つーさん毎度でございます〜
さてさて、今回は駆動系の変速比を求める事にチャレンジされているのですね〜 これ、掲示板等ではちょこちょことご紹介してきましたが、そろそろコンテンツに まとめても良いかなと思ってる今日この頃です。
> オイルポンプ等はまだ確認できていないのですが(アセアセ)、とりあえず練習と言うことで、変速比を測ってみました。
オイルポンプやら腰上やらは準備も色々と必要かと思いますし、じっくりと取り組んで 行かれると宜しいかと思いますよ。 あせって手だけ動かしてもなかなか良い結果になる事って少ないですから(汗
> エンジンAF27細軸 > ・プーリーKN企画ハイスピードプーリー > ・ベルトKN企画製強化品(長さ659.5mm、幅15.25mm厚さ6mm) > ・ボス( 長さ33.25mm、幅18mm) > ・ドリブン側ノーマル
では早速計測数値を拝見しての感想とかを少々…ってこれは数値がちと気になりまして、 ボスの外径ですが、私はKN企画のそのプーリーの現物データは無いのでなんとも 言えませんが、20φではなく18φなのでしょうか?
それであればボスにベルト裏が当たるまでの余裕は稼げるのでメリットもあるかと 思いますし、KNのベルトの厚みも薄めなのであれば相乗効果で減っても安心、と いった感じになるかとも。
ベルトは…純正の統合品番GG2であれば15x650mmといった感じなんですが、 これも社外品という事でかなり長い方向性になっているみたいですね。 と、こういった純正数値からかけはなれている構成の場合だと、実際の寸法計測と 変速比計算がすごく有用になる、というのは今更言うまでもありません(笑
> とりあえず、まずはプーリーの最小変速比を測るため、細いマジックを使用しましたが、初めての為、うまく引けなかったりしたりと試行錯誤し、ドリブン側は測るために使用していたノギスが短く、妥協した数値になってしまいました。
えと、これまた揚げ足取りで申し訳ありませんが、駆動系が変速していない状態では 変速(減速)比は「最大」になっているので、最もローギヤな状態を表すのは「最大」 変速比と表現するのでお間違え無き様に。
細かいかもしれませんが、これって言葉を間違えると意味合いが正反対になって しまうので覚えておかれると宜しいかと思います。
> ドリブン側は測るために使用していたノギスが短く
そうですね、ドリブン側だと150oのノギスではちょっと測りづらい面もありますが、これは 駆動系のパーツ構成を大きく変えないのであれば、現状では一応の基準となるものなので ドリブンユニットをばらしてトルクカム皿を抜いてしっかり計測しておく事をお奨めします。
別に、ばらしてしまえばノギスでなくとも厚紙でもダンボールでも良いので100oとか 110oとかのコの字型の定規もどきみたいな物をこしらえてあてがっても良いですし、 この辺りは柔軟な思考で色々やってみると面白いですね。
> 結果、 > プーリー側32.85φ > ドリブン側98.6φ > (マジックで測った数値からベルトのグリッピングポイント分のマイナスの補正を掛けています。)
えと、マジック線の補正をかけている、という事は実測では
・プーリー側=36.85φ ・ドリブン側=102.6φ
といった実計測結果だったのかな、と推測します。 後、コンマ01の単位は気にしなくても良いですよ。ここは0.1単位で分かっていればOKな所なので…
> そうしたら、何故か最小変速比が約3.00になってしまいましたが、これは初めて計測したため、誤差が激しいのではと判断しました。今回はとりあえずこの数値から最大変速比を求めていきました。
うーん、確かに3.00位ですねえ… ノーマルが2.45程度なのを考えるといくらなんでも行き過ぎな気はしますが(汗
で、ここで大切なのが、金ちゃんさんもおっしゃる通りに「手回しでの実回転計測」を行った上で 自身の計算と比較してみるのはとーっても大切です。
これをやらないと机上の空論になりがちですし、しっかりと計測と計算が出来ていれば、どんな メーカーのスクーターだろうが社外パーツだろうが、大幅な相違が出る事はまず無いので 是非くるくるっと測ってみて下さいな。
> プーリーボスに印を付けていなかったのでプーリーに付いていたベルトの跡にベルトを合わせてプーリーをスライドさせたらプーリーとフェイスがタッチ(!?)していたので、プーリーボスを使い切っていると判断しました。
えと、これは一応の目安にはなりますが、これが可能なのはホンダのノーマルトルクカムを 使っている場合のみになります。
最大変速状態においてトルクカム溝に角度があると、アクセルをOFFにした状態では 多少のシフトアップ動作が起こってしまい、「実走行」で使っているところよりはわずかに プーリーの外周側に「ベルトの跡」が付くんですよ。
つーさんはノーマルトルクカムだと思いますんで一応それでOKですが、その「ベルト跡の目視」は 全てにおいて応用が利くものではない、という事も覚えておかれると宜しいかとも。
…はっきり言うと、フェイスとプーリーの頂点同士がタッチしている、というのはあまり 目視ではアテにならないので、単体のクランクシャフトを用意してあれやこれやと確認して いくのが一番だったりしますね。
> クランクにプーリーを組んでボスの飛び出し量を測ったら、約10.9mmでした。
