記事No |
: 6311 |
タイトル |
: Re: 変速比(減速比)について かなりマニアなレスその1 |
投稿日 |
: 2011/11/04(Fri) 07:30:23 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
金ちゃんさん毎度でございます〜
さて今回は、ブログの方でも進められている駆動系の減速比の算出の件と いう事で…かなり色々行われているみたいで拝見していて面白いというのは 秘密で(以下略
と、まずは順番に行きますね。 あ、ランププレートの件は単なる間違いであった、という事で(汗
> カメファクプーリー&ランプ(プーリー外径92mm) > ボス(長36mm径18mm) > ベルト(長671mm幅18mm×厚8.5mm ベルトは廃盤の純製ベルトと同サイズでした) > 純製ドリブン > クレアカム > 純製センタースプリング
まずはご自身の駆動系構成において、計測と把握について最低限度必要なデータを 取られているという事で。 プーリー銘柄を変更しない場合、変更出来るのがボス長とベルト寸法になるのでこの辺は 基準値となる物をしっかり把握しておくのが大切ですね。
> 上記の構成で、実際に回してみての変速比を求めて見ました結果、ドライブ3回転でドリブン1回転となりました。 > エンジンを始動しベルトを張った状態での計測です。 > リーダーのご指導通りドライブフェイスに8分割の目盛りを記入し、回転させました。 > 厳密には3回転プラス1/16でした。
ベルトを張り、ドライブ側を実回転させた計測では最大減速比は3回転+1/16と いう事で、おおむね3.06といった所でしょうか。
あ、金ちゃんさんには実回転計測の場合、フェイスに十字を描いてさらにその間に 線を引いていけば1/8回転単位(0.125)までは正確に測れる、といった事をアドバイスして 差し上げてますのでココ見られてる皆さんも参考までにどーぞ。
> ベルト外側かかり径は(ドリブン113.33mmドライブ40.37mm)でしたので最小変速比2.807となりました。
そして、実際のベルト外周部分のマジック計測ですが、これはあまりにも シビアになりすぎるので0.2o程度の単位の把握でOKですよ。 コンマ何o単位であれば計測が多少違っていても、そこまで大きな差には なりませんし、だからこそ「近似値」を求めている、とコンテンツに記している ワケですね(汗
> 今回はマジックを下側から差し込み、車体進行方向のベルト頂点をトレース出来ました。 > マジック痕とプーリーに付いているベルト痕も一致したのでほぼ正確に出たと思います。 > 今まではマジックを上から差し込んでトレースしていたので、ベルトの傾斜が掛かっている部分にマジック痕が > 付いて実際よりも大きめに計測してしまっていた様です。
ええ、マジックの当て方によっては特にドライブ側は線を引くのが難しいので ホンダ系の場合だと、真上からマジックを差し込むよりは他の方向から 差し込んだ方が良いでしょう。
一番都合が良いのは、ベルトの屈曲率が高くなおかつ円周状に近い状態にまで 曲げられている、車体に対して一番前の部分、進行方向側のポイントになります。
で、マジック線の「内側」をノギスで測らないといけませんがマジック線が 上手く引けていないと測る箇所によって径が異なったりするのがミソですね(笑 ちなみに私は先端極細タイプのマジックを使ってたりしますよ。 太目の物だと線が引きづらいので…
それと、これはめんどくさいですがドリブン側は全部ばらしてからドリブン皿の マジック線を目視確認出来る様にし、きちんとマジック線の内径を測った方が より正確性が出せます。 一般的な150oサイズのノギスだとホンダ大径ドリブンはちょっと測りづらいので…
> そしてベルトの芯線位置の実計測は2mmでしたので、実際のベルトグリッピングポイントは2mmと予測し > 各かかり径から2mm×2=4mm減算 > ですのでベルトグリッピングかかり径は(ドリブン109.33mmドライブ36.37mm) > これを変速比にすると・・・3となり手回しの最小変速比と一致しました。 > > 以上の事から、ベルトグリッピングポイントは2mmと判断しましたが正解でしょうか?
