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記事No 392
タイトル Re^5: 中間のご報告です・・・
投稿日 : 2012/04/22(Sun) 07:20:40
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
金ちゃんさん毎度でございます〜

さてさて今回もブログレポートもあわせて楽しく拝見しましたよ。

> 先日はリーダーのレスを勝手に引用してしまい失礼致しました(汗
> これは更なるハイギヤの外伝として記録に残しておきたかったので・・・

いえいえ、引用というのは大歓迎ですんでどんどんやっちゃって下さいな。
性能UP目的とは違った方向性の「外伝」という事で、色々と考えたり試したり
する事は多くなると思いますんで、私の文章で参考になるのであれば幸いですよ。


> たまたま在庫で持ち合わせていた新品ドリブンにノーマルトルクカムをセットし
> それ以外は一切変更を加えず慣らしから始めました。
> 念のためドリブン構成としては、デイトナPAクラッチ以外はすべてノーマルとなっています。

単純にノーマルドリブンユニット、45→90°溝タイプのトルクカムをチョイスされたのですね。
単純にこれだけを使いこなす、というのはなかなか難しいですが、まずはさらなる追求への
第一歩としては「分かりやすい」パーツになるかとも。


> テスト1回目(約600mのテストコース/ゼロ発進から)
> @ジワ開けでクラッチイン5800rpm(変化なし)
> Aスロットルを一気に開けると8000rpmでクラッチミート固定(変化なし)
> B1〜2秒後そこからスルッっと8500rpmに上がり変速開始の音に移行(変化なし)
> Cクレアカムですとこの回転を維持したまま徐々に変速して行くのですが、車速55km/h辺りからヌル〜っと回転は下がり7000rpmで固定その後ジワジワ車速は上がる。
> D最高回転数8100rpm、最高速度94km/hとなりました。

まず1回目テストですが、この結果を見る限りは順当な方向性に向いているかと
思いますよ。
基本的な変速回転数はWRを買えていなければ45°溝の部分では変化するはずが
ありませんが、問題は90°溝に変化する時の変速回転数ドロップですね。

これ、表記を見る限りでは55km/h程度において1500rpmのドロップが起こっている
みたいですが、これはエンジンのトルク、すなわちベルトを引く力が強ければ
強い程一気に「すっぽ抜ける」ので、シフトアップ具合も大きくなって同時にドロップも
大きいのが正常です。

もちろん、変速回転数のドロップはフルノーマル車の様に3〜400rpm程度で済むはずは
ありませんのでこの辺も含めいたって順当な結果ですね。


> テスト2回目(約600mのテストコース/ゼロ発進から)
> ほぼ前回と変化無しでしたが、まだジワジワ加速している感じがあり、もう少し直線路が長ければ
> まだ伸びそうな状態でした。
>
> テスト3回目(約1000mのテストコース/ゼロ発進から)
> もう少し直線路の長いコースに変更しました。
> @〜Cまでの動作はおおむね変化なし
> D最高回転数8400rpmまで回り、96〜97km/hとなりました。

そして2回目はともかく、3回目の結果ではかなり長い直線を走られたみたいですが、
それでも実走行での伸び具合は3桁には到達しなかったのですね。

個人的にはそこで上手くいってくれればよいかな、と思ってはいたのですが実際には
ベスト調子であった時点での実走行8800rpmまで到達していない、と言いますか、
「変速回転数のドロップから、実際のピークパワー領域まで」を復帰させきれていない、
といったフシが多少ですが見受けられます。


これ、3桁達成の時点でのわずかなWR重量増とは逆の結果になってしまって
いますが、これであれば対策といいますが実験の方向性としては

「変速回転数ドロップ時に、ピークパワー回転域を大きく外さないセット」

という感じが必要になってきます。
と言いますかノーマルトルクカムでは不可能ではありますが、とりあえずこれを
カバーするにはWRを調整し、45°溝時点では多少オーバーシュートしてもやむなしと
いった、現在よりは軽めの重量をセットした上で、90°溝に移行する時に最低限
8300〜400rpm程度を維持出来ている様にする、というのがベターでしょう。

もちろん、こんなセットを施してしまえば発進後の完全クラッチミート状態から
しばらくの間、45°溝での加速状態の折には9000rpm変速とかになってしまう
可能性が大きいですが、これは簡単な話でそこまで行かない様にアクセルの
開度で変速回転数を調整してやれば良いだけの話ですね(笑

変速回転数が一定に出来る駆動系構成ならば、「全開加速」を基準として
セットするのは定番ですが、変速回転数が変動する構成だとそうはいかず、
知りたい部分の特性を試すにはこういった小技も必要である、という事で。


> ここまでの感想としては、確かに最大変速状態の維持と言う面ではかなりの安定感が出ていると思います。
> ノーマルトルクカムにした事で、90度溝以降はドライブ側でのベルトを引く力が上回っている様な印象です。
> 90度溝にピンが入った時の落ち込んだ回転数(7000rpm)がピークパワーから外れている為に、
> なかなかMAX速度まで辿り着けない状況なので、ウエイトローラーを軽くしてトライしてみるつもりです。

と、私のアドバイスの方を先に記してしまいましたが、金ちゃんさんが出された方向性で
なんらおかしい所はありませんのでよろしくです(汗


後、細かなツッコミで申し訳ありませんが、

> ノーマルトルクカムにした事で、90度溝以降はドライブ側でのベルトを引く力が上回っている様な印象です。

これはですね、トルクカムが90°溝なのであれば、ベルトっていくら「引いて」もトルクカムの
作用、すなわちドリブン側でベルトを「張る力」ってのは一切変化しないんですよ。

