月海玖珠さん毎度です〜 質問者さんのレスがなかなか無い様なので横からですがお話を広げようかなと(汗 なかなか興味深い件でもありますんで…
> まずは形状ですが、純正より直径で2mm強大きいようです。ローラーガイドの形状は最初から最後まで一定。 > ランププレートはアドレスv100のような後半で寝る形状になっていました。 > ハッキリ言ってこの地点で意味不明ですね。変速が進行するにつれウエイトローラーが外側に行ってプーリーを押す力は増えていくのに、 > さらに後半でその力を増長させるような形状です。純正プーリーのローラーガイドが後半て立ち上がっているのは、 > ウエイトローラーの回転半径の変化によるプーリーを押す力の変動を相殺するためのものですから。
実際に横綱プーリーを検分されたのですね。 なるほど、WRガイドは一定かつランプ角度が逆折れとなっているのですか。 …これだとおっしゃる通り、WRが外周側へ移動していくにつれ、WR遠心力が プーリーをスライドさせる力に変換される作用力ってどんどん増大していって しまいますよね。
となれば、トルクカム後半90°溝にあわせた設計の純正プーリーとは正反対となり、 場合によっては変速回転数は一定とはならずどんどん下がっていくことでしょう(汗
バイクメーカーさんってまず最初に「トルクカムありき」の設計を行っているのは 明確だったりしまして…駆動系の動作原理としてはまず最初にプーリーを考えて しまってはなかなか上手く行かないのが現実だったりもします。
> 実走行においては、やはり回転数がどんどん下がっていくような特性でした。直線溝トルクカム(笑)との相性はいいんじゃないですかね。 > 駆動効率は間違いなくガタ落ちしてます、燃費がリッターあたり5kmも落ちたのはそれの証明でしかありません。
こちら、変速回転数が一定なのは大前提としても、これはどういった方向性で それを維持しているのかにもよりけりなのですよね。
例を出されたアドレスV100の様に、トルクカムが45°一直線が前提の設計で あれば、変速後半でもトルクカムの作用力はあまり落ちないのでドリブン側にて 「ベルトを挟んで張る力」は低減していかず、それにドライブ側の同じ力が 打ち勝とうとすればこちらも変速後半で「プーリーをスライドさせる力」が 低減しない様な特性、すなわちWRガイドの角度がきつくならず、かつランプの 角度も一定どころか逆折れでないと辻褄が合わないでしょう。
ですが、このパターンだと最初にドリブン側のベルトを挟む力がオーバーすぎる 傾向があり、その力を「さらに大きな力」で無理矢理ドライブ側で変速させて いっている事になるので…駆動効率としてはロスのカタマリでしかありません(汗
車重がエンジンパワーに対して異常に重たいとか、タンデム乗車を行うとか、 上り坂ばかりの箇所を走行するならこういったセットもありですが、一般的な 平坦路を巡航する、+αの最高速度を求めるといったケースにおいては デメリットの方が大きく出てくるでしょう。
4st単気筒車の様に、一発の軸トルクがあっても1回の燃焼で2回転クランクを 回さなければいけない様なスクーターだとまた話は違ってきますが、少なくとも 2st+スクーター+一般用途の組み合わせであればこういった仕様というのは お奨め出来る物では無いかなとも。
なお余談ですが、原付二種ですがホンダPCXだとDioちっくな純正トルクカムを タイ製クレアカム風味の物に交換するといった流用もあるみたいですが。 これもあくまで原付二種としての一定速度巡航を鑑みるとノーマルの方が ベターであるというのはあるでしょう。
このあたり、よく変速回転数の落ち込み等が気になるという意見も見ますが、 だからといって同時に加速力までダウンしているのか、という事ですしね(笑
その反面、横綱プーリー+45°トルクカムの様なセットの場合だと、変速回転数 そのものは落ちるどころか無駄に上がっていく事もあり、実際には加速において パワーバンドを外していたりしても、体感での変速回転数の落ち込みが無ければ 人間の感覚って満足しがちである、といった点も面白いところです。
4stならまだ分かりますが、2stでこれをやってもデメリットしか出ない、と いうのは2stエンジンの基本程度さえ分かっていれば理解出来るかなとは 思えますがなかなか難しいものです。
