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記事No 511
タイトル Re^3: 解説の長文ですが
投稿日 : 2012/10/16(Tue) 22:39:47
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
teketekeさん毎度でございます〜
いつも通りの管理人です。

さてさて今日もつらつらと行ってみますね。
が、いつもの解説ありなので長いです(笑


> 買った理由
> 1.スーパーディオのが高くて買えないから(爆)
> 2.縦型だし似てるから(笑)
> 3.そのうちG’もウチに来るだろうからw
> …配線図は…まぁそのうちスーパーディオのも買いますともw
> 今日、届いて見てみたら、ソレナリに楽しぅございます^^;

Gダッシュのサービスマニュアルを購入されたという事ですが、これはエンジン部分等は
AF28Dio-ZXにも流用出来る部分が多々あるので宜しいかと思いますよ。
…確かにスーパーDioの物は高価で取引されていますが、それだけ人気があるという事で(笑


> SSお疲れ様でした。方向性は出たとの事、先回のお話の様にアプローチが
> 違うと、同じ競技も違う見方ができるようで、やっぱり奥深いですね^^;
> …私、実はSSのコンテンツは真剣に拝見したことが無かったのですが(爆)
> 読み始めたら面白くて順番に拝見しておりまーすw

ええ、テスト走行という物がほぼ出来ない環境だと、実戦テストしかないというのが
正直な所でして…そしてやはり単発で運用するよりも一日通しての運用を行わないと
見えてこない面、というのも多々ありますしね。

以前、新品腰上をある程度の前日の多少の慣らしのみでレースに挑んだ所、一発目で
全てをオシャカにしてしまった、ってのもありましたので_| ̄|○
こうなってしまうと手間等も込みであれば被害総額数万円、になってしまいますから(泣

ちなみにSS参戦記にはそういったポカも包み隠さず書いてますのである意味面白いかと(笑


> デイトナ・アクアプローバ廉価版のお話ですが、取扱説明書にも一応
> 電池寿命は謳ってあり「6ヶ月」としたところをペラ紙が入っており
> 「3ヶ月」だと正直に訂正されておりました(笑)

あらら…メーカー側の予想よりもはるかに電力を喰う仕様なのですね…
CR2032ならばそこまでコストが掛かる訳では無いでしょうから手間を除けば
問題は無いのでしょうが、強化出来ない電源となるとちと苦しいですね_| ̄|○


> 少し、社外プーリーのお話ですが…
>
> 変速回転数が上がるプーリーってのはフェイスのお山が高いのですか?解らない(爆)

えとこちらなのですが、これは少々難しいので簡潔にだけお話させて頂きますね。


> 私、プーリーについてもローラーガイドとフェイス角度位の概念しか無く

大切なのはその「ローラーガイドの角度」に加え「ランププレートの角度」になります。
後はWRの重量と回転半径、収まっている「位置」でしょうか。

変速回転数が決まる、というのはですね、まずはこれって「トルクカムの作用ありき」と
言っても良いんですよ。

プーリーというモノはどうしてもドライブ側に存在する為、一番に動作の要因となって
いる様に見られがちなのですが、実はそうではないんです。


簡単な流れ的には、


1:クランクシャフトが回り、ベルトを回転方向に「引く」力が発生する

2:ドリブンユニットのトルクカム皿がその力によって「引かれ」、ベルトを挟む方向(閉じ側)へ動作する

3:ベルトを挟むトルクカムの作用力+センタースプリングの反力の「合力」に対し、ドライブ側で

  その合力に打ち勝つだけの「プーリーをスライドさせベルトを挟む力」が必要になる

4:その力を生み出す元がWRに生じる遠心力であり、「WR重量x回転半径x角速度^2」となる

5:そのWR遠心力をプーリーを押し出す力に変換するのが、ランププレート&WRガイド角度になる

6:ランププレート&WRガイドを介して減衰したWR遠心力が、プーリーをスライドさせる力になる

  =ドライブ側でベルトを挟む力

といった感じでしょうか。


要は、まずはベルトがどれだけの力、トルクで「引かれて」いるかが最大のキモであり、これが
トルクカムの作用力に直結し、ドリブン側でベルトを挟む力がいくらかなのかが決定されてから
初めて、「ドライブ側でそれに打ち勝つベルトを挟む力」として変速回転数が出て来る訳です。

これ、トルクカムが存在しない構成のスクーターであれば、単純にセンタースプリングの反力に
対してWR遠心力が打ち勝てば良いだけなので簡単なのですが、普通のスクーターの場合は
トルクカムの作用を無視しては一切何も考えられないんですね。

