サトウさん初めまして。管理人ねぎのリーダーでございます。 …だいぶ更新していませんが掲示板等はちゃんと見てますのでよろしくです(汗
さて本題ですが、チャンプ80に2極インナーローターとは素敵な仕様ですね。 ただ、この手のパーツですとおっしゃる通りモトクロッサー等からの流用加工品も あるので、基準らしい基準というのは無かったりするものなんですよ。 なので、計測しつつ自身で決めていかないといけません。 (大昔のメーカーのキット物ならあったのかもしれませんが調べる術がありません)
で、すでに装着済みという事であればウッドラフキー溝は存在していますよね。 基本、このキー溝を上死点側へ向けつつ、ピストントップにダイヤルゲージを当てて きちんとした上死点位置をローター側で決めないといけません。 ボアストローク等にもよりますが、この上死点位置というのは0.5o程度ストロークの 誤差があってもクランク角度としては何度も変わってしまうモノなので注意が必要です。
実際に、実用的な点火時期を求めるにはまず上死点を基準とし、小径ローターでは かなりやりづらいですがせめて10°程度ずつローター外周側へケガキやマークを 記入し、その上でアイドリング回転(高めの方が良い)を決め、その回転数を維持し タイミングライトを用いてアイドリング時のだいたいの点火時期を測ってみます。 (始動出来ない段階の場合はまずクランクシャフトを高速回転させて計測します)
この時、ローターの位置がとんでもない角度に向いているとどこで点火しているのか 分かりませんが、タイミングライトを用いれば上死点前である程度の目安は出来ると 思いますから、ウッドラフキーがズレない位置で仮にアイドリングでBTDC20°で 点火している、といった具合を突き止めたならば、そのローター位置と上死点の 基準は充分に基準となりえます。
しかし、実際はウッドラフキーを本来の位置から180°回転させてセットすると なんとなく上死点前では点火しているな、といったパターンもあります。 その場合はそのままの状態で上死点となる位置を再度決め直し、そこから 何度手前で点火しているか、を計測すべきですね。 (…ウッドラフキーなしでのローター側回転固定調整ってのは実は定番だったり)
これを繰り返していると、少なくとも一定回転数では上死点前何度で点火しているかが はっきり分かって来ますから、そこからさらにローターに15°や20°の線を引き、 今度はエンジン回転数を上げて1000rpmずつ刻んで全域の点火時期を計測します。 面倒ですがこれをやらないと回転数により変化しまくる点火時期のインナーローターは まともに使えないので…
なお、インナーローターで二極コイルの場合、ローター外周に表面に磁力を帯びている ちょっと黒くなっている範囲が二面にあると思います。 点火パルスというのは、クランク回転方向に対してその磁力面が外側コイルと 言いますか、鉄板部末端を「通り過ぎた時」にパルスが発生されるので、一応としては 可能ならば上死点位置と同じところに外側コイルの「終わり部分」を合わせておけば 点火時期そのものではなく、「点火パルスが出る」のは上死点位置すなわち0°で ある、といった基準も取れるかなとも。
…正直、これを文面でご説明するのはかなり難しいので↓に画像を付けておきますね。 これは私の持ち物ですが、ローターの右側90°の位置にある、「外側コイルの切れ目」を 「計測時には」上死点と合わせています。 (※前述しましたがかなりシビアなのでダイヤルゲージでピストントップを出すのが基本です) もちろんこれはクランクケースから針金を伸ばして0点の指標にするのが鉄則でしょうか。
ココを基準とし、このローターベースは左右どちらにも回転させられる余裕がある為、 真ん中あたりの調整で、そこからタイミングライトを当ててどのあたりで点火が発生して いるのかを調べていきますね。
運良く、こういった形で上死点前の点火があったり、エンジンが始動出来たとすれば めっけもので、そこからはローターに角度を記して実測して行けば良いだけです。 が、一つだけ注意が必要なのは、ローターではなくベース自体を回転させた場合には 先程の上死点と合わせた基準点もズレる為、実際の点火時期は変化して行っても タイミングライトはずっと同じ角度を照らし続けます…とはいってもこれは実際にやって みないとイメージが掴めないと思いますので参考までに。
基本、前述の外側コイルの「終わりの切れ目」、画像の青線のあるあたりに対して、 ローター表面の極の「回転方向の終わり部分」が合致する様に取り付けてみれば、 パルス自体は上死点で発生している事になる為、仮にパルス感知からBTDC20°の 進角で実際の点火が行われているとしても、そこまで始動が難しい訳では無いと いった感じになります。
とにもかくにも、点火の基準点の前に上死点基準をローターとベースに対して しっかり作るのと、その上でローター側コイル末端とローター外周部の極の終わりの 位置関係をそれなりに合わせてみる事が大切ですね。
…もちろん、上死点位置を出すためのダイヤルゲージと、計測用のタイミングライトは 必須になりますし、点火パルスの発生位置を現物から分析して把握していないと あてずっぽうではどうにもならないものである、といった点はご留意下さいな。 残念ですが16/360=22.5°ずつの変更では運が良くてもエンジン始動が出来る タイミングは一つあれば良い方かな、と思いますので…
仮に、パルス発生がBBDC22.5であったとすれば CDI側で一切進角が無ければ エンジン始動が出来ると思いますが、1つズレて上死点でのパルス発生だとしたら まず始動は無理ですし、反対側に1つズレてBBDC45°であれば余計に無理です(汗 かつ、上死点を超えて1つズレたとしてATDC22.5°でも絶対無理ですから… 「CDIでの進角が一切無い」事が前提だとしても、BTDC5 〜25°あたりのパルスの 発生で無ければ、まず初爆が得られる点火時期にすらなっていない、という事で。
という訳でして、分かりづらいとは思いますがこんなの一発で説明&理解出来て しまったら誰も困りませんので、不明瞭なところがあればご指摘下さいませ。 ではでは今回はこれにて失礼をば。 管理人でした〜
|