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記事No 4526
タイトル ボアアップによる変化
投稿日 : 2024/05/15(Wed) 21:45:07
投稿者 太郎@関西人
参照先
ねぎのリーダー様、常連の皆様はじめまして。太郎@関西人と申します。
いつもROMですがHPの記事、掲示板参考にさせてもらってます。
今回疑問に思うところがありまして質問させていただきます。
まず1点、
一般的にボアアップすると他に変化が無い場合、キャブのジェッティングは
変化するのでしょうか?理論で考えれば吸入空気量が増えても、それに応じて
キャブが燃料を吸出し増量するため変化が内容に思うのですが、色々な所の
インプレではジェットの番手を上げたとありますので混乱しております。
2点目、
ホンダの縦型エンジン(ちなみにジャイロです)を50ccから65ccにボアアップすると、
分離給油のままの場合大幅なオイル増量加工は必要でしょうか?
慣らし中は混合で増量し、初期のカジリ等による焼き付きを無視して
街乗り、最大回転9000rpm目標の場合です。
現在オイルポンプノーマルで1000km/1L消費し、ガスは25km/1Lですので、
単純計算すると1:45の混合比になります。これ位でしたらZOILの1:1混合で
乗り切れそうに思うのですが...

皆さんの意見、実際はこうだったよの体験談をお聞かせ下さい。

記事No 4532
タイトル Re: ボアアップによる変化
投稿日 : 2024/05/15(Wed) 21:45:07
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://wwwi.netwave.or.jp/~leader/
太郎@関西人さん、初めまして。
当HP管理人のねぎのリーダーでございます〜
当HPをご覧頂きありがとうございます。


ふむふむ。まずはボアアップでのジェッティングの変化について、ですね?
これは…まず大前提として、「ボアアップ」という要素があまりに不確定すぎます。

排気量が上がるだけのボアアップならばジェッティングはほぼ変わらないと断言しても
良いのですが、通常ポートタイミングの変更が共に行われる物ですので、その場合ですと
ポートタイミングによるジェッティングの変化は出てきてしかるべきかと思います。
なので「ボアアップ」と言うだけでは一概に考えられないと思って下さいませ。


>理論で考えれば吸入空気量が増えても、それに応じて
>キャブが燃料を吸出し増量するため変化が内容に思うのですが

完全に「おかま」だけが大きくなったと仮定してお話を進めますと…
確かにおっしゃる通り、ボアアップによる吸入負圧の増大の為、空気吸入量だけが増えても
それに伴いジェットから吸い上げるガス量はそれなりにUPし、相対的にはジェット番手の
変更はありえないんです。

ですが、あまりにも巨大なボアアップ、といいますか「シリンダー&ケースでの吸入負圧の増大」が
起こった場合ですと、ベンチュリー径に限界のある小径キャブでは、あまりに吸入負圧が
大きくなるとエア吸入速度に対してジェットからのガス供給(吸い上げ)のバランスが
大変悪くなると思われるのでそれを補う、といったケースのジェットUP、と言うのが
定番化している件ですね。
(吸い上げ穴が小さすぎる霧吹き、というコトです)

もちろん理想ではありませんが…個人的にはノーマルエンジンに対しても、「パワー」だけを
考えるとノーマルキャブ口径と言う物は小さすぎると思っておりますので…

当然、ビッグキャブやビッグリードバルブ&ブロックこそが、ボアアップに対する
基本的なパーツチョイスとなるのは言うまでもありませんね。
ノーマルキャブだと高回転時のアクセルOFF、がまかないきれませんし。


次にオイル供給量の件ですが。
こちらはご自分で計算されていますので混合比率はおおむねメドが立っている様ですね。
40:1…そうですね、オイルポンプの駆動量の差はあれ、私もノーマルでのトータルな混合比は
その位かと思っていますよ。


>50ccから65ccにボアアップすると、
>分離給油のままの場合大幅なオイル増量加工は必要でしょうか?

