白玉さんお久しぶりでございます〜 色々多忙ですが生きてはいる管理人です(汗
さてさて、今回はAF28スーパーDio-ZXのエンジンについて、ですね。 もはやこのあたりは当時のマニアックな分析を知っていないと判別もかなり 難しいものなので、ひとつひとつお答えしていきます。
>> 太軸であり、
まず、ご存知かとは思いますがAF18系クランクケースにおける「細軸タイプ」の クランクシャフトは、小径駆動系仕様が大半であり、例外はAF19やAF23等と なる為、よほどの例外でも無い限りは「細軸クランク大径駆動系仕様」の エンジンには当たりませんから、このあたりは割り切って考えられた方が ややこしくなくて済みますよ。
>> ファイナルギアも2次側13/45、1次側13/41でAF28ZX用と思われますがエンジンナンバーがAF18E-25〜なので、ギアカバーだけ移植された場合も含めて確証に欠けるなというのが正直なところでして。ベルトは23100‑GR1‑753の緑ラベルが付いていましたがプーリーボスが抜いてあったので他車から移植された可能性もあります。
ファイナルギヤは減速比10.9であればAF28ZXのみの仕様となりますが、 これまたおっしゃる通りでギヤカバー部のエンジンナンバーが不整合なので あれば、それは何らかの意図を持って交換されている、と考えるのが一番 筋が通りますね。 そもそも本当にAF28ZXであれば、AF18E-400〜で無いとおかしい訳です(笑
ベルトはGR1の緑ラベルであれば、新車装着もしくは2000年位まではあった 旧番の純正品のはずですが、これはデッドストックでもあれば特におかしくは ありませんね。
ボスが無い、となれば36oのボスをAF28ZXや35ライブZXの純正プーリー+ HGランププレートと組んでフェイスを取り付けてみればすぐに分かります。 小径駆動系仕様のクランクシャフトでそれをやると、明らかにフェイスナットの かかり具合がおかしくなるので…
が、意図的にボスを抜いており、ギヤの減速比やエアシュラウド、リヤショック等の 部位をAF28ZX用の物にしている、と写真を見る限りでは判断出来ますが。 向こう側にちょっと写っている銀色のマフラーもAF18初期型の物の様ですし、 そうなれば元々のAF28スーパーDio-ZXの純正状態のエンジン構成である、といった 可能性はまずありえない、と解釈するのが自然でしょうね。
…これはよくある話ですし、下記に記す様な本当の相違点を知らずに無理な パーツ互換のみでZXだ、としている事例なんて掃いて捨てる程ありますんで(泣
> いわゆる後期AF27等の太軸とAF28ZXエンジンでは何が違うのでしょうか?
で、これはざっと申しますと「クランクシャフト左側部分のシャフト」の寸法がまるで 異なっている、といった一点に尽きます。
下に図解写真を添付しておきますが、AF28スーパーDio-ZXのクランクシャフトは 左側シャフトにおいて、クランクウェブ面からランププレート座面までの距離が 「45o」であり、その座面部位からシャフト末端までの距離が「62o」となっています。
AF27等の小径駆動系用クランクシャフトだと、クランクウェブ面からランププレート 座面までの距離はAF28ZXに比べて約2.5o強長い為、腰下を割っていなくとも 駆動系側からシャフトをよく見ると、「ランププレート座面位置」がクランクの オイルシールよりそれなりに手前に位置している、といった見分け方も出来ますが、 これは双方のシャフトのランププレートの座面位置を知っていないと難しいです。
なので、一番手っ取り速いのは「シャフト末端からランププレート座面までの距離」を 計測する事でして、これが62oでなければ「ZX」ではない、という事ですね〜 (※G太郎さんのおっしゃる事も間違ってはいませんがちょっと曖昧です)
余談ですが、図にも記していますが小径駆動系の「非ZX」にZX系、一般呼称の 「大径駆動系」を装着しても、ランププレート座面部の位置が車体外側に向けて 2.5o程度飛び出している為、駆動系パーツがまともな装着位置にはなりません。
こういっては何ですが、こういうのは「駆動系パーツ構成」を「真上から見た」状態の イメージを頭の中で形作っていないとなかなか分かりづらいものなんですよね。
> コンテンツ内で太軸大径と書かれているのはどういった部分なのか、調べてもなかなか正解にたどり着けずモヤモヤしています。どうか教えていただけないでしょうか。
こちらも補足ですが、「太軸」「細軸」という区別はクランクシャフト左側部位の 寸法差の呼称であり、AF18あたりからAF27の初期型まではフェイスナットも M10で細くなっており、そこから後のモデルはM12になっています。
かつ、これらの双方に前述の様な「大径駆動系」「小径駆動系」の2つの仕様が それぞれ別々にクランクシャフトの設計として存在しており、AF34&35のライブ Dio系の場合はさらにそこから中期(97年〜)以後でクランクシャフトそのものの 設計もさらに変更されている、といった感じが大雑把な大別となりますね。
グレードや車種問わず同年代も出るならほぼ共通設計なヤマハやスズキとは 桁違いの面倒臭さとパーツ判別があるのがホンダDio系の楽しいところでも あるのですけどね(笑
なお、こういった点をきちんと記されているサイトというのは今の時代では 存在しないでしょうね。 昔はそういったマニアックな情報公開も多々ありましたが…こればっかりは 仕方の無い事なので、寸法等を出していない場合は下手に鵜呑みにするのは やめた方が宜しいです、と自称マニアの私からは提言させて頂きますね。
> ちなみにですが、手持ちのAF18後期の車体に載せる予定です。
AF18系は互換性の高さが一番の強みですし、こだわらないならば電装系等も 互換があるのですんなり載せ換えが出来ますしね。 ただ、ライトスイッチのある世代の物だとACジェネレーターによる発電量や、 レクチファイアの仕様も異なっている為、そのあたりはAF28ZXの物を別途 用意した方がトラブルが無くて済みますよ。
> ちなみにクランクウェブに縦溝が切ってありました。これは前期AF18では見たことがないものです。> 判断材料になるのかは分かりませんが…
最後にコチラですが、これは純正仕様による変更なのであまり気にしなくとも 良いでしょうね。 単に、オイル溜まりを作る為の溝なのでは、と私は分析していますが確かに AF18あたりのモデルには溝はありませんので…
ではでは、いつもながら長くなりましたが参考にして頂けると幸いです。 管理人でした。
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