ジョルノおやじさんまたまた毎度でっす〜
と、相変わらず色々と試行錯誤されている様ですね? ある程度煮詰まっても上を模索するその姿勢、大好きですよ。
が、これはいつも言ってます様に、デジタルタコメーターが無いと トルクカムの加工やセットは存分には行えない、と言うか不可能に 近いので、早めに都合されるのが良いかと思います。
で、今日のお題は…
>これらの作動を妨害する要素の"WRが外周へ飛び出そうとする力"を軽減するために、実用範囲内で軽いものを選択しますと最高速時のノビに貢献できず、イマイチ納得いかない要素もありませんか?
ふむふむ、確かに理論的には合っていますね。 が、WRは確かにアクセルOFF時の遠心力を弱くする為に軽いものを 入れる物でもありませんから、これは正直気にしなくとも良いですよ。
考え方の方向性は間違っていませんが、「アクセルOFFにてのシフトアップ」を 抑制出来るのは、トルクカム溝角度の効き方の方がはるかに影響力が 上ですからね。 WRはあくまで「変速回転数を制御する」物だととりあえずはお考え下さい。
そもそも、これはコンテンツでも軽く触れていますが… 「WRの重い軽い」で最高速が変化するという時点で、駆動系のセットアップを 間違えています。
分かりやすく言いますと、「変速回転数」が何回転であろうが、 最大変速後に達する回転数が同じならば、出ている速度は絶対に 同じなんです。 これは変わるはずの無い不変の定理なのですが、これもタコが無いと 正確な判断は難しいですね。
「WRが重いから最高速が出る」なんておかしいですし、最高回転数が 同じであれば、「変速比」と「減速比」を変更しない限り絶対に 速度の変化はありえませんから。 これは前にも言いましたが、「最高速」なんてのはセッティング後の オマケみたいな物なんですよ。
> コンテンツの中でも管理人さんが呟いてましたが、溝の最後の最後、最高速部分はもしかして90度にこよなく近く立たせた方が良いのかなぁ?と、弱バネでも最高に押し込まれた場合での反発力に期待してみたり。。。実に悩ましい領域です。
さあ?どうでしょうね(笑 これは使っている溝の領域とその速度息での「走行負荷」もからんでくるので 一概には言えませんからね。
…これに関しては答えを出すつもりはありません、と言いますか 状況によりけりなので出せません(笑
>今回、もしや・・・と思いまして、切り口の問題とかはあえて無視して組み込んでみました。同時にWR調整を軽くする方向性で持っていってみたところ、ちゃんと走るし、最高速も同じか少し上ぐらいで、毎度のテーマの登坂再加速もシャキッとキマリます。先ほどドリブンとトルクカムに記入したマジックペンをかくにんしたところ、ベルトの移動量はしっかり増えていました。
で、ノーマルより弱いセンタースプリングにて「最高速が上がった」と 言う点ですが…
これ、はっきり言いますが、「センタースプリングを弱体化しただけで、 物理的ベルトの移動量が増えている」というのは、その時点で明らかに 変更前のセンタースプリングが現在のエンジンパッケージに対して 硬すぎた、と言う事に他なりません。
そもそも、最大変速状態にてセンタースプリングの反力が効きすぎ、 変速幅を阻害しているという時点で駆動系の構成としてはムチャクチャなんですよ。 それが社外の寝ている溝のトルクカムであり、アホみたいに強いセンタースプリング仕様(笑)なんです。
「エンジン回転×WRの重量=WR遠心力」に対し、最大圧縮状態の センタースプリング反力がまだ勝っていると言う事は、「フルノーマル」でも ありえるんですよ。
大昔のエンジンパワーが全然無いエンジンであれば、WRが軽すぎたりすると 変速幅を狭めてしまうという悪影響もありましたが、現在のエンジンだと そんな事はまずありえないと言って良いですからね。
どの様なWR重量、変速回転数であろうとも、センタースプリング反力が 「変速幅の阻害にならない」事こそが、「セッティングを始める前」の 第一の基準になるんです。
だからこそ、トルクカムを変更した場合は、センタースプリングにおいては 常識や定番の概念を捨てないと駄目なんですよ。
