定した場合だと…
クランクシャフトで1kg-mのトルクが発生している場合、駆動系が最少変速状態で 最大の減速比を維持している場合、仮に減速比が3.000だとドリブン側の軸には 3kg-mの力が掛かっている事になります。
で、これがトルクカムピンの存在する箇所、半径50oの点であればそこに掛かる 力は20倍になるので、ピン自体にはおおよそ60kgの力が掛かっているんですね。 イコール、ベルトを挟む力も最大でその位はある、とも言えます。
こうやって見ると仮定でもかなり強大な力がピンと溝に掛かっているのが分かるのですが、 それをベルトラインに対して90°の方向にどれだけ変換出来ているか、が 就職浪人生Nさんもおっしゃっている「溝角度によるベルトを挟む力への変換率」に なってきますね。
> 結果と > しては確かに45度の溝が一番フェイス面を押す力がありました。
そしておっしゃる通り、トルクカムピンから溝へ掛かる力は、溝の角度が45°で ある状態が一番大きくなります。
で、これが一般的に言われる「ベルトラインを0°とした場合の溝角度が60°」で あれば、本来この計算を行う場合は60°ではなく30°としないといけない、と いった事もすでにお分かりかと思われますね。
…ぶっちゃけるとこの溝角度の表現って、一般的に言われているのとは逆なのが 正確な表現だったりしますが、私もこの辺は一般呼称に合わせているので(汗
> トルクカム溝を斜面と考えて、トルクカムピンをスーパーボールとイメージして投 > げると、45度の斜面に当てたボールが一番高く跳ね上がる。 > ということは高く上がる=反作用から斜面の鉛直方向の力(フェイス > 面を押す力)が強いことがイメージできると思います。
イメージとしてはそれでおおむね合っていますが、私の例えもひとつ出してみます。
□ 固定されたトルクカムピン ↑ ベルトで引かれる力の方向 凵@→ 皿をこっち側にどれだけ動かせるか、の力がベルトを挟む力
下側の三角が45°溝のあるトルクカム皿だとお考え下さい。 前述の様に、実際はピンから力が入力されるのではなく、溝のある皿の方が 固定されたピンに対してがつんとぶつかっているんですね。
ちなみに、トルクカムピンが何故四角の表現なのかと言いますと、こういった感じで 三角形の斜辺に対し、四角い物体を三角形の底辺に対して垂直方向に押し付けたと すれば、くさび効果とでも言いますか、三角の物体は図で言うと右に押し出されて 行きますよね。
この斜辺の角度が45°を下回った場合だと、三角形の斜辺に対して同じ力で 四角形を押し付けてやっても、三角形は45°時と同じだけは右側には動きません。 すなわち、斜辺の溝角度が浅いと「三角形自体をピンに対して同じ力で押し付けて」も、 右側へ逃げにくい、イコールでベルトでを挟む力が小さい、という事になります。
そして、下の三角形の斜辺が0°、すなわち三角形ではなく線か四角形になっている 状態だとすれば、いくら上(斜辺側)から押してやっても右にも左にも動きませんから、 この状態だと「溝角度90°」と言われる状態であり、トルクカムが引かれてもベルトを 挟む作用が一切発生しない、といった事になります。
真っ直ぐな壁にボールをぶつけても、どっちかに向けて飛んでいくという事は起こらないと いう事にもなりますね。 …実際にはボールを全く回転させず極限まで真っ直ぐ投げないと無理ですが(笑
で、ピン自体は実際には丸ですが、それでも接点というか接線の部分ではこういった 作用が起こっているので、トルクカム溝って劣化してくるとヘコんでしまうという(笑
という訳で、このトルクカム自体の作用という物は二次元平面状で考えると意外と 簡単な訳で、回転を考えるのはどれ位の力の大きさがピンと溝に掛かっているのか、を 計算する場合だけで良いんですよね。
そういった場合だと、三次元的な力のかかり方を加味しなければいけない訳ですが、 かといってトルクカム溝とピンに対しての力の掛かり方が激変する訳では無い、と いう事で。
後、つまらない補足になりますが… このトルクカムの作用ってやつは、アクセルを開けていて加速している状態では 常に発生しており、再加速である「キックダウン」を起した時にしか作用しないと いう事はありません…というのは就職浪人生Nさんならすでにお分かりかと思いますが もののついでなのでご容赦をば。
これ、加速時にもトルクカム自体は作用してベルトを挟む力=張る力を発生しており、 それがないとセンタースプリングのみでベルト側圧を稼いでいるといった事に なってしまいますが、そんな事はありえないんですね。
小難しい事は割愛しますが、仮にそうだとすれば、45→60°のトルクカムを入れている 車両に、45°一直線のトルクカムを入れて全開加速を行った場合、加速時に全く トルクカムの作用が働いていないのであれば、実際の加速感とか変速回転数が 変化する訳が無いんです。
実際にはそんな事は無く、変速後半ではなんか加速感が鈍くなって変速回転数も 上昇傾向になりますから、トルクカムってのはアクセルのON/OFFでキックダウン させないと働かない、という物ではなく、アクセルを開けている状態では常に 作用している、という事で。
…こんなのは就職浪人生Nさんですと初歩の初歩かもしれませんが、改めて解説して みましたという事でご了承下さい。
ではでは。 久々に頭を使ったのでおかしな点があるかもしれませんが、間違っていたら ご容赦下さいませ(汗 管理人でした〜
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