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記事No 1402
タイトル Re^2: Re2: 57φ流用ピストンについてあれこれ
投稿日 : 2019/11/06(Wed) 07:09:07
投稿者 ねぎのリーダー@管理人   <neginoleader@yahoo.co.jp>
参照先 http://www.neginoleader.com
Leadio126さんもっぺん毎度でっす(笑
メカニカルはお話はコチラでまとめますね。


> 開けてみたら、ピストンの頭頂部に1〜2mmの穴が開いてました。
> シリンダーをホーニングツールで軽く研磨して、ピストンを綺麗にしてから
> J-Bウエルドで内側と外側から盛って研磨して、本日走行テストしましたが
> 5000回転まで問題なかったのですが、8500まで回すと一瞬でストールしました笑)

ピストントップに穴が開いてしまったのですね…
うーん、燃料カット状態でそうなるとなれば、元の状態でもかなりギリギリの
セットであった、という事にならざるを得ないんですよね(泣

が、なってしまったモノは仕方ないのですが…さすがに金属パテ系の物では
ピストントップの穴を塞ぐというのは無理でしょうね。
負荷と温度がかなり高いですし、耐熱温度300℃では排気ポートの「内側」でも
肉盛りが長持ちしないレベルなので。


> 結局、アルミのロウ付けや溶接も検討しましたが、ダメっぽいですね!

そうなんですよ。肉厚はある程度あるとはいえ、何故鋳物なのか、という点が
ポイントでして、それなりの強度を持たせる様に整形されている物を後から
補修したのでは絶対に元の強度は得られない、という事で。

実際、アルミ溶接で埋めればしばらくはいけそうな気もするのですが、実際に
やるとピストン寸法が歪みまくってどうにもならないでしょう。
シリンダーですら、フィンを溶接修理しただけでも内壁は駄目になるレベルで
歪む、というのが基本ですしね。


> シリンダーも0.09/100で仕上げているので、それにホーニングツールで
> 何度か研磨しているので、コンプレッションがセルで7.5kキックで8.5kまで
> 落ちてました。

うーん、これはまたツッコミで申し訳ありませんが。
圧力が低下した要因としては、クリアランスそのものの過大ではなく、
実質的なシリンダー内壁における一部、もしくは数箇所の局所的な凹み、と
言いますかトラブルの可能性が高いですよ。

傷が入ったり、軽く抱きついた所なんかはいくら修正しても元のRには
絶対に戻りませんから、何度も焼き付かせてしまったとか熱トラブルが
出ているシリンダーだと、リング側面とシリンダー側Rとの辻褄がおかしく
なっている所が多数出てきてしまい、いくらリングが新しくとももはや元の
圧縮圧力効率は得られなくなる、という事で。

これ、以前にも記したかもしれませんがリングのみをシリンダーに入れてみて
光にかざしてみると、リングとシリンダーの間から目立って光が漏れて来る様な
ポイントが多数ある場合だと、シリンダー内壁はだいぶヤられていますね。

…なお補足ですが、ピストンクリアランスが過大で圧力が抜けやすい、というのは
リング合口隙間が大きくなりすぎているから、といった理由の方が大きかったり
するのは秘密です(笑


> リードの126 57mmでピストン頭頂部に1〜2mmの穴が
> 開いた措置として、4VP(グランドアクシス)の57.5mmをホーニング
> して流用したいと思ってます。
>
> ★リードピストンが(57mm)
> ピン径 13mm ピン上23.5mm ピン下スカート部
> 迄 26.0mm  ピストン頭頂部の全長 63.0mm
>
> ●グランドアクシス(57.5mm)
> https://www.kn926.net/shop/products/detail.php?product_id=47645
>
> ピン径 14mm(内燃機屋でのブッシュ作成) ピン上 26.0mm ピン下スカート部
> 迄 33.5mm です。


次に補修用の流用品ですが、各部数字をそのまま信用した前提としてお話を
進めてみますと…リード100はピストンピン径が13φとちょっと特殊ですよね。
まずこれに合うピストンピン径の物、となればかなり難しいかと。

