ライブディオ大好きさん再度毎度でございます〜 さてさて引き続きあれこれ記してみたいと思いますです。
> ライブディオ排ガス規制前モデルで駆動系などはこれまでかなり弄ってきたのですが、ノーマルエンジンの出力ではどんなに頑張っても60までの加速10秒付近が限界に感じています。
60km/hまでの到達タイムが10秒あたりであれば、ノーマルマフラーかつ 50tならそれなりでは無いでしょうか、と私は感じますが… ピークパワーの出る回転数を純正とあまり変えず、その上で加速力を上げるなら 現在進行中のボアアップしか手段は無いと思いますよ。
ポート加工やヘッド調整、ビッグキャブ等で50t+ノーマルマフラー前提での パワーアップも可能ですが、これだとピークの出る所はどうしても純正より 高く設定しなくならなければあまり意味が無く、8500rpm変速とかになって しまいますのでこれはNGなのでしょうか(汗
> これを上げるには出力アップが必要と思うのですが、よくあるのが高回転のチャンバーを付けて爆発回数アップによる高出力化だと思います。 > > そうした中、こちらの動画でそほぼノーマルの回転数でかなりの加速がでているようで気になっています。 > > ttps://youtu.be/S8aMT5q3zb0 > ↑ > hを足して下さい。
動画拝見しましたが、率直に感想を述べますとこのライブDioかなり良い仕上がりに なっていると思います。 変速終了がメーター読み63km/h程度なので、ある程度のハイギヤかハイスピード プーリー化は行っている気もしますが…少なくとも6500rpm変速程度では無いと私は 感じますね。
7000rpm変速かつファイナル10.6+3.50タイヤならその位の変速終了にはなりますが、 音を聞く限りではもっと上を使っている感じでしょうか。 少なくとも、最大変速後の加速具合がオーバーレブ域とは思えない具合なので、 わざと変速回転数をパワーバンドから下に外したセットとし、最大変速後に 本来のパワーを出している様な感じにも見えますよ。
そして2号機、という動画も拝見しましたがこっちの方はコメントでエアクリ等しか チューンしていない、とありますが…確かに吸気音は違ってます。 こちらは小径駆動系なのか、45km/hあたりから異常に変速回転数が上がって 言ってますが、その状態で65km/h程度で加速が止まり始めているかなと。
こっちならなるほどな、と思える加速力ではありますが、1号機の方はノーマルの エンジンだと仮定するとちょっとありえない具合かなと私は感じました。
そもそも、詳細等を記されていないので何をどうやっているのか全く分かりませんし、 動画の方を疑う訳ではありませんが、あまりこういうのは鵜呑みにしない方が 宜しいかなと私は思いますよ。 音質の問題もあるので動画では把握しきれませんが、ノーマルマフラーでは無い 可能性もありますしね。
> この方の他の動画を見るとエアクリーナー加工程度みたいな様子なのですが、これは可能なのでしょうか。 > > 実は高出力化が気になり調べているとこちらのブログを見つけました。 > > ttp://gennchakaizou.blog.fc2.com/blog-entry-85.html?sp > > ・エアクリーナー > ・インテーク > ・リードバルブ > ・排気ポート > > この辺りがパワー律速しているということでした。
こちらのブログ拝見しましたが、この方は以前何度かやり取りさせて頂いたことは ありますよ。 四国某所でチューン業をされている方で、主に2stジャイロ系がメインみたいです。
それなりの分析と詳細なチューンをされる方だなと私は感じますし、過去にライブDioの 走行動画もノーマルベース車の物を拝見した記憶がありますがかなり良かったと 記憶していますね。
リミッター的な個所、となれば挙げられている点は確かに中期以降のライブDio系と してはありますが、エアクリは私はあまり影響があるとは考えていません。
初期型のみエアクリ入り口のパイプが太かったりもするんですが、実際には ノーマルの吸入負圧レベルでエアクリを加工してもメリットはほぼ無いと私は 割り切っていますね。
エアクリの吸入口増大の加工が「必要になる場合」というのは、エンジン内部での 吸入負圧がチューンによりノーマルより大きくなった場合、エアクリ側での吸入量が 限界に達した時のみです。
どこか他のコンテンツでも解説していますが、エアクリというものはエンジン側の 吸入負圧によって「空気を吸っている」のであり、穴の径が同等であっても「強く吸えば」 1回のストロークに対して多量の空気を吸い込める、という至極単純な理屈です。