(※「スクーター改造」内の「駆動系の「熱ダレ」についての一考 補足」の真ん中辺りに説明図があります)

なので、teketekeさんがおっしゃる「プーリーの山の高さ」という物は変速回転数の決定には
一切関係ありません。
面角度が他の箇所と同一である前提ならば、山が高かろうが低かろうが、それが変速回転数に
影響する事は無いので。


で、変速回転数が上がるプーリー、というのは前回ちょろっとご説明しましたが、WR重量が
ノーマルと同一なのに、いざ全開加速してみるとノーマル時より変速回転数が上がっている、
という状況になります。

これはまず、エンジンを一切いじくっておらず、ベルトを引く力という物も変動してはいないので
トルクカムで発生するベルトを挟む力、というモノは当然不変になります。

となれば、仮に80kgの力でドリブン側でベルトが挟まれているとした場合、ドライブ側では
最低でも80kg以上でプーリーをスライドさせベルトを挟む力が必要になりますね。
これが出来ないとずーっと最大減速比のローギヤのままで加速して行けませんので(笑


でもって、仮にノーマル仕様で48gのWRを用い、7000rpmでの変速が行われていると
仮定します。
これでプーリー側では80kgのベルトを挟む力が発生しているとした場合ですが、これにて
プーリーを変更した場合、WR重量は48gで同一、しかし8000rpmで変速している、となれば…

「48gのWRで、80kgでプーリーを押し出す力を生み出す為には、ノーマルより高い回転数が必要」

といった事になってしまいます。

WRが重ければ、同一回転数では遠心力は大きくなるのが道理ですが、この場合はWR重量は
変更していないのに変速回転数が上がっているとなれば、「より強い遠心力を生み出している」と
取れたりしますが…何故そうならないと変速出来ないのか、がキモになります。


ここで差異が出てくるのが前述の「プーリーのWRガイドとランププレート角度」でして、ここの
両者に対してWRが当たっていて、そのWRガイドとランプ角度によって、「プーリーを押し出す力」
という物が変化してくるんですね。

単純にDio-ZXのノーマルだと、変速開始時点では両者には25〜30°程度の角度が付いて
いますが…これが仮に両者共に角度がきつく、WRを巻き込む様な角度になっていたとすれば
結果的に遠心力が「プーリーを押し出す力」に変換される効率が悪くなるんです。

WRガイドとランプ角度が双方共に25°であった場合と30°であった場合を比較すると、
プーリーを押し出す力という物は30°の方が約20%も低下してしまうんです。

となれば、25°角度のプーリーを押す力と同等の力を発生させるには、自動的に遠心力、
すなわち変速回転数が上がっていき、「重量の変わらないWRを速く回転させる事」で、
大きな遠心力を生み出し、ひいてはプーリーを押し出す力を補正している、といった事に
なりますね。


…なので、これまた前述の様に、ノーマルと同じWRを入れているのにも関わらず変速回転数が
上がってしまうプーリー、というモノは、WRガイドもしくはランププレート角度の変更によって、
プーリーを押し出す力がノーマルより低くなっている事の証明になるんです。

ですが人間って不思議な物で、ポン付けでプーリーだけ交換して変速回転数が上がり、
びんびんとした感じの走行フィーリングを得られればそれで調子よくなった、と体感して
しまう場合もあるのが悲しいところなんですよね_| ̄|○

それは単純に、プーリーの悪影響のおかげで変速回転数が上がってしまい、そのせいで
パワーバンド近くで変速するようになっただけの話であり、そんな事するならノーマルの
プーリーでWRだけ軽くした方がはるかに建設的でデメリットもありませんから(笑

回るフィーリング、とかそういう点のみを体感でしか感じられない場合だとこういった
子供騙し仕様に喜んでしまう事もあるのですが、私はちとどうかと思うんですよね…
もっと汚く言えば、タコメーターを装着していない初心者の方を騙くらかすにはとっても
良い手法だと思いますけれど、ね。


とまあ、解説が長くなりましたがこれって難しい事なので簡潔にはご説明出来ませんので
その辺りはご容赦下さいな。

結論を言えば、WR重量がノーマルと同一で、ノーマルプーリーより変速回転数が異常に
上昇したりするプーリーの場合あまり良い方向には向かない事が多く、それを逆手にとって
構成を形作る手法もあるにはありますが、一般的にはまずお奨め出来ないという事で。
もちろん、それとは別に変速後半で異常に変速回転数が上昇し続ける物なんて問題外ですが(笑

