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記事No 6674
タイトル 海外製品の圧縮比について
投稿日 : 2013/02/24(Sun) 00:29:31
投稿者 がび
参照先
お久しぶりです。
以前駆動系に関する質問をし、大変お世話になりました。がびです。

今回は質問と言うよりは、ご意見をお伺いしてみたく投稿してみました。
最近なにかと話題?の海外スクーター製品、
Stage6のシリンダーの「圧縮比」に関してなのですが、
あっち物の動画やサイトを見ていると
70ccのエアロックスやZIPで最高回転数15000rpm、最大出力25hpとか。
すごいなぁ・・・と、漠然と思っていたのですが・・・

今日ふと70cc最高峰と言われる「Stage6 R/T 70cc」の取説を読んでいた所、
最大出力26hp、最大トルク12Nm、スキッシュ間隔0.40 mm (+0.10/−0.05 mm)
等、ハイエンドなんだな〜と思ったのですが、それ以上に驚いたのが、
圧縮比が「1:15,3」となっていました。

いくらなんでも高すぎなのでは・・・と思ったのですが、
まぁ基本的に短距離ドラッグレース用だし、割と周回レースでも使用されてる
同社のRacing MkUシリンダーならもっと低いんだろうと思い、
また調べた所、そっちは1:14 となっていました。

いくらハイオク混合指定とは言え、そんな圧縮比でまともに走れるとは思えないのですが・・・。

この事について、管理人様はどのようにお考えになるでしょうか。
もしよろしければご意見をお聞かせ下さい。

物凄く漠然としていて的を得ない質問だとは思いますが、
よろしくお願いしますm(_ _)m

記事No 6675
タイトル 自己解決しました。
投稿日 : 2013/02/26(Tue) 15:43:47
投稿者 がび
参照先
連投失礼いたします。

なんとも情けない話なのですが、自己解決いたしましたのでご報告致しますorz

結果から言いますと、「カタログ値だから正確なはず」という思い込みが原因だったようです。
質問を投稿してから、自分でも解決に向けてこちらのサイトの圧縮比のコンテンツを何度も読ませて頂いたのですが、
そこでふと「これって4stと同じ圧縮の計算してるのでは?」と思いまして・・・

知り合いに頼み実際のだいたいのデータをいただき、
実際に計算してみた所、やはり下死点からの計算になっていたようです。

頂いたデータが本当にだいたいなので正確には分からないのですが、
そのデータを元にちゃんとした圧縮比を計算しなおした所、
それなりに突飛ではない数値に落ち着きました。

という訳でして、とんでもないすっとこどっこいな理由で解決してしまいました。
しかし、そのまま質問を消すのもマナー的にどうなのかなと思ったので、
一応結果を報告させて頂いた次第でございます。

この度は本当にご迷惑をお掛けいたしました。
もし邪魔になるようでしたら、スレごと消していただいても結構ですm(_ _)m
貴重な掲示板のスペースをお貸し頂き、有難うございました。


余談ですが、件のシリンダーをいずれ実際に輸入してみる予定ですので、
その時にでも正確にデータを取って、もう一度計測してみたいと思います。

記事No 6676
タイトル Re: 一応ですが
投稿日 : 2013/02/27(Wed) 05:43:33
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
がびさんお久しぶりでございます〜
節目を迎えてちょっとほっとしている管理人です。

さてさて、前回は駆動系、クラッチインあたりのお話になっていたかと記憶して
おりますが、マニアックな話題は大歓迎ですのでどんどこお願いします(笑


と、このレスを書いている内に自己解決されたみたいですね。
私もがびさんと同様の分析になっていますが、せっかくレス書いたので一応ではありますが
全文を記しておきます。

…私のレスが遅いのは申し訳無いですが、こうなってしまうと自分でレスを書いていた
時間を無駄にも感じてしまうので、自己解決されたのは結構な事ですが一応の質問を
されているのなら私のレスが帰ってくるまでしばしお待ち頂きたく思いますよ。
人に物事を聞いておいて、相手が口を開く前にいきなりもういいや、というのはいささか
失礼では無いかと。

仮に自己解決にて質問自体を消されても別に私に文句を言う筋合いはありませんが、
レスが付いていない=私が見ていない、とは限りませんし。
私も人の書き込みを見た瞬間に自分のレスを書き始められる訳ではありませんので。

