おっとアクシス中毒さん毎度でっす〜 質問板は久々な気がしますが早速いつものをば。
> タイトルにも書いてあります通り2stオイルの混合比についてなのですがよく聞く話で混合オイル量を薄めてエンジンが被らないように調節する話をよく耳にします。 > この混合オイル量を薄める方法ですが車両(オン、オフ)によって使い分けている方がちらほら見かけますが使用方法によって使い分けるのは有効なのでしょうか?
混合給油時におけるオイル混合比について、ですね。 まずこれは混合比そのものを状況に変化させる事があるか、となれば 無い事は無いかな、というのが私のスタンスでしょうか。
ただし、有用かどうか、と問われればそれは物事をきちんと理解した上で メリットを享受し、デメリットを承知の上でやらないとバランスが悪いと いう事は確実にありえますね。
> たとえ話ですがヤマハのオフロードYZなどは30:1指定(ヤマルーブ2R)ですがメーカー指定のオイルを変更した場合粘度などが変わるので混合オイル量を変更して(オイルによっては60:1など)被らないようにするといった手法があるそうですが、自分的にはなんだか危険な方法だなと思っていますしちゃんと整備してある車両ならあまり粘度などにはとらわれず車両メーカー指定にそった混合比の方が安全だと考えられます。
ええ、基本的にはオイルの缶に記されている「推奨混合比」を基準として 物を考えていくのが一番ベターでありセオリーになります。
これは純正バイクメーカーさんと同じに扱ってはいけないのかもしれませんが、 少なくともメーカー純正系オイルを使う場合においては「メーカーさんは 馬鹿ではない」と私は考えているので、30:1が推奨であればまずそこから やってみて様子を見たいところですね。
で、これを仮にいくらか薄めたい、となればそれはどんな目的があって そうしたいのか、を明確にしないといけません。
単純に、オイル燃費を安くしたいのであれば混合比を半分にすれば走行距離に 対するオイル代は半分で済みますが… これがエンジンパワーを稼ぐ為にやりたい、となればまた話は別になって きてしまいます。
確かに、オイルというモノはピストンとシリンダーを例に出せば、両者が 直接接触しない様に「油膜」を作っている物でもありますから、これが0に なってしまうとパーツ同士が大ダメージを喰らうというのは基本ですね。
ですが、この油膜自体、あまりにもオイル粘性が高いとかであればそこを 変更する為にオイルの量自体を減らす、というのはあまり良い手法には なりえません。
多少であれば「粘度」が高いのを「量」を減らす事により摺動抵抗に対しては ロスを低減する事が出来ますが、それによるデメリットはかなり大きいです。
おっしゃる通り、金属パーツの耐摩耗性はかなり低下しますし、万が一何かの 要因でエンジン温度が極端に上がった場合、一発でボンとなる可能性も はるかに高くなってしまいますしね。
なので、混合比を指定値より薄くする、というのは各部パーツの耐摩耗性は 絶対に落ちてくる、といった点を覚悟の上でやらないといけません。
「使い方」を前提とするならば、自然空冷エンジンでエンジンに走行風があまり 当たらない様な低速かつ高負荷のトライアルやジムカーナであれば、オイルに 頼る部分はかなり大きいと思いますし、逆にアイドリングでもファンが 持続的に回って強制空冷冷却が可能なスクーターならばそこまで連続的な 高負荷を与えない限りはそれなりにいける、といった判断も必要かなと。
なお、個人的には2st50ccスクーターのノーマルであれば、オイル燃費自体は 40:1程度になっていると分析していますが、混合給油の場合であれば オイル自体の噴霧化、と言いますか混合気に混じる効率が高くなるので、 実質、混合給油運用だと50:1〜程度でノーマルの分離給油と同じ位の 油膜を保持出来ている感じになります。
ただし、これはあくまでノーマルの場合ですし、エンジンをチューンして いる場合ならば30:1から初めてもまだ怖い場合もあります。
この場合はオイル粘度や混合比のみならず、冷却系がノーマルのままで あったりすればその分どこかで辻褄を合わせてやらねばなりませんし、 本来はそこをオイルの混合比に頼るのは得策ではありませんが、場合に よってはやりようがない事も多いので、私はエンジンをチューンしていると いった前提ならば、少なくともオイルメーカー推奨の混合比が一番最初に やってみるべきだと考えていますし、30:1スタートが一番無難であるとも 考えていますね。
