金ちゃんさん毎度でございます〜 なんとなくお久しぶりに感じてしまう管理人でっす(汗
さてさて、遅ればせながら今年も宜しくお願い致しますね。 ブログの方もちらほらと拝見させて頂いておりますので、今後も更新期待して おりますです。
ではでは早速いつものヤツをば(笑
> @混合仕様のまま運用する予定ですが、混合比で悩んでおります。 > オイルは使い慣れたA747を使う事に決めておりますが、40:1、45:1、50:1と徐々に > 絞る方向かなとも思うのですが、ノーマルオイルポンプの混合比を良く解っていないため > 指標があればお聞きしたいです。
現在組まれているフルノーマルリフレッシュエンジンに対しての混合比、という事ですが、 これは基本的に、ノーマル7000rpm程度変速エンジンのオイル燃費としては、おおむね 40:1程度になっているのが基準だとお考え下さいな。
とはいえ、これは分離給油においてのガス:オイルの比率なので、混合給油での フルノーマル運用であれば、40:1よりは薄めでも特に問題があるLVでは無いでしょう。
昔、FNエンジンにて混合給油を行ってみて、どういうオイルならどういった混合比にて 安定運用が出来るか、といった実験もやってみましたが、A747等の混合専用オイルでは 50:1程度でも十分に安定運用が出来る、といった結果でした。
60:1でもいけない事はありませんが、ストリート運用であればわざわざリスクを高める 道理も無いので、混合比的には50:1程度を上限値、としておくと宜しいかとも。 (とはいえお奨めは出来ませんが…)
が、参考までにFP仕様といったフルノーマルにチャンバーとセッティングのみの車輌で あれば、場合によっては10000rpmを超えて常用する仕様だと60:1ではさすがに安定して 「持ち」はしなかった、という点も付け加えさせて頂きますね。
もちろん、40:1の混合でいけるのであればそれに越した事はありませんから、実際の 運用を行いつつセットしていかれるのがベターなのは基本です。 ロドヘムさんもおっしゃってますが、基準値からの前後は好みや運用スタイルにも よりけりですね。
次に純正新品のピストン&シリンダーですが、これまたじっくり寸法を計測されたのですね。 …なかなかノーマル品でこれを行う方も珍しいとは思いますが、ある意味私としても 他人様のノーマル計測というモノは興味があったりするのは秘密で(以下略
> A今回納品されているピストンとシリンダーですが、ピストンは識別マークAが来ております。 > ピストン下から6.5mmの位置で概ね39.955mmでした。 > シリンダーは識別マークは所定の位置に無く(と言うかサンダー痕で見えなくなっていた) > 内径を計測した所、上中下とどこも概ね40.001mmでした。計測値に不備がある可能性もありますが > この内径ですと識別マークAの範囲となる様です。
まずピストンの前後幅計測に関しては、これは測る場所によっても差というモノは 出てしまいますから、同じ物を違う人が測って1000分台までぴったし、という事は なかなかありえないので、100分台がしっかりしていればそれでOKでしょう。
ピストンは「Aピストン」にて39.955oという事ですが…これ、ホンダの純正指定での 識別寸法だと、サービスマニュアルの数値の様にきちんと5/1000位の公差があって しっかりしている、という物では無い、というのが私の印象だったり(汗
これは別に純正の選別をアテに出来ないと言う訳ではありませんが、実測ですと Aピストンでももうちょっとちっこいのがあったデータもありますし、そもそも品番で Aピストン「以外」を発注しても識別マークAの物が入っていた、なんてたまには ありましたからねえ…
なので、こればかりは実測「も」併用するのが一番正しい手法ですし、社外品の ピストン等ではありませんが、結局は純正品においても自分で確認を行ってみると いった方向性はやって損にはならない、とは言えますんで。
そしてシリンダーですが、こちらは識別マークはガスケット接触面に刻印がある はずなのですが、そこがサンダーで削られているとなるとちょっと問題ですよ(汗 おそらくは元々A刻印の無い物であったのでは?と分析してみます。
内径的には40.001φで揃っていた、という事ですが、純正品ですからそれであって 当然です、とは言えてしまうのもミソです(笑
むしろ、その程度の精度が出ていない純正品なんてメーカー側が許すはずが ありませんし、実際の寸法的な差異はともかくとしても、上から下まで寸法差が 無いという点、これも「精度」の一環を担っていますね。
で、寸法的にはライブDio系のシリンダーだとメーカー側では40.000φを基本として 合わせてこしらえてきているフシはありますが、これもシリンダー内径寸法としては ピストンよりはまだアテになる方向性、Aシリンダーの方がわずかに狭いといった 傾向はあります。
が、これもメーカー側が提唱している「差」というモノはわずか5/1000の公差ですから、 これを計測値で反映させるとなれば結構難しいという事は否定出来ません。
