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記事No 6014
タイトル Re: 抱きつきでした・・・・(ゴウキュウ)
投稿日 : 2011/04/30(Sat) 19:07:55
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
イ〜キさん毎度でございます〜


さてさて、追加報告の方も早速拝見しました。
…画像板の写真を拝見する限り、完全にやってしまっていますね(泣

ピストンは完全に穴が空いてしまっていますね。
しかし、現実的な圧縮比設定にて、CDIでの点火時期もノーマル程度ならば
ここまで一気にぶち抜くと言う事はまずありえず、原因としては
混合気の薄すぎであった、としか考えられないですね。


> シリンダー・ピストンの悲鳴に気が付いてあげれませんでした(涙)

そうですね、これに気づくべき、と言ってしまうのは酷かも知れませんが、
こういった兆候等を人間が把握しつつ色々な調整を行って行かなければ
ならないのが「セッティング」であり、言葉は悪いですがそういった
「体感に出る症状」と言う物は知らないと分からないので、今回の
件の様な事も「体で」覚えないと判断基準が出来ない、といった事も
大いにあるんですよね。


> なんだか吸気も排気も、の太くて良い音するな〜♪
> なんてお気楽に走っていたんですが

明らかに音が違った、という事をどう解釈したか、というのも
問題の一つですね。

ですが、これは上記の様にその音の違いが何を意味していたのか、を
知っていないと分からないものですから、そこまで判断するのは
さすがに経験の差がモノをいってしまいます。


> 大事なシリンダーにも縦傷が!!(血涙)

ピストンはともかく、シリンダーにはどの位の傷があるのかにも
よりますが、ピストンをぶち抜いただけなら多少の修正で再利用が
出来る事もありますよ。

基本的に、リングの摺動範囲に縦傷があるのであれば多少のパワーダウンも
起こりますが、それ以外の箇所であればあまり問題は無いです。


> 直ぐに中古のピストンと交換
> シリンダーの傷は、800番のペーパーで磨いて
> 組み上げたんですが・・・始動できません(アセアセ)

えと、傷の具合にもよりますが、シリンダー側に明らかなる傷が
入っている場合だと、800番程度のペーパーを当てても何の意味もありません。
そんな細かな番手では鋳鉄を削る事なんてまず不可能です。

シリンダーは出来る事なら全く削らないで再利用したいですが、
修正を行わなければならない位のダメージであれば、120番とかでごりごりと
行かないと気休めにもならないですね。
800番ではアルミのピストン相手でもあまり削れないLVなので。

可能であれば「フレックスホーン」という道具を導入されるのが
一番良いのですが、これは高価なので次点としてホームセンターでも売っている
「フラップホイール」という回転紙やすり的な物で、40φ程度の
物を使うと比較的簡単に内壁が研げますよ。
番手は鋳鉄相手なので120番程度で良いでしょう。


> さらにクーリングファンを手で回すと
> 手触りがゴリゴリと違和感が・・・

これが一番問題ですね(汗
腰下からゴリゴリ音がする、という場合、ピストンをぶち抜いているのであれば
アルミのカスが腰下まで回り込む、という事が基本です。

暫定処置ではありますが、画像板の写真の様なぶち抜き方だとアルミの「粉」状の
物体が多量に回るので、クランクシャフト周りに混合ガソリンを入れ、クランクシャフトを
回し、ガソリン内にアルミのキラキラが浮いてきたら逆さまにしてガソリンを捨て、
それを数回繰り返し、入れたガソリンに目視やライトを当ててキラキラが見えなくなれば
とりあえずはOK、とするしかありません。

ちなみにこれはシャンプーのポンプや注射器なんかで混合ガソリンを吸い取っても
良いんですが、これだと結構アルミカスが残る事があるので面倒でもエンジンを
逆さまにする事をお奨めしますよ。
それに加え、エアブローをガンガン行う、位であれば精神的にもだいぶ良くなりますね。


が、実際にはこれを行ってもクランクベアリングの入っている部分とケースの間の
部分には、アルミカスは結構残留するものなので、100%を求めるならなら腰下を
割って掃除しないといけませんが、洗浄を繰り返してオイルを注した後、ゴリゴリ感が
無くなれば当面はいけると思われます。

これがリングのカケラや鉄の金属片だとかなり不味いですが、ピストンのアルミであれば
動いている内に不純物は吹き飛ぶ、というのもありますから、対策としては他に手法が
ありませんね…


まさか同時に腰下にまでダメージを負っている、とまは考えづらいですが、構成的に
そこまで逝ってしまうパワーの出方では無いので、まずは腰下を掃除してみてから
ゴリゴリ感が残るかどうか、がキーポイントになります。


> 腰下の不具合によるエンジンの始動不良は考えられますか?