で、ぶっちゃけて言いますとこういった横綱プーリーみたいな構造の場合、 トルクカム溝が劣化していたりしても無理に最高速度だけは出せていくと いった特性を持たせている意味合いもあるでしょうから、ポンコツ車に対し ポン付けでそこそこの「速度」を出せそう、といった意味合いでは子供騙しと 言っては何ですが商品としての趣旨ならアリといえばアリかもしれませんね。 …個人的には特に要りませんが。
> 余談ですが、リューターで削ると信じられないほど簡単に削れます。プーリー加工の勉強をしたいなら悪くないかもしれません。
そうですね、こういった商品というのは製造コストを削っているからこその 「それなり」のお値段ですから、何を削っているかはある程度は見て取れるかなと。 もちろん、アルミの材質的にも強度は高くは無いでしょうし、材料的にシビアで コストのかかる、プーリー中央のメタルボス部分とかの劣化はかなり速いでしょう。
ここって純正ではしっかりとした油分含有の特殊素材を使っていますが… 80年代とかまで遡るとただの金属で耐久性は皆無、といった時代もあったので 現代でもそういった材料を用いている場合だと、熱が入るともう再加速が 出来ない様な劣化状態に陥る事はそう遠い話では無いかなとも。
> 純正プーリーは外側まで使えてないからスピードが出ないという話を聞きますが、 > プーリーとフェイスをくっつけて、慣らしが終わったくらいのベルトを乗せると、プーリーの外周部ってほとんど余らないんです。 > これで外周部が2mmも3mmも余る場合、ベルトを交換するタイミングです。
こちらも車種にもよりますが、Dio系であれば仮にプーリーにマジック線を引いて 走った場合、外周から2o程度は余っているのが正常になりますね。
とはいえ、これも2o余っているとなれば直径で4φ分なので、4φ程度ベルトの かかり径を大きくしようとすれば1oちょいのプーリースライド量を+すれば 簡単に可能になります。
面角度15°の場合にはプーリー1oスライドに対してベルトかかり径は3.7φ程度 変化しますから、おっしゃる通りベルト幅が「メーカー交換指定値」の1o 減っているならば2o程度の「余り」は確実に出てしまいますしね。
…厳しい言い方ですが、ノーマル構成であるならば1o以上幅が減ったベルトを 運用している場合には駆動系や速度がどうこう、と言う以前の問題ですし。 と言いますかこれは本来厳しくもなんとも無くてですね、メーカー推奨値の 交換指定すら守らない人間が限界性能とか語るな、と私は割とマジで考えてま(略
> ただ、実走行においてはプーリーがスライドできる幅より、ウエイトローラーがプーリーをスライドさせられる幅の方が狭いので、 > プーリーの外側か内側が必ず余ってしまうのです。 > これを解決する手っ取り早い方法はプーリーボスの長さを調整することです。変な話、これって設計の範囲内の動作をはみ出さないので安全ともいえます。
WRが外壁まで当たる程度移動した状態で、プーリースライド量にどれだけ余裕が あるのか、といった点は本当に様々です。 一部ヤマハ系車種だとこれが逆転しており、プーリースライド量は限界なのに WR移動量はまだ余っているといった場合もありますから、プーリー外壁を 加工したりする前にこれを見極めないとやる価値はありませんね。
ただ、これまたおっしゃる用にボスを1o程度短縮し、ランプ裏に1o分のシムを 補正で噛ませたとしても、発進側はどうしてもハイギヤ発進になってしまうので これを許容出来ない場合にはやはり加工するしか手段が無いでしょう。
で、プーリーにマジック線を引いて確認、というのはあくまでトルクカム後半溝が 90°の車種にのみ明確に通用する手法であり、一般的なヤマハ、スズキ系の スクーターの場合だとトルクカム後半溝は90°では無い為、最高速近辺で アクセルをOFFにするとその瞬間にシフトアップが起こり、実際に実走行にて 使っているプーリーの変速範囲よりさらに大きなベルトかかり径になってしまいます。
なので、「プーリーを使い切っていない」というのはこういった点においても 一概に言えるものではなく、一定条件下での参考にはなりますがあまり鵜呑みに してもメリットはあまり無いと言うオチですね。