ちなみに私が社外品プーリーを嫌うのもこの辺に理由の一つがあり、変速比がどうなって
いるのかだけではなく、加速(変速)時におけるWR遠心力の無駄遣いが多いから、と
いう点も大きいです。

はっきり言いますがメーカー独自の味付け、という点がまさにそれに当たるのですが、
ノーマルプーリーより高効率、ロスが少ない物というのはなかなかお目にかかれるものでは
ありませんからね…
そもそもそんな所にノーマル以上の効率を求めたりはしませんし。


この辺りって本当に難しいですし、WRガイド角度やランププレートの特性を語れるのは
本来はトルクカムの作用をきちんと理解してから、になるんですよ。

なので私のコンテンツ郡でも、プーリーに関しては細かい事はまだ触れておらず、トルクカムの
動作原理と作用力を解析する事から書いていますしね。
まずはこちらを理解しないとプーリーがどうこう、なんて分からないと言い切っても良いでしょう。


> 「変速回転数」
> とどう関与するのかサッパリ解らなくて、例によって「体験する」「見る」しか無いかと
> 思ってるヒトなのですが、今月号のモトチャンプに記事が有ったので読んではみたものの
> 3次元で捉えられません(笑)

そういえば今月のモトチャンプまだ買ってないので買ってきますね(笑
何が書いてあるのは知りませんが、役に立つ事だと良いなと思ったり…
せっかく書いたのでせめてこのアドバイス文と重複してしまって無い事を祈りますが(汗

後、これはいつも口をすっぱくして言ってますが、駆動系の動作原理というモノは
体感のみで把握するなんて神様でも無いと絶対に不可能なのでよろしくです。
長い時間をかけてもそれが出来なかったからこそ、小難しい分析も行わざるを得なかった、
といった人間がまさにここに一人居るのが良い証拠ですよん。


> その純正プーリーは最外周の少し内側を撫でれば「段付き」かな?と思うくらいで
> 見た目きれいではあるのですよね…。真ん中も荒れてる様子は無いですし…。
> まぁ解ってないのですけれどw

いや、teketekeさんの通勤用途の場合、段付きが起こるより先に中央のメタルボスの
部分が劣化してくる方が先でしょうね。
再加速やストップ&ゴーが多い場合には、メタル部分の劣化はかなり速くなりますから
ここを見極めないとプーリーの劣化、というモノは判断しづらかったりします。

とはいえ、ホンダはヤマハやスズキの純正プーリーに比べても、メタルとボスとのクリアランスは
大きめな傾向なので、「ガタ」だけで判断するのは難しいのですが_| ̄|○
メタルに内包されている潤滑油も、完全に出なくなってしまっているのであればそろそろ
「最大の性能は発揮出来なくなってきている」といった指標にもなります。

なので、不調だな、と思ったらさくっと新品交換するのが一番悩まなくて良いんですよ。
トルクカム溝みたく、明らかにおかしければ目視で分かるのならともかくとしても、
プーリーの劣化判別というのは難しく、私もたま〜に間違う事がありますからねえ(汗

とはいえ、トルクカム溝もしっかり動作しているか否か、を手動で判断する方法もあるのですが
これはまた後々コンテンツにしてみたいと思ってたり。


> パワーダウンの様相はありますね〜。高回転域に以前より力が無いです。
> 平地MAX8600rpmが今は8000rpmがイッパイです^^;

実走行でのパワーダウンがあるのであれば、変速回転数の低下も出てきて当然ですね。
ただ、これが駆動系も劣化してベルトが細くなっていたりすると、そこまで変速回転数の
低下は出なかったりするので、メーカーはやはりよく考えられてますよ(笑

分かりやすいのが、明らかに過走行の中古車にド新品の駆動系パーツをまるごと
突っ込んでみて、新車と同じ変速回転数で加速出来るか、という手法があります。

AF28Dio-ZXだと…そうですね、全開加速で7000rpmを超えていればまあまあ調子は
悪くないと判断出来ますよ。
6500rpm変速とかだとエンジンパワーの劣化が大きいと断言しても良いですね。


> リーダーさまのコンテンツを読み返していて↑コレかなぁと
> 力が無くて…かと(泣)

エンジン自体も劣化は進む物ですが、走行距離を鑑みると間違いなくかなりのパワーダウンは
起こしているでしょうね。
これはちと言葉がきついですが、駆動系構成をあれこれと変更して素直な変化を出すには、
エンジン自体は安定してパワーを出している事が大前提なので、ピストンなりリングなりも
交換しておく頃合ではないかな、と私は思いますよ。