なので、
> 《FN仕様Dio クレアセンタースプリング仕様》のコンテンツ等も読み返し、弱バネにての最高速時におけるドリブン側でのベルトの落ち込み具合を求める為のセッティングであるあたりも理解できてます。 これは解釈が違いますね。 「変速幅を増大させやすくする為」にセンタースプリング反力を 弱めているのではなく、60°溝を使って変速している状態の時に 「トルクカム溝角度+センタースプリング反力」の合力をはるかに 弱めてやりたいから、というのが真の狙いです。
> もしくは、この問題を考える前にもっと絶対的なエンジンパワーが必用なのでしょうか?(ノーマルに近い強さのセンスプ使用の場合と仮定して)
はっきり言いますが、そうなんですよ(笑 駆動系はあくまで、「エンジンパワーをいかにロスなく後輪に伝えるか」と いう仕事をする物であって、いじくればいじくる程に効率がUPする物では 無いんです。
仮に、チューンをノーマルから始めたとしても、プーリー程度はかまいませんが、 駆動系をどうこういじくってもすぐに限界は来ますから、絶対的な エンジンパワーを出すのがまず先なんですよ。
原付一種であれば特に、「法定速度の倍」の速度を出している状態に 不満があるのを、パワーを上げず全体的に速く出来るかって事です(笑 FNマシンの様にノーマルパワーを極限まで搾り出す作り方だと不可能では ありませんが、正直ポート加工でもした方がはるかに簡単に速くなりますからね。
> 今現在のエンジンは素直にノビも良く悪い感じでは無いのですが、以前のドカ抜きポート高圧縮時のような爆裂破滅の滅茶苦茶セッティング馬鹿力とは種類が違うので、比較するのもどうかと解っているのですが。もうちょっと豪快さが欲しいかなとも。。。
それであれば、圧縮比をきちんと計算してヘッド等を見直すか、 排気ポート&掃気ポートを効率良くするか等しかありませんね。 …ボアアップが一番手っ取り早いんですが、これも常套句ですが 安モンを買ってきても絶対にパワーなんて上げられず、悩んでいる内に 壊すのがオチですから(笑
後、以前の極端ポートの作製自体が、すでに無理がありすぎると言う事も 忘れてはいけませんよ。 無理してパワーを出しても後でロクな事がありませんからね。
もしくは… これは正直、好みもあるので一概には言えませんが、チャンバーです。 ぶっちゃけた話、チャンバーが悪いと他をどういじくっても効率良く パワーは上げられないんです。 まだノーマルマフラーで他をいじくったほうがトータルで満足出来る エンジンになる事すらザラにありますからね。
音量を気にしないのであれば、まずチャンバーを高性能な物に変更するのが 一番手っ取り早く確実な手法だと思いますよ。
最後に、
> キャブレターを口径の大きめのモノと交換するとかでもこういう場面でのパワーの出方って変わってくるものでしょうか?
もちろん変わってきますよ。 と言いますか、ホンダ縦型のキャブだとライブキャブに変えても結構 変わりますし、こればっかりは体感しないと分かりませんが、キャブの変更は 全く特性が別物になりますからね。
キャブが小さいと、エンジン内部の吸入効率をよっぽど効率よく仕上げないと パワーを出せませんが、キャブ口径が大きいと、エンジン効率が悪くとも、 強制的にガンガン混合気を叩き込めるので、適当でもパワー出ますからね…
とまあ、表題通り、駆動系をいじくられるのも良いですが、タコメータの無い 現在では、これ以上の進展は正直無理だと思います。 数値無くしては「詰める」事も難しいですし、感覚でセッティングしていると 絶対騙されますからね。
これはある程度経験のある人でも、体感を信じすぎて失敗するというのは 当たり前のことなので。 トルクカムと変速回転数の関係を人間のみで把握するのは絶対に無理と 言う事で。
ではでは。 長くなってしまいましたが、参考にして下さいませ。 管理人でした〜
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