> 改造マシンに安全もなにもないと言われればそこまでですが、壊れにくいに越したことはないですから。 > メーカーの設けた大きめのマージンは、チューニングにおいてセッティングの幅として利用することだってできるのです。
改造車、チューン車においては耐久性をパワーやスピードに変換しているだけの 事ですから、その分劣化は大きくなるというのは鉄則になるかとも。
だからこそ、プーリー本体の劣化等を鑑みれば耐久性において一番信頼の出来る 純正ベースをどうこうするのが、デメリットが無いとは言えませんが少なくて済む、 といった結論に落ち着かざるを得ないワケですね…_| ̄|○
> ハイスピードプーリーなる品物は、軒並み純正より径が大きいのですが、直径にして数mmですよ?最高速にして5km/hも変われば奇跡です。 > そのわずかの効果は駆動系のバランスを崩すリスクに見合いませんよね。子供だましのインチキもいいとこです。
一般的には大きくしたプーリー外径を「有用に」活用するとなれば前述の様に 「アクセルOFF時シフトアップ」が起こりえる構成で、最大変速状態をオーバーして しまう所にまでベルトかかり径がでかくなった場合の保険だと考えるべきです。
限界まで使うセットも悪いモノではありませんが、その場合であれば最終的に トルクカム溝は90°で終了、といった仕様で無いとリスクも出てきますし。 アクセルOFF時シフトアップ量があまりにも過大である場合、その分エンジンの 回転数も喰われて行っている、そしてそれがメリットになるのかと言われれば なる訳がない、と言うのは言うまでも(以下略
> それに、ドライブ側が大きくなったらドリブン側を小さくするか、ベルトを長くしないとつじつまが合いませんよね? > 長いベルトならたまに見ますが、私は一度として純正より小さい社外ドリブンフェイスを見たことがないのですが…
こちらはドリブン側ベルトかかり径の減少に対する辻褄ですね。 一部ヤマハ系みたく、ベルト内側がドリブンユニットの「芯」に当たってしまう 様なパターンだとそこをなんとかしたいですが、現実的にはそういった社外品は 全く存在しませんし。
後、ベルトも純正状態ですでに「長くて余っている」事なんてザラにあるのですが、 ホンダのGAG-J52とかヤマハの3WFとかなんて長すぎて困る位なので… 個人的には、ですが駆動系セット云々でベルト長や幅をコントロールするのは 他の条件が一定でないとワケが分からなくなるだけ、と割り切っていますしね(笑
> 泥沼にはめてインチキパーツをいっぱい売ってやろうって魂胆が丸見えです。そうは言っても、パーツメーカーだって商売ですからね。
こういうのは商売的に考えるとあってしかるべきではある、と私は考えてます。 が、それならばそれでその子供騙しで入った利益を用い、もうワンランク上の 高品質かつ高コストなパーツでも開発して出すのなら良いですが、子供騙しの 品「だけ」を売っているとすればちと納得は行かないですねえ。
…汚い物言いをするならば、私にしても純正プーリー加工承ります、とは やっていますがこれにしてもコストウン千円でやるのではなく、新品の純正 プーリーを用いて最初から加工してある物をド新品スペシャル品、と銘打って 定価12000円とかで売った方がお金的にはプラスになりますから(爆
それをやらない以上、現実的なコストを支払った上でその対価以上の特性の 変化を楽しんで貰えれば、というのが一番ですんで。 いくら技量や知識が要るとはいえ、それでもあまりにも「お高い」場合には やってみたいな、という気さえ起こらないでしょうから… 「お値段なり」というのは大切ではあるのですが、それでもあまりにも ぼったくりが過ぎるのは結果的にユーザーを辟易させ、自分で自分の首を 締めているだけにしかなりえない結果となるのは火を見るより明らかですね。
と、横からですが長くなってしまい失礼しました。 久しぶりにコチラで込み入った話題を出して頂けたのでちとヒートして しまった、という事でご容赦を場(汗
ではでは余談でしたが今回はこれにて失礼をば。 管理人でした〜
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