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記事No 8127
タイトル Re^3: ライブディオのクランクベアリングとシャフトの互換性、加工
投稿日 : 2021/02/23(Tue) 03:26:16
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
いとうさん毎度でございます。
さてさて今回も引き続きレスをば。


> まず、af70についてですが
> ttps://www.webike.net/bike/6272/service/g5364/
> こちらのモデルの、エンジン番号がaf70eだったため
> このように記載しました。

なるほど、「AF70」というのはエンジン形式の表記だったのですね。
これですとAF70Eは4stエンジンですが、こいつのクランクベアリングも実は
特殊規格なので、ホンダの「いじり止め」はこの世代にも継承されていて、
クランクケース一体型シリンダーも合わせ、正直やりすぎの感があります。
…なので私、個人的にはDioと名が付いていてもこの手のモデルってあまり
好きではありませんね(汗


> また、ベアリングが弱いということに注視して
> シャフトのほうを全く考慮しておりませんでした。
> クランク箇所という文から、ベアリングとシャフトがセットで
> 交換すれば改善できるのでは、と解釈するのは当然です、、
> 言葉が下手でした。
>
> そのため、ベアリングとシャフトが混同しており、無知でした。
> 乱文で申し訳ございません。

「クランクシャフト」ではなく「クランクベアリング」を示していたという事で。
多分そうかなとは考えましたが、やはり文面のみのやりとりですと用語の相違が
ある場合、メカニズム的な事柄においてはかなり意思疎通に不具合が出る事も
多いですから、おかしいなと思ったらどしどし指摘していく&されていくのが一番
誤解が無くなる、と私は感じておりますね〜



> さて、ご返信したいただきました内容から
> ベアリングの流用やシャフトのメリットがあまりない、
> 付け方が雑になったり、オイルポンプの吐出量や、質によって
> 壊れるから、整備の問題である
> というのがわかりました。

そうなんですね。残念ですがメーカーの設計思想により、ホンダ2stスクーターは
基本的にクランクシャフトが柔らかく作られており、何かしらの柔軟性や耐衝撃性を
持たせる狙いがあるのかもしれませんが、一般的にはドライブフェイスの脱着等でも
おかしな力をかけると鉄のフェイスも曲がりますし、シャフトも曲がってしまってもはや
どうにもならない事になる、というのはよくあるんです。

これ、あまり世間に認知されていない感じもしますが、クランクベアリングがオシャカに
なってしまった場合、クランクシャフト自体の検芯や点検すら行わなずにベアリングを
交換すれば治る、といった手段自体が大間違いなのですが、クランクシャフトなんて
「芯のブレはともかく、そんな簡単に曲がる訳が無い」という先入観の問題なんです(笑
…それがいともたやすく曲がってしまう、曲げられてしまう事があるのがホンダ2stの
スクーターです、というのが真実なんですよね…


オイルポンプに関しては、その構造ゆえ内部のワンウェイボールバルブ部にゴミが
溜まってしまうとどうあっても清掃が不可能な上、基本的に非分解なのでどうにも
ならなくなる事が多いですし、経年劣化によるオイルポンプの吐出量低下には
かなり気を遣わないといけません。

純正のオイルって平均的に40:1程度の吐出量なので、仮にリッター25km程度の
燃費だとすれば、1000q走ってオイルを1L消費すればまあまあ正常である、と
いった分析も行えますよ。
これがあまりにもオイルが減ってこない、となれば確実にやばくなっていますんで。

で、よくある「オイルポンプギヤのシャフト部」からの漏れはただのオイルシールの
劣化によるものですが、それとはまったく異なるトラブルも頻発する、といった点は結構
気を遣わないとダメですね。
仮にそこのシールを換えた場合、オイルポンプ経路に詰まり具合があると一気に
吐出量が減るのでオイルシール交換も考え物なんですよね…


