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記事No 1021
タイトル 最近のFN的な作業とか色々
投稿日 : 2016/11/28(Mon) 19:59:37
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
皆様毎度でございます〜
色々一段落で一息ついてる管理人です。
と、今回も身近な作業ネタになりますが…いつも通りといえばいつも通りです(笑
一番下の写真を別窓で眺めながらお読み下さいませ。


まず写真左上、これは何の変哲も無い、ライブDio-ZX最終型の純正新品
クランクシャフトになります。

今ではこの手の新品を見る事もめっきり減ってしまいましたが、初期型とは
違ってこれならまだ新品で取れますし、当然私のではありませんがFN仕様の
エンジンO/H依頼のブツなので私の様な変人に取っては見るだけでも眼福と
言えますね(笑

最終型AF35ZX寸法用、「13000-GBL-881」への統合品ですが、純正以外は使っては
いけないFNレーサーでも無いとこういう高価なクランクシャフトは用いては
いかないのが基本ですが…それでもコレ、2016年10月現在でいくらしたと
思われます?

なんと


2 3 3 0 0 円 ( 税 抜 )


という色々な意味で嫌がらせのお値段でした_| ̄|○


当然、古い純正部品なので値上がり率、ってのはある程度決まっては
いるのですが、おおむねライブDio系だと当時と比べても2倍弱の
お値段なのに、クランクシャフトは15年で2.5倍の値段になっているという。
もうこの車種は修理するな、的なイメージがひしひしと香る陰謀が渦まいて
いる気がしてなりませぬ(泣
あ、後述しますが純正シリンダーもかなりヤバい事にはなってますよ。

とまあ、これに関してはまだ純正が出るだけマシではあるのですが、
芯の精度はこれ、5/100位は末端でブレてたので純正新品としては
よろしくない部類であった、というのもちと嫌でしたよ(泣

私は別に自分でシバけるのでこの位なら何も問題無いのですが、新品の
純正クランクシャフトの芯の精度だとやっぱりヤマハ(いっても3/100位)に
軍配が上がる、というのは何十本見ても未だに許せませ(以下略



次に左下、これまた別件でのJOGのFNエンジンのO/H時に遭遇した状況です。
これも今では定番中の定番で、ケース合わせ面のダウエルピン(ノックピン)の
下側が経年劣化でサビきっており、完全に固着して取り出せないという
工賃割増レベルのトラブルです(泣

これってケースの下側なので、水も当たりますしメーカー問わず古いとよく
こうなっていたりするんですが、熱しても炙っても潤滑してもびくともしない
場合があるので、そういった場合には破壊して取り除くしか無いんですよ。

引っ掴んで回しても駄目な場合、内側からリューターで切れ目を入れていき
ダウエルピン自体を「割り取る」という荒業が必要になりますが、これは
結構精密な加工に近いので気を遣います。
当然、ケース側にキズを入れる訳には行かないので。

ちなみにココのダウエルピン、メーカー出荷時にはグリスを塗り込んだりは
していないので、新品で組み立てる時は忘れずにグリスを薄く塗っておくのが
コツになりますね。

なお、万が一抜けたからといってもそのまま再利用したら駄目ですよ?
もちろん抜けなくても駄目ですが。
それなりの精度でケースの左右の固定の役目をしている為、ここが緩かったり
位置がしっくり来なかったりすると、万が一転倒してクランクケースを
ブツけた場合、一発でクランクシャフトの位置のセリがずれてしまって
明らかにおかしくなる、って可能性が高くなりますんで、ね。
この位置決めがあるからこそクランクシャフトのセリが出づらい、と
いった点もあるにはあるのですが、そこは一長一短です、という事で。

抜けたとしてもダウエルピンは再利用不可ってのが基本ではあるのですが…
クランクベアリングとかクランクオイルシールとかのO/H用パーツをセットで
販売している様な所でも、このダウエルピンをセットにしている所って
私見た事無いので、そういった点にまで着目する所はまず無いんだなあ、と
思ってたりはしますね。



次に写真右上、これまた何の変哲も無いライブDio系の規制前純正新品の
シリンダーなんですが。
これまた私のじゃありませんがさっきのクランクシャフトとは別件で、
またしても純正新品を発注したんですよね。
で、来てから箱を開け袋から出した状態がコレになります(汗