とはいえ、内燃機関にて1000分台の差、なんてのははっきり言って必要ないLVで、 そこまで気にしてもしょうがないとも言えたりしますよ。
ホンダの指定値では一番大きいピストンと小さい方のシリンダーを組み合わせた場合、 39.970oピストン&40.000φシリンダーになりますが、これだとピストンクリアランスは 3/100程度になる事になります。
しかし実際には、どんな組み合わせを行ったとしてもそこまでピストンクリアランスが 狭くなった組み合わせというモノは私は見た事がありませんし、「B」寸法とされる ピストンという物も品番からでは判別不能な上、現物でBって書かれてる純正品って 私お目にかかった事自体がありませんしね(笑
> ピストンクリアランスとしては40.00mm−39.96mm=0.04で4/100、 > 仮にシリンダー内径計測値不備で識別マーク無しの範囲である40.01mmだとすると > 40.01mm−39.96mm=0.05で5/100になると思うのですが、この識別マークの意味合い > が良く解っておりません。識別マーク同士で組み合わせるとか想像して見ましたが > 何か情報があればご伝授願いたいです。
なので、識別マーク自体はホンダがちゃんと設定はしているものであり、基本的には AシリンダーにはAピストンという組み合わせを行わなければなりませんし、他の 組み合わせでも同様になります。
仮にAピストンとシリンダーの組み合わせだと、公差を加味してもピストンクリアランスは 4/100〜5/100の範囲に収まる様に設定されていて、これはA以外のセットでも同じです。 刻印なしのセットでもその公差を含めたピストンクリアランスは同等になる様に 設定されていて、数パターンのセットがある車種の場合、それぞれの組み合わせで 設定されているピストンクリアランスが、その車種の「規定値」になるんですよ。
なので、仮に刻印無しピストンとAシリンダーで、一番大きいピストンと狭いシリンダーを 組み合わせた場合、ピストンクリアランスは3/100になってしまいますが、ここまで 狭いとメーカー側としてはその組み合わせでの運用は推奨はしていない、という事に なっていますね。 (前述の通り、だからといっていきなりボン、という物ではありませんが)
このあたりは実測を行わずとも、サービスマニュアルの参照値を分析すれば その車種に対し、ノーマルエンジン構成であればいくつのピストンクリアランスを メーカーが設定しているのか、を読み取る事が可能です。
ちなみに当然の余談ですが…こういう点を分析していないと仮に社外品を 精密ホーニングに出すとしても、いくつにすれば良いかの見当すら付かないと 言うのは言うまでもありません(笑
とはいえ、事実上Aセットかそれ以外か、しか判断のしようがないのが現実なので、 これは自分で測ってみて、数値的な整合性を上げてやるのがいっちばんベターでは あるんですよ。
純正品もそこまでの分析LVになればメーカーの提示値を鵜呑みには出来ないとも 言えますし、エンジン腰上なのですから、自分でピストンクリアランスを確認したとしても なんらおかしい事ではありませんしね。
ちょっと余談で、レースの世界だとNSR50の腰上にもABCといった選別パターンが あったりしていまして、これもピストンクリアランスを詰める方向性で組み合わせを 選んでいくという手法は定番だったりしますが、この車種の場合はしっかりとした 寸法差が製品に反映されており、発注時にも選別が効くのでやり方によっては 微妙な調整は可能なのですが…
現実問題として、「フルノーマルエンジンを新規に組む」のであれば、よほどの事が無い 限り、トラブルに繋がる事は無いに等しい、と断言しても良いでしょう。
ピストンクリアランスが4/100だともう1/100程度は欲しいかな、といった気はしますが、 常用回転域変更とチューンが一切無い仕様なのであれば、ちょっと使ってみてその内 ピストンが減ってくればもうピストンクリアランスって変わりますから、そこまで気にする LVではない、とは言えますね。
これは言葉が悪いですが、良い意味で「たかがノーマル」と捉えても良いですし、 ボアアップキットみたいな物の調整ほどはシビアではない、と割り切っても良いです。
よく、ピストンクリアランスの問題だとクリアランス過大によるピストンの首振りを 気にされる方もおられますが、そこまで言うならば1000kmも走ればピストンが減って 5/100だったモノが6/100になる、なんてのも珍しくありませんし、それがイヤならかなり 頻繁なパーツ交換が必要になってしまいますから、そこまで気にするのであれば それに見合ったメンテを行えているのか、という話になってしまいますし。
これが社外品で、純正の劣化コピーな純正もどきシリンダーだとそう簡単に行きませんが、 金ちゃんさんの手持ちの物だと規定クリアランスの5/100に近いですし、さすがに3/100しか 無いのであればちょっと私も考えますが、1000分台も鑑みて5/100に近ければそれで 安心感も出るかと思いますよ。