ただ、もはやライブDio系ですら純正オイルポンプは廃番の為、今後の運用を
考えていくならば万が一の事も鑑み、半混合給油を併用していくのが一番
メリットも大きく、各部パーツの摩耗も低減していけます。

とはいっても100:1程度で良いので、毎回給油の度ではなくても良いですし、
そこまで正確にオイル量を測らなくとも良いので、それなりにオイルを
ガソリンタンクに投入しておけば全ての面においての保険となりますよ。


> 学生の頃、中華のポンプを購入した際に、バリがひどく吐出量がひどかったため
> 削り取って多く流れるようにしたのですが、評判が悪かったのを思い出しました、、

以前はAF18系の社外品等もありましたが、正直私は全く信用していませんでした。
こういうのは「品質のばらつき」が値段に反映される事が多く、他人のインプレを
聞いても当てに出来ないというのが最大のデメリットなので、賭けになる上に
失敗するとダメージが大きすぎる物なので…手間は掛かりますが半混合給油を
習慣付けた方が何倍も良いです、と私はいつも提唱しておりますね。


> リード90がなぜでてきたかは、
> ttps://www.kn926.net/shop/products/detail.php?product_id=51901
> こちらから、互換性があるのだと解釈したからです。

クランクベアリングであれば年式によっては互換のある寸法になりますね。
ただ、この手のベアリングサイズはホンダ独自の6203改なので、クランクシャフトの
ベアリング保持部は20φの為にベアリングにはまりはしますが、当然のごとく
クランクシャフトはクランクケースにはどうあっても合わない、という事です。


> 私としましては、クランクベアリングを4stのディオで採用されているものを
> なんとかいれれば、改善されるのではと考えておりましたが、

いえいえ、このあたりは悪い意味でのホンダマジックでして、4st化された車両でも
触って楽しむのを防ぐ為、耐久性やランニングコストまでも無視してどうにもならない
エンジンを作り上げられていた、というオチですから…
知らなければ分からないのは当然ですし、良い方向へのお答えで無くて残念では
ありますが、これも一つの知識としてお納め下さいな。


> シャフト>ベアリングというのは、hpをよく読んでいなかったのと、
> 調べが甘かったです。

そうですね、これは当HP内にもちょこちょこ記しておりますが、ホンダ2st系の
スクーターのクランクシャフトが柔らかい、というのはクランクシャフトをちゃんと
検芯、点検しないと絶対に分からない事ですし、ヤマハやスズキのトラブル車両や
クランクシャフト単体での特性等も合わせて知っていなければ絶対に分からないと
思いますよ。

そういった難易度の高さがある為、この手の情報はよほどの当HPマニアさんとか
Dio系大好きな方で無ければ知らないのが当然でしょうね、と…
今の時代、そういったノウハウを持っている方というのも少なくなってしまいましたし、
ホンダヤマハスズキのどれでも経験値がある、って方となるともっと希少です(泣
…だからこそ私は今でもHP閉めずにやっている、とも言いま(以下略


> 以上のことから、クランクシャフトの移植はできない、
> ベアリングに関しても、加工をしてもメリットがない、
> それよか、オイルポンプの吐出量の改造や、オイルの質を上げる、
> ハイスピードプーリーなども使わず、無理な力で締め直したりしないほうが、
> 現実的で正解でよろしいでしょうか。

こちらですが、前述した様なエンジン的な特性をしっかりと分かっている上でならば
各所に気を付けて運用すれば良いだけの話になりますので、実際問題としての
延命や経年劣化、というものはかなり防ぐ事が出来る様になるんですよ。

クランクシャフトに関しては、便利な流用品というものは一切存在しませんし、
ヤマハJOG系の様になんてもかんでも流用可能、という訳には行きません。

ですが、クランクシャフトに関してはAF35ZXの初期型だとかなり品薄にはなって
来ていますが、台湾系純正コピー品のクランクシャフトならば、強度単体で見れば
純正よりも「硬い」材質で出来ています。