大昔のエンジンであればこれの限界がすぐに来ていた事もありましたが、少なくとも ライブDioレベルであればエンジンがノーマルでもそれなりのチャンバーを用いた状態、 この状態で直キャブでセットすればそれなりには変わる、という感じですね。 むしろ、そんな状態でもエアクリ自体を大きく改変せずに多少改造したくらいの方が バランスが良いので、私はライブDio系エアクリの許容量はかなり大きい、と 認識しています。
排気ポートに関しては、ライブDioってノーマルでもかなりハイチューンになってまして、 排気音量低減の為か、「下半分」が大きく拡大されておりこれは良く無いのですが、 ピーキーさを出さない為に上半分は山型で、排気弦長はボア径の70%程度あると いうのが純正だったりします。
が、そこまでしても当時のライバル車だった3YKに及ばないと言いますか… ライブDio系のノーマルマフラーはかなりパワーに貢献しているのですがそれでも 足らない為、リスクを鑑みても排気弦長をボア系の70%まで持って来ているのでは 無いかな、と私は分析していますよ。
実際、形状がどうであろうが「ピークパワー」に関しては弦長が一番大きな影響が ある為、純正でここまでやっている車両って私の知る限り、一種二種含めて国産 2stスクーターでは他にありません。 (本当は上半分を広く取って下半分を狭めて欲しいですがそれやると音うるさいです)
が、だからといって加工の余地が無い事は無いですが、正直申しますとさすがに 前述の様に2stジャイロと比較すればかなり良いですが、決して悪いレベルでは 無い、という点が私の見解になります。
で、下半分が元々広い為、加工の余地は小さいですが内部通路等はかなり加工が 出来てしまいますし、通路の掘り方によってもパワーを出す事は可能です。 と言いますかライブDio系は掃気タイミングが遅いのでそれをカバーするのと、 前モデルのスーパーDio系に対して掃気通路がうんこみたいにダメなので、 それを加工である程度カバーする事しか出来ないですが。
それでも、ヘッド含めてちゃんとやれば50tでも見違える程のパワーを出す事は 可能です、とは補足しておきますね。
> 以上を踏まえて > > ・エアクリーナーダクト2本化 > ・インテーク拡張 > ・リードバルブ拡張 > > を試したのですが、結果はダメダメでした。
エアクリはおそらくほぼ意味が無いと思いますが… 中期型でのインマニとリードブロックは確かに初期型に比べて小型化されています。
で、マニ側はブロック入り口に対して拡大するのは高回転だけを考えるならば それで良いですが、6000rpmとかを使う人だとちょっと鈍さが出て来るかなと。 私の様にノーマルでも美味しい所の上限で変速させないと気が済まない、という タイプならばさほど問題は出ませんが、これをやるのもあまり極端に広がりを 作ってしまうと駄目になる場合もありますが、効果的には小さいかなとも。
そしてリードブロック、これはバルブじゃないですよね。 板では無く本体を拡大したのだと推測しますが、これはやるならば内部の十字の 所を全部吹っ飛ばしてバルブは大きな一枚物で作成、位はやらないとあまり 労力に見合わないでしょう。
ライブ初期型レベルにしたいのであればある程度の通路拡大でも良いですが、 リードブロックの開口面積は「三角の頂点部を前から見て」、バルブが開いた時に 前面投影面積がどれくらいあるか、がミソになります。
下手な社外品の様に、三角の頂点部から見ても全くノーマルと変わっていないので あれば意味がありませんし、ブロックの三角部の角度を変えられる訳では無い為 現実的には頂点部から見てどかんと通路が開いている、的な加工で無いとほぼ 撫でただけの物になりがちですね。
これも初期型のリードブロックをバラしてみれば分かりますが、スタッファーが ある為に整流性が良く、その上でブロック入り口側には何もありませんから。
かつ、おまけとしてはバルブストッパーを限界までこじ広げておいたりするのも 気休めにはなります(笑 ただ、リードバルブって本物のバルブの様に正確に開閉を繰り返しているワケでは 無い為、最大負圧時に全開にならないとしてもならない状態での開口部の余裕は 無いと駄目なので、やりすぎ位で丁度良い、というのもあったりするかなとも。
> 最初の動画の車体は前期型ということで、インテーク、リードバルブについては > 大きさがあるので律速因子にならず、エアクリーナー加工で良い結果が出たのではないかと思いました。