100%センタースプリングの反力依存になるので、この場合は「ドライブ側でベルトを張る力」が
センタースプリングの反力を上回ってさえいれば、余程大きな走行負荷が無い限りは
ドリブン側も含めて変速=加速を抑制する、という事はまずありえません。

なのでこの場合、「ドライブ側でベルトを張る力」が「ドリブン側でベルトを張る力」に対して
負けてはいない、といった表現で宜しいかと思いますよ。

これが負けている、もしくは負け気味で安定しない状態なのがクレアトルクカムでの
仕様でして、最高速状態でドリブン側でベルトを張る力、すなわち「挟む力」が
過剰気味なのが何よりダメだ、とも言えるんですね。


ここで参考までにヤマハのJOGの一例を出してみますが、定番中の定番として、
ドリブンと言いますかトルクカム、ヤマハ呼称ではセカンダリフィクスドシーブですが
「3AA」というものがあり、これはクレアカムみたく45→60°の溝を持っており、
どんなプーリーを使っても変速回転数がドロップしづらい、といった特性があります。

大して、3YKのJOG-Zとかに採用例がある「3FC」というトルクカムがあり、これは
最初こそ45°溝なものの、その後はちょっと特殊な形状をしており、最終的には
70°ちょい、といった溝角度に収束するんですよ。

これも、同一のプーリーを使ってWRを調整し、実走行させてみるとホンダ程には
極端な差は出ませんが、最高速近辺での加速状態が良く、安定性を維持出来るのは
「3FC」トルクカムの方だったりします。


ノーマルスクーターレースでもこれはある意味定番の手法でして、速度がそれなりに
出ていく高速気味のコースであれば、ある程度の速度まではピークパワーを維持して
加速していく事がとても大切になるので、「体感」では3AAトルクカムの方がエンジンでの
変速回転数が維持出来るどころか上がっていく事もあるのでこちらが好まれたりと
いった事もありますが…実際に「40〜70km/hまでの加速タイム」を比較したりすると
3FCの方が無駄なく加速している、といった結果が出たりしますよ。

(※注:WEB上にある様な3XGプーリー+3AAというセットはかなり時代遅れだったり)

実際、JOGといいますかヤマハ系統の場合だと、センタースプリングなんてホンダの
Dio系の6割程度の反力しかないので、わずかな溝角度の差でも、トルクカムの作用力の
差が「ドリブン側合力」に対して出やすいといった面もあり、こういったパーツでの差が
実際の加速力にまで反映されることがあるんですね。

これも、ホンダの場合だとエンジンパワーがそれなりにある場合、クレアカム仕様は
「いくらセンタースプリングの反力を低下させても、変速後半ではドリブン側でベルトを
張る力が過剰気味なのを抑制出来ない」といった致命的、というか構造的な弱点が
出てきたりする場合もあります。


これってノーマルエンジンならよほどの長い距離を走るとか無茶苦茶シビアに体感を
行わないとまず気づかないのですが、事実として存在します。

なので、これってよくある最初から最後まで一直線溝で60°、といったトルクカム溝でも
「変速後半」をはレアカムに対しては特性変更させる事は出来ず、根本的な解決に
なりませんから…もはやここまで言ってしまうとほぼネタバレと同義ですが、コンテンツ内で
私が理想とするトルクカム、と言っている物はどんな物なのか、というのも出てくるかと
思いますよ。

クレアトルクカムというものはノーマルに比べてベターではありますがベストではない、と
いう事にも繋がってきますが…世の中そうそう上手くはいかないという(泣


> 今回の実験途上で、先日の大台達成は偶発的な条件が重なって得られた
> 結果であり、現在のエンジンとノーマルマフラー仕様では大台を狙って得られる物では無いとも感じました。

そうですね、3桁速度が一度のみなら安定打とは言えませんが、一度でもそれを
出している場合はデータになりますから決して無駄ではありませんし。

これはいつもの口ですが、3桁を安定して出したいのであればやはり+5〜10km/hは
たまに出せる、といった仕様で無いと無理なのが世の中です。
別にレースをやっているのではありませんから、一度きりの記録が何か自分のメリットに
なるのか、といえばなりませんしね_| ̄|○


> その後はファイナルをローに振ってみて、ドライブ側とドリブン側のバランスを考えてみたいと思います。

最後にコチラですが、おっしゃる通りでファイナルをローギヤにしてみると、実際の
走行でのオーバーレブでのエンジン回転数の頭打ち「のみ」が解消され、場合によっては
最高速度も現状を上回ることが出来るかもしれない、という可能性も0では無いと
思いますよ。

ざっと計算してみたのですが、やはりファイナル8.8で8100rpm、という状態では9.8の
8800rpmに比べて最高速度が下回っている、というのは減速比が過剰な可能性が
高いかな、と考えられる点もあったり…


> いまだハッキリとした答えが出ておらず申し訳ないです。

いえいえ、そんな簡単に疑問を解明出来たら凄いと思いますよ(汗
私自身、この辺りはさまざまな状況によって判断が異なる場合もありますし、一概に
ココがこうだからこれなんだ!と判断する事は難しいですしね。

この辺りをどんどこ追求して頂いてさらなる高みとハイバランスを目指して行って
頂きたいですよ〜


ではでは。
長くなりましたが本日はこの辺りで失礼しますね。
管理人でした〜

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