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記事No 6901
タイトル 初めまして
投稿日 : 2015/07/27(Mon) 02:00:29
投稿者 まっつん
参照先
初めまして、ねぎのリーダーさん。
バイクのカスタマイズを追及していたところ、このHPに辿り着きました。
数々のコンテンツを「超」興味深く拝見させていただいています。
原付でここまで理論を突き詰めているHPは中々無いですねw本当に勉強になります。

さて、質問があるのですが・・・・
私の愛車(スクーターでなくてスミマセン)はSUZUKIのWolf50なのですが、
キャブセッティングで難儀しております。
主にS/Jのセッティングなのですが

条件
キャブ:ノーマルVM18改 VM19.5(専門業者で加工&O/Hしてもらったので程度は極上)
ジェット:ノーマル→MJ77.5 SJ17.5 に対し現在→MJ85 SJ22.5 +JN一段下
エアクリ:ノーマルBOX + 吸気口拡大加工
エンジン:AIRSAL製 アルミニカジリメッキシリンダー70cc
チャンバー:RSリップス ボアアップ専用チャンバー 60〜70cc用

このような仕様なのですが、SJが濃いのか薄いのか判断が付かなくなってしまいました。
エアスクリューは全閉から2.5回転戻し程でベストな回転数が出るのですが、チョークを引くととんでもなく濃くなってしまうようで、即プラグカブリによりエンジンが停止してしまいます。
しかし・・・・空ぶかしをしてみると、アイドリングまで戻ってくるのが極端に遅く、3000rpmほどでエンジンが回り続けるような症状も出てしまうのです。
アイドルスクリューを低くセットしてみると、今度はアイドリングが低すぎてエンジンが止まってしまいます。

もーワケが分かりません(泣
このセットは濃いんでしょうか・・・・

昔、上記と同じセット(JNは真ん中)で一回焼きつかせてしまったことがあり、これ以上薄くするのは正直怖いというのが正直なところです。

スクーターでない&マイナー車すぎてデータも無いだろうと思われますが、何かアドバイス頂ければ幸いです。


ちなみにですが・・・・画像は現在使用しているシリンダーの画像です。
スペイン製とのことですが、とんでもないポート形状してますよね、コレ(汗


記事No 6903
タイトル Re: ウルフ50とは珍しいですね〜
投稿日 : 2015/07/29(Wed) 07:04:23
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
まっつんさん初めまして。
当HP管理人ねぎのリーダーでございます。
こんな僻地にようこそです。


> 数々のコンテンツを「超」興味深く拝見させていただいています。
> 原付でここまで理論を突き詰めているHPは中々無いですねw本当に勉強になります。

さてさて、まずは当方のHPをお役に立てて頂けている様で嬉しいですよ。
どうもありがとうございますです。

近年は原付クラス2stチューン、といった趣のサイトやHPも減ってしまっていますが
だからこそ当方の記しているあれこれが少しでも皆さんのお役に立てれば、と
考えておりますので、是非是非活用して頂けると幸いです。


> さて、質問があるのですが・・・・
> 私の愛車(スクーターでなくてスミマセン)はSUZUKIのWolf50なのですが、

私、一応は2stスクーター全般が守備範囲ではありますが、世代的にそういった
2st原付クラスのMT車も全く専門外というワケではありませんのでOKですよ〜

しかしスズキの50ccMT車とは懐かしいですねえ。昔はヤマハやホンダに比べ
気難しい面もあって困った記憶もありますが、ある意味そこが面白かったと
思いますよ(笑


> キャブセッティングで難儀しております。
> 主にS/Jのセッティングなのですが

そして本題ですが、まっつんさんはキャブセットでお困りの様ですね。
ざっと状態を拝見しましたが…こちら、いくつか気になる点があるのでまずはそこから
ピックアップしていきたいと思います。
…ちなみに私、小難しい事を短文で簡潔にご説明する、というのは不可能であると
認識してますので長くなりがちなのはご容赦をば(汗


> 条件
> キャブ:ノーマルVM18改 VM19.5(専門業者で加工&O/Hしてもらったので程度は極上)
> ジェット:ノーマル→MJ77.5 SJ17.5 に対し現在→MJ85 SJ22.5 +JN一段下
> エアクリ:ノーマルBOX + 吸気口拡大加工
> エンジン:AIRSAL製 アルミニカジリメッキシリンダー70cc
> チャンバー:RSリップス ボアアップ専用チャンバー 60〜70cc用

