記事No |
: 6131 |
タイトル |
: Re: 28ZXに27シリンダーピストンの移植は |
投稿日 |
: 2011/07/31(Sun) 05:36:01 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
Gダッシュオヤジさんまたまた毎度でございまっす。
今度はチューンの手法について、ですね。
> 手持ちに、27シリンダーピストンヘッドが有りますが。 > これを、ノーマルヒル28ZXなみに。 > パワーを、アップさせる初心者でも出来る方法はありませんか?。
AF27のシリンダーという事はWGタイプだと思いますが、これとAF28ZXとの 相違点は基本的には排気ポート弦長、そして全てのポートタイミングが 異なっている点になります。
簡単にだけご説明しますと、あくまでノーマルの28ZXのパワーで良いので あれば、排気ポート弦長をAF28ZXと同じ所まで広げるのが何よりも 確実ですね。
WGシリンダーだと、個体差が大きいですが排気ポート弦長はボア径の 65%あるか無いか位ですが、AF28ZXだともうちょっと広いです。
とはいえノーマルの差なのでたかが知れていて、ボア径の68%弱もあれば AF28ZXとしても「無加工では」広い方でしょう。
なので、AF27シリンダーならば排気ポートの弦長をボア径の70%、27.3o 程度まで広げればそれなりのパワーを出す事が出来ますね。 これは円周上の「弧長」ではなく「弦長」なのでお間違え無き様に。
後、ざっとですが測定方法なんかを。 弦長測定は意外と簡単で、スコヤとかをシリンダー上面に当てて真っ直ぐ シリンダーの円筒内に入る部分をポートの両端に当ててマーキングし、 ポート幅に対してきちんと垂線を引いたら、ノギスでその2本の垂線の内幅を 測定すれば簡単に弦長が把握出来ますね。
なおポートタイミングに関してはAF28ZXの方がわずかながら速いのですが、 それをあわせたからと言ってそこまで激変は無いのでこれはとりあえず 無視しても良いでしょう。
排気ポートの上側は一切手を触れず、幅だけ拡大してみれば要らない 特性変更が無く、ちゃんとした「変化」を見られるのでお奨めですね。
…たまに高さも変更して幅も変える、といった両方をいっぺんにやる人も おられますが、ハナからちゃんと寸法と特性を狙って把握していない限り それをやると何をやるとどう変化した、という事が分からなくなるので お奨め出来ないというのもあります(汗
掃気タイミングも他車に比べるとAF27、28は別に遅い訳では無く、 ノーマル風なら問題のあるLVではないので、ベースガスケットの 追加等もいきなりはやらなくてもOKですし、気にしない方が良いです。
掃気のタイミングをいじくるのはクランク角度でポートタイミングを 把握出来る様になってから、だと私は考えてますので。
> 会社のフライスにて加工できませんかね。
で、フライス盤だと残念ながら初心者向けの加工と言う物をご提示すると いう事が出来ないです(泣
これがJOGとかであればシリンダーの上面をカットしてスキッシュクリアランスを 詰めて圧縮比も上げよう、となったりもするのですが、Dio系の場合は その余裕がありません。
…あえて言うなら、圧縮比UPの為に縦型Dio系の「個人的には」大嫌いな 所である斜めプラグシリンダーヘッドの多少の面研には利用出来ますね。
これ、GZ0ヘッドだとヘッドそのもののボア径と同じ径になってる円筒部分は 約1.7o程度存在するので、ある程度は「正確に容積を把握しながら」面研出来る 余地はあります。
斜めプラグがゆえ、面研だけでも簡単に加工しようとすればでかい旋盤+四つ爪で ないと斜めプラグヘッドが掴めませんが、フライスであればヘッドボルトの座が 当たる部分をアテにして乾電池みたいな形の冶具をこしらえれば、それなりの 元々の平面具合を出す事が出来ますから、ヘッド面研「のみ」においては フライスは有効です、とも言えますね。
で、実際にどの位の容積、最終的には圧縮比を目指すのかとなれば… それは私の書いてるコンテンツを参考に各部数値より計算してみてから決めて 下さいな。 分かりづらい所だけをサービスしておくと、ホンダGW0ピストンだとトップ部分の 容積は「1.4cc」で、計算式は下記の様になります。
A:排気ポート開き始め=シリンダー上面から25.5mmの体積=(3.9/2)2乗×π×2.55=30.46cc B:ピストン上死点時のシリンダー上面からの下がり量=0.1mm=(3.9/2)2乗×π×0.01=0.12cc C:ヘッドガスケット0.5mmx40φの体積=0.63cc D:シリンダーヘッド体積=5.7cc E:ピストンヘッド体積=1.4cc
A+C+D−E/B+C+D−E=7.007=約7.0:1
とりあえずAF28ZXのノーマル値を記憶であてはめてみましたが、ノーマルだとおおむね こんな感じなので、排気ポートの高さを換えないのなら何mmなのかを把握し、それに対し ヘッドを何ccにすれば圧縮比はいくつになるか、を考えればOKです。 後、ポートの高さを正確に測るには、ピストンリングを使えば簡単ですね。
で、ノーマルだとこれまた圧縮比はサービスマニュアル値と全く同等にはなっていない 場合もありますし、排気ポートの高さの誤差により結構異なってきますから、この辺は 現物での辻褄合わせが必須になってしまいますね。 (※ピストン上死点での「肩落ち」も、シリンダー全長の誤差があれば変化してきます)
ほんのりパワーUPであれば7.5:1程度を目指しても十分体感出来ますよ。
とまあ、さすがにこれを強要するつもりはありませんが、フライスを使った有用な 加工手法、となれば旋盤ではやりづらい斜めプラグヘッドの正確な面研、という点に あるかと思いますので参考までにどうぞ。 なのでフライス環境の無い私は斜めプラグヘッドの加工自体をやりません(汗
現実問題としてはAF27と28の差なら排気ポートの差が一番大きいですし、まずは形状とか 気にせず、「正確な寸法」を目指して幅を広げる、といった事から始められると宜しいかと 思います。
…ちょっと言葉が悪いですが、決めた寸法をきちんと出せない加工LVでは、それに加えて ポートの形状をどうこうと変更したい、と言っても出来るワケがありませんので(笑
ではでは。 長くなりましたが参考にして頂けると幸いです。 管理人でした〜
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