ベーヤンさん、初めまして。 管理人ねぎのリーダーでございます〜
さてさて、今回はかなり痛いトラブルを起こしてしまった様で(汗 ひとつひとつ現状分析していきますね。
> 早速ですが、自分は規制後のAF35 DioZXに乗ってるんですが、先日少し遠出をしていたところ50キロを >超えた高速域でエンジン回転がガクッっと下がり加速が鈍くなってしまい「駆動系の熱ダレかなぁ」と思ってい >たのですが、その後も状況は悪化していき最終的には20キロ以降はミッション車でいう6速で走行しているか >のように回転が上がらず、まともに速度が出なくなってしまいました
この時点で、エンジンは回っているのであれば明らかに駆動系のトラブルと 割り切れますね。 こういう場合、危険ではありますがスタンドを立て、無負荷空転にてエンジンのみの 回転数が上がるかどうかを試せば、不調の原因としてエンジンなのか駆動系なのかの 大別が行える事も覚えておかれると宜しいかと。
> 自宅からかなり遠い所で症状が発生してしまったため、この状態での走行は良くない事とは分かっていたも >のの渋々乗って帰ってきてしまいました > その時はクランクケースが手も触れれないほど熱を持っていました
手で触れない程の熱、となれば、これは熱ダレどころの騒ぎではなく、完全に 駆動系の何かが破損している証拠にもなりますね。 …かなりヤバい、と言う事で(汗
で、下記は話が前後しますが、現状分析した結果をば。
> そしてここからが本題なのですが、プーリーのダメージで一番大きかったのはプーリー本体に一緒に付いて >いるプーリーボスを受けるカラーのような物?でした > > 自分、今まではこのカラーがプーリー本体と一体構造だと思っていて外れる物だとすら知らなかったのです
>が、金属粉は主にここから出ているものと考えられプーリー本体とそのカラーが接触する面は円周上の傷が >いくつもありました
まずコレですが、プーリーの中心部のメタル部分、これは普通に圧入されて いる物で、一体形成ではありません。 なので、劣化等で抜けてくる事は当たり前にあります。 が、抜けてくる程になればもう駄目と言う事です。
特に、社外品だとこの部分の圧入がイマイチだったり材質が純正に比べ 劣っていたりするのが当たり前なので、長期間使うとトラブルの種になるのは 私から見れば「当然」になりますね。
外れるとか傷が入る様な段階まで劣化が進んでいるのであれば、そのZERO製の プーリーはかなりの長期間に渡って使われていたのではありませんか? 仮にこれが純正の新品でも、5000kmならともかく10000kmとか走ってしまうと エンジンがフルノーマルでもここはガッコガコに劣化してしまって駄目になる物です。 社外品ならよほどの良い材質で無ければ5000kmも持てば御の字ですよ。
> ドリブン側を分解してみたところトルクカム内側のオイルシールがプラスチックのように硬化していたので、
>自分なりに考えた今回のトラブルの原因は > トルクカムのオイルシール劣化によりグリスが漏れ、最大変速時にグリスがベルトに付着→次第にベルト全
>体にグリスがまわり滑り出す→適切な変速が出来ずにドライブフェイスとプーリーが接触、削れてしまった > ものと考えております
続いてドリブン側ですが、これは先述の超高温によりシールが硬化してしまい、 グリスをぶちまいで駆動系パーツが全滅したとなりますね。
これはですね、通常の駆動系の温度変化程度では、シール自体は劣化しても 硬化するまでは絶対に劣化しないんです。
20年前のスクーターで長期放置でも、グリスが入っている上に日光が当たる 場所でも無いのでまず硬化はありえません。
なので、これは前述の
「プーリーのボスメタル劣化により、異常動作をしてプーリーより発熱した
熱がドリブンにまで伝わってしまいシールの硬化を引き起こし、さらにグリスをぶちまき
駆動系に飛び散り、ただでさえ熱を持っている各パーツに焼き付いてしまった」
という症状だと断定出来ますね。 シールの劣化が第一原因ではなく、ガッタガタのプーリー自体が元凶ですよ。 ベーヤンさんのお考えの方向性とは逆の理屈になります。
これ、プーリーのボスメタルがガッタガタになり限界を超えると、ベルトが 正常に掛かっていて変速が行われる場合でも、無茶苦茶にベルトを いじめる事になり、死ぬほど駆動系が発熱するんですよ。