実際、30:1を60:1にしたところでどれだけのパワーアップが望めるのか、と なれば正直微々たる物ですし、レスポンス等を稼ぐ為に仕方ないと割り切って いくのであればその分、各パーツの磨耗は覚悟するのが大前提でしょうか。
ちなみにこれはピストンやリング、シリンダー内壁のみならずコンロッドの 大端、小端ベアリングやら定番クランクベアリング等にも影響があるので、 少しのパワーの為にそれら全ての耐久性、安定性を犠牲にしたいのか、と いう至極単純な理屈です(笑
…いつものクチですが、2stDio系で腰下が貧弱なのにオイルをケチって いるなんて自殺行為以外の何者でも無(以下略
なお、オイルの混合比が濃すぎてカブると、いうのは私自身は過去にほとんど 経験がありません。 SSマシンにおいて、DC点火バッテリーの電圧が11Vを切ってしまっていた、と いった状態で30:1の混合比であった時にはさすがに8000rpm以上は点火が 行われず失火しまくりでしたが、それでもハイチューンエンジンにて8000rpm まではまともに点火して走っていたのですからねえ。
フルノーマル車に混合専用A747の30:1を入れてみた事もありますが、これも なんとなく重ったるい感じはするもののカブって走れないなんて事は ありませんでしたしね。
> (ちなみに整備がしてなくて混合比を薄くするわけではありませんのでよろしくお願いします。リーダーさんがHPでおっしゃる通りそれでは意味がありませんので・・・)
結局、混合比が濃いとカブる、とかって言ってる方はおおむね点火力が 低下していたり、真っ当では無い状態での実験であるからこそのそういった 意見が出ているのでは、と私は推測しておりますよ。
多少の混合比の濃さでカブるレベルなのであれば、もうどこかが逝かれて しまう寸前では無いのかな、というのは言うまでも(略
> ちょっと計算は苦手なので勘弁してもらいたいのですがたとえ話の通りオイルの混合比を30:1から60:1に変更した場合混合燃料内のオイル量は半分になるわけですから潤滑性能などは低下してしまうのではないかと思っておりますし、混合比を薄くするのはYZなど高性能な車両ほど焼き付いたり部品の摩耗が激しくなるだけだと思っております。
結果、こういった手法はまさにおっしゃる通りでして、体感上ではわずかながら パワーやレスポンスに優れる可能性は高いですが、それに対するデメリットは 気付かない、もしくは気にしていないだけならばやらない方が良い、という 結論になります。
実際、リングそのものの磨耗でもこの混合比でこれだけ走ったらどれだけ 減っている、とかをノーマル状態と比べた事が無いと何の比較にも なりませんし、私はオイルが足らないとパーツで損をする、といった スタンスなのはそのあたりを身を持って知っているから、というだけで(笑
ただ、世の中には例外もありまして。 超高性能な2stオイルであれば、メーカー側が最初から50:1とかを指定して いる場合もあり、そういったモノであれば指定近辺の混合比がやっぱり 無難になっているといったパターンが多いです。
そういったモノだと、混合比を薄く出来る様に最初から添加剤とか極圧剤とかを 配合しているからこそであり、かつレーシング用途であれば耐摩耗性よりも ある程度のパワー、レスポンス向上を狙っている場合が多いですから、 それはそれで「最初からそう設計されている」だけの話になりますんで。
これを素人考えで大幅に混合比を変える、というのはデメリットを確実に 認識していない限りはやらない方が絶対にベターです、という事で…
このあたり、ベルトの幅磨耗とか4stのオイル交換とかもそうなんですが、 何故にメーカー指定値をあえてぶっちぎろうとする人が居るのか、と(爆 そんなにメーカーの言う事が嫌いなのか、としか受け取れないのが面白い 所かもしれませんねえ(笑 理由や目的があってやるのならば話は別ですが、その分何がデメリットに なってくるのか、をちゃんと考えましょうという事で。
あ、余談ですが私、今はサーキットではノーマル車であるFNマシンを乗って いますが、オイルなんてもうリッター2000円の物で普通に入れてますよ。 高い物を使えばわずかのパワーアップは得られますが、あまりにもコスト パフォーマンスに見合わないのもありますし…純正部品の高騰を考えれば パーツ交換も極力ロングスパンで取りたいので、そのあたりもメリットと デメリットを考えてやっている、という事でひとつ。
ではでは。いつもながら長くなりましたが今回はこのあたりで失礼をば。 管理人でした〜
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