記事No |
: 6320 |
タイトル |
: Re^4: 変速比(減速比)について かなりマニアなレスその2 |
投稿日 |
: 2011/11/06(Sun) 07:03:01 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
さてさてコチラが続きになりますのでよろしくです。 …そのまんまぶら下げたので見づらいのはご容赦をば(汗
> 確かに最大・最小側双方のグリッピングポイントに強い擦れ痕を確認出来ましたが、それ以外にもありました。
プーリーのベルト摺動面のべルト擦れ跡ですが、これはおっしゃる通り 最大変速状態の部分以外にも出来る場合はありますね。
が、そういった跡が付く所こそ「ベルトが滑っている」んですよ。 実はコレ、最大変速状態ってのもそれなりにベルトはスリップしていますし それを無くす様なセッティングだとモロにベルトぶち切れたりしてしまう 可能性もあります。
…しっかり食いついているから強い跡が付くのではなく、滑ってるからその 形跡があるというのが現実なんですが、これもおそらく一般的な解釈とは 乖離しているのでは、と私は思ってたりしますよ。
> 私は今まで摺動面マジック線の消え具合ですべて判断していました。 > 摺動面マジック線が全部消えた=プーリーを使い切っている=すべてOK・・・とっ > 逆に摺動面マジック線が全部消えていると言う事は、 > 場合によってはベルト外側はプーリー外周から飛び出している可能性もありますね。
そうですね、突き詰めて言えば最大変速時もしくはアクセルOFFのシフトアップ時に ベルトは2o弱ならばはみ出てしまってもそこまで悪影響は無いんですよ。 はみ出たまんまで走行しているなんてのは問題外ですが…
ただしこれが常に最大変速状態で運用し、アクセルOFF時のシフトアップも 大きい様な無茶苦茶ハイスピードプーリーとかだと、ベルトのみならずプーリーの 寿命すら短くなってしまいますからねえ…
なお、実走行ではよほどの超ハイパワーが無い限り、手でプーリーをスライドさせた 所まで全て使い切ってスピード出せている、なんて事は無いんですよね。
余っている部分というのは、トルクカム溝が90°で無い限りは、実走している状態での 最大変速状態からアクセルを戻すと、いくらかはベルトはその余り部分まで、もしくは それを越えて外側に飛び出してしまっているのが普通なんです。
そういった意味では大径のプーリーというのは保険にはなるのですが、プーリー自体が 死ぬほどハイスピードプーリーであった場合だとそれも通用しないという…
よく、トルクカム溝の開き側を無茶苦茶に削り込んで開かせようとする方も おられるみたいですが、あまり無茶すると色々不味いです、と私は考えていますよ。 適度にならともかく、やりすぎはハイリスクローリターンになる傾向が大きいので。
> 先にスライド量毎のかかり径変化と減速比や最高速計算式を > 表計算に仕込んでしまったので、机上のみで入力していますと > どうしても希望的観測が入ってしまい、 > 実は14mmとかスライドしているんじゃないか? > とか妄想してしまう始末で(笑
プーリーのスライド量とかを計測、計算していると、どうしても人間の心理上は プラス補正を入れたくなりますよね。それは私も分かります(笑
が、これもタイヤ径の潰れとかと同じで、基本的にはぐっとこらえてマイナスの 補正を行っておくほうが間違い無く後々の為になります。
…また例えがおかしいですが、仮にフルノーマルのDioでメーターの針が メーターケースの一番下まで当たる位に最高速度が出たとすれば、 さあ何km/h位なのか、を想像するのと同じですね。
これもまさか75km/hとか80km/hとか言う人は若者でもない限りはまず おられないと思いますが、後々に最高速計算式とかパルス式メーターと タイヤ外径入力で速度を出したりした場合、はっきりした数値が出て 後悔するのは自分ですから(笑
勢いで+の数値を出したくなるのが人間ではありますが、あまりに無茶な 数値だというのをいつまでも気付かないと、逆にコレは単純に恥ずかしい だけですからねえ…
> やりすぎになっていないか、 > エンジンパワーをロスしていないか等を > 事前に予測し考える事が出来ないですしね。
そうですね、やりすぎになっていないかというのは一番大切であって、 私のSSマシンみたいに無茶を承知でやってたりすると変にドツボったり するのはよく分かるかと思いますし(笑
> ノーマルよりもカメファクのほうが2°角度が浅かったので > 13°だったと記憶してますが、記憶も曖昧なので再度計測と言う事で。
なるほど、すでに面角度は計測済みでしたか〜 が、13°となれば…よほどのミスが無い限り、ノーマルと同じとはまず 言えないLVであろう、とは推測出来ますね…
果たしてコレが良いのか悪いのかといえば…ベルトの側面角度がそれなりに 馴染んでしまえばいける範囲である、と分析していますが、それまでには ある程度の慣らしが要る、といったところかなと思います。
せめてフェイス側も同一角度であれば良いのですが、それでもドリブン側の ベルト摺動面の面角度が変わる事は無いので、程々が一番ですね。 ちなみにドリブン皿だとその材質ゆえ表面加工はほぼ不可能なので、そっちを 合わせるというのも無理だったりするのが世の中です_| ̄|○
(表面に焼きが入っているので、上手く削れない上に表面だけ削ると寿命が 死ぬほど落ちるのが明白なので)
> 純製フェイスが15°仮にカメファクプーリーが13°とした場合 > お互いの角度が違うとまた1mmスライド時のかかり径は変わってきますか?
