k dolla signさんこちらでは初めまして。 管理人ねぎのリーダーでございます。
さてさて、早速ですがやはりアドバイス等のやりとりはじっくり腰を据えると 言いますか、文面等に制限の無いところで行うのが一番ですね〜 では早速一つ一つお答えしていきますね。
> 水冷エンジンの水温の件なんですが、全水冷でヘッドのプラグの横に水温計を付けてます、TZMのラジエーターを現在つけているのですが、ネットで見ているとNSR250のラジエーターを付けている方とかもいました、やはり容量不足でしょうか?
エンジンですが、ライブDioエンジンベースに社外品全水冷シリンダーを 搭載している、といった仕様になるのですね。 これ、私自身はこの社外品の存在は知っていますが、実際に現物の 水路等を分析した事は無いのであくまで憶測になりますが…
まず、ヘッド部の水温計という事はセンサーがヘッドにねじ山を切って 取り付けられているタイプだと思われますが、シリンダーから水を入れ ヘッドからラジエターアッパー側へ出していくといった基本的な構造なので あれば、ヘッド部の水の温度測定でもそこまでおかしくは無いでしょう。
ただし、ラジエターに関しては、ハイチューンなエンジンでかつ社外品の 冷却水容量がどれ位か分からない腰上パーツでは、可能な限り大きな 物を使うに越した事は無いかなとも。
NSR50は95年以前のモデルなんかはノーマルエンジンでも爆発しそうな 程にラジエター性能が低い事で有名ですが、TZM50Rならそれよりは マシですがハイチューンエンジンに安心して使える容量は無いでしょう。
実際、大昔の湾岸使用、縦型エンジンベースのハイチューンスクーターで 3桁速度で湾岸を攻める様な仕様であれば、チューニングの限界は今の 時代よりもはるかに低かったとはいえ、それでも250ccレプリカクラスの ラジエターを用い、確実に風が当たる様にフロントカウル前面にどかんと おっ立てていたというのも定番でしたしね。
なので、サーキットで走行風を常に当てて連続走行を行うのではない場合、 ラジエターには低速時でもある程度の水温上昇をカバー出来る位の 容量が必須でして、68ccで11000rpmを使うレベルであればNSR250R用の 大容量湾曲ラジエターでもおかしくは無いと私は分析しますよ。
>水温もゆうに60度以上越えている状態なので心配なのですが、大き過ぎるとオーバークールにはならないのかも心配です。
この水温60℃というのが、最高速を出して維持している状態なのであれば ちょっと恐ろしいですが、そこまで高負荷状態で冷却が足らない場合で あるとすれば、抱き付き等のトラブルが出る方が先でしょう。
なので、現時点できっちりと最高速を出せ、かつ何度アタックしても速度や 水温が変わらない、といった意味で安定しているならば悪い状態では 無いでしょうね。
オーバークールに関しては、これは正直、起こったからと言って何が おかしくなる訳でもなく、あまりにも速度域の高い所で巡航し続けても 水温40℃とかであれば問題ですが、高負荷を連続してかけた状態にて 水温があまりにも低い状態で無ければ別に気にしなくとも良いかなとも。 オーバークール状態にしても、別に壊れる訳ではありませんからね。
>基本的に最高速仕様で、全開走行が前提になっています、焼き付き防止となるとピストン加工などもした方が良いのでしょうか。
焼き付き防止、という事であれば、まずは温度がどうこうよりもエンジン 腰上の構造、バランスが一番大事ですね。 高回転の常用を前提とするならば、ピストンクリアランスは水冷とはいえ そこそこ大きめに取っておくべきであり、かつピストン自体も熱膨張に 強い材質&形状を持っているものをチョイスすべきです。 …とはいっても社外品キットでは選びようもないですが(汗
次に、圧縮比は当然のごとく適正値で構造をこしらえ、高負荷時でも あまり無理がかからない様な設定が必須でしょう。
高回転を維持する、となればヘッド内のスキッシュエリアの「範囲」も かなりの影響力があり、これが不適切なのにパワーを出す為に 圧縮比ばかり上げていくと「危険で遅い」仕様になりがちですし。
さらに基本として、ポートタイミングは当然お好みの仕様にいじくられて いるかと思いますが、排気ポートならばタイミングや弦長のみではなく 通路の形状や、「排出された掃気の戻り」なんかも考えていけば、 エンジン内部に熱が溜まりやすい傾向を抑えることも可能です。
とまあ、言い出すとキリがありませんが…余計な焼き付を回避するには 「エンジン腰上の各部が真っ当で余裕のある構造」にこしらえられて いる事こそが第一です、という事で。
