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記事No 6913
タイトル Re: 色々原因はあるかもしれません
投稿日 : 2015/08/25(Tue) 08:01:06
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
3yk4乗りゆうきさんお久しぶりでございます〜
最近ほとんどスクーターいじくれない管理人です_| ̄|○
さてさて、では早速私が好みそうなご質問の方へ(笑


> 最近自分のジョグを水冷化をしてみました。
> のですが、素人なのでやはり問題がでてきてしまいました。。

おお、これまたなんとも思い切った構成にされましたね〜
これっておっしゃる通り、色々とツボやコツはあるので、こういっては
ナニですが一発目から全て成功する人、というのは珍しいと思います(汗


> 走行していますと、水温が全く下がってくれずどんどん上がってしまいます。。
> (90度以上になってしまいます!)

あらら、これはかなり不味いですね。
全水冷仕様という事であれば、水冷ヘッドのみの装着時よりはかなり
高温でも安定させられるはずなのですが、それでもストリート走行にて
90℃はいくらなんでもデンジャラスなレベルです。
…原因はどこかにありそうですよ。


> 使用部品
> ラジエータ、TZM
> ウォーターポンプ、キタコ電気式
> シリンダ(ヘッド)、カメレオンファクトリー
> の物を使用しています。

まずは使用パーツですが、カメファク製の全水冷ボアアップキット、というのは
私は特性等を分析した事が無いので何とも言いづらいのですが…
最大の要因として、いくら全水冷にてエンジン温度の安定が図れるとしても、
シリンダー&ヘッドでの圧縮比が無茶苦茶に高かったり、排気ポートが狭すぎ
熱が全然逃げない、とかの「構成」であれば、いくら冷却系をどうこうしても
根本的な解決にはならないです。


…とはいってもそれを言っては何も始まらないので、そのあたりはある程度
許容範囲である、といった前提であれば、まずラジエターが小さいと思いますよ。

TZM50用であれば、2st50ccのラジエターとしては悪くない容量を持っていますが
それはあくまで「7.2psの全水冷MT車のノーマル」に対してであり、正直言って
エンジンチューン&ボアアップされた2stスクーターには能力が不足しているかと。

水冷ヘッドのみの水冷化の場合だと条件はもっと厳しくなるのですが、それでも
最低2st125ccクラスのラジエターが絶対条件で、なおかつ風の当たりやすい
フロント側にマウントする、といった位でやっと安心、といった感じなんですよ。
なのでまずはここが要因の一つかと思われますね。


次に、ウォーターポンプがキタコ製、という事であれば実はあれって中身は
某ドイツ製の車のパーツなんですが、これって12V、いやAC電源を取って
駆動させているのであれば、14.4V程度で駆動させている事になります。

しかし、このポンプの場合だと流量がかなり大きいので、ラジエターの
容量や水冷ラインの構成によっては、温まった水がラジエター内にて
十分に冷却される前にラジエターから出てしまう、といった傾向も見られる
事があるんですよね。

昔武川から出ていたモノや、KN企画製等のラジコン用540サイズモーターと
同等のクラスの駆動方式であれば12V駆動でも流量は丁度良くなったり
するんですが、キタコもしくはベリアル等、ドイツ製のブツはちょっと過剰すぎる
傾向がある場合もある、という事で。

…これを確認するには6Vや7.2Vでウォーターポンプを駆動させてみないと
分からないのですが、電源をバッテリーから直取りにして間に抵抗とかを
噛ませてみるのも良いかもしれませんね。

ただし、ここが原因で無かった場合にはウォーターポンプの回転数を下げると
一気にヤバい事になるので注意が必要です(汗


> 冷却順路
> ラジエータ→ヘッド→シリンダ→ウォーターポンプ→ラジエータ
> という順に水が流れるようにしているのですが
> この順も正しいのかもわかりません(^_^;)

冷却経路ですが、これはちとおかしいですね(汗
まず、カメファク製の水冷シリンダー&ヘッドの場合、シリンダーとヘッドの
冷却通路が分かれておらず、ゴムリングガスケットでヘッドとシリンダーを
シーリングするタイプですよね。

この場合、まず「冷たい水」を入れたいのはシリンダーであって、エンジンと
しては一番冷やしたいのは超高温となる排気ポート周辺ですから、まず
シリンダー側の穴に、ラジエターロアホース、すなわち下側の冷却済みの
水が出てくる所を繋ぎます。

もちろん、ウォーターポンプもお湯を通すよりは水を通した方が熱的にも
優しいので、ラジエターロアからシリンダーまでの水路の間に装着すべきです。

後、ウォーターポンプの電装側は物理的に「上向き」にした方が、万が一の
水漏れ等があってもモーターを痛めづらいですよ。
これは取り回しによっては難しいかもしれませんが、少しでも電装側を
「高く」しておいた方が心理的に良いですね(笑


