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記事No 192
タイトル Re^4: エアクリ穴についての私見
投稿日 : 2011/09/03(Sat) 12:38:21
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
イ〜キさん毎度でございます〜

さてさて今回も少々補足なんかをば。


> 今現在はMJ110・SJ40で全開にぶん回しても大丈夫です♪
> ただこのときシリンダーに穴を開けた時は特に暑い日の日中だったんですがSJが薄かったのも理由として外気温も原因の一つに成るんでしょうかね??

トラブった時は外気温が高かった、という事ですが…SJはともかく気温は
要因としては0では無いでしょうね。

が、外気温とはいえ数日のスパンでは20℃も30℃も違う物ではありませんし、
実際の運用において、「それだけの温度差」が「エンジン内部の温度」に
どれだけ影響があるのか、を考えてみると面白いです。

…正直、多少外気温が高い位でエンジンが破損する程のトラブルが出てしまう、
となれば、元々かなりギリギリの所のセッティングであった、という証明にしか
ならないと私は考えていますよ。


確かに、可能であれば季節に合わせてジェッティングを微妙に変更するとかの
セットを施しても悪くはありませんが、そこまでする必要性に迫られると
いう時点で、元がギリギリのセットに近いという事と同義なので、極端に
使用環境が変わらない限りはそうなる時点で「元々」が不味いんですね。

いつもの口ですが、別にレースやってるのでも無いのであればストリートの
常用にてそこまでシビアになる「状態」で常用する事自体がすでにセットが
安定しているとは言えませんし。

サーキット等だと、キャブセットを詰めるのは「他に触る所も無く、キャブセット
自体でも性能的にギリギリまで詰める必然性がある」からこそ限界のギリギリの
ベストセット」を求めるのであり、ストリート運用でそれをやるのは私は正直
好きでは無いのですよね…

そこまでしないと真っ当に走らないのか?といった疑問が出ますし、仮にそうだと
するのであればそれはそこまでキャブセットをシビアにさせてしまう「メカニカル」な
要因があるはずなので、そっちを解決する方が手順として先です。
もっとぶっちゃけると、レーサーでもあまりに安定感が無いのは問題ありかとも。
私もあまり人の事は言えませんが、スタンスとしてはそう考えていますよ。


> 穴を増やせば吸入負荷が軽減されると思い込んでいました
> それにエアーの吸入音も気に成っていたんで軽減されるかと
> 思っていたんですが・・・結果は、何も変りませんでしたね(苦笑

エアクリですが、これは自身のエンジンとキャブに対して一番はっきりと
限界性能といった物が分かるのは、直キャブ仕様でセットしてみる事です。

実際、ノーマルキャブ位のモノだと直キャブにした所で…MJはそれなりに
上がりますが、上がっただけのエンジンパワーって出せていない事が
ほとんですし。

いくら吸入抵抗とやらが減っても、エンジン側がそれに見合った吸入負圧を
生み出せていないのであれば、多量の混合気がエンジンに引き込める訳が
ありませんからね(笑


これ、よくエンジンの吸入負圧ってストローの例で例えられていますが…

私はこれを表現する時には、


・内径10oのストローで「普通」に吸う→10の量が吸える

・内径10oのストローで「強く」吸う→15の量が吸える


と、こういった「ストローが同じ太さで、吸う力を変える」といった表現をします。

分かりやすく言いますと、キャブ口径が同じで排気量だけ異なるエンジンだ、とも
言えますね。
(排気量が大きい≒吸入負圧が大きい、というのが基本です)

これが成り立たないと、50ccと100ccのエンジンで双方共に同一口径の
キャブが装着されている場合、100ccの方が明らかにパワーが出ている事の
証明が出来ませんので。

キャブ口径がそこまで絶対的なパワー基準だとすれば、上記の例だと50ccでも
100ccでもパワーの出方はほぼ同じにならないと矛盾が生じます。
…なら排気量の大小って性能的に意味無いの?ってなりますしね(笑

だからこそ、小排気量で多量の混合気をエンジン内に引き込む、という
吸入負圧の増大化というチューニングが一番難しいんですよね。


で、ストローの太い細いの違いでも当然変化は起きますが、上記の例えでも
ストローが内径1oである、とかといった極端に細い物でも無い限りは
そこまで「普通に吸う」のと「強く吸う」場合での吸える量というのははっきり
違いが出るものですからね。

これがエアクリ加工だと、吸う力は「普通」のままなのにストローだけ内径を
20oの物に交換したり、10oの物を2本にしたとしても「一回の吸い込み動作」
にてそこまで極端に「吸える量」って増大しますか?という事です。


が、仮にこれがエンジンが100ccとかあり、なおかつ50ccと同口径の16φの
キャブで、エアクリ構成も50ccと同じである、といった状況であれば、さすがに
「エンジンが吸う力」に対してはあまりに制限が大きい、といった事にもなりますが。

単純比較しやすいJOGの50(3YK)とJOG90(3WF)でも、双方共に18φ位の
キャブを入れて直キャブセットを行った場合、大きな効果が見られるのは
当然JOG90の方ですしね。
50だとそこまでパワーUPしなかったりしますが、90だと「ワリ」にはかなりの
パワーUPが起こったりします。

