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記事No 1419
タイトル AF18エンジンネタ その1
投稿日 : 2019/12/01(Sun) 20:09:34
投稿者 ねぎのリーダー@管理人   <neginoleader@yahoo.co.jp>
参照先 http://www.neginoleader.com
皆様毎度でございまっす。
えーっと今回はネタを少々。

とはいっても私の大好物のAF18系エンジンなんですが(笑
今回、地元草レースにおいて使う車両のエンジンのあれこれの依頼を
受けましたんで、久々にAF18系エンジンという事で頑張ってみましたよ。

なおベースはAF28Dio-ZX、ノーマル腰下をKNクランクシャフトでOHしている
物をベースとし、中古パーツで手に入れた50φ腰上キット&18φキャブにて
組まれていた物だったのですが…

前回のレースに出走していたものの、まともにパワーが出る状態ではない上に
劣化も酷く、どうにかしたいという事なのでエンジンを検分した訳なんですが。
これがなんともはや、近年流行りの1万円しない安価ボアアップキットの中古品が
はまっている上に、前々オーナーが何度も抱きつかせた形跡がそこかしこに
ありまして(汗

正直、一から他のパーツをベースとして作り直した方が手間もコストもまだ
マシになるのでは、と私は思ったのですが…せっかく現状のパーツがあるので
これをなんとかしたい、との方向性だったのでなんとかする事に(笑


で、オーナーは排気量60ccだと言ってたんですが、ガワを見るとどう見ても
以前よくあったリード90シリンダーのコピーベース品であり、絶対43φ(60cc)じゃ
ないわコレ、と思いつつヘッドをはぐると案の定50φだった罠_| ̄|○

…が、50φノーマルストロークの81ccだと、あまりにも熱量がでかすぎてパワーを
出すと焼き付きの不安が増大する為に、いくらレーシングユースと言えども
それなりに「運用」が可能な手加減が必要、という方向性にせざるを得なかった上、
シリンダーはかなりべっこべこだったのでそれもまた無理難題に拍車を掛けて
しまっているという難易度が高めの作業になったのは秘密で(略


で、下の写真ですがまず左上、元々付いていたピストンはクリップ装着用の
切り欠きの部分からピン穴部分に向かってクラックが入っており、材質や
耐久性に大きな不安のある安価品ではたまーにある事をモロに体現して
くれてやがりました(泣

とはいっても、その手のピストンの単体売りなんてあるはずもなく…ここは私の
ノウハウを生かし、某ヤマハ原付二種3WFのピストンを流用して使用する事に。
んが、作成コストの関係もあり純正品ではなく社外コピーピストンになったのが
現実だったり…(笑

とはいっても色々とボルトオン寸法では使えませんし、ギタギタのシリンダーに
対してピストン側をマイクロメーターで測りつつ手作業で修正しています。

しかしこの写真、AF18系エンジンだとリード90系コピーシリンダーを用いても
50φまで掘っているとスリーブってぺらっぺらになるのですが、その上でも
この50φピストンとクランクケース周りのクリアランスって素敵ですよ(爆
当然ですが下死点においても、ピストンスカート下端とクランクウェブには
2o位のクリアランスしか無いです。
そのギリギリ具合が私にはたまらなく見えますが…あ、もちろん異論は認めな(略


写真右上、これはリード90系コピーシリンダーの裏側ですね。
10年くらい前はこの手の、AF18Dio系とヘッドボルトPCDやマフラー装着部位が
同等な事を上手い事利用した、「リード90シリンダーベースのコピー品」的な50φの
ボアアップキットがたくさん流通していましたよね。

が、今回の品はさらにそれをコピーしたと思われる「雑」な品でして…(汗
正直、何を考えてこんなもん作ってるんだと思ったのは秘密ですが、各部寸法的に
ギリギリ何とかなりそうだったのでまだ助かりましたよ。
当然、元々の状態とおまけヘッドの組み合わせでは「エンジンとして破綻している」と
断言してやっても良いですからねえ。
それが「お値段なり」って事ですし、おまけヘッドなんぞまず最初に捨てました(爆

で、光明丹が塗られてるのが分かると思うんですが、リード90コピーシリンダーの
場合、クランクケース側が無加工だと当然ですが掃気通路等が一切合致して
いかなくなってしまいます。

本来ならばケース側を埋めた上で、掃気通路の辻褄を合わせ、第3掃気は逆に
クランクケース側を拡大してやらないと駄目なのですが、今回は腰下はそのまま
行く、という事だったのでそのあたりは最低限度の整合性のみを確認しつつ
スルーして行きました。

光明丹で分かると思いますが、第1第2掃気の外側部位のガスケット面、ここは
実質2〜3o程度しかクランクケース側に接触しない為、かなりシビアです。
なのでベースガスケットの肉厚をそこそこ取った上で、その2〜3oの接触部を
がっちりと保持出来る仕様としています。
(なので仕様通りの100%のパワーには程遠いですがやむを得ないです)


んで写真左下、これはすでに各部修正を終えていますが「いつも通り」です。
排気タイミングはどうにでもなるのですが、掃気タイミングだけは元々の「穴」が
空いている位置が極端に悪いとシリンダーをかさ上げしても下面切削しても
辻褄が合わない事が多々ある為、流用や調整の場合は何よりも先にその点を
吟味しないといけなかったりします。

とはいえ、それがなんとかなりそうだったからこそGOサインを出した訳でして…
実際には、シリンダー本体の全長調整を行わず、ベースガスケットの調整と
掃気タイミングの加工のみで全ての辻褄を合わせる事が出来、意外と安価な
チューニングが出来たのは僥倖でしたね〜
(私自身、「受ける側」でも安く上がるならそれに越した事は無いと考えてます)


そして写真右下、これは例のヤマハコピーピストンの裏面ですが。
これ、小端ベアリングの左右にシム的なモノがハマっているのが見えると思います。
これは、小端ベアリング&コンロッド幅に対して「ピストン側の内幅」があまりにも
広すぎ、小端ベアリングのズレがかなり大きかった為の対策になります。

他のエンジン、と言いますか社外品だとよくあるのですが、ここってギチギチでも
いけませんし、かといって5oとか小端ベアリングが横にズレるクリアランスが
あるのでも駄目でして…
小端部の潤滑も加味した上でのシムスペーサーの作成がエンジン作りとしては
必須になりますしね。

こういうのは地味な部位ですが、モノの構造を見て改善すべき点を改善して
いく、というのは何よりも大切な点なので、派手な加工や突飛な仕様よりは
はるかに注視すべき点ですんで…


あ、写真まだあるので続いて別ツリーでどーぞ(笑


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