ホンダ細軸タイプクランクシャフトの車両の場合、ドライブフェイス側にはボスと同径の 突起物が無いので、ボス長は太軸小径タイプよりも長くなっていますが、それをふまえても ボスの飛び出し量が11o近い、というのはちょっと大きめですね。
これ、プーリーの頂点がどんな形状なのかにもよって、ボスの突出具合がイコールで ベルトのかかり径と同じになる訳ではないので一概には言えませんが、細軸小径車の ノーマルであればボス35o+フェイス突起0oの場合はボス突出量は約10o程度に なっています。
> その為、計算したところ、やはりどこか誤差が大きいようで最大変速比が0.723となってしまいました…。
プーリーストローク量が11oあると仮定し、最小変速時の変速比は3.00、そこから 11oプーリーがストロークすればベルトかかり径は「41.03φ」の変化が起こりますね。
なので、ベルトのグリッピングポイント径は
・プーリー側=73.88φ ・ドリブン側=57.57φ
となる仮定になり、最小変速比(最大変速状態)は
57.57÷73.88=「0.779」
となるはずですが…ってここですでにつーさんの計算と相違が出てます_| ̄|○
…ホンダスクーターの各ベルト摺動面角度は15°なので、プーリーストローク1o毎に 「3.73φ」ずつベルトかかり径が変化しているのですが、これを「4φずつ」で計算してみても 54.6÷80.85=「0.675」というさらにおかしな結果になりますね(汗
つーさんの計算式を伺ってないのでどこで相違があるのかは現時点では分かりませんが、 おそらくどこかに違いはあるかな、と私は推測します。
そして、実際の変速比の変動は、私の計算ですと「3.000〜0.779」となっているであろう、と いった感じですが、最小変速比の0.779は別にそこまで無茶な物ではなく、社外品の ハイスピードなプーリーだとザラにある数値ですよ。
ただ、50ccのノーマル風味でそこまでいくのはちょっとやりすぎかな、と思ったりも しますが、AF27の場合はファイナルギヤが異常なローギヤードなので別に走らない 事は無い、というのが現実だったり(笑
> とりあえず、もう何度か計測し直してみたいと思います。
ええ、計測も大事ですが計算も大事で、意外といっては何ですが一度だけの計算では 入力数値が間違っていたりする事も人間って結構やらかすんですよ。
電卓を叩くにしても、最低でも2回は試算しないとポカミスってのは結構やりますから こういった点の見直しというのも、数字のチューニングにおいてはとっても大切な事です。
なお最後に補足なんですが…つーさん自身、こういった数値を出してみればもう完全に お気づきかと思いますが、AF27等の小径駆動径車とAF28ZX等の大径駆動系車との 違いは、変速比で見ると一発で分かるんですがAF27は3速発進の6速まで、AF28ZXは 1速発進の6速まで、といった感じなんですね。
これ、その代わりにファイナルが異常なローギヤになっているだけであり、パワーのある ライブ中期型とかだと発進時の変速比は2.450のままでもファイナルがZX的な10.912に なってますし、それでも発進がヘボくて乗れないなんて事は無い、というのが大きな ミソになってきます。
後、このKN企画のプーリーとベルトの構成というのは、つーさんの計測数値をそのまま 信じてみるとかなりおかしい、というか無茶をやらかしているな、と私は判断します。
そもそも、小径駆動系車のフルノーマルだと、プーリーの横スライド量ってのは 約9o弱しか無いんですよ(笑
細いボスとプーリーの形状で、ドライブ側ベルトかかり径を極端に落としこんで いるのが見て取れますが、ベルト外周のマジック線で36.85φなんて数字だけ見ると 正直無茶苦茶です。
ベルト裏からボスまでの余裕は…36.85-(6+6+18)の半分なので約3.4oも余裕があると いう事になりますが、これはボスが18φ(であろう)だからこそなんとかいけてる、と 言った感じかと。
もういっちょ、これは参考までに出しておきますが、ホンダ小径駆動径車の場合だと フルノーマル状態でのベルトかかり径(外周のマジック)はおおむね
・ドライブ側=45φ ・ドリブン側=102φ
といった感じです。
これ、つーさんの計測だと、ノーマルよりドライブ側ベルトかかり径がかなり小さい上、 ベルト長も長いのに、ドリブン側のベルトかかり径(外周のマジック)はノーマルと 変わらない102φ位、というのは物理的に考えるとありえる事では無いんですね。
仮に、ベルト長&幅が変わらないとしても、ドライブ側ベルトかかり径がノーマルに対して (45-36.85)=の8.15φも小さくなっているのであれば、その分ドリブン側のベルトかかり径も 比例して大きくならないとおかしいんですよ。
なので、ドリブン側ベルトかかり径がノーマルと変わらない、という時点で何か計測に 間違いがありそうだな、と私は判断しました。
と、いつも以上に長くなってしまいましたが、どっかにコピペでもしておいてまたじっくり お読み下さると嬉しいですよ(笑
このベルトかかり径計算からの変速比算出、というものは計算としては簡単なんですが 勘違いや測り間違いを結構誘発しやすい、というのは私の経験上でも大いにあるので、 計測も大切ですが、計算に間違いや勘違いは無いか、といった点も見直してみると 発見出来る点があるかもしれませんね。
ではでは。 管理人でした〜
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