では以下が私のレスになりますのでよろしくです。



> 最近なにかと話題?の海外スクーター製品、
> Stage6のシリンダーの「圧縮比」に関してなのですが、

ステージ6製品等について、ですね。
私もコレらはあまり数を分析した事が無いので限りある情報からのアドバイスに
なりますが、基本的にヤマハ系エンジン用の物、という事でお話を進めます。


> あっち物の動画やサイトを見ていると
> 70ccのエアロックスやZIPで最高回転数15000rpm、最大出力25hpとか。
> すごいなぁ・・・と、漠然と思っていたのですが・・・

そうですね、スペック的に受け止めるならばすさまじいパワーだと思います。
15000rpmのピーク時点にて、1.2kg-m程度のトルクが発生出来ているのならば
25ps程度は出ていても決しておかしくありませんしね。

ただ、スクーターの場合は後輪出力を上手く計測したとしても、クランク軸出力の
発生パワーに当てはめる事は結構難しいので、参考値程度と見ておいた方が
良いのでは、と私は感じますよ。


> 今日ふと70cc最高峰と言われる「Stage6 R/T 70cc」の取説を読んでいた所、
> 最大出力26hp、最大トルク12Nm、スキッシュ間隔0.40 mm (+0.10/−0.05 mm)
> 等、ハイエンドなんだな〜と思ったのですが、

ステージ6といってもいっぱい種類があると思いますが、Stage6 R/T 70ccとは
最高級の物ではありませんかね(汗
でかいベーススペーサーを使い、フランジ形状もノーマルとは異なり、シリンダー
ヘッドは内側が分解出来て融通が利きそうな素敵仕様の物かなと思いますが、
すごい品をお持ちなのですね〜

で、私はその品は実際には見た事ありませんが、出力はともかくスキッシュ
クリアランスが0.4o設定というのはかなり詰めている方向性になりますね。

が…個人的に見た事のある中で一番上のモデルであるステージ6の47.6φの
全水冷アルミセンターリブ品、ノーマルストローク仕様を例に出しますと、実際の
スキッシュクリアランスは0.7oの設定でして、さすがにそこまでは狭くはなって
いなかったです。
(これがおそらくモデル的に「Racing MkU」ですね)

0.4oの設定だと、正直何かあるとピストンとヘッドのフチが「エンジン実働時」に
接触する可能性が0ではありませんから、個人的意見ではかなりデンジャラスな
リスクを覚悟したギリギリの方向性かと分析したりしますが、さすが最高級の品かと
思ったり(汗


>それ以上に驚いたのが、圧縮比が「1:15,3」となっていました。
>
> いくらなんでも高すぎなのでは・・・と思ったのですが、
> まぁ基本的に短距離ドラッグレース用だし、割と周回レースでも使用されてる
> 同社のRacing MkUシリンダーならもっと低いんだろうと思い、
> また調べた所、そっちは1:14 となっていました。

そして圧縮比の件ですが…こちら、私もその手のパーツの紹介文や説明書では
「圧縮比」として「14:1」とかって表記されている物も見た事はあります。
ステージ6の他にはマロッシもこういう表記を行っていましたね。

で、これは結論から言いますと、この手の表記は数値的には正しい圧縮比の計算、と
言いますか、国内バイクメーカーが使用している一般的な圧縮比の計算とは全く違った
方向性で記している、と私は分析していますよ。


これ、単純に「シリンダー内容積÷ヘッド容積」といった感じの単純な方向性で
出している数字が説明書等に記されているのでは、と私は考えています。

実際、前述のステージ6の70ccのキット、これはシリンダーヘッド下部が円筒形になって
シリンダー内部に突き出ている特殊設計ですが、ヘッド容積は5.5ccとなっていまして
単純に(70cc+5.5cc)÷5.5ccだと単純な容積対比としては「13.7:1」になりますね。
一応、Racing MkUの説明書の表記上で「14:1」ならばまあまあ近似値になっているかなと。

14:1とか15.3:1とかだと正直、そういった適当な計算であればヘッド容積だけをちょこちょこ
微調整すれば「数字だけ」は出せますから、他のキットがそういった方向性になっていると
考えても別段おかしくは無いかなとも。


…これはあくまで私見ですが、はっきり言うと欧州のパーツメーカーの場合だと、日本の
バイクメーカー等で行われている方法と同様の圧縮比計算は行っていない、と私は
分析しています。
実際、OEMモデルの様な同一エンジンでも、国内と国外では圧縮比の表記が大きく
異なっている事もあるみたいですしね。(私が実測比較した訳ではありませんが)