NSR&CRM80の後期型なら13φピストンピンですが、純正は49.5φで社外品も
今はほぼ無いと思われますしね。
この手のボアアップ用ピストンとなれば余計に入手が難しいですし、57φとも
なれば元々存在しないでしょう…

で、おっしゃる通りでグランドアクシス14φピンのピストン、というのはそれなりに
実現可能なレベルかな、と推測しますよ。
ただし、これまたピストンピン径の差をカバーする様なスペーサーの様なモノが
必須となりますが、これは1φの差を埋めるとなれば肉厚は0.5oとなります。

私、以前に12→14φ変換の物であれば経験があるのですが、それでも
内燃機屋さんでの作成だったと記憶していますが材質、形状共にそれなりの
考察が必要だったはずです。
(下に当時の写真を貼っておきます)


そして次に、2stピストン流用でピン径よりも大切なのは、「リング合口の
ストッパーの位置」になります。
これがクリア出来ていないと他がいくらバッチリでも使えません。

ピストンリングミゾにはリングの回り留めのピンが打ち込まれていますが、
この位置は基本的に各シリンダーに合わせて、第2掃気と第3掃気の間の
ポート穴の無い所を通る様に位置決めがされており、流用ピストンの場合、
この位置の辻褄が上手い事合っていなければ駄目なんですよ。

仮に、リング合口の位置がギリギリで第2掃気ポートの後方に引っかかる、と
なれば、排気ポートの様に開口部は大きくないので掃気ポートの穴に
リング末端が引っかかって折れるという事は無いですが、第2掃気ポートの
穴がどんどん変形してきたりしますので(汗

こちら、リード100ベースシリンダーだと掃気ポートはサイドには1セットしか
無いですし、その第1掃気の後方はそれなりに第3掃気まで距離があるので、
グランドアクシスピストンのリング合口が掃気ポートを回避出来る可能性は
あるかな、とも…


で、ここでちょっと手持ちのリード100&グランドアクシスの純正ピストンの
合口位置を測ってみました。
これ、トップリングとセカンドリングの双方の合口ピンの位置の角度の開きを
比較するのですが、角度比較だとボア径が広がってもピン位置は基本的に
変わらない為、真っ当な社外品専用ボアアップピストンであれば合口位置は
大幅な変更を行っていない、というのが基本になっていますね。

で、そのピン位置角度ですが、ピンとピンの間の角度としては

・リード100=65°位
・グランドアクシス=80°位

となっています。
ざっとした計測ですが、グランドアクシスの合口の方がかなり開いている、と
言いますか円周上で排気ポート側に寄っている、という事です。

…これ、リード100系シリンダーが手元に無いのでなんとも言えませんが、
おおむね80°程度の開き、すなわち正中線から40°程度の位置に
掃気ポートがあるのかどうか、という点がポイントになります。

仮にギリギリでもこれはリング合口そのものがポート穴に飛び込まなければ
良いので、回避さえしていればリングの合口問題はクリア出来ますが…
これは実際にピストンの頭にピン位置をマーキングし、シリンダーに
入れた方が分かりやすいんですよね。


> これって、2.5mmのベースパッキンとピストンのスカート部の加工で
> 何とか付くものでしょうか?

次にコチラですが、これはそんな簡単な問題では無いですね。
トップ部分はまず置いておいても、双方のピン上寸法で2.5oの差があると
なれば、おっしゃる通りグランドアクシス57φの方が高くなる為、辻褄を
合わせるにはシリンダーをかさ上げするのがベターでしょう。

この場合だと、ポートタイミングはシリンダーを上げた分だけきちんと
移行される為、正確に2.5oかさ上げすれば「クランク角度としての」
ポートタイミングの変異は出てきませんね。

ただし、実際のピン上寸法というモノはきちんと実測で出すべきです。
社外品の公称値ってのは参考までに、という事で。


で、ピン下ですがこれは計算で簡単に出ると思いますが、現状のピストンで
BDC時にクランクウェブに接触していないのであれば、それと同等寸法まで
カットして詰めれば良いだけですね。

しかしピン下7.5oはかなり厳しいですね…
ヤマハ系ピストンは豚鼻的な穴が2個開いている為、その下側まで貫通して
しまうカット寸法の場合はもっとギリギリの寸法が必要です。

3WFとかの場合だと6mとかカットしても実用には耐えうる寸法なのですが、
社外品だとアルミが脆い場合もあるのであまり詰めるのはお奨め出来ません。
少なくとも、グランドアクシスの純正ピストンだとピストン下から豚鼻下端部分まで
6o強しかありませんのでね…


で、ここまで書いて気付いたのですがグランドアクシスのピストンって、
私の実測データでは純正だとピン上33oピン下27oとなってますが(汗
社外品57φだとそんなに寸法異なるのでしょうかね?