なので、私は腰下OHや修理の依頼が来た場合、出来れば純正クランクシャフトが
再利用出来る事を願いますが、出来なかった場合にはもはや純正新品(AF35ZX初期)も
欠品の為、台湾系の社外品をお奨めしていきますね。

もちろん、この手の品物も精度はバラバラですし、芯出しや検芯の必要性があるのと
コンロッド大端ベアリングは不安があるといったデメリットもありますが、それでも
無いよりは良いですし…私何度もその手の品で腰下を組んできましたが、今までで
ただの一度だけ、初期不良でコンロッドのサイドワッシャーが粉砕した、というのを
経験しただけで、他の数十機は組立後もトラブルが出た、という話は少なくとも私は
一度も伺ってませんので、それなりに信頼はしています。


クランクベアリングに関しては前述した通りで、私は純正品を使っていっても特に
ハイチューンでもそこまで早期におかしくはならない、と割り切っています。
私、今でもサーキット用にノーマルのAF35ライブDio-ZXを使っていますが、これも
初期型の腰下ですが常に全開負荷しか掛けないレーサー仕様でも、ノーマルの
パワーならばそれが原因でクランクベアリングがトラブった、なんてのは一度も
ありませんし聞いた事もありませんので(笑

…ドライブフェイスに適当に工具をかけ、足でメガネレンチを踏んでナットを外して
いたり、占める時にエアインパクトで極度のオーバートルクで締めまくっていたりしたら
話は別でしょうけど、ね…



オイルに関しては、吐出量を上げる改造方法はあるにはありますが、あれを行っても
出口であるワンウェイバルブが詰まり気味だと何の意味もありませんよ。
むしろ、吐出量UPが成功しても噴霧化効率の悪い分離給油オイルをどんどん
エンジンに流していっても、思ったより良い効果って得られづらいんです。

そんな事をする位ならば、半混合給油で100:1のオイルをガソリンに混ぜてやった方が
オイルの噴霧化率が格段に上がりますからメリットで勝てる点がありません。
あえて言うならば手間がかかる、位ですが、今の時代に純正部品も手に入らなくなって
きている「旧車」を維持するのであれば、その程度の手間を惜しんでいては何も
始まらないと私は感じますけれどね〜

オイルグレードに関しては、少なくともクランクベアリングやシャフトが脆弱であると
いった認識があるホンダDio系乗りの方ならば、そこまで安物を入れているはずは
無いかな、と私はいつも希望的観測を行っておりますが(笑

メーカー純正オイルの一番下や2番目なんてのは、基本的に原付一種に入れるならば
そこまで高負荷を掛けず法定速度レベルで運用する為の物である、といった前提は
ありますから、ヤマハの赤缶ならノーマルエンジン相手なら大丈夫だな、というのも
ちょっと甘いです、といった感じです。

安いオイルを使っていると、ピストンリングやシリンダー内壁の摩耗ってかなり早く
なってきますし、当然クランクベアリング等も、過負荷が起こった時のその万が一の
時にも結果的に自分で自分の首を絞めているだけ、というのも一応蛇足として
付け加えさせて頂きますね。

旧車、かつホンダ2stスクーターを乗るのであればオイルなんて安物を入れる事が
あってはならない時代である、とも言い換えられますよ。


ハイスピードプーリーに関しては、別に好みで構わないと私は感じますね。
最大変速時にベルトを思いっきり引っ張ってしまう、なんて変速比はそこらの
社外品ではよほどの事を行わないと起こりえませんし、その状態でいつも走って
いるのであれば話は別ですが、それでも壊れる前に何か兆候は出ますので…

ただ、今では安価では購入出来ませんがやはり私は純正品もしくは純正ベースの
加工品、というのが一番安定して長持ちし、信頼が出来ると考えています。
簡単にいじくれる所で選択肢を狭めるのは趣味としては悪手かもしれませんが、
純正プーリーの出来の良さというものを私は誰よりも知っている、と自負しても
いますから、このあたりは出来れば私を信じて頂きたく思いますです。


