nyanta28さん毎度こんばんはです〜 自分のネタは無くても掲示板は見てる管理人です(笑
さてさて、ピストンクリアランスに関しての話題ですが、面白いですね〜 新品状態からの馴染みというか慣らしというか、考察と共に色々試されているみたいで。
> JOGやDIOで何度も抱きつきを起こしまくってきた自分としては > 所謂"慣らしは〜キロ"とか、"バリ取りを十分しないから抱きつく"等の > 都市伝説ならぬ"原付伝説"を守ってもダメだったのが腑に落ちなかったのです。
この辺は色々と諸説がありますが…私もその辺はある意味都市伝説だと考えて いますよ。
小さい負荷でだらだら長距離の慣らし走行をやった後で一気にぱいーんと回したら それでは本来の慣らしになってないです。 走行距離や使用時間に応じ、少しづつ負荷を増大させていくのが「慣らし」ですので。 アイドリングで2時間置いていても十分な慣らしにはなりませんし。
バリ取りはもちろんした方が良いですがバリ取りをしない位で明確に破壊してしまう様な ブツだと、バリ取りなんぞ行わなくても同じ運命を通る事は明白ですしね。
やり方が間違っていたらいくら手間をかけて「やった気」になってても意味が無い、と いうのは大いにあるかとも。
> JOG90用の輸入ボアアップキット(54mm)のポート加工とコーナー丸めが > 終わり、清掃後の歪出しを兼ねて暖めたり冷やしたりをしていました。 > > 分かった事1 言うほど残留応力による変形は起きなかった。 > > これは起きているのでしょうが、クリアランスに対しては > 致命的となるほどの大きなものではなかったようです。 > ただし、あくまで均一に熱した場合の話です。(EXポートなど)
まず残留応力、でしょうか。 ふむふむ…これは鋳造での製造時の温度差等により、パーツのどこかが引っ張られてると いうか、構造的に力が掛かっている部分が残っている事を指します…よね(汗
で、これは確かに、新品状態であればいくばくかは残っている可能性はありますが、 それを実用の温度まで上げたり冷ましたり、はてはリングやピストンとの摺動運動にて 「慣らし」て行く事により、実用段階になる頃には問題ないLVにまで到達していると 私は分析しています。
仮に、残留応力が強く残っているとすれば、一度熱をいれて歪みを起こした場合であれば 鋳鉄なんてぱっくりヒビが入らないとおかしいと思いますんで。 影響がある、とするならそういった症状が明確に出ないと駄目でしょう。
スリーブを薄くしか残さない等で、一部分だけが熱による歪みが出る事はありますが だからといって製造時の応力を実用段階において勘定に入れる事は特に必要ないと 私は考えています。 nyanta28さんのおっしゃる通り、影響が無いとは言いませんが弊害が出るLVにはまず なりえないと分析していますよ。
一応、私もボアアップをこしらえるときにミリ単位でボーリングする場合は、元ネタとなる シリンダーは極力使い込んでいる物や一度ハデに焼き付いてしまったモノをベースと する傾向にありますが、これはこれで一つのおまじないなんですよね。
その上からボーリングするので実際には慣らしをしなければなりませんしが、だからと いって熱を入れただけでシリンダーとピストンのクリアランスが不適切になる程にまで シリンダーの円筒内部が歪む、なんてありえないLVですし。
あまり慣らしをしない場合等にはちょびっとは役に立つかな、といったLVであり、 実際には、新品から作製する場合でも、「ピストンプロフィールを考慮して」クリアランスを 決定してやれば、よっぽどスリーブがぺらんぺらんで無い限りはそうそうおかしくは ならない物なので…
「残留応力」となれば気にしてもしょうがないモノかな、と私は考えていますね。 そもそも、それがどこかに出たとしてもそれに合わせて徐々に慣らしてやるのが 「慣らし走行」だと思います(笑
> 分かった事2 > 冷間時はスコスコ動くピストンもある温度を超えるとロックする
次にコチラですが、これまた面白い事を実験されてますねえ〜
冷間時というのは当然のごとく、測定値そのままのピストンクリアランスがあるもので 一番ピストンの太いスカート下から数mm部分でも、5/100でもあればまず手で動かして ロックするなんてありえないですね。
が、これがエンジン実働の熱により、どんどん膨張して鋳鉄シリンダーの熱膨張具合を 超えるまでピストンがでかくなってしまうとロックし…抱き付いてしまいます。 鋳鉄とアルミではアルミの方が熱膨張率は大きいので当然の結果になりますが…
> 各部の温度を測定しながらピストンの動きを確認するとある温度を > 超えると全く動かなくなりました。 > それが自分には意外なほど低い温度だったので、ビックリしました。 > 運用時の最高温度を設定し、その状態でもロックしないように修正 > しました。