それは確かにあると思いますが…個人的経験になりますが、私はノーマルレーサーの FN仕様のライブDio-ZXを持っています。 これの興味本位の実験で色々やった事もありますが、初期型のガチガチノーマルでも エアクリを多少どうこうしたからといって目が覚める様な変化って出なかったですが。
なのでちょっと私としましては、最初の動画がノーマルエンジンかつエアクリ加工とは どうしても思えない、というのが正直なところです。 FNレーサーの私のマシンでも、60km/h超えてからこんな加速力は維持出来ませんよ。
20年位前にSS1/32mileで測った事もありますが、0発進から50mまで達するのに 5秒4程度、速度は約50km/hでした。 サーキットでも、60km/hに達してから70km/hまで加速するには100m近く必要なので、 速度が出れば出る程、アンダーパワーの足かせは大きくなるのは基本ですね。
> ただ、そもそも動画を撮った条件が下りや追い風という可能性もあるので、多少盛られている > かもと思っています。
これはどうにも判断のしようがありません。 下り坂となってもそれで盛れる位ならよほど極端な坂で無いと駄目ですし、 追い風に関しても明らかに速すぎるレベルの加速力となるにはとんでもない暴風が 吹いていないと駄目でしょう。
動画を見る限り、そこまで好条件である感じはしませんがそもそもオーナーさん自体、 何をどうやっているのか、タコメーターも無いですし判断のしようがない、というのが 正直なところです。
> 出力アップに向けたヒントや手解きが頂きたく、アドバイス頂けないでしょうか。
そうですねえ…いくつか前述しましたがパワー特性を変更せずに加速力を上げて 行く、となればボアアップから始めるしかありません。 6500〜7000rpm近辺により大きなピークパワーを持ってくる、となればはっきりと 申しますが、50t状態で何をやってもあまり変わらないでしょう。
ポートタイミングをほぼ変えずにパワーを上げる方向性で加工を施し、かつ 圧縮比もそれなりに上げて出来る事ならキャブを大きくして色々と細かな点を 修正していけば、ピークを換えずにモアパワーは出せますが、排気量も ピークも変更なしのパワーアップ、というのがやれと言われると一番難しいです(汗
変速回転数が8000rpm〜でも構わない、というのであればポートタイミング的に 高効率化がかなり促進される排気BBDC90°、掃気は最低でも60°〜に セットした上で詰めて行けばかなり激変出来ます。
以前も記しましたが、排気タイミングはBBDC90°程度から一気に高効率になって くるのは不思議な事にどんなスクーターエンジンでも変わらない為、これを クリアしないとエンジン自体のチューンって始まらない、ともいえるレベルなんです。
なので、仮に排気量を上げるとしても排気タイミング自体はそのあたりに合わせないと 思った程パワーアップせず、純正の二種エンジンの様なフィーリングしか出ない為、 「やった感」ってあまり出ないという。
次に、社外品のパワーバンドを変更するチャンバーの採用ですが、ノーマルエンジンに 対してはこれはライブDio系の場合あまり有効な手段とはならないです。
ライブDioは、純正状態のパワーを出す為にノーマルマフラーの性能でカバーしている 部分がかなり大きい為、仮に10000rpmでピークを出せるチャンバーを用いても、 その領域で力強さを付与する、というのはかなり難しいという事です。
実際、ノーマル+チャンバーのみのレースだと正直どうにもならないレベルでパワーが 出しづらく、よほどチャンバーを上手く開発しないと難しいという… それでもノーマルポートタイミングと言いますかノーマルエンジン前提だと、美味しく ピークが出せるのは9000rpm程度が上限なので、ノーマルマフラー+ボアアップにて 8000rm〜あたりのパワーを太らせた方がはるかに乗りやすく音も静か、という 結論になりがちなのですよ。
少なくとも、そのへんの市販品チャンバーで「他車」の様なパワー特性変更を期待しては いけない、という事で(泣
と、ざっとではありますがこんな感じですが… パワーアップ目的のチューンとなれば、「犠牲にして良い部分」を最初にはっきりと 決めないと目標って決めづらいので、そのあたりが課題でしょうか。 ノーマルパワー特性を変更せず、というのが一番難しいといった点はご理解頂けると 嬉しいですよ。
ではでは今回はこれにて失礼しますね。 管理人でした〜
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