で、そのステージ6製品でもヘッド付属のキットの場合、実際の真っ当な圧縮比を各部の
計測より算出した場合、47.6φセンターリブのRacing MkUでは「7.9:1」でしたよ。

そして、安価目なスチール製のシングルポート物、これもヤマハ用47φの68ccキットの
場合は「6.6:1」程度でしたからね。
コチラは少なくともノーマルより低い数値であった、という事は間違いありません。

憶測ですが、Stage6 R/T 70ccだと本当の圧縮比はおおむね8台位になっているのかな、と
いった推測も立てられますね。

ちなみにマロッシ系でも結果は同じで、ノーマル風味やノーマルより低い圧縮比設定に
なっている物もあり、正直説明書の数値は正規の意味での「圧縮比」とするには確実に
意味不明だ、と私は感じていたり。
はっきり言えばそれは信用に値しない適当な数値である、と言っても良いでしょう。


これはそれこそメーカーの開発者の方にでも伺わなければ本当の所は分かりませんが、
おそらくではありますが、真っ当な方向性での圧縮比設定は行っていない、という事を
記述から読み取る事は出来る、という事で。

私が絶対に正しい、とまでは言いませんが、結果的にエンジンパワーが出ているのと
そういった点の整合性が取れているかどうか、はイコールではない場合というのも多々
あるのが世の中なので、分析の一つとして受け取って頂ければと思います。

本来ならちゃんとやっているのかもしれませんが、その怪しい説明書表記からのみ物を
見ていると、確実におかしいとしか分析出来ないので。


> いくらハイオク混合指定とは言え、そんな圧縮比でまともに走れるとは思えないのですが・・・。

…実際、14:1とかそんな圧縮比で真っ当に動かせる訳が無い、というのはがびさんも
お考えの通りでして、燃料がどうこうとかそういったLVですらありませんし、いくらオイルが
良くて混合仕様だとしてもそんな事全く関係ない位に破綻している構成になっている、と
断言しても良いですからね(笑



そしてちょっとだけ余談ですが…このステージ6製のキット、圧縮比は置いておきましても
他社の無茶苦茶圧縮比とかの適当極まりないものに比べればはるかにマシでして、
設定上はそこまでヤバい方向性にはなっていないと感じますね。

ピストンクリアランスやリングの質等、ツッコミどころはありますがおおむねお値段なりの
クオリティと「整合性」はある程度付与してきているな、とステージ6の近年の品では
私は感じていますが、いつまで経っても改善しないどころか改悪している某マロッシとは
比較にならないな、と個人的な印象がありますしね。

同じ位のお金を出すならマロッシよりこっちの方が良いですが…これはヤマハ系の
車種限定になってしまうので、ヤマハ系はホント選択肢に恵まれてます_| ̄|○

私は別にステージ6の回し者ではありませんが、ヤマハ系の方に、であればお奨めは
出来るかと思いますし、言い方を換えれば「ポン付けでもそこまで悪くない」製品と
いったところかな、と分析していますね。


そして最後にもうちょっとだけ補足をば。

> 70ccのエアロックスやZIPで最高回転数15000rpm、最大出力25hpとか。

こういった表記がありますが、これは仮にピークが15000rpmで出ている、といった事は
あくまでチャンバーをそういった特性でこしらえているからこそ可能なのであって、
いくらエンジン腰上がハイパフォーマンスを出すとしても、ピークパワーをどの辺りに
発生させるかを決定付けるのはチャンバー特性であって、ポートタイミングというモノは
ある程度のベターな所に設定していればあくまで「味付け」でしか無いんですよ。

なので、これはステージ6の「腰上」が優れているから「だけ」でそこまでの高回転ピークを
発生させられているのではありません、という事で。

排気ポートタイミングをいくらいじくっても、10°速めればピークが3000rpm上がるなんて
事はありえませんし、ノーマルマフラー併用前提でポートタイミングを速めていくと際限なく
ピークが上がっていくのか、といえばそうではないという事もご存知かと思いますしね。

そして、文面から見るとあくまで「回転上限が15000rpm」なのであり、一番美味しい所は
13000〜14000rpm程度、といった可能性も十二分にある、といった点もお忘れなき様に。
と言いますか普通は大抵そうなりますよ(笑
ちなみに私は2stエンジンが完全にオーバーレブってる所の最高回転数がいくつなんてのは
あんまし気にしてませんので…