これは…なんとも言えませんね。
焼き付きに対してオイル量を増やす狙いのご様子ですが、オイルを供給過多にしても
燃焼効率が悪くなってしまい結果的に熱を持たないというだけのお話ですので…

オイル量を増やしても「潤滑」の効率は上がるかと思いますが、「冷却」に対しての
効率は正直上がる物ではないと私は考えています。
もちろん理想は太郎@関西人さんがおっしゃる様に、混合比は変えずに高性能なオイルを食わせてやる方が
はるかに建設的ですね。

しかし、ボアアップに伴う「発熱」はいかんともしがたいです。
65ccですと仕様によっては空冷でもOKかと思われますが、結局は冷却効率を上げないと
根本的な解決にはなりえませんね。

私ならば、大きなキャブとリードブロックを併用し、大量の混合気を喰わせる事による
「気化冷却」を一番に狙います。

この辺りは私の持論でもありますが、「ボアアップ+ノーマルキャブ+分離給油は自殺行為」と
言う事ですね。
…正直、オイルをケチったり熱を持つエンジン構成で走っていると、ピストンやシリンダーの
熱による劣化はすさまじく早いんですよ。
これではボアアップの意味がほとんど無いと言っても良いでしょうから…

個人的な経験では、70ccで10000rpm以下、空冷ビッグキャブ&リードで混合比40:1ならば
それなりのオイル(当時はA747とか)を使ってもいきなりトラブルが出ると言う事は
ありませんでした。
が、もちろん腰上の劣化はすさまじく早かったですよ(笑

現在ならば、ゾイルを100%ならかなりの所まで耐えてくれると思いますので、
吸気混合気量さえ稼いでおけば、そうそう壊れる物では無い、と言うのが
現在の私の見解になりますね。


と、無茶苦茶長くなってしまいましたが(汗
不明瞭なところがありましたらご指摘下さいね。
管理人でした〜

記事No 4539
タイトル Re: Re: ボアアップによる変化
投稿日 : 2024/05/15(Wed) 21:45:07
投稿者 太郎@関西人
参照先
ねぎのリーダー様、お忙しい中詳しいアドバイスを有難うございます。

質問内容が不明瞭でしたね。失礼しました。
単純にボアだけを広げて、圧縮比やポートタイミング等を変化させない状態
での場合・・・です。
色々インプレを見ても一様にジェットの番手UPと書かれてますが、中には
パワーダウンした(ポートが崩れてると思われます)のに番手UPとあり、
何故?と疑問になりました。

>ボアアップによる吸入負圧の増大の為、空気吸入量だけが増えても
>それに伴いジェットから吸い上げるガス量はそれなりにUPし、
>相対的にはジェット番手の変更はありえないんです。

やはり基本は変化無いのですね。

>ベンチュリー径に限界のある小径キャブでは、あまりに吸入負圧が
>大きくなるとエア吸入速度に対してジェットからのガス供給(吸い上げ)
>のバランスが大変悪くなると思われるのでそれを補う、といったケースの
>ジェットUP、と言うのが定番化している件ですね。

キャブとのバランスが崩れるとこういった事もあるのですね。

>ノーマルキャブだと高回転時のアクセルOFF、がまかないきれませんし。

これは冷却、潤滑の点に関してでしょうか?エンブレ時には燃料は不要ですよね?