次にベルトの芯線の位置もふまえた、「実際のグリッピングポイント」ですが…
はい、その「ベルト上側のツラ面から2oの場所」で合っていますよ。 大正解ですね。おめでとうございまっす〜
金ちゃんさんも計算されている通り、実際のマジックで線を引いたドライブ&ドリブンでの ベルトかかり径、ベルトの最外周部だと「実際に手で回した減速比」と比較すれば 近似値とは言えず、かなりの誤差が出てしまっていますよね。
ならば、実際にベルトがプーリー等のお皿、ベルト摺動面に対して喰い付いて回して いるのはベルトの最外周では無い、逆算すればもっと内側のはず、という事に 他なりません。
そしてその芯線が入っている場所こそ、
「ベルトとして一番負荷が掛かる点であり、強化しておかなければならない場所」
という事です。
仮に一番外周がグリッピングポイントなのであれば、ベルトの背中面にはケブラーの 芯線がむき出しに近くなっていないとおかしい訳ですしね(笑 だからこそ、グリッピングポイントは2o内側、なおかつそこに芯線がある、といった事の 証明にもなっています。
> 各かかり径から2mm×2=4mm減算
なのでおっしゃる通り、ベルト最外周から2o、すなわち直径で4o「内側」の部分が ドライブ&ドリブン双方共にグリッピングポイントである、という事になります。
これ、引っ掛け問題みたいで申し訳ありませんが…ベルトかかり径を2oだけ減算して そのまま再計算してしまうとか、ドライブ側だけ減算してドリブン側はそのまま、と いった方も過去におられたんですよね。 (※これは直接のメールのやり取りですが) なので一発で正解を出されたのは素敵だと私は思いますよ〜
> ベルトグリッピングかかり径は(ドリブン109.33mmドライブ36.37mm)
これを単純に割ってやれば解は「3.006」と。 実回転計測の最大減速比計測値と0.1も変わらない、立派な近似値と言えるでしょう。
減速比的には各部の寸法差や固体差等で、0.1程度は誤差があってもやむなしと いった物なので、ここまで正確に出せているのであれば全く問題は無いと 私は判断します。
という訳でして。 大正解ですので何か特典を、とも思いますのでリクエストあれば是非どーぞ(笑 …あまり高いものとかは駄目ですけども(汗
実はこのベルトのグリッピングポイントを掲示板等で明らかにしたのはこれが初めてに なるのですが、基本的に上から2oの点がグリップしている、と考えて私も色々な 物事を考えていますね。
これ、コンテンツでも多少触れていますが、例題のDioのみならずヤマハやスズキの 一般的な原付一種&ニ種車両においても、ベルトの芯線位置は「上から2oの点」で 把握していても良いです。
実回転での最大減速比計測と、ベルトかかり径マジック計測+減算の解は、 新車状態で計測を行った場合、双方ともサービマニュアル記載の最大減速比の 値に対してかなりの近似値になりえるんですよ。
一車種だけならばたまたまかな?とも思える様な事ですが、個人的経験ではこれを 行った場合、おかしい位に実測と計算とサービスマニュアル値がズレていると いった車両はほぼありませんでした。
ホンダでもヤマハでもスズキでも、ほぼ間違い無くベルトのグリッピングポイントは 上から2o位の場所に想定した上で、減速比を設定し変速比への計算にも繋げていると いった証明になるかと思いますよ。
だからこそ、こういった手法はどんな車種、仕様や社外品に対しても応用が効く上に、 きっちりとした把握、分析が出来るという面で私は多用しています、という事で…
ちなみにこれ、唯一近似値にならなかったのがAF28Dio-ZXやGダッシュなんですよね… 私の大好物が一番おかしいという事で当時は無茶苦茶悩みましたよ(笑
が、これもライブ系やJOG系だと近似値になる上、AF28ZXだと実回転で2.7程度なのに 最大減速比の記載値が3.000で、パーツ構成が同一でベルトの長いライブDioZXより 大きいなんてありえねえ、という事で、これはサービスマニュアルの記載の方が 適当なのか、もしくは計測方法が特殊なのかと考えて落ち着かせた、という裏が あったりします。
仮に、これが私が縦型AF28ZXやGダッシュしか知らない人間だったとすれば、 こういった理論の立証は絶対に不可能であった事は間違いありませんね…(汗
さてさて、上の文章はまたいずれコンテンツに追加するとしまして… あ、質問板とかで公にずばっと正解者の方が出た場合にはしっかり「上から2o」を コンテンツ内に記載しようと思っていたというのは秘密ですが(笑
では次の段階に行ってみましょう。
> これから最大変速比も求める必要がありますが、そのためにはプーリーの横スライド量の把握が必要かと思われます。
えと、ココまで来るとちょっと突っ込ませて頂きますが、「最大変速状態」の減速比、 もしくは変速比でも良いですが、その場合は「比」としては最大ではなくて 最小になっているので、この場合は「最小変速比」もしくは「最小減速比」と記して いくべきです。 言葉の意味が全く逆になってしまいますのでご注意下さい。
「2.850:1」と「1:0.860」であればどちらが「比」としての数値の差でかいか、という事で。
本来なら1:0.860であれば「増速比」なんですが、これはサービスマニュアルでは 減速比が1を切っていても「減速比」と記しているので私はそれに従っています。
「最大変速している状態」は「最小」減速比もしくは変速比になりますのでお間違え 無き様にお願い致しますね。 …ややこしいのですがコレ間違ってると意味が逆転してしまうので。
長いのでここで分割します。
|