で、シリンダーから入りヘッドから水が出てきますが、写真を見る限りでは
シリンダーが横置きでも、ヘッド側の水出口の方が位置的に「高い」ので、
こちらがアウト側となり、そこからラジエターアッパー、すなわちラジエターの
入り口に水、いやお湯が流れていくのが正しい構成ですよ。

なお捕捉ですが、水ってモノは温度が上がれば「上」に向っていく物なので、
シリンダー&ヘッドの水の入り口より出口が低いと思われる現在の状態では
シリンダー&ヘッド内部はちと水が回りづらい構造になっていると思いますね。

これってただの水の対流なんですが…仮にウォーターポンプが無くとも、
ラジエター位置や水ラインの取り回しによってはある程度ですが水を
循環させる事が出来る、というのが水冷システムの面白い所です(笑

ちなみに今月のモトチャンプの134P〜に、水冷ヘッド化されたパッソルUが
掲載されてましたがその写真だと水ラインが結構分かりやすいので
ひとつの参考にされては、とも。


> ラジエーターに風がよく当たるようにカウルを外してみても変わらずでした。

と、これを拝見する限りでは、ラジエターはインナーラックの下あたりの
足元マウントになっているのですよね?

その場合だと、正直ラジエターの冷却効率としてはかなり悪いので、余計に
大型のラジエターが要りますし、その方式だとTZMのラジエターではまず
容量不足すぎてダメでしょう。


カウルを外しても水温が下がらなかった、というのもかなり不味いのですが、
ラジエターはエアシュラウド的な「風を集める」といった方式も用いないと、
元々各バイクに専用設計されている様には行かないんですね。
逆に大解放にて冷やそうとするのであれば、フロントカウルの前にラジエターを
取り付け、「地面と90°」になる様に直立させないと最大の効果は得られません。

なので、足元マウントの場合は、フロントタイヤから後ろのカウルを余裕を
持ってカットし、その上でラジエターの周辺からは絶対に風が「漏れない」様に
シーリングを施さねば、ただでさえ少ない走行風が隙間風としてぴゅうぴゅうと
抜けてしまってほとんど冷却になってませんので…

これ、足元マウントであれば最低でも2st250ccや4st400ccクラスのラジエターが
必須レベルになるんですよね。
それらを用いた上で、水温的にはいっても70〜80℃程度、位でなければ
エンジン本体の構造がおかしくて超高温になってる、とも分析出来ますよ。


> ウォーターポンプはちゃんと動いているみたいです。

さすがにこれはどこかのラインを外してはじっこをバケツにでも突っ込みつつ
ポンプを回し、ちゃんとそれなりの勢いで水が出ているか、を目視で確認して
おかないとダメです。

これまた余談ですが、大昔の水冷ヘッドのみとかだと、ヘッド内部の通路が
細いモノもあり、ポンプのみで吐出する水の勢いよりも、ヘッドを通した後で
吐出する水の勢いがかなりヘボく、ヘッド内部で水がちゃんと回っていない、と
いった事例もあったりするので、可能であればラジエターアッパー前の水路を
外し、どれくらい水が出てくるかを確認した方が良いでしょう。


なお、基本的な事になりますがこういったパターンだとラジエターもしくは
水路の途中にラジエターキャップとリザーバータンクを装着していると
思いますが、リザーバータンクには少し水を入れておき、水温が最高になった
場合にどれだけリザーバータンクに水が戻るか、を確認しておきましょう。

あまりにリザーバータンク容量が小さいと、水の戻りが多かった場合には
リザーバータンクが膨張してヤバい事になるので注意ですよ(汗
…ちなみに私、大昔に100ccのリザーバータンクが破裂しかけ(以下略


> これは単にラジエータの容量不足なのでしょうか?(^_^;)

と、文面を拝見する限りではまずこれが第一の要因かなと推測しますよ。
シリンダー&ヘッドへの水ラインが逆、というのはあってもかなり強力な
ウォーターポンプで無理矢理循環させていればそこまでヤバいレベルには
ならないでしょうから、まずはラジエターを変更してみるのが良いでしょう。

マウント位置も可能な限り「風を導き、かつラジエターの後ろに抜ける」と
いった方式を用いた上でこしらえなおした方がベターですね。

その上で、水温リミットは通常時で60〜70℃程度、過負荷時でも80℃には
達さない、といった感じを目標にされると良いかなとも。


とまあ、長くなりましたが「後付け水冷システム」というモノは結構あれこれと
小難しい事が多いのですが、これらをクリアしないとエンジン温度の
安定化、という最大のメリットは出せないのでちと考慮が必要です(泣

今の時代は水冷式エンジンなんてあまりにも当たり前なのですが、それは
メーカーさんが色々考えてちゃんと設計しているからこその当たり前である、と
いつもの戯言をほざいた所でシメてみます(笑

…近年はこの手のご質問もかなり減りましたねえ、と言いますかかなり
久々にこの手の事を記した気もします。


ではでは、不明瞭な点があればツッコミ下さいませ。
管理人でした〜

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