オイルポンプ増量加工の件は、以前加工した車両を見た時調子は悪くは無いのですが
プラグが明らかにオイルで汚れており、それぐらいまでオイルが必要なのかと疑問に
なりました。それでこちらのHP内に120:1のオイル量でも焼けなかったとの記事を
見て、30%の排気量UPならノーマル量でカバーできるんじゃないかと言うスケベ心
でした。でも考えれば熱量増加の分も考えねばなりませんでしたね。

>私ならば、大きなキャブとリードブロックを併用し、
>大量の混合気を喰わせる事による「気化冷却」を一番に狙います。

混合気量が増えれば燃焼する量が増え、逆に発熱量が増えそうな気がするのですが。

>個人的な経験では、70ccで10000rpm以下、空冷ビッグキャブ&リードで
>混合比40:1ならばそれなりのオイル(当時はA747とか)を使ってもいきなり
>トラブルが出ると言う事はありませんでした。
>が、もちろん腰上の劣化はすさまじく早かったですよ(笑

これはオイルの質が原因だったと言う事でしょうか?

宜しければお手隙の際にまたご教示下さい。

記事No 4543
タイトル Re: Re: Re: ボアアップによる変化
投稿日 : 2024/05/15(Wed) 21:45:07
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://wwwi.netwave.or.jp/~leader/
太郎@関西人さん、こんばんはでございます〜


納得頂けたご様子で私も嬉しいですよ〜
私も自分の理論が絶対正解、とは言えませんが、色々と突き詰めて行くと「一般的」な
モノとは違った結果になる、という事も多々あると思って下さいませ。


んで今回もちょっと気になった点を。

>ノーマルキャブだと高回転時のアクセルOFF、がまかないきれませんし。
>これは冷却、潤滑の点に関してでしょうか?エンブレ時には燃料は不要ですよね?

確かにエンブレ時には「多大な燃料供給」は必要ありませんが、「全く必要ない」訳ではありません。
アクセルOFF時にはもちろんスロットルバルブは全閉ですが、だからといって100%の
混合気供給がストップしている訳ではありませんよ?

もしも高回転時に混合気供給…混合仕様だとオイルもですが、これらが完全に絶たれてしまうと
まずエンジンは熱に耐えられずに焼き付くでしょう。

これは、

>混合気量が増えれば燃焼する量が増え、逆に発熱量が増えそうな気がするのですが。

と言う事と密接な関係があります。
「燃焼する」混合気量ではなく、「吸入される」混合気量、といったコトを考えて下さいませ。

確かにシリンダー内に掃気され、圧縮工程から爆発工程、そして排気に向かっていく過程のみならば
ボアの増大とそれに伴う発熱(爆発)量の増大により、腰上に関しては熱量は上がります。

が、クランクケースリードバルブが大半のこの世の中、混合気は一度ケース内に充填されますよね?
混合気が掃気され、燃焼室に届くまでの間にも「冷却」と言う物は行っているんですよ。
ケースの温度がシリンダーに比べて低いのは、内部で混合気が燃焼する所ではない、と
いったコトも大きいですが、吸入した混合気で冷やされている、といったコトも大きいんですよ。

なので、高回転でエンジンが回っている時、スロットルバルブを閉じ混合気の供給が
明らかにエンジン回転に対して足らなくなった場合だと…
ケース内は当然、起こっている吸入負圧の割にキャブから混合気を吸えず、ケース内も
冷却されずオイルも通らず、結果腰上の温度も増大する事になりますね。
ピストンにしても、「裏側から冷却されている」といったコトもあるのです。

なお、ビッグキャブやビッグリードの仕様だと、このアクセルOFFの場合を全部カバー出来るとは
言いませんが、幾分余力も出ますし、まずクランクケースに大量の混合気を充填出来るので
混合気そのものを利用した冷却の効率は格段に違ってきます。

気化冷却については、冷やされる&圧縮されると水分が生まれる空気が大量であればある程、
瞬間的な冷却効率は上げるコトと同意かと私は考えていたりしますよ。
単純に、キャブから水を吸うと燃焼温度が下がってカブりますよね?
そんな感じかと(笑


>オイルポンプ増量加工の件は、以前加工した車両を見た時調子は悪くは無いのですが
>プラグが明らかにオイルで汚れており、それぐらいまでオイルが必要なのかと疑問に
>なりました。