なので前述の通り、50ccエンジンのライトチューン程度ではそこまでノーマルの
エアクリ容積や吸入口の口径が絶対的に足らないという事はなかなか無い、と
言い切っても良いでしょう。


それと勘違いしてはいけない点として、キャブレターという物は「負圧」の
強弱にてエンジン内に引き込める混合気量を決定しているのであり、
その「吸入負圧」を生み出しているのはクランクケースやらシリンダーやら
ピストンであり、エンジン構成そのものなんです。
キャブレターは車のターボみたいな「押し込み」の吸気ではありません。

仮にノーマルエンジンに過剰なビッグキャブをくっつけても、アクセル開度にて
1/2程度の開度にてすでにノーマルエンジンで発生する吸入負圧に
見合ったエアとガスが吸われている場合も多く、アクセルを全開にした方が
パワーが出づらい上、全開固定より3/4固定の方が加速が良いとかと
いった事ってザラにあります。


ベンチュリ部分の開口断面積は、エンジンの吸入負圧に対して意味が無い所まで
広くなってしまうともはや効果が無く、それ以上の量は吸えない、という事とも
エアクリ穴追加とほぼ同じ理屈になります。

スクーターだと駆動系の動作が絡む為、アクセル開度が小さいと変速回転数が
変化してしまうので、そこはWR調整で「同一の回転域」を使う様にセットしつつ
確かめなければいけませんが…通常はここまで考えなくても良いですね(笑


あ、余談ですがPWKとかだとベンチュリボア形状が崩れる為にTHVを一杯まで
引き切る「全開」より、ベンチュリボア形状が真円に近くなるわずかに戻した
アクセル開度の方がパワーが出るなんてのも有名な話だったり。
ちなみに私、PWK装着車だと常にそうやってアクセルワークしてたりしますよ。
「最高効率の全開」は「ワイヤーの引きしろ一杯の全開」ではありません。


後、一例としてミニバイクレースにおけるクラスで「FPクラス」というものがあり、
これはJOGやらDioやらをベースのノーマルエンジンで、変更してOKなのは
大雑把にはチャンバーとエアクリ、キャブセットのみです。

これも、ノーマルエンジン&キャブが前提なので少しでもパワーを稼ぐ為に
通常は直キャブ仕様にしますが、これだと個体差はありますがMJはノーマルの
80番辺りから120番とかまで上げないと真っ当に走りません。

が、これが1.5倍のジェット番手だからといってエンジンパワーが1.5倍に
なるかといえばそんなハズはありませんし、1.5倍の量の混合気が引き込める
訳では無いので、そこまで絶大な性能向上が感じられる物でも無いんですよね。

むしろチャンバー構成等によっては、エアクリ付きと直キャブ仕様で双方の
セットを取っても、パワー感にほとんど大差が無いといった事もあります。
(吸気音はうるさいので走ってる「気」にはなりますが)

だからこそ、エンジンそのものの吸入負圧が変更出来ない、もしくは
していない場合だと、いくら「吸入抵抗」だと「思われる」物を低くしても
小排気量と小径キャブだと悲しい程に効果は小さく、うるさいだけという
オチになりがちなんですよね…

これもどこかで書いてますが、ノーマルキャブに対しパワーフィルター的な
物を取り付けてもうるさいだけでほぼ無意味だ、というのもこれと同義です。


これが逆に、エンジン仕様を一切変更せずに直キャブセットを取ってみて、
明らかにパワー感が増大する様な「状況」になった場合はエアクリ加工も
効果的な方向に向く事が多いですが、それが体感出来ないのであれば
ノーマルエアクリでそれなりに間に合っている、という事と同義なんですよ。

ジェット番手にしても、ジェット穴の限界を越えない限りは同一ジェットでも
吸入負圧が増大すれば「同じ穴から多量に吸う」のはコンテンツでも
記している通りですね。
(もちろん限界というものはありますが…)


最後に私の個人的事例として、なんか近年はチューニングの段階的コンテンツを
書く為の教材と成り果てている気もする街乗りGダッシュですが(笑

これなんか、60ccにボアアップしてPWK28をくっつけてもエアクリは一切無加工で
走らせていましたし、さすがにPWK28まで来ると直キャブセットと比較すれば
それなりの差は出ましたが、街乗りという事を考えると直キャブのリスクを負ってまで
容認出来る様な「性能向上」にはなりませんでしたから。

なので妥協してパイプ一本追加だけ、としていますが、これでもあってもなくても
おそらくオーナーの私本人で無ければ体感は難しいのでは、といったLVの差にしか
なっていませんしね(笑

もっと排気量があれば更なる差が出るのは当然のごとく経験済みですが、現状に
対して「間に合っている」物を無理矢理辻褄合わせを行おうとした所で、思った程
性能向上に繋がる訳でも無い事は多いんですよ。


