記事No |
: 425 |
タイトル |
: Re^4: 長いですがポイントは最後の方のみです(汗 |
投稿日 |
: 2012/05/29(Tue) 05:34:11 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
金ちゃんさん毎度でございます〜
昨日の地元スプリントUWAの空杯は処々の事情で参戦出来なかった 管理人でございまっす_| ̄|○ …こういうのは珍しいのですがごくごくたまにはそういうこともある、という事で(泣
さてさて、早速ですがいつもながらの詳細なレポートありがとうございます〜 私からリクエストを実際にこなして頂いたみたいで嬉しいですよ。 以下引用だらけになりますがご了承下さいな(汗
> こう言った内容でしたが、パーツチョイスとしては新古品のカメファクプーリーキットをチョイス、 > このキットは以前予備として確保しておいた物で、主に減速比計測に使用しており走行に関しては > 100km程度しか使用していない物です。(WR 34.5g) > ベルトもカメファク強化品で(長671mm/幅18mm/厚8.5mm)新品では無く、これも走行に関しては > 100km程度しか使用していない物です。 > ドリブン側はノーマルドリブンフェイスにクレアカム・ジャイロセンタースプリング(緑) > デイトナPAクラッチ・カメファクフィン付きクラッチアウターと言った構成です。 > 以前の減速比計測で、最小変速状態時の最大減速比は3.00程度となっておりこの時のベルト外側かかり径 > はドライブ側で40.37φ程度、ドリブン側で113.33φ程度(ベルト外側)となっておりましたが、 > 今回始めからベルト裏をボスにヒットさせておくと言ったセットをする為にシムワッシャを1.5mm追加しました。 > こうすることで元々正常なセットを施した場合ベルト裏とボスの隙間は2.7mm弱ある物を > 0mm(もはやマイナスですが・・・)としてまずは走行させてみたのですが・・・
ふむふむ…ブログの方もあわせて拝見しましたが、パーツのセット時にではすでに ボスにベルト裏が当たっているというセットになっていますね。
と言いますか、組み付け時にすでにドリブン側でベルトを喰い込ませなくても良い位に なってる時点でかなりヤバいですし、出来ればもうちょっと無茶して欲しかったですが あまりに酷くしすぎても物事が良くなる方向には向かないので(笑
> 意外だったのは「一応走行は出来た」と言う点でした。しかし本来の性能はまったく出せておらず > ファイナルのハイギヤ化で得た中間加速も影を潜め、最高回転数は8900〜9000rpmで > 最高速度は、90km/h程度と言った結果でした。
これは単純に、ボスのみ長くしてもプーリースライド量は変わらないので最大変速時の 変速比は大きくなりますから、最高速度は低下するのが正常ですね。
で、ネタバレしますとこれでも別に走行する事が不可能、とまではならないんですよ。 本当にパワーを掛けた発進も困難になる程にするには、ドリブン側でもベルトセット時に 完全にお皿が閉じていて全く発進時のトルクカムの作用が起こらない、といった 状態を、ドライブ側のベルト裏ボスヒットと合わせて形作ればもう1ランク上の無茶な セットが出来たりします…がさすがにここまでいくと無駄の極地です。
> 走行基準としては、私的基準である「セーブして走る」に全開巡航1km程度をプラスしたものでしたが > 10km程度の走行でほんの少しタレた様な症状が出ました。 > これは200rpm程度の回転落ち込みで、まだ明確なタレとは言えず気にしても仕方ないレベルの物でした。
この程度であれば誤差の範囲ですが、全開巡航もさることながら、峠道の様な場面で コーナーを立ち上がりまくる、といった状態だともっと顕著に症状が出たりしますよ。
街乗りだとストップ&ゴーを多数繰り返し、なおかつ発進はフルパワーに近い状態を 維持していればさらに顕著だったり…
