谷口秀次さん初めまして。 管理人ねぎのリーダーでございます。 当HP、参考にして頂けている様で嬉しいですよ。どうもありがとうございます。
さてさて早速本題ですが、リード100についてですね。 ただ、私はこの車両はあまり深く分析した事が無い為にそれを前提として お読み頂ければ、と思います。
> CDIを純正 30410-KFH-008 刻印 KFH > からライブディオ 30410-GCH-003 刻印 GCH(真ん中のピンは入れ替えました) > へと交換したところ全体的にパリッとした感じに変わり、また、それまで加速中の変速がトルクカム45度→60度に変わる瞬間の回転の落ち込みが、かなり改善されたというか、ほぼ感じなくなりました。 > ちなみに変速回転数は6700rpm〜7200rpmでセッティングしております。
リード100純正CDI「KFH」から規制後ライブDio純正の「GCH」への変更ですね。 こちら、単純に変速回転数あたりの点火時期が丁度良い所まで進角し、 エンジンの燃焼圧力波の勢いが強められた、といった体感で間違いは無いと 思われます。
> これはやはり、ライブディオCDIのBTDC14°固定という点火時期が効いているのでしょうか?
私は実測した訳では無いので、サービスマニュアル値を鵜呑みにすれば、 リード100だと点火時期はアイドル時計測で「BTDC21°」となっています。 これを起点とし、リード100CDIの遅角特性を単純に当てはめてみると、
アイドリング=21° 4000rpm=16°(5°遅角) 6000rpm以降=15°(6°遅角)
こういった推測が出来ますね。 CDIの遅角特性については、私がライブDioで計測した数値ですが、フライホイールの 外周がほぼ同じであれば同じ位の数値になるはずです。
そして、この数値をベースとしてライブDio純正のGCH-CDIを使ったとすれば、 アイドリングからの遅角は無しといった特性の為、
アイドリング=21° 4000rpm=21° 6000rpm以降=21°
と、アイドリング時の点火時期をサービスマニュアル値で鵜呑みにするならば ずっと同じBTDC21°となってしまいますね。
…この場合、変速回転数である7000rpm近辺でも21°維持になりますから、 デチューン仕様のノーマルエンジンかつボア径を鑑みても、ちょっと速いかなと 言った感じの運用になるかと私は感じますね。 すぐにボン、といった感じでは無いとは思いますが…
> もともとリード100CDIにフライホイール突起部分を5mmカットしていたのですが、これは良くも悪くもまったく体感できず、そのまま数年間放置の状態で乗っており、今回交換後は音まで変わりました(危険な金属音です。) > > で、調子に乗って走っていたところ、約5500rpm、80km/h位で巡航していたら突然失火状態になりエンジンストップ!