> まぁ基本的に短距離ドラッグレース用だし、割と周回レースでも使用されてる

アチラさんのドラッグレースだと150mとか200mでの競争なのではありませんかね?
短距離といえば短距離ですが、SS1/32mileとは全く違ったモノであると私は感じてます。
とはいえ圧縮比が本当に14:1もあるのならばいくら全水冷でも持つはずありませんし(笑


と、私的意見としてつらつら書き連ねてみましたが。
圧縮比の表記の問題、これはメーカー側が適当こいているかもしくは圧縮比の本来の意味を
知らないのでは、と私は考えています、という事になります。

これは鵜呑みにして良い数値ではありませんし、明らかにおかしいので普段通りに自分で
測ってみたらなんとも常識的な数値であった、というオチだったので(笑

そして、ちょっと手間は掛かりますが、がびさんはステージ6製品の現物をお持ちの様なので、
是非ご自身で計測&計算にトライされてみると面白いかと思いますよ。


ではでは。
長くなりましたが本日はこの辺りで失礼をば致しますね。
いつも通り駄文長文大歓迎なので突っ込み所があればまたよろしくです。
管理人でした〜

記事No 6677
タイトル Re^2: 一応ですが
投稿日 : 2013/03/02(Sat) 04:48:43
投稿者 がび
参照先
貴重なご意見頂き、ありがとうございます。
また、自己解決レスの件に関しては申し訳ありませんでした。
以後気をつけたいと思いますm(_ _)m

まず文面から誤解を生んでしまったようなのでお詫びしたいのですが、
現在手元にR/Tシリンダーがある訳では無いです・・・
持ってるのは取説だけという感じです(汗

というのも訳がありまして、
以前某有名海外サイトからS6のMKUを実際に輸入したのですが、
その際にいろいろトラブルがあり、結構な金銭的損害が出てしまいまして・・・
海外通販の怖いところですね。
そんな訳で期間を空けてまた落ち着いたら、もう一度輸入してみようかな。
といった具合です。
誤解を生んでしまったようで、申し訳ありませんでした。


さて、圧縮比に関しては、やはり単純な計算で出された物と考えて良いようですね。
そもそも本当に良く考えれば2stで実際の有効な圧縮比が1:14なんかだったら、
本当に走る訳無いんですよね。
4stですら一時期マツダの某車が圧縮比1:14で「本当に壊れないのか」とか話題になった程ですからね。
もう少し冷静になって考えてみるべきだったと後悔しております。

また、回転数に関してもレスを頂いたので、実際に自分が聞いた話をお伝えいたしますが、
やはり実際に海外物のシリンダーを組んだ方々も、最終的に苦労してるのはチャンバー選びみたいなんですよね。
シリンダー自体の性能はやはり良いと言えばそうなのですが、
その性能を引き出せる「相性の良い」チャンバーを探すのが大変みたいです。

実際どのメーカーの取説を読んでいても、必ず推奨チャンバーが書いてあるように思います。
チャンバーに合わせてシリンダーが作られているのか、その逆なのかは分かりませんが。

双方が良くて初めて本来の性能を発揮できるという
考えてみれば至極当然の考えなのかもしれませんが、
「シリンダーとチャンバーがセット」という考えが海外では強いような気がします。

そこで何故推奨の物を使わないのかと聞けば、その方がロマンが・・・らしいですが(笑


話が横道にそれてしまいましたね(汗

ともあれ、貴重なご意見を頂き、本当にありがとうございました。
何度も読み返し参考にして、吸収したいと思います。
また、どうしても分からない事があれば質問させて頂くかもしれませんが、
その際はよろしくお願い致します。

ありがとうございました。

記事No 6680
タイトル Re^3: ただの余談です
投稿日 : 2013/03/05(Tue) 05:26:51
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
がびさん毎度でございます〜
ほぼ通常モードの管理人でっす。

さてさて、私の言いたい事はご理解頂けた様で嬉しいですよ。
そしてこれはこういった事がある度に言ってる事なのですが、多少の齟齬が
あったからといって二度と見るなとかココに来るなとか、そういった事を押し付ける
つもりは全くありませんのでよろしくです。


と、以下ちょっとだけ補足になりますが…


> まず文面から誤解を生んでしまったようなのでお詫びしたいのですが、
> 現在手元にR/Tシリンダーがある訳では無いです・・・
> 持ってるのは取説だけという感じです(汗