順番が前後しますが、これはおっしゃる通りです。
分離給油システムのオイルポンプをいくら増量した所で、混合気と混ざり合う「気化効率」は
上がるどころか落ちる一方ですので、結果べたべたなエンジンになってしまうワケですね。
…もちろん、そのべたべたで潤滑を行っている事は明確なのですが。


>それでこちらのHP内に120:1のオイル量でも焼けなかったとの記事を
>見て、30%の排気量UPならノーマル量でカバーできるんじゃないかと言うスケベ心
>でした。でも考えれば熱量増加の分も考えねばなりませんでしたね。

そうですね。これはあくまで実験ですので、絶対の保障は出来ないのですが、
「混合給油だと、オイルの気化効率が段違いに良い」と言う事をご理解頂きたくて
こんな無茶を書いているのですよ(笑

上にも書きましたが、いくらオイルを増やした所で、「増やした分効率良く気化し、
それがクランクケース&シリンダー内に充填されているか」と言う事なんです。
ボアアップで吸入負圧が上がるとはいえ、増大したオイル量に対してはまだまだ足らないでしょう。

一つの例えですが、私のFNマシンでもケースへのオイル溜まりは発生しますので。
フルノーマルエンジンでオイルポンプは半開なのに、必要最低限のオイルを喰わせても
まだ完全燃焼には程遠い気化率になってしまう量、と言う事になるやもしれませんね。
リッター6000円のオイルを使えど、「分離給油」の限界です。


>個人的な経験では、70ccで10000rpm以下、空冷ビッグキャブ&リードで
>混合比40:1ならばそれなりのオイル(当時はA747とか)を使ってもいきなり
>トラブルが出ると言う事はありませんでした。
>が、もちろん腰上の劣化はすさまじく早かったですよ(笑

>これはオイルの質が原因だったと言う事でしょうか?


おそらくその通りですね。
これは当時植物油のレーシングオイルとして最高性能だと思われたA747だと無事だった、と
言う経験ですが、他のカストロTTS等だと見事に抱き付きとまでは行きませんが
縦キズが入ってしまってましたので…

ちなみに「劣化」は、空冷だとどうやっても持ちませんでした。
ボアアップシリンダーのおいしい所は約2000〜3000kmだったので…
冷却フィンやファンの効率を考えると、やはり強制空冷では限界はあるかと
私は思っていますよ。

混合仕様や水冷ヘッドも、劣化を少なくする為であって50ccと同等な耐久性を得られる者ではない、と
私は考えていますよ。
正直、下手なボアアップ仕様ならば50ccハイチューンの方がはるかに長持ちする、というのが
いつもの私の理論ですね〜


と、無茶苦茶長くなってしまいましたが(汗
…深夜なので何かボケている可能性もありますのでおかしな所があれば突っ込みお願いしますね(汗
管理人でした〜

記事No 4546
タイトル Re: Re: Re: Re: ボアアップによる変化
投稿日 : 2024/05/15(Wed) 21:45:07
投稿者 太郎@関西人
参照先
ねぎのリーダーさん、こんばんわ。お世話になります。

いろいろなお話を聞かせて頂き、空冷2stの冷却の難しさを思い知らされました。
中でも、混合気の気化によるピストン裏面からの冷却とは思いもよりませんでした。

>一つの例えですが、私のFNマシンでもケースへのオイル溜まりは発生しますので。
>フルノーマルエンジンでオイルポンプは半開なのに、必要最低限のオイルを喰わせても
>まだ完全燃焼には程遠い気化率になってしまう量、と言う事になるやもしれませんね。
>リッター6000円のオイルを使えど、「分離給油」の限界です。

オイルも多量に放り込んでも下に溜まってたら、意味無いどころか逆に弊害も出そうですね。分離だと油量も分かり辛いのでさらに難しいですし。

吸気系の変更、混合給油等進路変更の可能性も含め再検討してみます。
色々とご指導ありがとうございました。

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