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記事No 6693
タイトル Re: ウエイトローラーのグリスアップ
投稿日 : 2013/04/02(Tue) 04:33:03
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
アクシス中毒さん初めまして。
管理人ねぎのリーダーでございます〜

さてさてまずは当HPを参考にして頂けている様で嬉しいですよ。
どうもありがとうございます。

と、お名前から察しますにヤマハのアクシスがお好きなのかな、と推測しますが、
私、ヤマハ2st1種〜2種スクーターもそこそこ分かるのでよろしくです。


>僕もスクーターを最近いじり始めたのですが、なかなか構造が複雑で思ったように行かないときも
>多くあります。駆動系を純正から社外品にこぞって交換してしまうのは好きではなく遅くてもいいので
>純正品を加工してカスタムしていきたいと思いました。

なるほど、最近になってスクーターいじりを始められたのですね。
これは趣味としては楽しいと思いますので、無理せず楽しまれる事を期待したく思いますよ。


>そのときよく耳にするのがウエイトローラーにグリスアップしてローラーの動きを滑らかにすることで
>耐久性や加速アップできる!?と聞きました。しかし他の方の意見では効果なし、逆に早く削れるなどの
>意見がありました。
>自分でも試しに新品ウエイトローラーでグリス無しと有りで試乗してみたのですが多少加速の変化が
>あったので効果は絶対にないとは言い切れないと思いました。

そして本題ですが、WRへのグリスアップの件という事ですね。
こちら、結構質問される事もある件なので、現段階での私の意見をさくっと述べさせて
頂きます。
もちろん、様々な意見があるのがこの手の手法ですから私の意見もひとつの意見とし
自己判断の材料にして下さいな。


>1、純正でWRにグリスを塗っていないのでグリスアップは本当に必要なのか?

こちら、少なくとも純正構成でグリスレスのWRが装着されている場合は、メンテナンスにて
グリスアップを行う必要性は全く無い、と私は判断しています。

そもそも、WRにグリスを塗布するといった手法は、現代とは違ってWRのガワの材質である
エンプラ自体の質が良くなかった時代の手法でして、80年代の古いスクーター等のノーマル
プーリーを見てみればよく分かりますが、裏蓋となる「グリスガード」が装着されており、
中身はWRがどっぷり漬かる位の大量のグリスが封入されているんですよ。
…これは比喩ではなく本当にどっぷりです(笑

グリスで潤滑しよう、と考えた場合は最低でもその純正構成グリスガード+たっぷりの
グリスを使わなければほとんど無意味に等しく、グリスガードの無いプーリーにおいて
それだけのグリスを詰め込んでしまうと飛散しまくって駆動系が大変な事になりますから、
構造的にはグリス潤滑をグリスレスWR&プーリーの構成で行う事事体が不可能なんですね。

メーカーさんも馬鹿ではありませんから、それなりに乾式仕様で耐えられる材質をWRに
付与させていますし、社外品ではグリスを薄く塗れ、という指示もあったりしますが、
それならば純正品程の強度、耐久性は無いのだな、という事に他なりません。

そもそも…これは個人的な意見ですが社外品WRにグリスを塗布しろ、といった指示は
ただ専用グリスを売りたいだけなのでは、と勘ぐったりもしていますからねえ(笑


>2、巷で「魔法のグリス」なるものが売っていて商品説明では「グリスの持つ耐熱温度を従来品より
>高いものを使用し、特殊添加物混和により半乾式で各部分へ永く潤滑」と書いてありました。
>僕の考えなのですが添加物混合によってグリスの粘性を変化させたくらいではWRの激しく動く
>動きに耐えられるとは思わないような気がするのですがねぎリーダー様的にはどう思いますか?