リード100でも、ノーマル51φでピン上30oピン下32.2o、社外57φであれば
ピン上29.3oピン下31.9oと、ピン上29.5oピン下31.5oと二種類の実測の
データがあるのですが…(57φの片方は今お使いのブツのデータです)

これ、Leadio126さんがどういった寸法を拾われたのかは存じませんが、私は
「ピストンピン中央」から上下側の寸法として表記しています。
ピン上はピストンの「肩」まで、下は一番下までですがどこか勘違いがある
気がしてならないので数値の再確認をお奨めしたいですよ(汗

なおグランドアクシス57φというのは私は実測データが無いので不明瞭ですが
ボアアップ用ピストンでも、そんなにピン下が長くなるはずは無いかなと。


ってココまで書いてグランドアクシスのピストンのURL拝見しましたが。
これ、ピン上ってピストンピン上側からの寸法ってなってませんかね(笑
…対してピン下はピン含む長さ、という風に読み取れますが意味分かりません(爆

えーと、それを加味すればその57φのピン上は33o、ピン下は26.5oの勘定に
なりますが、これが正式な表記ですよ、っと言いつつせっかく上の文章書いたので
もうそのまま書き殴って行きます(泣


で、そのグランドアクシス57φピストンがこれならばピン径をなんとかして、かつ
合口位置をクリアすれば寸法だけを見るとまあまあいけそうではあります。
ピン上の違いはおおよそですが+3.5oあるので、これは結構難題ですが。

現状、ベースガスケット0.8oのはずですからそれを上下2枚でサンドイッチすると
しても、スペーサー的には2.7o必要といった感じですね。
(ピストンTDC時の肩落ち値0.7o維持の場合)
ただし、3.5oもシリンダーを「移動」させると対策しないとチャンバーが
付かないでしょう。

しかし、その上でピストン形状の分析を行い、それに見合ったクリアランス調整と
当然ですがピストントップ部の容積、高さ、肩角度を計測した上でのシリンダー
ヘッド側での再修正も要りますね。

特にピストントップの相違による圧縮比等の齟齬、私はこれを無視する事が
出来ない人間なのでそこは一応注釈とさせて頂きたく。


> 一番、ベターなのはKNにまだ残ってる123ccの56mmキットかも知れませんね。
> 取り合えず今は、101ccの排気ポート拡大仕様で我慢してます。
> これも、良く走るけど あの爆発的なトルクが欲しいですね。

で、最後になりますがまだ市販キットが手に入るのならばそれを購入してまた
1からにはなりますが、同じ様な特性を付与するのも手だと思いますよ。
もしもグランドアクシス57φが使えて、かつ0.5オーバーサイズもあるのであれば
将来的には良いと思うのですが、それを実現する手間と新造コストのどちらを
取っていくか、でしょうね。

…私もお手伝いさせて頂いた身としては新造するのもお奨めしたい所では
ありますが、ピンスペーサー作成はかなり無理矢理な方向性ともなる為、
個人的にはあまり推奨出来ないかな、と思いますよ。

もちろん流用でなんとかしよう、といった方向性は大賛成ですし私も大好きでは
あるのですが、現状の情報のみで分析しただけでも他にも色々制約がある為、
それなりの気合とお金が無いと難しいのでは、という事でよろしくです。


ではでは、長くなりましたが不明瞭な点があればご指摘下さいませ。
管理人でした〜


P・S
↓の画像が2φ差を埋める為のピンスペーサーですが、さすがに1φ差だと
お奨めはしかねるかなと(泣


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