ライブディオ大好きさん毎度でございます〜 さてさていつもながらマニアックなお話ですが今日もいつものやつをば(笑
> それと、BBDC90度 8000rpmからのパワーというのが気になっております。 > ここまで技術相談に乗ってもらっておりますし、リーダーズクラフト依頼案件として完成に向けて手伝って頂けないでしょうか。
まずコチラですが、これについては私でお手伝い出来る事であれば喜んで お手伝いさせて頂きますので、別途メール頂いてる方にてよろしくです。 ただ、現状かなり依頼品等が立て込んでいまして…その点はご了承頂きたく。
> <エンジン加工の方向性> > ・うんこみたいにダメな掃気ポートの修正 > ・排気ポートの掘方によるパワーアップ、ポートタイミングの変更 > ・ヘッド設計 > > 掃気ポートの何がダメなのか自分には見ても分からないのですがAF27シリンダーと比べるた時の違いがうんこポートになっているということですね^^ > 掃気ポートについてはどこかでかなりの難易度の加工という話もあり、あの3次元構造を加工していくのはチャレンジするならリーダーさんにお願いした方が良いかなと思いました。
今後の方向性を煮詰められている様ですが、このあたりはどうしても基本と 言いますか、効率が良くなってくるポイントというものが存在していますし、 それは経験と分析とお勉強がモノを言う所でもあるのでなかなか難しいです。
掃気ポートに関してはこれは一言ではご説明しづらいのですが… AF34系GBLシリンダーは掃気の横方向への噴射角度と言いますか効率が イマイチであり、加工で補正する事はかなり難しい「純正形状」なんですね。 これはヤマハの3YK‐JOGとかも同じなんですが、その反面AF27系のWG、HG系 シリンダーの場合は元々そのあたりの出来がかなり良く、名車NSR50とかと 比較してもそれほど遜色のない出来なんですね。
なので、単純にエンジンパワーの上げやすさで言えば2stDio系の比較であれば、 縦型系エンジンの方がはるかに楽ちんである、という事で(汗
なお、加工修正そのものについては、これまた表現しづらいのですが掃気って 元あった形状等の変更をやればやるほど効率が良くなるという物でも無く、逆に 効率が悪くなってしまう加工、という方向性も多々あったりします。
タイミング調整を行うにしても、高さを揃えたりするのは良いんですが仮に2oも 3oもタイミングを移動させようとすると、加工ではなくシリンダーのかさ上げ等も 含まないとまず上手くは行かない場合も多く、イメージと異なるかもしれませんが 「道具と加工だけでなんとか出来る物ではない」という感じだったりしますね。
> 排気ポートは弦長を上げればパワーアップできるのか!といろいろ妄想が始まっていますが^^やりすぎるとリングの突き出し量が増えて摩耗は早くなりそうですね。ポートタイミングの変更は上に掘っていくのだなとかわかるのですが、掘方によるパワーアップってどんな考えで掘っていけば効果が出るのだろうかとか気になってしまいました。
排気ポートは弦長を広げるのが基本ですが、これもスタッドの対角線上までとか 適当な勘定ではなくちゃんと計測してボア径に対して何割の幅なのか、を 管理しないといけませんし、数値だけ出来ていても実際の加工にその寸法を 反映させられないのでは全く意味がありません。
よくありますが、シリンダーの上から25o位置に排気ポートの頂点を持ってきた、と していても実際にはコンマ5とか平気でうねっていてガタガタとかでは、設計寸法と 現物が乖離しているので何も説得力がない、とも言えます。
排気ポート通路に関しては、通路内部の横方向を広げるとか色々ありますが、 私の意見としてはそのあたりは一般的な意見は結構的外れな点もあります。 排気ポートって名前は「排気」ポートですが、実際にはポートから出て行った新気を シリンダー内へ戻す為の通路の役割も担っている訳で…このあたりが排気通路の あれこれに影響している点があったりしますね。 排気ポートってのは抜けりゃ良いってモノでもありませんから。 …さすがにこれは私オリジナルの企業秘密もあるのであまり言えません(汗
> ヘッド設計についてはTYPHONのボアアップキットを組んだ際、専用のヘッドと純正ヘッドを圧縮比を調整して組んでみたりしたのですが、明らかに68cc専用ヘッドの方がパワーが出ている気がしました。単純な圧縮比計算による燃焼室の体積以上に考えておかないといけない設計がありそうですね。
そうですね、圧縮比の数値をいくつにするか、というのはエンジンを考える上で 最低限度やらなければならない基本の様な物で、それが出来ていて初めて 燃焼効率やらスキッシュ効果やらを考えられるモノなんですね。
またこの表現になりますが、ヘッド自体の容積が変わらずに高効率を求めて いく、となれば、仕様変更において基準となる容積すなわち圧縮比までもが 一緒に変更されてしまったら、どちらが影響を及ぼしたのかは絶対に判断が 出来ません。
なので、パーツの組み合わせのみで調整を行うならば、燃焼室形状が どうこうではなくまずは容積対比での圧縮比をちゃんと見極める事から 始めないと、自分が後で困るというだけになりますのでね・・・ とはいってもそれを一度経験しないとちゃんとやってやろう、という事にはまず ならないのが人間で(以下略
> <インマニ加工> > ブロック入り口に対しての拡大ですが、高回転はokで低回転で鈍くなるのですか! > これは流速を落としてしまってレスポンスが悪くなる方向性になるという理解で良いですかね?