> 温度に関しては、パーツ構成が一部違うので単純な比較は出来ませんが、無茶苦茶なセッティングを施した > 駆動系では、劣化(故障)したパーツを抱えた時と同じ位の発熱が確認されました。(部分的に最大で82℃) > 但し前述の通り明確なタレの症状は出ておらず、前後に穴を開けた駆動系カバー装着の際には最大で > 12℃程度の冷却効果も確認出来ました。 > もっと派手にシムを追加したり、もっと派手に走行させればもっと解り易い結果も出るかと思われますが > さすがに帰宅困難となってしまうのもアレですので・・・ > これについてはまたしっかりと時間のある時に「1度は」体験しておきたいと考えています。
これに関しては温度計測でも比較されてはっきりお分かりになったかと思いますが、 パーツ単体では劣化も無く正常なパーツを使っているのにも関わらず、温度的には ぶっ壊れているパーツと同等なLVにまで上昇していた、と。
…もはや私が言うまでもありませんが、そんな運用を続けていると各部の磨耗具合も かなり違ってきますし、何かが少しでも劣化すればたちまちおかしな現象が起こって しまう場合がほとんどなので、全くメリットなんて無いんですよね_| ̄|○
エンジンパワーが大きかったり、車重が重かったりギヤがハイギヤ気味だったりすると 余計にその方向性は顕著になりますし、各パーツの耐久性なんてもう洒落になりません(笑
> ベルト裏がボスにヒットしているので、減速比の計測・計算はアテになりませんが・・・ > 現在のセットで、最小変速状態時の最大減速比は手回しの実計測でおおむね4回転でした。 > 計算上でかかり径を妄想してみるとボス18mm+(ベルト厚8.5mm×2)ですのでベルト外側で概ね35φ > ドリブン側で概ね118φと言う事で114φ÷31φ=3.68 > ・・・っと、0.3程度の誤差が出てしまいました。
コチラもいつも通りさくっと計算されたみたいですが、ここまで来ると個人的には 定番の実回転と計算での最大変速比把握、という物も一発で役に立たなくなって くる、というのを実感されたかと思います。
最近はマジック計測なんかをココでも紹介してたりしますが、元々の構成がぐちゃぐちゃで ある場合は実回転と計算に齟齬がありまくる、というのが現実なので、この辺りも 計測、計算の「手法」のみを知っているだけでは駄目で、なにがどうなっているのかの 基本構造をちゃんと理解していないと真っ当な計算すら出来ない、と言っても良いでしょう。
> @今更ながら、前後に穴を開けた駆動系カバーは確実に冷却効果がある。 > A原付1種ベースでも2種仕様であれば駆動系カバーへの前後穴開けは必須、仕様用途や運用によっては > 必要ない場合もあるが、2種仕様の性能を保持していて、いつでも使用出来る状態に有るのであれば > 設備しておいた方が無難。 > B前後に穴を開けた駆動系カバーを設備しても、パーツの劣化(故障)による発熱の解消にはならないが > 無いよりはマシ。 > C正常なパーツを適正なセッティングで正しく組めば、熱ダレは発生し難くなる(しないとは言い切れない) > 更に前後穴を開けた駆動系カバーの使用で熱ダレを未然に防止出来る可能性は高い。
まとめですが、この4つは何はなくとも可能な限り駆動系パーツは冷却しておけ、という事に 他なりませんし、当然ではありますがまずは構成をきちんと組んで無駄な発熱やロスが無い様に 形作る、のが最初にありき、という事で。
> Dベルト裏がボスにヒットしている様な、過度なベルト落とし込みセッティングを施すと駆動系パーツの > 発熱を促進し劣化も早くなる(特にベルト)。 > Eベルト裏がボスにヒットしている様な、過度なベルト落とし込みセッティングを施すと「走行させる」 > 事は出来ても本来の性能をスポイルさせてしまう。 > Fベルト裏がボスにヒットしている様な、過度なベルト落とし込みセッティングを施すと減速比計測は > 不可能となり、計測を行ってもパーツ加工(プーリー・トルクカム溝等)の基準となり得る解は求められない。 > G熱が高くなりがちな駆動系パーツは、プーリー・ドリブンで、その熱の影響をモロに受け、 > 動作不安定になったり劣化し易いのはベルト。