上記の通り、腰下の不具合にてダメージがあるのならば、確認が難しいですが
コンロッドの「上下方向のガタ」のチェック、これは少しでもあってはダメですし
駆動系パーツを外してクランクシャフトを手で掴み、上下左右に揺すってみてガタが
どの位あるか、そして左右のクランクオイルシールからの明確な漏れやリップの
破損は無いか、等がチェックポイントです。

とはいえ、これは正常な状態を体験していないと判断が難しいのですが、腰下が
原因で始動不可能、となればそれらのどこかには明らかにおかしく感じる程の
ダメージが出ていないとおかしいですね。


私は単純に、始動不良の原因は腰上の圧縮が低下した事による単なる「かかりづらさ」で
あるかと推測しますし、オートチョークカットであれば正常なジェッティングでもエアクリを
塞がないとエンジン始動はほぼ不可能なので正常ですから、プラグの濡れ方等も
チェックしながら何度かトライしてみて下さいな。

この「かけ方」のコツというのは結構難しく、どうやればエンジンがかかりやすいかを
学んでいくという良い機会かとも受け取れますし、ね。


> 私の経験不足・無知さから大変な自体を招いてしまいました

そうですね、残念ですがこれはおっしゃる通りです。
詳細は前回のレスに記載しましたが、個人的な感想を言わせて頂くと「やりすぎ」ですね。

特に、

・ヘッドガスケット変更による圧縮比UP(7.5:1→8.1:1)
・MJ番手の15番ダウン
・オートチョークカットによるA/F比の変更

これらの3点の「混合気が薄くなり、なおかつ熱を持つ」といった構成変更を
全て「ほぼ同時に」行われている事が何より不味いんですよ。

通常はどんな熟練者でも、よほどの事が無い限りは何かを変更していく場合には
「一つずつ」変更してチェックしていくモノですし、それが基本中の基本です。
複数を同時変更してしまうと、何か、もしくはすべての相乗効果で悪い方向へ向いて
いる場合に原因の切り分けが出来なくなってしまいますんで。

また歯に衣を着せずにモノを言いますと、それだけ同時に変更したら私がやっても
何がこれだけ影響したのか、という事の完全把握は無理です、と断言出来ますね。


これはですね、個人的な考え方の方向性になるんですが、イ〜キさんの腰上の
パーツの加工を依頼された時、イ〜キさんのスキルやご経験を加味した上で
それなりに「遠慮した」構成をあえて作っていたんですよ。
誰にも彼にもギチギチ限界パワー仕様、といった物を提供する訳ではありませんので。

なので圧縮比自体も別段高くはなく、他の部分も控えめにこしらえているので
通常、エンジン自体はノーマルセッティングにて使用しても致命的なダメージが
起こる事はまず無いLV、といった想定だったのですが…
言葉は悪いですが、通常使用なら致命的トラブルを起こす方が難しいです。


圧縮比にしても、8.1:1の仕様はリスクが0ではないので十分気をつけて下さい、と
アドバイスしたはずですが、それを「行った上」にジェットを15番がた落ちさせて
しまえば、それだけで恐ろしいです。
そしてオイルポンプも絞っているのであれば、良いオイルを使っていても意味が
半減してしまいます。

最初はヘッドガスケットのみを交換してみて様子を見られた様ですが、圧縮比を
高めてもエンジン内部のオイル分残留は今までと変わらず、なのであればそれで
上等といって良かったんですよ。

…正直、前回のレポートと方向性を拝見する限りですでに確実に抱きついてるな、と
私は判断していましたが、そこからさらに乗られた上に完全に壊してしまったのは
正直、気休めにもなりませんが非常に残念ですね。


もちろん、ご自身にてエンジン内部の状態をばらして確認された上で濃い目だと
判断され、その上で対策を行ったという事は、結果いかんに関わらずとっても良い事で
あると私は受け取りますよ。
面倒くさがってチェックの為に腰上を空けない、という方も多々おられますからね。

ただ、その判断基準が少し間違っていた、というだけでして、結果そのものは残念な
事になりましたが、おっしゃる通りその経験は決して無駄にはならないです。
ここで心が折れるか、もしくは踏み台にしてさらなる技術向上を目指すかはイ〜キさん
次第ですので。

…私も若かりし頃はくだらんミスとか一杯しましたよ?(笑


簡単にまとめますと、基本的に「絞る」とか「詰める」とかいうのはあまりオーバーに
行わなくても良いんです、と言う事なんですよ。
別にレースをする訳では無いのですから、日常使用において毎日安定している性能が
出せている、ガボガボいったりしない、という時点で結構な良いセットになっていると
いう事も忘れてはいけません。

そこから詰めてもメリットって少ないですし、ジェッティングはともかく発熱量に対して
オイル量を絞ると色々なパーツの減りが速い、という非常に無駄な事にもなって
しまいますからね。

チャンバーからオイルがダラダラと垂れてくるのであればちょっといただけませんが、
それでもエンジン内部の保護を優先しても決して悪くは無い、と私は考えます。
特にGダッシュという旧車であればなおのこと、です。


最後に、私は決してイ〜キさんに対して怒っている訳でも文句を付けたいとかという
訳では無い事もご理解下さいませ。
失敗を経験として生かし、さらなるスキルを得たいという方向性の様なのであえて
苦言を呈させて頂いております。

トラブルが起こっても「セッティングが悪かった」と切り捨ててしまうのは簡単ですが、
「何故そうなったのか」をきちんとアドバイス出来ないと無意味だ、と考えていますので。


ではでは。
何か不明瞭な点があればまたご指摘下さいね。
管理人でした〜

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