G太郎@ 北海道さんお久しぶりでございます。 最近ちと忙しいのでレス遅れ気味で申し訳無いです。
さて、まずはGダッシュご購入ですか。今時かなり珍しい綺麗な固体だと 思いますが、おっしゃる通りノーマルの味をそのまま楽しむ、といった感じでも 楽しい車体だと思いますよ。 もちろんホイールはチューブですしリムが細いので交換が大正解かなと。
ではいつものご質問の件ですが…
> 今回の相談ですが、AF27小径駆動系に純正センタースプリングWR6.5グラム×6で8000変速8700フケきりでした > 今回センタースプリングのみクレアセンタースプリングに今回しましたら 6700変速で加速がかなりわるくなり WRを、4.5×6にしましたら0から40キロまでいい加速しましたが40キロ越えたら8000変速から7000回転まで落ちてじわじわ回転が上がっていきました > 純正トルクカムのへの字にさしかかったら いっきにひらいて変速されちゃうから回転さがってしまうんですかね?
この状態ですと、エンジンパワーがそれなりに上がっている場合であれば、 ご自身で分析されている通り、45°溝→90°溝への以降部分で一気に シフトアップが起こっている具合がかなり強化されている、という事でおそらく 間違い無いでしょう。
本来、センタースプリングの反力というモノはその点を補うものでは無いのですが、 クレアセンタースプリングだとどうしても限度というモノはありますよ。 ホンダの原付二種のリードとかでもそうなのですが、タンデムを前提としているとは いえ、センタースプリングはかなり強烈なものが使われていた物もありますしね。
元々、クレアセンタースプリングは非力なジョルノクレア、かつ45→60°溝の クレアカム前提で開発されているものなので、本来はDio系ノーマルに使って 行く物では無いんですよ。
私はノーマルレーサーの改善の一環とするのと、具合によってはノーマルよりも 弱いセンタースプリングの方がメリットが多いといった提示はしていますが、 だからといって全ての場合にクレアセンタースプリングが使える、という意味では ありませんので…
これが仮に、ヤマハの3YK初期型に入っている様な、45→65→80°、といった ムラの無いトルクカム溝であれば、センタースプリングが純正で柔らかいままで エンジンパワーを上げていってもおかしなシフトアップ、というのはまず起こらず かなり真っ当に走るんですよ。
これは、純正ボルトオン交換前提だと45→90°か45→60°の二種類の溝しか 選べない、ホンダ原付一種系チューンの最大の泣き所なので。 高速域のムラの無さを取る為、45→90°溝で落ち込みを我慢してでも弱めの センタースプリングを用いるか.…高速のうなり感を我慢して45→60°のクレア トルクカムで行くか、の2択しか無いのも困りものはあるんです。
かといって、45→90°のノーマルトルクカムで純正センタースプリングか ジャイロX用センタースプリングであればクレアセンタースプリングよりは多少 落ち込み具合はマシにはなります。 純正かクレアセンターだけではなく、他の物も交えて妥協点を探るのも良いでしょう。
> 小径駆動系でセンタースプリングをやわくして負荷かけず運用したいと思い書き込みしました
これはですね、いくらセンタースプリングが柔らかくとも、エンジンパワーが増大すれば 45°溝で発生する、ベルトを挟む力の方が加速度的に上がっていくので、負荷の 小さいスムーズさ、というのはどうしても失われがちになるんですよね。
トルクカムがベルトを挟む力はセンタースプリング反力よりもはるかに強いので、 エンジンパワーがそれなりにある場合、センタースプリング云々よりもトルクカムの 溝具合の作用の強さの方が大きく出てくる、といった点も大切です。
> 過去の質問で管理人さまが大径駆動系ですが > 35zx 純正トルクカムにクレアセンタースプリングをオススメしてたみたいですが > 27小径トルクカムと35大径トルクカムはクレアカムと違いへの字ですが 回転落ちはきにならないんですか?
あくまでノーマル程度のパワーが前提であれば、45→90°のトルクカム溝で あっても、タコメーター上では微細な回転落ちは出ますが実際の加速にまで 影響するレベルにはなかなかなりえませんね。
それと、以前記したかもしれませんがトルクカム溝が45°である時には、プーリーの WRガイドの傾斜の緩い前半部分と同期しているべきであり、プーリー側のガイドの 切り替わりとトルクカム溝の切り替わりのタイミングがズレても、かなり無駄な シフトアップが起こりえるんです。
下手にボス長を変更しまくったり、訳も分からずベルト寸法を換えてしまうと一番 このあたりに問題が出やすいのが45→90°トルクカムなので、このあたりが とても難しいのがホンダ系駆動系の悩みどころですよ。
ここまで書くともうお気づきかもしれませんが、これを改善するにはトルクカムの 溝を、ある程度加工修正してやるしか対策が無い、という事なんです。 この件に関しては具体的なあれこれは公開していないのでここで明記するのは 避けますが、そのものズバリの答えを問われた場合には私もはいそうです、と お答えする事にしているので…このあたりは答えがお分かりであれば直メールで よろしくです。
> :質問まとめ > :AF27小径トルクカムにクレアセンタースプリングでへの字で回転落ちは防げるか?
エンジンパワーが大きい場合、45°溝角度を変速範囲のほとんどで使っている 小径駆動系構成でも、ある程度は出てくる領域は存在します。
> :ウエイトローラーをさらに軽くすれば回転落ちは防げるか?
ある程度は防げますが、その場合はシフトアップによる回転落ちが出たとしても そこがまだパワーバンド内であれば問題なく走れる事が多いです。 (現実的には難しいですが)
> :小径トルクカムにクレアセンタースプリングはメリットあるか
あくまでノーマルパワーレベルならそこそこのメリットはあります。 むしろ、小径駆動系構成は変速幅が10あるとすればその8程度を45°溝で加速して いるので、そのあたりのロスは結構緩和出来ますね。 と言いますか、小径駆動系は最大変速時以外はほぼ45°溝である、と考えた方が 分かりやすいでしょう。
とまあ、今回はこんな感じですが。 G太郎さんはご自身でだいぶあれこれとメカニズムを理解されておられるので、 このあたりで「純正流用ボルトオンのみ」では限界があるといった事もお分かりに なられるかな…と感じていたりしますね。
では今回はこの辺りで失礼します。 管理人でした。
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