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記事No 798
タイトル AJ香川ミニバイクフェスタ第4戦とFS‐JOGのメンテあれこれ
投稿日 : 2014/10/08(Wed) 22:52:47
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
皆様毎度でございます〜
地元スプリントレース終えた管理人です。


…で、とりあえず結果から申しますとビリです_| ̄|○
訳の分からない不調で真っ当に走れず、オカマ掘られても嫌なのでエスケープ上で
止まっててファイナルラップのチェッカーだけ受けた、という始末でしたがね。

で、うだうだ書いても仕方ないのでトラブル原因だけを記しますと…



燃 料 ホ ー ス に 噛 ま せ て い る


フ ィ ル タ ー を 逆 に く っ つ け て い て


ガ ス が ほ と ん ど 落 下 し て き て い な か っ た



というイージーミスどころではない醜態でした、という事で(泣


…今回ですね、一応はAJ香川第3戦までにはS-Nクラスのポイントトップだったので
ある程度はしっかりやろう、と思って事前にFS-JOGの腰上を完全に作り直して
腰下もO/Hし、先週にはじっくりと慣らしに行ってたんですよ。

それをどこで間違えたのか、フィルター一つで訳の分からないトラブルになってしまって
いた、というのはさすがに自分で呆れましたが、まあたまにはそういう事もあります、と
割り切らないと駄目ですしね(笑


慣らしの時にはすでにフィルターが逆だったみたいなのですが、慣らしレベルであれば
ギリギリ一杯でフロート内のガス量が間に合わない事は無かった、という感じでは
あったので、レース本チャンで全力全開で数周走ってみないと分からなかった、と
いう事で。

…もちろん「今の技術」でしっかり作り直した腰上は、当然のごとく以前の劣化しまくりの
物よりはパワーは出てましたし、縦型JOGの特性としてパワーの谷はそれなりに出て
しまいますが、それを鑑みても加速しすぎて自分がおいつかないレベルでは
あったのに、勿体無いといえば勿体無いです_| ̄|○


で、そんな事ばっかり記していても面白くないと思いますので…最近なんか定番に
なってるエンジンチューンのあれこれなんかのご紹介をしてみますね。
今回の題材はヤマハ縦型JOG系、2JAエンジンで行きます(笑

と、私のFS-JOGは仕様としては昔ながらの60cc以内、という仕様なのですが、
今回はキタコの43φピストンをやめ、59ccとなる44φピストンを用いてみました。

これって他の仕様が同じ様な感じでも、この3ccの差って意外とあるものなので
今回は昔のレギュレーションに対しての目一杯の排気量にしてみましたが、
ピストンを探すのに苦労しましたよ。


大昔は、ヤマハのYT60という4輪バギーのピストンとリングを使い、JOG系の
シリンダーをボーリングしてぶちこむのが定番でしたが、これはこれで各部の
整合性が取りやすく、ピストンピンも10φのままでボアアップ出来る上に
純正オーバーサイズで44.25φとかがある素敵な仕様だったんですが。

しかしこのYT60ピストン、通称「36R」と呼ばれる物はブツの強度があまりにも頼りなく、
昔の私のレベルのチューンですら、たまにピストンピン受けの部分にクラックが
入ったりしてしまっており、リングも硬くて太く、しなやかではないので無理が
出来ないという今見ればかなり前時代的な仕様ではあるんですね。

なおこの36Rピストン、リングの合口がボーリングシリンダーの第2掃気ポートに
対してギリギリなので、場合によっては1本リング仕様にしてシリンダーを
ひねってそれを回避するという、冗談の様な運用も必要だったという(笑


で、今回は私自身色々な流用品を探したのですが良い物が見つからず、結果的には
JCC製の「JOG系をボーリングボアアップするのが前提のサイズ」という、44φサイズで
ピン上ピン下等がノーマル準拠というピストンを選んでみましたよ。

…と言いますか楽天で安かったので買ってみたらいけそうだった、というだけで(以下略


そして10ウン年ぶりにヤマハ36Rピストンを取り出し、JCC44φと見比べてみると…
これ、ひょっとしなくてもJCCの方が各部の質は上なのでは?という事実に気付いて
しまったという_| ̄|○

JCCらしいつるぴか表面なのでピストンの熱膨張はでかそうですが、上の方と
下の方の寸法差はそれなりにあったので、ピストンクリアランスはそこそこ取って
いれば間に合うはずですが…残念ながら「ヘッドのみ水冷」で「シリンダー自然空冷」の
仕様では、多少の余裕ではまずぶっ壊れるという(笑


で、私は結果的にピストンクリアランスは8/100取ってますが、縦型JOG系の場合
シリンダーが縦型なので走行風での冷却はそれなりに悪くはありませんが、その反面
フィン形状が小さくてしょぼいので、シリンダー後ろ側なんてかなりヤバい事になる上
44φまでボーリングすると第3掃気の上あたりの肉厚って1o切るので、寿命としては
あまり長く持たない、という点もあったりしますが。

実際、時間の関係で走行距離としては50kmも慣らせませんでしたが、それでも
12300rpm程度のピークで走行して一発でガキン!といった焼き付きは出なかったです。

元々私、シリンダーのみ自然空冷だとピストンクリアランスは8/100〜10/100とか
無いと不安なのですが、そこまでせずともいけた、というのはいささか以外でしたね〜

…ちなみに言うまでもありませんが、ノーマル風味のピストンクリアランスの場合だと
こういう仕様では絶対持たないです、とは断言出来ますよ(汗


でもって、縦型JOG系の場合、ノーマルの50ccでもシリンダーそのものをあれや
これやで修正しようとすると、かなり色々な修正が必要になります。

排気ポートは当然ですが、縦型のJOG系って後年の車両よりもはるかに
排気ポート周りの肉厚が薄く、こういうのを経験した事がない方がおもいっきり
排気ポートを削ると一発であなぼこーん、というデンジャラスな物だったり(汗