> この箇所が解決すれば、ボアアップして二段階右折から開放されたかったのですが、
> 長く乗るには純正に近いほうがよさげなんだというのがわかりました、

そうですね、長く乗るには純正新車状態を旨とするレベルでパーツ交換し、劣化や
トラブルが出てから修理、交換を行うのではなく常に「予防整備」を心がけていくのが
一番になります。
いくらDio系が脆弱とはいえ、ノーマルでちゃんと乗る限りであれば運も多少は
ありますが、それなりには持つ様に出来てはいますしね。

ただ、ライブDio系はさすがに高年式車になるにつれ、やりすぎた「いじり止め」の
あれこれを少しずつパーツ変更で改善している事もあり、そういった意味では
AF35ライブDio-ZXの初期型、94年95年あたりはかなり厳しい、というのは確実に
ありますけれどもね(泣


で、ボアアップして二段階右折をクリアという件ですが。
これ、登録変更での法規制クリアは良いのですが、ボアアップとなるとかなり
負荷的には厳しくなる為、やるならばそれなりの準備と運用を考えた上で、きちんと
したパーツを選ばないといけません。

これも手前味噌ですが、基本的に社外品のボアアップキットなんてゴミばかりなので、
何をどうやっても排気量なりのパワーなど出せず、50tをライトチューンした方が
よほどパワーもフィールも良くて面白い、という事が大半なのがこの業界ですね。

ただ、それでも方法はありますし、コストはそれなりに掛かりますがそういった点を
可能な限りきちんとする、というのは私は出来ます。
…別に宣伝するつもりではありませんが、市販品を分析も出来ない状態でポンと
くっつけてセッティングなんかをやってもはっきり言って時間とお金の無駄ですし
まともに走る様に出来ていない物に対して頭を捻っても何も解決しません、と
いった感じなので。


ライブDio系のボアアップ仕様、これも他人様にお作りした事は何度もありますが、
腰下は台湾クランク+純正ベアリングだとしても、腰上パーツが過負荷や劣化にて
トラブる事はあっても、それで腰下がボン、となった経験はこれまた一度も
ありませんのでね。
(…もしトラブった方が居ても私が知らなければ無いのと同じにはなりますが)

が、ボアアップ仕様だといくら頑強なヤマハ系だとしてもリスクは跳ね上がりますし、
耐久性、パーツの寿命に関してはかなり低下して当然です。
パワーアップというものは「純正で付与されている余裕や耐久性」を削ってパワーに
変換する事ですから、世の中そんなに都合の良い話は無い、という話なんですよ。

仮に目的の排気量が70t位だとしても、それでノーマルと同様なパワーレベルを
付与した場合、単純に1.4倍もの負荷が掛かってしまう訳ですから。
その状態でノーマルオイル量&グレードや、ノーマルクーリングファンでそのまま
定常走行が出来る、と考える方がおかしいのですよね…

なお、世の中には「俺は行けている」という方もおられるとは思いますが、それは
50tに毛の生えないレベルのパワーしか出せていないから持っているだけなのと、
たまたま奇跡的に運が良いか、長時間の運用を全く行ってみたりしていないと
いうだけです(笑

なので、ボアアップ自体は「腰下の耐久性」を鑑みた場合だとノンOH車は問題外と
しても、それが原因でいきなりボン、となる程の物ではありません、といった点と、
ボアアップ仕様自体はそうそう簡単にポン付けパーツで完成する事は絶対に
出来ない、といった点、このあたりも考慮されると宜しいかと思います。
あ、当然ですが腰下のOH自体は行われた事が無いのであれば、いつ壊れても
文句は言えない時代になっている、というのは言うまでも無いかなとも。


ではでは。いつもながら長くなりましたが参考にして頂けますと幸いです。
不明瞭な点があれば遠慮なくツッコミ下さいませ。
管理人でした〜

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