そしてその上で、フライホイール突起を5oカットという事であれば…単純に フライホイール外周値を360で割って5o分、とりあえず5°分としてみれば
アイドリング=26° 4000rpm=26° 6000rpm以降=26°
GCH-CDI+ピックアップ5oカットだとこうなるかなと。 …さすがにこれは危険な領域で、ピークの出る回転数でずっと26°となれば、 いくら圧縮比が低くマイルドなリード100エンジンでもデンジャラスですね。
5500rpm巡行でエンスト、という事ですが基本的にパワーバンド以下は固定の 点火時期であるスクーターのCDIだと、リスクはあまり低減は出来ないですし。
リード100だと元々がピークは6000rpm位あたりにある特性だったかなと 記憶しているので、現実的にはさほどエンジンパワーが落ち込んでいない パワーバンドの一部で、それだけの点火時期で走行していたことになるかなと 私は分析します。
> セルは回るがエンジンが始動しなくなったのでプラグを確認したところ、アースフックが曲がり中心電極にくっついていました。(色は全体グレー) > 予備への交換も考えたのですが、プラグがこれで死んだのかも確認したかったのでマイナスドライバーでクイっと元のギャップに戻しスタートさせたらエンジンが始動したのでそのまま帰宅しました。 > プラグはB7HSを使用しております。
うーん、アースフックが曲がるというのはかなり珍しいですね。 むしろ、どこかのパーツが破損してそれがプラグにヒットしたのでは、と私は 感じますよ。
> 後日、エンジンをかけ暖気後スタートしたら数メートル後に「プシュ」という音と共にエンジンがストップしご臨終したので、腰上を空けたところ、ピストンリングが2本共変形し、セカンドリングは折れていました。 > さらに、スモールエンドベアリングが砕けており、ピルトンダメージが先か、ベアリングが先か?という状態になっておりました。 > ピストントップはまったく溶けてはいませんでしたが、ピストンのサイドが削り取られヘッドにくっ着いていました。
…かなりのダメージを喰らった模様ですが、元がマイルドなエンジンだと点火時期が ヤバい状態でもそこまで一気にピストン貫通とかではなく、徐々にダメージが 蓄積する事がある為、最初のプラグの時点で腰上をばらしてチェックしてみる べきだったかな、とも(汗
あくまで、過度の進角で壊れるのはピストントップだという定説がありますが、 実際には圧縮比が低く、燃焼効率も悪い純正系エンジンだとおっしゃる通りの ピストン以外の部位から壊れている事もありますので。 (※フルノーマルが前提ですが、リード100のエンジンバランスはかなりおかしく、 とんでもない位に前時代的かつパワーとは正反対の構造です)
> クランクを割り清掃後、ピストンも交換し現在は生き返り、フライホイールをノーマル(突起カットなし)に戻しCDIはディオで乗りましたが、音も静かになり危険な金属音もしなくなりました。 > 回転数もMAX7500rpm→8000rpmにUP!
修理は無事完了した様ですが、MAX回転数が上がったとなれば元々は結構な トラブルがあったかと推測出来ますし…そもそもですがリード100はそこまで 上を使ってもパワーバンドからは外れ気味になると思います。
腰上調整を行って初めてやっと7000rpm前後にピークがまとまる、といった 感じなので。
> しかし気持ちかもしれませんが、なんとなく以前よりモッサリ感を感じたので突起を2mmカットしてみたところ > ・危険な音までいかないが元気な音に変わった(うるさくはない) > ・モッサリ感が無くなった > ・MAX回転数は変わらず > 自分としましてはこれでしばらく様子をみてみようと…
そしてGCH-CDIのまま、ピックアップ突起を2oカットとなれば、2°分だと換算し
アイドリング=23° 4000rpm=23° 6000rpm以降=23°
となりますが…これでもちょっと不安は残る感じかなとも。 なお、エンジンの音的に危険な感じが聞こえている、というのは実際には エンジン内部はかなりヤバい状態になっており、聞こえる時点でぶっ壊れる 寸前どころか壊れている、といった解釈でOKですね。
そして以下、重複しますが個別回答になります。
> @リード100のエンジン構成では点火時期BTDC14°固定では5000rpm〜負担が大きいの > でしょうか?
こちら、リード100の場合はGCH-CDIを用いても始点がBTDC14°には なっていない可能性が高いです。 なのでおっしゃっている大前提が崩れ、前述の様に14°固定では無い、 といった解釈が必要です。
AF35系はアイドルで純正値BTDC14°固定で、実測値もそうなっています。 リード100の場合だと、純正値BTDC21°が本当にそうなのか、というのは 現実的にフライホイールに線を引き、タイミングライトを当てないと実際の 確証が持てません。 ほぼ間違いなく、フライホイールとピックアップ位置がAF35系とは違うでしょう。
> Aフライホイール突起カットで5mmから2mmへの変更で3mm(約3度遅角)の差というも > のは変化が表われるものでしょうか?