フルノーマルで普通に乗っていても、リングであればギリギリ性能維持だと言えるのは
よくいっても5000km程度ですからね。
というか酷使して5000kmだとピストンも同時交換のLVです。


> そうなのですよ。結局そこへ立ち戻り(爆)
> 今月は、中古ZXエンジンのドリブンがまともそうなのでオイルシール・Oリングも
> ありますし、これまた分解再組立してみます。ちょっと弱いかなぁ…(汗)

ドリブン皿とトルクカムだと、ある程度は劣化してもそこまで大きく駆動系のバランスを
崩す事にはなりづらいので、ここは多少は劣化があっても判断材料としては困らないと
思います。

が、これも見極めた上で劣化してるのかしてないのか、を確認しないといけませんし、
ドリブン皿だとピン穴ががったがただとか、オイルシールを新品にしても漏れがあるとか
ギヤの軸に刺さる部分のベアリングが横にガタガタ動くとか、面のみではなく色々と
チェックポイントはありますしね。


> この辺、teketekeはサッパリで「ライブDio系全般とスーパーDio-ZX」
> しか選択肢が無いと思ってましたwそういえばカメファクのクラッチ
> 何処やったっけな…(爆)

これはですね、ぶっちゃけますとクラッチシューって何でも良く、とりあえずは目的の
クラッチイン回転数が達成出来ていれば問題ないんですよね。

クラッチが滑る、とかってのは余程極端な高回転クラッチイン&ミートであるとか、
もしくはベルトが滑ってるのを勘違いしている事の方が多いので、少なくとも純正&
流用シューでそこまで致命的な不具合が出た事ってのは私は生まれてこの方
一度もありませんので(笑


> でも、やっぱりネームバリューなのか1.0L 748円の「2T」
> なるものは棚割り3フェイスが売り切れてましたw

カストロですかそんなものでしょう(笑
そんな底辺グレードのなんて怖くて使えませんし、同じ位の値段を出すのであれば
せめて純正品を買いたいですからねえ…


> そうなのですよね〜。
> 自分自身のやってる感が損なわれるからでしょうか?(笑)
> 駆動系極めたらノーマルなんかボロカスだぜ!みたいな感じ?w
> まぁ普通と違うのを履き違えて好むヒトは沢山居るみたいですし、
> くっつけば流用できたと喜んでみたり、満足するようですので(笑)

厳しい物言いになりますが、その「やってる感」というのは人それぞれですから、それで
楽しいと感じていれば私もわざわざ否定したりはしたくないんですよね(泣

が、それ以上の事を望みたい、もっと詳しく楽しくいじくりたい、ってのであれば
どうしてもそうせざるをえないのもこれまたジレンマです_| ̄|○

とはいえ、人間一度は社外品とかてんこ盛りのお金持ちチューンを堪能してみないと
原点に返る、ってのは難しいのでそれはそれで必要な事ではありますね。
それだけで満足したならば、言葉悪いですがもうそこでおしまいです、という事で…


> どう使うかなのでしょうね。変速は勿論、腰上・給排気含めて
> 元気な状態でシミジミ使ってみたいですね〜。楽しい気もする
> のですが、ちょっと頑張りますw

前述しましたが、ノーマル風味車といえど最低限度のエンジンパワーというのは
必須ですからねえ。
腰下をリフレッシュしましょう、とまでは言いませんが腰上はなんとかしないと
いけない時期には来ているかとも。


> ははぁ…素材として削りシロがWGのが自由とかなのですか?w
> ぅゎぉ未知の世界なので解りません^^;

シリンダーですが、おっしゃる通りでそういう方面でも融通が利く、という事ですね。
HGが悪い訳では無いのですが、個体差、製造誤差によっては限界突破して
いる部分がある固体もあるので、それを避けるにはWGの方が無難な面もあったりします。
が、これは通常はほとんど気にするLVの事ではないのでよろしくです(汗


> 意味合いがやっとわかってきたと言うか、目的と合致してきたのかもしれません。
> 仰られる通りに、そこに行かないともう無理だなぁと感じてきたのですね^^;

個人的な見解では是非そう感じて頂きたいんですよね〜
挫折をしてほしい、という意味ではありませんが、ある程度ちゃんとしないと楽しさも
なくなってドツボにはまる、というのは非常に良くあるパターンなので。


ではでは。
いつもながら長くなりましたが本日はこの辺りで失礼しますね。
管理人でした〜

…金ちゃんさんが具体的なアドバイスをされてるので助かってるなというのは秘み(略

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