これ、シリンダーとピストンを温めていった場合はまずスカート部分がロックするはずですが 仮にこれが油で煮込んで100℃程度でロックするならまず実用には耐えられないでしょう。
しかし実際には、この方法では「ピストンもシリンダーも全体的に均一に熱くなる」ので、 エンジンの実同時とはちょっと違った状態になっています。
ピストンはトップ周辺が一番温度が高くなるので、寸法的にもピストンの「上と下」では 百分単位どころではなく十分単位、0.3mmとかで上が細いのが定番ですし。
これが「上」が先にロックするLVまでトップ部分の温度のみを上げるというのは難しいと 言いますか実質不可能に近いので、スカート部分がある程度の温度でロックしないから いけるだろう、と考えるのはちょっと早計かもしれませんね。 「下」がロックしないからと言って上がロックしない保証は無い、と言う事です。
ここで大事なのがピストンプロフィールで、仮に40φのピストンで上と下の寸法が 0.3mm違う、となっているのと、50φのピストンで上と下が同じく0.3mm違う、と いった状態を比較すると、ピストンクリアランスが同じで同一の熱が加わるならば 後者の方が危険度は高いです。
同じ「0.3mm」の寸法の違いでも、50φピストンの方は「寸胴」に近いので、こっちの方は 下のピストンスカート部分をアテにして十分なピストンクリアランスを取ったとしても、 「上」が抱き付いてしまう可能性は高くなる、と言う事ですね。
なので、この辺は一概には言えない部分がとても大きく、私としてもボア径やピストンの プロフィールを加味していると、実際のピストンクリアランスの数値というのは 5/100にする時もあれば9/100になる時もあったりしますんで。
…最初の話ではありませんが、社外品とかで冷間時にピストンをシリンダーに入れ 仮にするっと落ちない様なモノだといくら慣らしをしても意味なし、と言い切っても 良いですしね(笑
> スラップ音はしないが広いクリアランスになるのは仕方のない事ですね。
そうです。と言いますかそうせざるを得ないです(泣 いくらガバガバだとしても、熱膨張率を考えるとそうしておかないと確実に抱き付く、と いった分析が出来てしまうのであれば、いくらピストンが首を振りそうだとか暖機を きちんとしないとやばそうだ、とかになってもそうするのはやむを得ないんですよね…
仮に、ピストンがアルミのぴっかぴかの材質だとすればそれだけで混じり物が少なく 純正系統の黒っぽい物よりは熱膨張率は高そうだ、という分析も出来ますし、寸法が 寸胴ピストンであるのなら余計にがっばがばにしておかないと危険なのは明確なので 元々の設計を恨みながら「調整」するしか無いんですよ(笑
ここだけの話、私40φの社外品で上と下の寸法差が0.1mmしかないという極端に 寸胴なピストンというのも見た事ありますしね…_| ̄|○
社外品だとピストンクリアランスが元々11/100とかの常識の範疇を超えたがっばがばな ものも見ますが、こういうのは狭くしたくても出来ないので逆に困る事も多々あったり しますし。
いくら分析しても寸法上理想なブツに出来ないという物もあり、チューンってのは本当に 難しいモノですね。 多少、カタカタとスラップ音がしていてもやむを得ない場合というのは珍しくないですし。
ピストンを一から作製してプロフィールを決めた上で、シリンダーもそれに合わせて ピストンクリアランスを設定して掘る、とでも出来れば良いのですが(笑
> それと、ロアデッキ付近の締め付けが強くなる傾向がありました。 > 同様にEXポート付近も急須の付け根がキツくなりました。 > これは構造を考えれば当然かと思います。
締め付け、という表現はアタリのきつさ、と受け取らせて頂きますが、シリンダーの 「下の方」がきつめの傾向が見られる、というのであればもう少し余裕を持たせても 良いと私は考えていますよ。 前後方向だけが強めに当たる、といった方が理想に近いのでは、と…
排気ポートの周りがきついのは熱の問題と首振りの問題があるのでどうしようも ありませんが、これは排気弦長を抑える程度しか解決策が無いでしょうね。 が、ここも熱で逝かれている傾向が強いのならばもう少し余裕を持たせるべきでしょう。
が、あれもこれも完璧、というのはハイチューンになればなる程無理が出てくるのが 難しくもあり、面白い所でもあると思いますけれど、ね(笑
と、久々に頭を動かせる話題でハッスルしてしまいましたが(笑 ツッコミ大歓迎なのでまたどんどんご意見下さいませ〜 管理人でした。
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