これは元の点火時期とパワーバンド内か否か、によって体感度合いは 変わってしまいます。 仮に、ピークの出るあたりで3°進角だと体感は出来ますが、もっと下だと 力が出た様には感じづらいですし、元々が10°の物が13°になるのと、 元々15°の物が18°になるのでも違いますので一概には言えませんね。
> Bリードとディオのフライホイールは同じものと思っていますが実は違う物なのでし > ょうか? > リード100フライホイール品番「31110-KFH-008」 > フライホイール刻印はリード、ディオ供に「GF-10」
これは私は現物を見比べた事が無いのではっきりとは言えないのですが、 ほぼ間違いなく異なる物でしょうね。 刻印のGF-10はあくまでベースとなるフライホイールの本体の形なので、 NSRミニとかでも刻印はGF-10ですが、シャフト貫通部とかも全く異なります。
「KFH」はリード100の固有品番の為、わざわざこれで管理しているパーツと なれば、同じ物とは考えないというのが品番索引の基本ですしね。
> C仮にフライホイールが共通としてピックアップコイルの位置が違う? > リードが早く拾う位置にある?
これはおそらくそうなっているかなと推測出来ます。 仮にピックアップの始点は同じでも、末端が数o違いクランク角度で BTDC21°位の位置で終わっているといった仕様だとは推測しますが… こればかりは現物を観察して計測しないと断言は出来ません。
フライホイールの上死点とピストンの上死点をきっちり合わせ、そこから 廻してピックアップ終了点でクランクが何度廻っているか、になります。
CDIというものは、フライホイールのピックアップが終わった箇所を0として、 そこから「時間的にどれ位点火時期を換えるか」の制御を行っているので、 CDIの点火時期特性を比較できるのは、そのあたりのメカニズムが寸分違わず 同じでないと不可能、という事になります。
なので、0点というかピックアップが点火信号を出す始点の異なるエンジンで CDIのみを変更したとしてもそのCDIの「点火時期」の変化の特性は きっちり行われますが、「点火角度」自体は元々の0点がズレている分全てに 影響が出ます、という事ですね。
後最後に、前述しましたがリード100は2st原付二種スクーターの中でも 飛びぬけてパワーが出されておらず、各部がかなりのデチューン仕様に なっていたりします。
元々は耐久性、静粛性の為に「抑えて」いるのが2st原付二種なのですが、 ピークの出る回転数も低く、あまり無理をして走らせるようには出来ていないと いうのが現実だったりします(泣
正直、7000rpmオーバーの変速回転数はエンジン特性と合致していないと私は 感じてしまいますね…
なので、あくまで私ならばですが…2st原付二種のガンである腰上を最低限の レベルで修正し、ピークが7000rpm当たりに出る様に変更し、その上で リード100純正CDIを用い、ピックアップ加工で7000rpm時に2〜3°の進角、 すなわちBTDC17〜18°ての点火角度を狙いたいですね。
…宣伝も込みになりますが、私は過去にリード100を分析した結果、他の二種と 同じく腰上を改善しないと何をやっても無駄に近い、といった結果になったので(汗
なおアイドルから4000rpmまでは24°とかになりますが、これは実際の運用では 問題無いでしょう。 「ノーマルマフラーにおけるパワーバンド手前の力の無い領域」ですから、 ここはがつんと進角させておくべきでもありますんで…純正の低回転領域での 点火時期が速めなのはまず間違いなくそれを狙っていますよ。
コストの問題もあるので、そんな補正を入れている純正系CDIなんてほぼ 無いのですが、おそらく、ですが開発時のエンジンパッケージ的に発進時の 力がかなり無かったのでは、と推測しております(笑
と、長くなりましたがこのあたりで一区切りとさせて頂きたく思います。 文章のみなので分かりづらい点もあるかと思いますが、不明瞭な点があれば 遠慮なくご指摘下さいませ。
では今回はこのあたりで失礼しますね。 管理人でした〜
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