これはプーリー側の面角度にほぼ支配される、といった感じになります。 が、そこが双方で角度があまりに異なると、この辺の数値は正確には出せなく なるので、ある程度の近似値で我慢するしかないでしょうね。
前述のベルト跡や、プーリースライド量をしっかり計測してそちらをアテにして 少しでも正確性を高めるしかありません。
> 単純に最大かかり径と最小かかり径の差をプーリースライド量で割れば1mmスライド時のかかり径と成り得ますか?
これ、仮にノーマルだとドライブ側ベルトの外側のかかり径で単純計算すれば…
・最小変速時=44φ ・最大変速時=84φ
フルノーマルだとこの位だと思いますが、これを面角度15°の数値に当てはめれば
84-44=40 40÷3.73=10.723…
と、こうなります。 ベルトかかり径が40φ変化する為には、15°の面自体の双方の距離が10.7o程度 縮まらなければならない、すなわちプーリーの横ストローク量は10.7o必要である、と いった計算になりますね。
で、これだと私の把握しているノーマルプーリーの横ストローク量は10〜10.5oであると いった数値ともほぼ合致しています。 ベルトかかり径もおおむねこの位、ですからばっちりぴったり、とは行きませんが この位は許容しないと頭が炸裂してしまいますんで、ね(笑
> なるほどです、WRの移動量を稼ぐ加工の可能性もあると言う事ですね。ならべて厚みを比較してみます。
えと、プーリーそのものの厚みですが、これはあまり単純な比較には なりえないです。
摺動面の山の頂点部が全く同一形状であり、なおかつ平らな部分(があればですが)も 同一寸法に作られているのであれば単純比較出来ますが、実際にはなかなか そういう状況にはなりえません。
これを比較するには、
「最大スライドした状態で、ボスとフェイスの突起部分の余りがどれだけあるか」
を目安的に測った方が良いでしょう。
もっと言えば、フェイスの突起部もボスの一部ですし、フェイス自体も社外品だと ノーマルとは違い、突起自体が同一の長さでも突起のすぐ根元から角度が ついているのか否か、でもベルトの位置なんて変わってきますから。
それらをふまえると、実際のベルトかかり径の計測等に基準を置く方が 間違いづらいんですよね。 これは言葉を返せば、ボスが何o、だから、とかそういった見た目の 「ノーマル基準との比較のみ」に騙されずに済むんですよ。
結局、プーリーってのは減速比を求めるなら0からフルまでのスライド量が 一番大切なのであり、外径やらボスの飛び出しというのはあくまで 二次的な物にしかならなかったりします。
私も出来る事なら形状からベルトのはまりこむ位置、というのを算出したり したいですが…一時、各部寸法から素人CADもどきで実際のパーツの 位置取り等を把握しようとした事があったのですが、死ぬほどシビアな 「現物のパーツ計測」が必要である事に気付き挫折しましたから_| ̄|○
仮に、WRガイド部分の角度なんてのもプーリーを割ってもそこまで正確に 測れる訳ではありませんし、Rになっている部分もあるので絶対的な計測は ほぼ不可能である、という事で…
> さすがリーダー、厳しいですね〜(笑 > 何処かのサイトでホンダ用カメファクプーリーはヤマハプーリーを > ホンダ社に無理やり付ける為にボス外径を削ぎ落としている・・・ > だから締め付けトルクが(略・・・ > と言うのを見たことがあるのですが、その時はなるほどな〜と思いましたが、 > 今考えるとちょっとそれとは違うなぁと思えました。
えーと、モノを見て素直に解釈するならば、私も単純にヤマハの細ボスタイプの プーリーを流用加工して使う為にやってるだけでは、と思いますよ(笑 初めて現物を見た時にはなんじゃこれヤマハじゃん、と思いましたしね。