> B圧縮比も計測&計算してみましたが、答え合わせをお願い致します。 そして次に純正構成での圧縮比ですが。 ひとつひとつ数値的なモノを検証してみましょう。
> A…排気ポート開き始めの位置からシリンダー上面までの容積 > 排気ポート上面からシリンダー上面まではノギス計測で24mmでしたので > (20×20×π×24)÷1000=30.2t
排気ポート開き始めの位置ですが、GBLシリンダーの場合は平均的に見て 24〜24.5o程度に収まっているのでおかしい点はありませんね。 FN用途だとこれが高い物を選ぶ傾向にある、というのは(以下略
> B…ピストン上死点(TDC)時のピストン肩落ち > シリンダーハイトを計測した所、58.5mmでしたので、リーダー情報を使わせて頂き > ピストン肩落ちは0.2mmとし、 > (20×20×π×0.2)÷1000=0.25t
シリンダーハイトは58.5o、これも多少の誤差はありますがそのあたりがGBLにて 私も平均値としている数値なのでそれでOKでしょう。 なお、肩落ち0.2oというモノはヘッド&ヘッドガスケット以外をシリンダーに仮組みして 実際に計測してみる事も行っておけばより安心感が高まります。
> C…ヘッドガスケット厚み分の容積 > こちらは計測してみた所、厚み0.2mmで内径は42φでリーダー情報通りでしたので > (21×21×π×0.2)÷1000=0.28t
これは純正品だと差異は無いのでOKです。 あ、ライブDioのヘッドガスケットだとステンの0.2o厚ですから潰れても内径の変化は ほとんど無いのですが、元々厚めでなおかつ銅製とかだと、実際に潰した後の 内径を計測するのがベターになります。
> D…シリンダーヘッド容積 > こちらも実測しましたが…一番自信の無い部分でもあります(汗 > 計測結果は6ccでした。注射器内に残るわずかな量も加味すれば6cc弱という事になりますが > 流石にこの辺は計測出来なかったので6ccとしました。
ヘッド容積はですね、プラグの銘柄にもよりますがGBLは私も「6cc」を平均値としています。 ヘッドの製造誤差によるプラグ座面までの高さやプラグ銘柄でも0.1〜0.2cc程度は 揺れが出ますが、そこは実測にて補えば良いだけなので。
後、注射器に残る、という表現でちと気になったのですが、ひょっとして金ちゃんさんは 注射器に2cc(仮)入れた液体を注ぎ、全部入ったらその繰り返し、といった計測方法を 行っておられるのでは無いでしょうか?
その方向性だとおっしゃる通り、注射器内に残る液体で誤差が出る事もありますから、 ある程度決め打ちした容量を注射器に吸わせておき、ヘッドに入った容量を差し引き いくら残ったか、で計測する方がベターになります。 注射器に10cc入れておいて4cc残ったからヘッドは6ccである、といった感じですね。
…深読みしすぎであればご容赦をば(汗
> E…ピストントップ容積 > こちらは今回実測しておらず、リーダーがコンテンツ内で提示されている数値を > そのまま使わせて頂きました。GBLピストンですので1.6cc。
ええ、これはちょっとコツが要りますし、難しい部分ではあるので私のデータも 是非お役立て頂きたいですよ。 が、これは適当な中古品でも良いので、一度実際の計測を試しておかれる事を強く お奨め致します(汗
> シリンダー側容積・・・A(30.2)+C(0.28)+D(6)-E(1.6)=34.88 > ヘッド側容積・・・B(0.25)+C(0.28)+D(6)-E(1.6)=4.93 > ・・・となりますので34.88÷4.93=7.075、四捨五入すると7.1となり > 一応サービスマニュアル値に近い数値が出ました。 > この計測&計算の中で、間違いや差異等が無いか確かめたく答え合わせをお願い致します。
私も計算してみましたがそれで間違いは無いでしょう。 おおむね7.1:1程度、サービスマニュアルの数値とも合致する計測&計算結果という事で 問題は無いと思われます。
ただし、前述のピストン肩落ち値やシリンダーハイト、排気ポート高さ等は製造誤差も ありますから、全ての純正構成がこうなる訳ではない、というのは…金ちゃんさんに 対してはもはや言うまでもありませんよね(笑
むしろ、純正誤差等を加味して実測&計算を行った場合でもあからさまにサービス マニュアルの値より低い、ともなればちょっと改善したいとなるのが世の常ですし、 この辺りも含めた点が、レースの世界でも言われる当たり外れ、純正誤差による 微妙な性能差が出る一つの要因でもある、という事で…
ではでは。いつも通り長くなりましたが… 答え合わせになっているかどうか、というより自分の計測データとの比較になって しまいましたが、計測&計算手法が同じであればこういった比較もしやすい、と いうのを久々に実感させて頂きましたよ。 …やっぱしこういうのは面白いです(笑 管理人でした〜
P・S ピストンリングのお話はたまたまタイミングが良かったみたいで何よりですよ〜
|