…下手なチューンでパワーを出していると、いくら悩んでもトラブルの 種は回避出来ない、と言っても良いのですが、尋常ではないレベルの 高性能を求めるならばその位は必須なレベルである、とも言えますね。
>AF34 DIO ZXエンジン、68cc全水冷で最高速130km/hを目指しております。前回まではデイトナ空冷71ccにてZRXに並走してもらい、デイトナタコメーター11000回転で110km/hまで出しています。
ライブDioベースの68ccかつ最高速度130km/hとはかなり凄い 目標なのですね(汗 これだと正直、生半可なことでは到達出来ないと思いますし、私自身 最高速度はあまり出した事は無いのですがそれでも難しいという他 ありませんよ…
>今回ファイナルギア、駆動系も一からやり直しフレーム、カウルも含め空気抵抗も考えながらいらない部分を全て削るなど軽量化をしましての再チャレンジとなります。
で、ある程度の計算にて、あくまでメーター読みではなく実測での速度で あれば、仮にフルノーマルのライブDio-ZXの変速比、ファイナルギヤ比を 前提とするならば、最大変速状態で11000rpmならば計算上はおおむね 90km/hといったところです。
これがファイナル比を9.8あたりまでハイギヤに振った場合だと、同一条件で 101km/hですから、これでも130km/hにはまだまだ届きませんね。 (※メーター読みなら10%程度はプラスになるので110km/h程度かなと)
で、ココまで来るとさらにファイナルをハイに振るしかなくなりますし、実際に 実測130km/hを目指すとなると計算上のファイナル比はおおむね 「7.5」とかになってしまいます。
これだと台湾系の超ハイギヤを投入しないと絶対に不可能な領域ですし、 原付二種のノーマルギヤ比をはるかに上回るハイギヤですから、最低でも 「90ccや100ccのノーマルエンジン」が出しているパワーを上回ったパワーを 68ccかつ11000rpm前後で発生させなければならない、といった条件ですね。
もちろん、ハイスピードプーリーで多少補正すればそこまでハイギヤで 無くともいけるはずですが、ファイナル比を大きく変更する場合には、 プーリーでの変速比をあまりに小さくしてしまうとファイナルへの影響力が かなり大きくなるので、ハイスピードプーリーってのはある意味では最後の 手段とも言えるんです。
もしくは、ファイナルをそこまでハイにせずともエンジン自体のピークの出る 領域を上げてやる、すなわち11000rpmで最大パワーが出ているのを 13000rpmで出せる様にすればもっと手っ取り速いでしょう。
前述条件にて、ピークだけ13000rpmで出せるのであればギヤがノーマルでも 最高速度は90→107km/hまで伸ばせる計算になります。
2000rpmの差で17km/hを稼げるのであれば間違いなくこちらの方が「速度」を 出すには効果的であり、130km/hを目指すならばファイナルギヤも「9.0」程度で いけそうですから、この位のギヤ比ならば68ccでも充分に使える範囲なので、 私なら手法としてはコチラを選びたいですね。 (もちろん実測なので、メーター読み130ならもっとローでもOKでしょう)
しかし、13000rpmにピークを出す、(※実走行で使いきれるオーバーレブではなく)と なれば、それが実現出来る設計のチャンバーが無いと絶対に不可能ですが。 市販品でノーマルポートタイミングに対して10000rpmでピークが出る設計の チャンバー程度ならば、それなりのハイポート仕様にしてもよくいって11000〜 11500rpm程度にしかピークをズラせませんから、こういった仕様の場合には ワンオフで高回転型チャンバーをこしらえる前提、とも言えますね。
実際、ピークを出せる所が11000rpm前後なのであれば、130km/hを狙うには とんでもないハイギヤと、それを使えるだけの排気量も必要になりますんで。 50ccベースの68ccが大前提、という事ではそれはあまり現実的ではなく、 いくらハイギヤ&ハイスピードプーリー化してもパワー負けして速度は出ないと いう事は想像に難くありません。
>僕の知り合いのjog ZRが130km/hの最高速を出しているので何としても負けたく無いです。その人はjog 90のエンジンスワップをしているのですが、僕はあくまで50ccベースエンジンで勝ちたいと思っております、加速は諦めますが最高速は絶対負けたく無いです。どうかお力を貸してください。
ライバルの方はJOG、と言いますかJOG90なのですね。 はっきり申しますが、相手が82ccの仕様だとしても68ccでは14ccの排気量の 差がありますし、相手は頑強でどんなチューンをしてもそこそこ走ってしまう JOGであり、かつファイナルギヤの設定も元から違いすぎるので、正直 勝ち目があるとは思えません、と言いますか不可能に近い、といった点は ご留意下さいな。