ただ、最大減速比を20oボスよりはもっと「安全に、余裕を持って」大きく 取って行きたいからヤマハプーリーベースにした、といった可能性も 考えてみたいではありませんか_| ̄|○
全てが結果論だった、というのはちょっと夢がありませんし、ものすごく邪推して みるならば、私の分析している結果自体、カメファクは一切考えていなくて 万が一ここ見てうわこれはメリットになってるんだ、ってなる可能性だって 完全に0では無いと思ったりもしますよ(笑
…これはですね、別にパーツメーカーさんやSHOPさんをハナから馬鹿にする 訳ではありませんが、うわこんな事も考えずにモノ作ってたのか、といった 事例も私いくつか知ってたりもしますんで。
ただ、そういうのは話にも出ないのにはいちいちバラしたりはしませんけれども… デイトナの赤クーリングファンみたく、あまりにふざけているLVの物とかは別ですが。
最初から全部疑うというのも気持ちの良いモノではありませんが、だからといって 過信もいけません、という事でひとつ。
> これ本当に目視でも限界だと判断できますね、 > ベルト外側ははみ出してはいないものの、ドリブン皿の外周端の丸めてある部分の丸め始め辺りまで到達していますし、
そこまで行っているのはベルトかかり径113oだと確実に分かりますが(汗 皿のはじっこの丸い部分も、モデルによって差異がありますが基本的には それ以上ベルトが行くのはあまりよろしくはありませんね。 せめて、ベルト上っ面がその辺にある、程度が限度でしょう。
事実上、ホンダ大径ドリブンの場合、ベルト幅が18oであればベルトかかり径は 113〜114o程度が限界で、それを越えたセットでの正常動作は不可能です、と 言い切っても良いでしょう。
> 実際ベルト文字面はアイドリング時や発進時クランクケースで擦られた痕跡があります。 > クランクケースを少し削って防ごうかとも思いましたが、 > リーダーコンテンツにここは飛び出し防止のため削らない方が良いと掲載があったのでそのままにしてあります。
む?アイドリングはともかく発進時にベルトがケース内側に擦っているのですかね? さすがにそれはほとんど無いと思いますよ。 あれはアクセルOFF時のたわみで暴れたベルトが打ちつけらている、と いった状態のみ、での解釈でもOKでしょう。
コンテンツ内には書いていますが、アイドリング等ではベルトのたわみも そこまで大きくはありませんしクランクケースカバー開けて眺めてみても たまにかすっている程度なので。
大きくベルトの上っ面にキズが入っているのは、アクセルOFF時のベルトの たわみが主な原因であって、これは「そうなっていないと」おかしいんですね。 完全無加工フルノーマル車でもこれは起こっていますんで。
ケースを一部削るというのはドリブン周りからすぐ前方の上下部分だと 思いますが、どんな理由であれここを削り込むなんてのは愚の骨頂で、 ベルトのたわみを抑制できなくなるのがオチですから絶対にやっては いけませんよ。
元々ここが広くなっており、あまりたわみを抑制出来ないであろう車両に 対してであれば…無茶なハイスピードプーリーを入れたのか、ベルトが 裏返ってしまう、といったトラブルも昔はWEBで散見しましたしね。
これも前述の様な、構成を考えない「やりすぎ」が原因であって、クランク ケースの上下、と言いますか空間の余裕がある車両で無茶するとこういった わけのわからんトラブルになるのがオチなので…
と、いつもながら長くなりましたが。 あまり突っ込む点はありませんが、面角度の相違、不一致といった点に 関しては、実測も含めて気を付けられる事を願っておりますです。
ではではまた何かツッコミあれば宜しくお願いしますね。 管理人でした〜
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