魔法のグリス、ですか。
これ、私もケミカル系は好きなのでそういった物を試した事も結構ありますが、WRへの
塗布といった仕様用途でははっきり言って意味が無いと割り切っています。
そもそもそれも実験のみで行ったのであって、普段は街乗り車だろうがレーサーだろうが
私はWRにグリスは塗りませんしね。

成分等についておそらくはおっしゃる通りで、粘性を変化させた程度では、その作用が
大きく働く程の「グリスの量」が元々WRに塗布されていませんから、全く意味が無いと
考えますし。

これが仮に、100cc位をほぼ密閉状態の部屋に入れるギヤオイルなんかだと、粘度の
変化を行うと車体を押して歩く程度でも体感出来る事もありますが、粘度がどうこうの
話をするLVまでの絶対量が無いのではその作用を起こしようが無いでしょうしね。
(トルクカム内部に塗布するLVの量であれば多少の変化は出るでしょうが)

で、耐熱温度を上げている、という売り文句に対しては、少なくともWR周辺の温度は
100℃にも達しませんから、一般的なグリスでも耐熱温度に間に合わない、なんて事は
まずありえないんですよ。
これも「WRに薄く塗布する」といった仕様用途ではその高性能を発揮する事はまず
物理的に不可能である、と断言しても良いでしょう。


…これははっきり言って、社外品WRであろうが最大変速時にランププレートのカドがWRに
大きく刺さり込む様な変速状態担っている場合、どうあってもWRの片減りなんて避けようが
ありませんし、ホンダなんかはノーマルでもその傾向が強いので、事実上WRの減りを明確に
避ける事事体不可能に近い、と言う事なんですよ。

そもそもグリス潤滑、というモノはある程度の量を摺動部分に対して保持したままにしないと
行えない物であって、WRのランププレート接触部分に常に供給されていない以上は
WRのエセグリス潤滑なんて無意味な行為である、と私は判断しています。

が、新品のプーリーを使った場合等、初期なじみを取る為には悪くない手法かもしれませんが
その程度でへこたれる材質のWRなら最初から使わないほうがマシ、という事になります(笑


そして最後に、

>>ウエイトローラーにグリスアップしてローラーの動きを滑らかにすることで

という意見があったとの事ですが、これも正直WR自体が多少変形したところで、加速や
変速に対してそこまでの悪影響は出ないんですよ。

さすがに芯が見えているとか明らかにがっつり凹んでいるとかであれば話は別ですが、
多少線状に削れていた所で、WRというモノは転がっているものではありませんから
その程度の変形を問題にする程にはおかしくならない、という事ですね。

これも、相手がズッタボロの劣化プーリーとかであれば顕著に出やすくなりますが、仮に
駆動系パーツを全て新品にして慣らしを済ませ、その状態でWRだけ劣化している物を
突っ込んでも、変速回転数が上がったり下がったりムラったりした事は私はただの一度も
ありませんので…


いつも通り言葉が悪いですがこれはセンタースプリングの熱ダレみたいなものでして、本来は
他の部分が悪くて悪さをしているのに、それを目に見えやすいパーツのせいにしているだけ、
といった傾向がWRの減り、という事柄にも出ている、と私は昔から感じていたりしますしね。

WRがおかしくなっていて変速までおかしくなる、となった場合は、プーリーの中心穴に
ガタが大きく出ていたりして、「プーリーが真っ直ぐ押し出されていない」事の方がトラブルの
要因としてはかなり割合的に多いですからねえ…

逆に、いくらWRやプーリーボスを新品にしたとしても、プーリーがガッタガタのべこべこでは
全くメンテナンスの意味が無いと断言しても良いでしょう。

そして、「グリス塗りたて」の時だけは変化があっても、それが持続しないのでは効果が
あるとは言えませんし、そこまで頻繁にバラして組んで、を繰り返す事を考えれば実際に
メンテナンスの一環として組み込むのは…価値があるかどうか分かれる所でしょうね。


と、最近何故かレスが長くなる傾向になってますが(汗
参考にして頂ければ幸いです。

ではでは、何か不明瞭な点があれば遠慮なくツッコミ下さいませ。
管理人でした〜


P・S
私、「ねぎリーダー」じゃなく「ねぎのリーダー」なのでよろしくです(笑

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