ただでさえパワーを出しづらいAF34クランクケースの場合、どうあっても 3YK系統のクランクケースに勝つことすら難しいですし、チューニングに おいてもライブDio系は本当に難しく、同じ事をやっても3YK系に迫る事は 不可能と言っても良いので、これは本気でやるならばかなりイバラの道に なってしまいますよ…
そのJOG90だと、ファイナルギヤ比は前期で8.2、後期でも8.5ですがこれの ノーマルギヤ比、かつノーマル変速比を前提としても、130km/hに届かせるので あれば、エンジンのピークは11500rpm程度あればいけそうなので、最低でも 「68ccのエンジンかつ11500rpm」にて、JOG90と同じ8.2のファイナルを使える だけのエンジンパワーを出さねばなりませんし、それを14ccの排気量のハンデが ある状態でやらねばならない、となればかなりの無理難題です。
実際、3桁速度の走行抵抗になると68ccレベルのパワーではファイナルギヤ比は いっても8台に突入すると結構苦しいものがあるでしょうから、それ以上の ハイギヤを使えない前提となれば、やはり高い回転でエンジンのピークを出し、 掛け算での高回転高出力を狙う特性をこしらえるしか手がありませんね。 結果、ワンオフチャンバーを作るしか無い、といった結論になるかなとも。
もちろん、この場合にはチャンバー自体で、「オーバーレブで13000rpmに到達」 するのではなく、「一番美味しい領域が13000rpm前後」になる様な設計が 必須になりますが、今の時代その設計ノウハウを持っている所ってまず無いと 思いますよ。
かつ、ピストンやリング等もその高回転高負荷に耐えられるだけの物が必須に なりますし、その領域だと連続高負荷を掛け続けたりは絶対に出来ませんし、 一度の走行でピストンやリングがどれだけ「減って」しまったのか等もきちんと 管理していかないと、すぐに壊れてしまっておしまいでしょうね。
とまあ、ざっと分析した感じではこんなところになりますが。 前提としてかなりの無理難題である、といった点はお忘れなき様にお願いします。
…後、結構なハイチューンにはなりますが「50ccクランクケース前提」という事で あれば、ストロークアップを前提として50x44.6で88cc、というのもありでしょう。 これならば排気量的にはまだJOG90には勝れますしね。
以前のSS1/32mileで流行った仕様ですが…ライブDio系の場合ならば 中期以降のクランクケースを用い、AF28系の44.6oストローククランクをかなりの 加工で投入し、腰上は某純正50φピストンを用いて耐久性を確保、シリンダーも 某純正をボーリングで50φで使う、といった算段になります。
ただし、腰上はノーマルクランクケースには全く合わないので、かなりの修正が 要りますし、チャンバーは完全に1からの設計ですから、ここまでやるとなると かなりのコストと手間が必要ですが手法としてはある、という事で…
参考までに、自分のではありませんがこの仕様だとSS1/32mileにてピークを 13000rpmあたりに出した88ccエンジンでこしらえてみた事がありますが、 それなりにパワーは出たので悪くは無かったですよ。
自分ので、という事ならば、私が草レースで使っていたライブDioベースの 68ccがありましたが、これはピークは12300rpmあたりで出していまして サーキットではピーキーすぎましたがある程度安定しての運用は可能となって いましたね。 ただし、台湾系ピストンで作ったので耐摩耗性に関しては限りなく0に近いと いった感じでした(笑
なお、私のライブDio68ccはこれでもファンのみをキタコ製とし、シリンダーは デイトナベース品だったので冷却フィンが一枚多いこともあり、普通に強制 空冷で運用出来ていましたね。 前述の様に、各部構成をきちんと作ればそこまで異常発熱ってしないですよ。
確かファイナルは9.8だったはずですが、これでプーリーはノーマルだったので 12300rpmのピーク時点の最高速は、出せていたとすれば113km/hあたり、と いった所だったでしょう。オーバーレブまで回せばもっと出るとは思いますが。 (※なおサーキットでは95km/h程度でストレートが終わりますんで)
ではでは。長くなってしまった上に否定的で申し訳ありませんが、そういった 厳しい前提条件でトライされる、というのは私も大好きなので(笑 不明瞭な点があればまたご指摘頂ければ、と思います。
では今回はこれにて失礼しますね。 管理人でした〜
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