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記事No 8242
タイトル Re: リード90のポート形状
投稿日 : 2023/04/01(Sat) 22:22:14
投稿者 ねぎのリーダー@管理人   <neginoleader@yahoo.co.jp>
参照先
つーさんお久しぶりでございます〜

さて、リード90は今でも元気に稼働している様でなんとなく嬉しいですね(笑
さてさて早速ですが今回も本題へ。


> 今はV100ピストン流用の107ccになっておりますが、排気量なりのパワーが出ていないような気がしまして、

ふむ…ボーリングボアアップ仕様という事ですが、これで排気量なりのパワーが出ていない、と
いう事ですね。
とはいえ、こればかりは体感によるところも大きいので一概には言えませんが…

以前も記したかなと記憶していますが、特に原付二種2stスクーターは全くもってそういった
排気量なりのパワーは純正では出ておらず、耐久性に振っているという事が基本ですね。


>手元にあるシリンダーのポートを石刷り取ってみたのですがポート形状的にはネギのリーダーさんとしては、どのポートが上が回る感じか教えて頂けませんでしょうか?

で、これはですね…高回転でパワー、というのは純正よりも高回転側へピークが移行しつつ
パワーも上がる、といった傾向だと解釈しますが、これは「ポートの形状」はほぼ関係が
ありません。

これは排気のポートタイミングにそれなりに依存するものであって、弦長が広かったり
上が一直線もしくはおにぎり型、とかでも「どこの回転域にピークパワーが出るのか」には
影響率は極小である、と言って良いです。


そして石摺りを拝見しましたが、これで「弦長」と記されている部分がありますが、これは
「石摺りに写したポートの幅(弧長)」ではありませんよね?
シリンダー内に、排気ポートの左右末端部に垂線を引き、その幅を計測した数値であれば
問題ありませんが…
それでも、純正よりもパワーを上げよう、といったエンジンとしては数値的に狭いです。

原付一種のスポーツモデルなら純正でもボア径の70%もしくはそれに近いですが、
リード90の純正だとボア径の57%しかなく、これではお話にならないのはお分かりかなと。

そもそも、排気ポート弦長はエンジンのパワーバンド特性にあまり影響しない、とは
記しましたが、あまりにも排気ポート弦長が狭い場合だと、ポートタイミングをいくら
速くしても、パワーバンドの移動具合ってあまりメリハリが無く分からなくなる物ですから。

最低限、ボア径の70%までは排気ポート弦長を広げた上で論じないと、形状も特性も
あまりはっきりとは出ない、という点にご留意下さいな。


その上で、原付二種はボア径は一種に比べて広く、ピストンリングの屈曲率も低い為、
適当にボア系の70%まで排気ポートを広げ、上側の形状や面取り等をあまり考えて
いなくとも、そこまでリスクは上がりません。

これは物理的にそういうものだ、という解釈でお願いしたいですが一種と違って
二種なら「リングや排気ポート形状の棋院では壊れづらい」という点もある為、
もう少し冒険してみてはいかがでしょうか?


そして、今回のご質問で一番大切なのが、「排気ポートタイミング」になります。
これは当サイトの中にも数値入力から自動計算出来るツールを置いていますが、
つーさんの場合、先に把握しなければならないのはコチラの数値になります。
(※この場合、シリンダーの上からいくつ、といった数値では何の役にも立ちません)

これもコンテンツを再度お読み頂きたく思いますが、純正ではBBDC82°〜あたりの
タイミングでも、これがBBDC90°あたりにまで速められればかなり激変するのが
2stエンジンなんですよ。

こちらがある程度ではなく、きちんとそのあたりに調整されていない限りは、他をいくら
頑張っても高回転が云々、といった段階では無いのですよね…

むしろ、高回転型にピークが移行する特性のチャンバーを用いたとしても、あまりにも
排気ポートタイミングが遅かったり、この場合は排気弦長が狭かったりするといくら
チャンバーの能力があっても思ったより特性変化が起こせない、というのも定番です。


そして最後に…私の持論としていつも言っていますが、社外品のボアアップキットやら
ボーリングボアアップでは、正直真っ当な特性と正常なバランスになる事はまず
ありえない、と言いますかほぼ見た事がありません。

それを正常化させてやっと、「排気量なり」のパワーが得られるのであって、さらに
パワーアップさせるチューン、となればまだ先の話なんですね。

ざっとはでありますが、一応の基準として

・排気ポートタイミングBBDC90°あたり
・掃気ポートタイミングBBDC60°あたり
・排気ポート弦長=ボア径の70%程度
・圧縮比=7:1程度

ノーマルから各部を変更し、このあたりにまとめられる事が出来て初めて「最低限」の
エンジンバランスが取れるのであり、ポートの形状云々というのはそこから先の
微調整にしか過ぎない、と言っても良いですから…

もちろん、あちらを立てればこちらが立たず、になる事も多々ありますが、それを
なんとかするのが本当の意味の「チューニング」です(笑


ではでは、いつもながら長くなりましたが参考までにどうぞ。
管理人でした〜

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