いえ、これは文面から読み取れていましたが、前回のレスは私ががびさんの二度目の
レスを読む前に記したモノなので、齟齬があって当然かと思いますよ。


> というのも訳がありまして、
> 以前某有名海外サイトからS6のMKUを実際に輸入したのですが、
> その際にいろいろトラブルがあり、結構な金銭的損害が出てしまいまして・・・

これはなんとも災難でしたね…
しかし、代理店輸入品でない物を外国から通販、となれば意思疎通が難しい面も
あるでしょうから、ある程度のリスクはやむなしでしょうね。

自分の物ではありませんが、以前私も預かりモノのステージ6クランクシャフトの
ねじ山がおかしい不良品があり、これどうするんだよと困った事もあったので(泣


> さて、圧縮比に関しては、やはり単純な計算で出された物と考えて良いようですね。
> そもそも本当に良く考えれば2stで実際の有効な圧縮比が1:14なんかだったら、
> 本当に走る訳無いんですよね。
> 4stですら一時期マツダの某車が圧縮比1:14で「本当に壊れないのか」とか話題になった程ですからね。
> もう少し冷静になって考えてみるべきだったと後悔しております。

いえいえ、こういう点をご自身で考えてみるのも面白い点ではありますしね。
私自身、なんでもかんでもスムーズに行くよりはちょっとは紆余曲折があった方が
面白いと考えてたりしますよ。

これもまた一つの実験と言いますかお試しと言いますか…圧縮比で10:1程度ある
エンジンをこしらえてみてちょっと走ってみると、圧縮比過剰というものがどれだけ
ヤバいのか、も分かってくるかなとも(汗


> また、回転数に関してもレスを頂いたので、実際に自分が聞いた話をお伝えいたしますが、
> やはり実際に海外物のシリンダーを組んだ方々も、最終的に苦労してるのはチャンバー選びみたいなんですよね。

そしてチャンバーですが、これって私はチャンバーは選ぶものではなく最初にある程度は
決めてかかるものだ、と認識してたりしますよ。

そもそも、2stエンジンのパワー&特性は8割方チャンバーで決まってしまう、と言いますか
「決めなければならない」物なので、エンジン本体をいじくり回した後でチャンバーを
合うかどうか、と試していくのは実は微調整とも言える段階だったりするかなとも。

現在の排気量に対する許容量があるかどうか、そしてどの位の回転域がパワーバンドに
なり、ピークパワーはどこで出るのか、この点においてはエンジン作りを行っていく上で
自分自身が最初に決めておかなければならない点でもあるんですね。

なので、仮に12000rpm程度にピークを出したいとして、腰上をいくらハイポートに
なっている物を使ったとしてもノーマルマフラーでは絶対にそれは不可能ですし、
だからといって一般市販のストリート用チャンバーでは、よくいっても11000rpm程度に
ピークが出ておしまい、となるでしょうから、目的は達成出来ない訳です。


物の特性をバラすと不都合もあるでしょうから、通常のメーカーではピークがどの位に
出るのかを明記していないメーカーがほとんどですが…本来ならばそれがはっきり
分からなければチャンバーなんて選べる物では無かったりするんですよね。

今の時代はありませんが、昔だとおもいっきりチャンバー形状をしているタイプの物でも
ノーマルマフラーに毛が生えた程度の回転域にしかピークが出ない、といった物も
あったりしましたから、そういった物を使った上でいくら腰上をいじくりまくっても
ノーマルに対して大幅なパワーバンド領域の変更、といった事は出来ないんですよ…

これは私自身、若かりし頃に悪い意味で騙された事もありましたから…メーカー側に
問い合わせて自社のチャンバー特性をはっきりと答えられない所、というのは
いきなり全てを信用しない事にしていたりしますからね_| ̄|○

ポートタイミングが変化すればある程度はパワーバンドも変化はしますが、基本的な
特性がそれで数千回転も変化する訳がありませんから(笑


> シリンダー自体の性能はやはり良いと言えばそうなのですが、
> その性能を引き出せる「相性の良い」チャンバーを探すのが大変みたいです。

腰上単体の性能度合いを確かめるには、くっつけられる物前提ですがノーマルマフラーを
併用して走ってみれば良いんですよ(笑
よほどの排気量差がなければ全く動かない、なんて事はまずありませんし、少なくとも
ノーマルマフラーをくっつけてイマイチ走らない物が、チャンバーをくっつけたらかなり
激変する、ともなればかなりのハイチューンでないと起こりえませんからね。