そうですね、その解釈で合っています。 とはいってもノーマル前提ならそこまでメリットデメリットが大きく出てくる訳では ありませんが…流速が落ちるとはいってもノーマルではどんなアクセルの開け方を してもそれなりについてくる構造になっていますし、そもそも原付クラススクーターの 場合だと、レスポンスに影響が出る様な中回転域をメインに使って走る事という 状況自体があまり無い事もあり、そういった点のデメリットって気づいていない方も 多いと私は分析しています。
50tかつノーマルエンジン風味が前提であれば、アクセルワークはかなりラフに 扱っている乗り方でも問題は無い上、低回転等を完全に無視したエンジンの 作り方でも実用に際して問題が出づらい、といった点も大いにありますので。
高回転(パワーバンドの意)の効率を上げる為に他を犠牲にしなくてはならないのは 当然ですが、そのデメリットが出づらいと言いますか仕方の無い方向性になって しまいがちなのが小排気量スクーターの基本かなとも。
> <リードブロック加工> > 自分が行ったのはバルブの板の加工ではなく板を張り付けている土台の加工です。 > 某ブログに記載されている加工をした形になります。 > 大きな一枚もので作製となると加工というよりワンオフ作製のイメージですね。 > ちょっと作戦をしっかり考えないと難しいですね**
ブロック側の加工は前述した通りで、真正面からブロックを見てバルブを広げ、 その開口面積が大きく無いとあまり意味が無い為、そうなると真ん中の柱とかは かなりの邪魔になってくるという事なんですよ(笑
片側一枚バルブのデメリットは硬めの板で無いと不安、といった点があるかと 思いますが、カーボンでは無くとも純正流用で0.4o程度の厚みもあれば逆に 50tには硬すぎる位なので、私にしてみれば一枚にしない理由がありませんね。
これはそこまで難しい改良では無いので、是非一度試してみる事をお奨めしますよ。 ただし、リードスタッファーはちゃんとパテでこしらえた方がベターになります。
以前にも貼った気がしますが作例を一つ↓に貼っておきますね。 これはマニがノーマルでは無い仕様なのでそれに合わせてこの後スタッファーを 埋めますが、一枚バルブ仕様はこんな感じですという事で。
> バルブストッパーについては限界までコジ広げてというのを試したのですが、張り切って1cmくらいコジ広げていたのですがエンジンに嵌めようとして嵌らず** > 広げられるのは数mm位みたいですね。 > > 以上の加工内容で昨日エンジンに投入してみたのですが違いはあまりわからなかったです**。
あーこれはそういうものです(笑 広げられると言っても限度はありますし、本来はケースを割った上でどこまで 行けるかを確認しないと難しいですが、ライブDioエンジンの場合は元々そこまで 閉じている訳でも無いので気休めレベルですね。
ただ、あまりストッパーの根本側を上げすぎてしまうとバルブ自体の開閉が柔らかく なりがちなので、このあたりも実は調整があったりします。
> <リーダさんのFNレーサー> > > 50km/hまで5.4秒ってかなり速いですね! > 自分の動画だと50km/hまで7秒くらいでしょうか。 > > 自分の純正シリンダーは中古バイクで購入してついていたものなので本来のパワーが失われているかもしれないですし、他にも詰められる要素があるかもしれないですね。
これはあくまでレーサーの記録ですし、昔の物なので曖昧なので参考までに。 なお、シリンダー等の摩耗でも確かにパワーに影響はしますが、極度の摩耗が無い限り 実際のパワーには大した影響はありません。
ポートの位置関係やタイミング等の方がはるかにノーマル仕様では大切ですが、 私は現在はもはやFNレーサーではシリンダーの当たり外れ等は気にしていません。 昔使った物は劣化してしまいもう存在しませんし、何十個も集めて検分していくと いうのも…今は手持ちの物の中でマシな物、ざっとしか選びませんし(汗
ただ、腰上がベターな物でも安定したパワーを出せる、というのには腰下の選別と マフラーの当たり外れ、この2つがかなり大きなウェイトを占めています。 ノーマルレースだと加工等は一切出来ないので当たり外れの面は大きいですが、 腰下とマフラーだけは何があってもおかしなモノは使えない、というのは今でも 変わっていませんね。