なので気遣いが必要な上、排気ポートのタイミングを位置的に「上げる」のにも
それなりに限界があるので、私は今回はスペーサーを噛ませた上でシリンダーの
上面をカットして辻褄を合わせています。

これは横型のJOG系でも同様に有用なのですが、掃気のタイミングが遅すぎるのと
掃気ポート下側がピストンに被っているのを回避するというメリットもある上、
JOG系特有の、「ピストンが上死点でもシリンダーのトップより1o程度下がっている」
のも消す事が出来ますしね。

とはいっても仕様的にはベーススペーサーは1o厚、0.6oの純正ベースガスケットで
サンドイッチなのですが、その位でそこそこ辻褄が合わせやすいので、結果的に
時間の掛かるポート加工も手間が少なくて済みます。


次に、私はリヤタイヤに3.50を履かせた上、CR80のリードブロックを入れているので
当然、シリンダー後面のマニホールドがくっつく部分も薄くカットしています。

これはキタコの3.50用マニでもシリンダーの後面はカットしないとタイヤによっては
ズりまくりになるのである程度は必須なのですが、それをやってもタイヤの「左側」は
攻めるとクランクケースに当たる、というのは回避しようがありません(泣


そして、シリンダーの掃気ポートの立ち上がり通路はこのタイプだとかなり前時代的に
四角になっているので、これもAF18系のDioやNSR50ちっくにクランクケースごと
掃気通路整形を行うのが基本です。
あ、もちろん埋めるのは最低限で、N氏のSSマシン画像で解説した感じです(笑

縦型JOG系の場合、元々のシリンダーを裏から見た掃気立ち上がり通路の断面積が
狭いので、掃気ポートのシリンダー内壁側開口部をちょっとでも拡大するとそっちの
面積の方がでかくなりがちなのでよろしくなく、それを防ぐ為にもケースごとの加工は
やっておいて損にはならないですね。
(掃気ポート開口部面積>立ち上がり断面積というのはあまり良くないです)

もちろんこれはケースを割らないと加工出来ませんが、割る機会があればやって
おく方が良いですし…とはいっても私も2004年時にこしらえた腰下の加工処理を
改めてみるとなんだこりゃ、というレベルだったので今の技術でそれなりの
手直しはしましたけれどね_| ̄|○


そしてシリンダーの最後には、クランクケースリードバルブではなく、ピストンリード
バルブ形式であるが故の、シリンダー後方下側の本当の意味での「吸気ポート」も
かなりの処理をせねばなりません。

もちろんノーマルでは狭いのでがっつり拡大していき、ピストン側に開いている
穴も含め、掃気ポート開口時から下死点時までずっと「ケースリード」になる様に
しますが、シリンダーが44φだと吸気ポートのあるスリーブ部分は結構ペラいので
なかなかこれもデンジャラスです(汗


と、これが縦型JOG系シリンダーのよろしくない所を修正するのに最低限度必要な
メニューでして、これらをやらないとまともなパワーが出ない、と言いますか
私の以前のチューニングレベルでもSS1/32mileで4秒2すら出ない、という事で(泣

…正直、他の車種に比べて加工修正に倍くらいの手間がかかる上にデンジャラスな
部分が多いので自分でもあんましやりたくないのですが、根本的な部分をちゃんと
してないといくら良いチャンバーやキャブをくっつけても生かしづらいですしね。
(それでも経験上、ライブDio系エンジンよりはパワー出しやすいですが)

私が言うのも何ですが、とりあえず「吸わせて」おけばそれなりにパワーの出る
ケースリードエンジンとは訳が違う、という事で(泣
後、シリンダー上面カットや後方カット等の外注コストも嵩むので余計にお奨めは
出来なかったりしますよ…


で、腰下はさして特別な事は行っておらず、ノーマルでも良い設計である2JAの
純正クランクシャフトを用い、中古しかないので程度の良い物に交換している
だけですが、もうクランクケース側のベアリング穴の状態がかなり酷いので
さすがにロックタイトでベアリングを接着しています。

これはノーマルクラスとかでやるとインチキなのですが、改造スクーターとしての
耐久性を鑑みるとやっておくしかないですし…換えのケースもあるにはありますが
それも結構キているので、どなたか縦型JOG系エンジンの要らないのがあれば
是非ご一報下さい(泣


なお、純正パーツに関しても欠品が多数出ており、一番致命的なのは左側の
クランクオイルシールがもう出ない為、同一サイズの規格品でまかなってます。

材質はNBRのニトリルゴム、外径38φ内径20φで厚みが7oという物が
存在していますから、厚みは仕方ありませんが直径から算出した外周速度も
12000rpmが許容範囲なので、なんとかなるレベルですね。

あ、私の使ったものは武蔵オイルシール工業ってところの「UE20387」という
品番の物なので、縦型JOG系でお困りの方はどーぞ。



とまあ、レースの話よりも縦型JOGエンジンの話になってしまいましたが。
実に久々にコレいじくるとこれはこれで面白いな、と思ったのは秘密です(笑

…私、過去にJOG80もやったことありますけどこれはやっぱり50の方が
面白い気がするのは何故なのかと思う今日この頃ですよ。

あ、後でまた画像板に適当に画像上げておきますのでご興味ある方は是非
ご覧下さいませ。
とはいっても当サイト訪れる方で縦型JOG系好きの方ってどれだけおられるのかなと(汗

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