と、エアクリ話が長くなりましたが…
これってコンテンツのネタに使えるな、と思ってしまいましたね(笑
またいずれまとめてみる事にしますよ。

いつもの通り歯に衣を着せずに物を言えば、50cc等の小排気量エンジンにて
エアクリーナーに+αの改造を施しても、期待する程の効果はまず得られない、
という事で。
少なくとも私はバランスの良い好結果に繋がった事はあんまし無いですね。



> リーダーさんにご指摘いただいて改めて考えてみますと
> 私の通勤走行は、信号が無い田舎道での運用ですし
> 高速回転での走行と0発進の繰り返しですね・・・
> たかが10分ほどの走行時間とはいえエンジンは限界なのかも?!
> もう少しエンジンの負荷を軽減できる運用・対策を考えないと・・・

次に運用についてですが、10分間の走行とはいえ、これは運用状態において
エンジンが安定していれば、別に10分だろうが1時間だろうが、リスクに対し
そこまで大きな差と言う物は出てはいけないんですよね。
理想は全開巡航でも走り続けられる事ですが、それはかなり難しいですし(汗

これが水冷エンジンだと冷却水のおかげで冷却はしやすいですが、ある程度まで
水温が上がってもそこで「安定」するセットを取らねば意味がありませんし、
常にファンが回っている「強制空冷」でも理屈は同じで、走行せずに止まったら
一切冷却されず、エンジンが熱くなってしまう「自然空冷」とは全く訳が違います。


単純な話で、強制空冷ファンというのはエンジン回転数に応じて風量も多く
なって行きますが、「常用エンジン回転数が低く、発熱の大きい」原付ニ種で
あれば、間違い無く一種よりも大きなファンがくっついていますよね。

なので一種ベースのボアアップでファンの変更なし、というのはかなり不味いと
言う事はお分かりかと思いますし、排気量はノーマルのままでも高回転型に
なったエンジンだとそれなりの回転数により風量は稼げますがそれでも限度は
あるという事なんですよね。

これ、昔は社外ファンなど無かったので混合給油の潤滑+冷却にて誤魔化すとかは
当然のLVでしたし、ノーマルにチャンバーくっつけただけとかであればともかく、
それなりにチューンを施すとそこまで余裕のある物でも無いんですよ…


で、多少走行時間が長くなったり、停車時間が長くなったりする程度で明らかに
エンジンが熱くなりすぎるのであればそれは元々冷却不足である、といった
証明にしかなりません。
上記の季節によるキャブセットやら冷却具合と同じです。

ただし、チューニングエンジンでの「限界性能もしくはそれに近い状態」での
「連続走行時間」は上記の通り少ない方が安定しますし、それが出来ないので
あれば、冷却性能を上げるか人間が我慢するしかない、といった二択にしか
なりませんね。

いくらなんでも10分間ずっと全開の限界のMAXパワー状態維持では無いとは
思いますが、通常は競技やサーキットでも10分間ずっと全開という事はまず無く、
それをやろうとすれば場合によっては可能なストリート走行が一番怖いと
いうのもどこかに書いた通りです(汗


それを「持たせよう」とすれば、ちょっとやそっとでは安定が崩れない冷却
システムを構築するしかありません。
余裕があるに越した事は無いので、ライトチューンだからといってオイルを
ケチったり、ファンやエアシュラウド構成を適当にするのはどう考えても
百害あって一利無しです。

仮に全水冷エンジンだとしても、あれは性能を向上させるのが目的ではなく、
あくまでエンジン温度を長期に渡って「安定させる」のが主目的なので、それも
勘違いしてはいけない部分ですね。


> SJの重要性を認識していませんでしたね
> MJさえ大きければ薄くならないと勘違いしておりました

SJもジェットの一部なので、全開域で効果が0という訳ではありませんからね。
キャブにもよりけりですが、なかなか難しいモノですよ。


> 壊してからじゃないと気が付かない私ですが(アセアセ)
> ただ安定して安全に運用できるのも希望ですが
> 逆にそうなってしまうと詰まらないなと考えている
> 自分も居るんですよね(笑)

いえいえ、キャブセットだとそういった体感力という物がとっても大切なので、
薄かろうが濃かろうがMJがでかかろうがSJが小さかろうが、色々やってみて
それを体感と理論で性格に把握して経験値を積む事が一番です。
むしろ、ここだけは経験が物を言う部分かな、と私は考えていますよ。


> これは、本当に気を付けないといけませんね
> 言い訳ですが(笑)最近は時間に追われるバイク弄りが続いておりまして
> 今一度気を引き締めての作業を心掛けないと取り返しのつかないことに成りますね
> 気持ちばかりがはやり、時間も無いのにバラシテしまう・・・
> これじゃ〜安全な作業は出来ませんよね!!
> これからは余裕を持った作業を心掛けます!!気を付けますね!!

そうですね、ホンダ細軸車のスプラインというものは他車に比べてもかなりの
気を遣わなければならないポイントなので、いくら急いでいてもそこだけは
きっちりと確認しながら作業すべきです。

私自身は細軸スプラインをトラブらせた事は無いのですが、昔はその辺をざっと
作業してスプラインナメてがっくし…といった人も見てきましたので。
ホントここだけはご留意下さいな。


と、アホみたいに長くなりましたが参考にして頂けると幸いです(笑
管理人でした〜

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