加速タイムに関しては、短距離走だと0発進を含むので一概には言えませんが、 60km/hに達するのに8秒とかであれば50tノーマル風味車としては十分実用に 耐えうるのではないかな、と私は感じていますね。
> 音を聴き比べるとやはり6500〜6600rpm程度しか回っていない感じがします。 > しかし、このエンジン回転数でこの加速はかなり速い。
動画拝見しましたが、変速回転数はいくつであれ自身のエンジンの一番美味しい パワーバンドを掴んで変速していれば、それが仮に6500rpmがピークであったと しても問題は無いでしょう。 ただし、仕様が同一であれば6500rpmよりは7000rpmにピークが出る様な エンジン作りを行った方が最終的にはパワー的には有利になるでしょうね。
2stの場合は一概には言えませんが、エンジンの回転数というのは燃焼圧力波が ピストンを叩く力が強ければ強い程、結果的にクランクシャフト(=rpm)が速く 回されるのであって、あくまで結果論ではあるんですよ。
が、どの回転域にピークパワーを発生させるか、が2stエンジンでは一番最初に 決めなければならない方向性であって、適当にやっていくつまで「回った」なんて 何の指標にもなりゃしない、といった点はお忘れ無き様にお願いしますね。
> プーリーの加工度合いは先日リーダーさんに加工してもらったものと同じくらいでドライブフェイスにプーリーがぶつかるかどうかくらいの感じではないかと思っています。 > 話が少し脱線しますがAF61加工プーリーとRRカムが相性が良くかなり変速回転数一定で気に入っています。今年になってデジタルタコメーターをデイトナのレスポンスの良いものになったのでデータを取ったりして遊んでいます。リーダーさんに加工してもらったAF61加工プーリーの変速特性も取ったので画像を添付しておきます。
グラフ拝見しましたが、これだと変速後半で変速回転数が上がり気味になりがちな 4st系プーリーでもそこそこ安定していると取れますね〜 6700rpm前後の変速で最大変速は約60km/h、と解釈しますが、個人的にはもっと 上の回転数の方が大きなピークパワーが出ていると推測します。
> エアクリ加工というキーワードもやはり気になってしまっております。既に加工経験のあるリーダーさんの話を聞く限りはなかなか難しそうですが・・・。自分が以前試したものは単純にダクトを1つ追加するみたいな方法です。ただこれは気流の乱れを発生させてあまりよろしくないという話を聞いたり見たりしたのでダクトを太くする加工ではどうだろうかなど考えております。
そうですね、エアクリダクトに関しては2本3本といった追加方式ってあまり良くないと 言いますか、個人的はメリットを見いだせない手法になります。 そうするならばエアクリBOXの容量をもっともっと大きく取った余裕が必要だと 考えますし、おっしゃる通り1本を太く、そして長くする方がはるかに安定感が出ます。
元々、2stスクーターのエアクリBOXってホンダはかなりマシですがヤマハとかだと かなり容量が小さいので、そんな小さな箱にいくつもパイプをぶっ刺して好結果が 出る、となればそのエンジンはどれだけ吸入負圧が小さいんだ、といった分析に しかなりませんのでね…
本来、ノーマルエアクリは大昔の車両と比べるとかなり悪くない仕様ですから、 先にエンジン内部をチューンし、ノーマルエアクリが増大したエンジンの 吸入負圧では耐えられなくなってきた、といった所まで行ってから初めて手を付けて いくものなんですけれどね…
低抵抗フィルター単体の変更程度は推奨しますが、BOX加工というのは個人的には いくところまでいってからやるべき、というのが基本となってますよ。
> お忙しいと思いますのでお時間できた時にでもボアアップシリンダー加工の話も相談できたらと思います。
コチラの件に関してはまた改めてメール致しますので宜しくお願い致します。
ではではいつもながら長くなりましたが今回はこれにて失礼をば。 管理人でした〜
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