…さすがに規制前最終型、中期統合品番の「12102-GBL-020」とはいえども
いつ生産されたロットかは分かりませんし、密封状態でこれだけサビが
あってもやむなし、といったところです_| ̄|○

もちろん使用に差し支えるレベルではありませんが、それでも新品を買って
これだと気分的にはあまり良く無いですねえ。
が、まだ新品で出るだけマシ、というのは旧車いじりの定番だったり。

ちなみにこちらのお値段は…


1 8 6 0 0 円 ( 税 抜 )


と、これまた倍以上のお値段になってしまってます。
…ホンダさんはもう2stを直させる気が無いってのは明確ですけれどね(泣

しかしまあ、昔の私も、ですがいくら今ほど高くなかったとはいえこんなの
ポンポン買ってFNマシンの為に選別したもんだ、と。

なお余談ですが、この間純正GBLプーリーを久々に自分用に発注したら
5000円オーバーという非情な値段に泣きそうになったのは秘密で(以下略
しかも最近立て続けにかなりの金額の純正部品を発注したので、馴染みの
バイク屋さんには心配されました(笑



最後に写真右下、何をやっとるのかって感じではありますがこれはノーマル
純正マフラーをFN用にリフレッシュしている所です(爆

パイプユニッシュではなく、水溶性の洗浄剤を用いてノーマルマフラー内に
溶液を充填し、70℃の温度に維持してドライカーボンの剥離を狙います。

これはパイプユニッシュのコンテンツにも記してますが、ウェットカーボンと
言いますかタール的な物に対しては水酸化ナトリウムは直接の効果は小さく、
この手の洗浄剤はあくまでドライカーボンと鉄に対しての剥離を促す物なので
用途が違ってきますね。

なので、この手法の場合は先に内部を炙るなり、パイプユニッシュでウェットな
カーボンを完全に取り除いてからの手法になりますが、それでもそれなりの
相乗効果は見込めるので私は今はこうやって純正マフラーのお掃除してますよ。

とはいってもライブDio系ノーマルマフラーは元々容量にかなりの余裕があり、
詰まる事もまず無いのでそこまでシビアにお掃除する事も無いのですが…
これはあくまでレーシングマシン用なので。


ちなみに、よく純正マフラーでもアセチレンレベルでの焼きを入れれば、
カーボンを焼き切れる、といった手法も見られますが、それをやった場合
内部の壁面グラスウールもカーボンごとほぼ完全に焼き切れてしまいます。

その場合だと、普通に使う分には問題ありませんがFNマシンの様なシビアな
環境の場合、グラスウールが飛んでしまうと確実なパワー抜け、と言うか
パワーダウンを引き起こす場合が多いんですね。
丸焼き、ってのは本来社外品チャンバーの様な金属構造オンリーの物に
使うべき手法になります。

実際、純正新品のカーボンのカケラも無いマフラーと、FN用途で適度な運用と
掃除を行った純正マフラーならば、後者の方が絶対性能が上である、という
事は珍しくありません。
新品マフラーは少し使って様子を見ないと性能判断はしづらい、という。


…冗談みたいな事を記している様に見えるかもしれませんが、最近は私自身
昔取った杵柄であるFNマシン関連のシビアなあれこれをまたやっていると
いった感じなので、こういった事も記憶の片隅から漏れ出して来ているだけ、と
いう事ですがホント面倒すぎて何やってんだかと自分でも思います(爆
が、当然純正マフラーは規制前の全年式ですでに廃盤ですから…

で、下の電熱器はこの間中古品を新調したものでして、以前の機器が召されて
しまったが為のおNEW(?)ですが、年式が古い割には充分に使えてますね。

適温に保つ為のマフラー位置調整とかは難しいですが、外側の温度でおおむね
70℃弱を維持は出来ているので純正マフラーの煮込み料理には問題ありません(笑



と、あんまし派手ではない事ばっかりですが最近ちとFN関連作業や依頼が
連続していたので、ネタには困らなかったという事で(汗

ではでは、何の役にも立たないとは思いますが今回はコレにて失礼をば。
管理人でした〜

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