50cc用途でシリンダーのエキパイがくっつく部分の径が28φあるとか、そういった仕様に
腰上をこしらえていたとしても、だからといってノーマルマフラーではっきりとしたパワーバンドの
出方が起こらないとか、ピークがどこに出てるか分からないとか、そういった「特性」が
ボケた症状になる、という事はあまりある物ではありません。

パワー自体は大して出ませんが、だからといってノーマルマフラーのチャンバーとしての
特性が全く消されるはずがなく、もしそうなるのであればその腰上がちょっとおかしいと
考えても良いでしょうし。

仮にDio系のノーマルマフラーでも、70ccや80ccあったところで腰上がきちんとこしらえられて
いれば全く走れないといった事はまずありませんし、JOG系ならなおの事、元々が
82ccに対して作られている3WFマフラーなんかだと余計に問題無いですからね(笑
逆に、許容量のみを言うなれば50ccに特化させたチャンバーの方が排気量のUPには
融通が利かない事が多いです。


> 実際どのメーカーの取説を読んでいても、必ず推奨チャンバーが書いてあるように思います。
> チャンバーに合わせてシリンダーが作られているのか、その逆なのかは分かりませんが。

本来はこれをきちんとやれるのがメーカーとしての腕の見せ所、といっても良いと私は
考えていますが、国産メーカーだと1つのメーカーのボアアップキット+チャンバーの
組み合わせでそこまで大幅に特性変化し、高性能を出せるパターンというのはほとんど
無い、と断言しても良いかもしれません。

欧州品だと色々なグレードのチャンバーも存在するみたいですし、MAX12000rpmとかって
表記も書いてあるだけ良いとは思いますが、絶対的なパワーが出るかどうかとなれば
チャンバー自体の良し悪しになるので、これまたいつものクチですが最初にチャンバーの
チョイスを間違っていた場合、他でいくら誤魔化しても限度がある物なので。

だからこそ、チャンバーを複数種「選べる」様にしている欧州メーカーは素敵だと思ったりも
してしまいますよ(笑


> 双方が良くて初めて本来の性能を発揮できるという
> 考えてみれば至極当然の考えなのかもしれませんが、
> 「シリンダーとチャンバーがセット」という考えが海外では強いような気がします。

メーカー側がしっかり開発してさえいれば、推奨構成であればそれなりにパワーを
得られますからそれで良いと思いますし、一番ベターでしょう。
そもそも、その推奨構成にてどの位の領域にパワーバンドが発生するかをきちんと記して
いないと目的に対して選びようがありませんし、それが出来ない、分からない国産系統の
メーカー製チャンバーでは、はっきり言ってユーザー側に選択の余地すらほぼ無いんです。

だからこそ、チャンバー自体は実際に使ってみて自分で特性を分析していくしかない、と
いった方向性が主流になっているんだ、と私は経験状で分析しています。

人様のインプレを伺うのも良い手法ではあるのですが、こういった場合にはどこから
どこまでパワーバンドだったのか、という点が分からないと参考にも出来なかったり
しますし、スクーターの構造上それを見極めるのはちょっと面倒なので、なかなか
アテにしづらい、という点も大きいですね…


そして、そもそも2stエンジンというモノは「どこまで回したか」なんてのは全く意味が無く、
目的の回転数、回転域で一番大きなパワーを出せる事こそが基本なので、元々の設計が
10000rpmでピークが出るチャンバーをくっつけているのに、12000rpm変速ではいまいち
パワーが出ないぞ、となってもそれは当然の事なんです。

…これは私、昔から思っているのですがもうちょっと特性の開示って物を行った方が
ユーザー側としてはチャンバーを選びやすくなるのですけれどねえ。
MT車のチャンバーだとそんな事を表記するのはそれなりに当たり前ですし、何故か
スクーター用国産チャンバーはそのあたりを誤魔化されている感が強くて(以下略


> そこで何故推奨の物を使わないのかと聞けば、その方がロマンが・・・らしいですが(笑

ロマン、大いに結構ではありませんかね〜
ただしそれはイバラの道である、という事を承知の上であれば、ですが(汗


と、補足と言いつつ長くなりましたが(汗
何かしらの参考にして頂けると嬉しいです。

ではでは本日はこれにて失礼しますね。
管理人でした〜

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