私も経験がありますが、超劣化プーリーでこれをやってしまうと文字通り 触れるどころの騒ぎでは無い位にケースカバーが発熱します。
その位、駆動系に無理が掛かると発熱が起こるとも言えますね。 これはケースカバーに穴を開けて冷やす等ではなく、その発熱原因を 取り除かないと根本的解決にはなりません。
> 後日、恐る恐る駆動系を開けて見ると大量のベルトのカスと一緒にドライブフェイスとプーリー本体が接触し >削れたような後(プーリー内はプーリーが削れたであろう大量の金属粉がグリスと混ざっていました)や、ドライ >ブフェイスとプーリーボスとの接触面に焼きを入れたような後、ドリブン側のベルトが食い込んだ時(最大変速 >時)の位置にベルトのカスがこびり付いていたりと、かなりダメージがありました・・・
プーリー一つが劣化した為にこれだけのダメージを引き起こしてしまったのですね。 なんとも悲しいですが、これは劣化原因としか考えられないですよ。
あれだけ高温になりグリスが飛び散れば、「焼き」も各所に入って当然ですし、 ベルトは絶対再利用不可能、場合に寄ってはクラッチ&アウターも駄目かも 知れませんね…
>ドライブフェイスとプーリー本体が接触し
これはプーリー自体のガタにより、元々おかしくなっていたのが原因でしょう。 ボスメタルが動いてプーリーも削れる様な状態であれば、破損の前までは ある程度動いていた事自体が奇跡に近いと私は思います(汗
> 正直ベルトスリップによる異常な状態ではあったのですが、こんな所がここまで削れてしまうものなのか?と >疑問思い、本来グリスアップしなければいけなかったのかな?と思っています > > このカラーのような部品にもグリスアップは必要でしょうか? > > また、皆さんはプーリーボスなどもグリスアップしてますでしょうか?
最後にコチラですが、ボスやプーリーメタル部分にはグリスアップは必要ありません。 むしろ、絶対にしてはいけません。
原付ニ種のプーリーとかを見てみればよく分かると思いますが、プーリーの 中心部にはオイルシールが入っており、グリスアップ前提の物と言う物があります。
これはメタルの劣化を少しでも防ごうと言うメーカーの配慮なのですが、こういった 「グリスを入れても飛び散らない」システムになっている場合のみ、グリスアップは 必要になるんですよ。
原付一種ではコストや耐用年数の問題もあり、そこまで気を遣ってはくれてないので ボスやメタルにグリスを塗っても意味は無く、逆に飛び散ってベルト等に付いてしまうと それこそ自殺行為ですからね。
そもそも、ボスやメタルのグリスアップ程度では大幅な劣化が防げるものではなく、 劣化したら交換、がプーリーとしては当然なんですよ。
…余談ですが、世の中にはせっかく耐久性&安定性UPの為に付いている こういうボス部のオイルシール等が無い社外品も原付ニ種の物では よくありますが、その時点で耐久性は無視してるぞ、と宣伝している様にしか 見えませんからね。 こういうのはマメに新品交換するのが前提です。
と、結論としては… 原因は99%がプーリー自体の劣化であり、オイルシールの硬化はそれにより 引き起こされた二次災害、と言う事になります。
はっきり言いますが、社外品プーリーだと純正と同等にまで耐久性が 高められている物はなかなかありませんし、それでも普段激しい乗り方を する場合であれば、劣化は加速度的に進むと言う事をご理解下さいな。 その辺でも、純正とは比べ物にならないと言う事です。
先述しましたが5000kmでも駄目な物は駄目で、100%に近いおいしい状態を 維持出来るとなればよくいっても2000km程度が関の山なんですよ。 元々グリスレスでの設計で高負荷がかかる物にそんな耐久性なんかを 求められるはずも無いので。
…で、言うまでもありませんが近年は1980円とかで売られている物体だと 1000kmでも正常に持つのか?と疑ってしまうのはある意味当然(以下略
ではでは。 長くなりましたが、参考にして頂けると幸いです。 管理人でした〜
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