こちらは構成の問題ですが、これってさすがに今の時代では気を遣う人が大半だと 思われますがボスワッシャー調整とかだとこの辺りを全く気にしないでやらかしてしまうと いう場面も0では無いので、「見た目だけ」のギリギリ&無茶苦茶調整は本当に意味が無い、と いった事はとっても大切なんですね。
加えて、前述しましたが金ちゃんさんの今回の実験ではドライブ側ベルトかかり径は 限度を超えさせていましたがドリブン側だとそれでもまだベルトセット時にトルクカムが 完全に閉じきっていない状態になっていますが…
これだと、ドライブ側ベルトかかり径のみが限界を超えていても、まだドリブン側で 閉じてベルトをムリクソ挟んで張ってやろうとする力が生まれるので、ちょろっとは マシだったりするんです(笑
ドリブン側外周でベルトがはみ出る位のセットも同時に行っていれば、仮にWRを入れないで 走ってみると、ベルトが本気で空転して発進すら出来ない、といった症状にもなったりしますよ。
ドライブ、ドリブン側の両方でベルトセット時に全く余裕が無い場合、WRに遠心力が 掛かり、ちょっとドライブ側ベルトかかり径が大きくなった状態にまでならないと ベルト自体を「挟む」力って一切生まれないので、仮にWRを抜いて走ろうとした場合 全く走れない、という状態になるのであればそれは駆動系構成がおかしい、と いった証明にもなる…というのもありますがこんな確認の手法は普通は間違っても お奨め出来ませんけれどね(笑
WR抜き実験はちょっと前にteketekeさんにもお奨めしたりしましたが、これって
・ドリブン側=ベルトが回転して「引かれる」とトルクカム皿はまだ閉じられるのでベルトを挟める
・ドライブ側=ベルトがボスに当たるまでには余裕があるので、ドリブン側でベルトを挟んで ドライブ側ベルトも同時に「中央部に向かって引き込める」ので結果的に側圧が発生して プーリー&フェイスに対してグリップさせられる
と、WRが無くともある程度はドライブ&ドリブン側でベルト側圧を稼ぎ出す事が出来るからこそ WR無しでもある程度走れてしまうんですね。
> 今回もまた、リーダーのコンテンツや格言に準ずる結果が出て正直ビックリしておりますが(笑 > すでに答えの出ている物でも、「実際に実行し体験してみる事」「実験等によりその裏付けを取る事」 > の重要性を再認識出来ました。
ええ、ご自身の体感や目視にて納得して頂けるのが一番ですので、今回も お役に立てて良かったなと感じておりますです。
…いつものクチですが、私の書いてる事とかなんてのはハナから疑ってかかる位が 最良でして、「本当にそんな事が起こるのか?」と思われた方が私としては嬉しいので(笑
そして最後にもう一つだけ。 これ、明確に記されていなかったので感じられたかどうかは不明瞭なのですが…
ボスにベルト裏がヒットする無茶セットの場合、発進時の「半クラ状態」って今までと変わらず 存在していましたか?
これ、状況にもよりますが今回の構成の場合であればアクセル全開にてパワーをかけて 発進した場合、半クラ状態がほぼ無くなっていたのでは、と推測します。
発進で半クラ状態がほぼ無い、感じられないので正常なのはフルノーマルもしくは それに近いクラッチインや変速回転数が低めの仕様に限り、ですが、さすがに クラッチインが6000rpm弱で8500rpm変速、といった仕様になっているエンジンであれば 通常時には確実に半クラは存在しているはずです。
私がわざわざリクエストを行った狙いはここにもあり、発進時の挙動、といった物の 変化を判断する、といった意味合いもあるんですよね。
SSみたく超限定的な競技であれば、クラッチを滑らせずベルトを滑らせて上手い具合に 発進をコントロールする、というのもアリなのかもしれませんが、通常はそれ以外では 一切やってはいけない事なので…
ではでは。 いつもながら解説だらけで申し訳ありませんが本日はコレにて失礼しますね。 管理人でした〜
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