ふむふむ、大きな変更点はキャブのベンチュリ径拡大加工と、市販品ボアアップに
社外品チャンバーの装着、という事ですね。

で…一番気になったのが、純正のミクニVM18φを拡大されているという事ですが、
VM18φはベンチュリ径が元々18φで、円筒スロットルバルブの「直径」は20φに
なっているかと記憶しています。

という事は、スロットルバルブ20φに対してベンチュリ径は横幅で18oなので、
吸気方向からベンチュリ部を覗いた場合、スロットルバルブが「隠れている」部分は
左右1oずつしかない、という事なんですね。

なので、この状態でベンチュリ径を1.5φ(幅1.5o)拡大した場合、スロットルバルブの
左右末端部がキャブ本体に「隠れている」部分って、片側0.25oずつしか無いという
状態になってしまうんです。

要は、元々18φの穴に20φの筒を入れてフタをしているのが、19.5φの穴に
20φの筒を入れてフタをしている事になりますが、これってキャブ側の劣化等に
よっては、十分に二次エアを吸ってしまう要因になりえるんですよ。


スロットルバルブ自体も、キャブ側に対してギッチギチになっているワケではなく
ある程度の遊びはありますが、ベンチュリ径に対してスロットルバルブの幅が
ギリギリに近い場合だと、これが悪影響を及ぼす事があり、18φベンチュリで
20φスロットルバルブならば、拡大加工はよくいっても19φ〜19.2φ程度に
押さえておくべきなんです。

これは加工の精度がどうこう、ではなく、物理的に「スロットルバルブ側面に隙間が
開きそうな位に余裕がほとんどない」のであって、アイドリング時はともかく、少しでも
アクセルを開けるとその余裕の無さが二次エアとなって現れる、という事は意外と
あったりするんですね…

こういうのは、「物理的な加工余地」はギリギリ行ける様に見えても、実際には
実動負荷を掛けると駄目かも、というパターンなので、個人的にはキャブベンチュリの
ボアアップはそこまでギリギリ寸法なのはお奨め出来ないです。
(※PWK等、円筒スロットルバルブではないキャブだとある程度融通は利きますが)


後、1.5φも拡大しているとなれば、スロットルバルブがベンチュリの底面側に
当たっている状態、すなわちアクセル開度0の時なのですが。
こちら、仮にアイドルスクリューを抜いたとしても、ベンチュリ径の下方への拡大が
悪影響を及ぼし、スロットルバルブが「必要な位置まで」閉じきっていない、という
事も見られるんですよ。

こちらは加工屋さんがそれを計算&加味し、スロットルバルブ底面をある程度
加工して詰めている上、ニードルジェット上のベンチュリに突き出す部分も多少
低く加工しているのであれば問題はありませんが、それらを行っていない場合は
元々のキャブの形状にもよりますが、これまたアイドリング近辺のセットは全く
融通が利かなくなってしまいます…
このあたりが無加工で行けるのはよくいっても1φ程度のベンチュリ拡大ですね。


なので、個人的にはセッティングがどうこうではなく、まずは加工キャブの作り方
そのものが「きちんと動作する様な物」であるかどうか、が先決となるかとも。
はっきり申しますが、このあたりが曖昧である場合、いくら人間側がセッティングを
努力しても、「キャブ本体が素直に答えない」状態になっているので、いくらジェットを
いじくっても無意味な時間にしかなりません、とは断言出来ますので。


> このような仕様なのですが、SJが濃いのか薄いのか判断が付かなくなってしまいました。
> エアスクリューは全閉から2.5回転戻し程でベストな回転数が出るのですが、チョークを引くととんでもなく濃くなってしまうようで、即プラグカブリによりエンジンが停止してしまいます。

と、それらをふまえてコチラの症状を拝見しますと…
エアスクリューが2.5回も戻らないといけない、というのは明らかにスロージェットが
大きすぎますが、これもすでにアクセル開度0の状態で二次エアを吸っている
可能性がある、という事を示唆していますね。

その証拠に、ベンチュリ径拡大を行ってもチョーク通路の混合気量は変化は
しないので、チョークONで濃すぎてエンストする、となればノーマルキャブ状態で
あればありえませんから、これも明らかにスローが大きめになっている事を
照明しているかと思われますよ。

チョークそのものはかなり濃い目にはなるので一概には言えませんが、その
作用を加速させるだけのスロージェットの大きさがある、とは推測可能かなとも。


> しかし・・・・空ぶかしをしてみると、アイドリングまで戻ってくるのが極端に遅く、3000rpmほどでエンジンが回り続けるような症状も出てしまうのです。

これもアクセルオフ状態にて二次エアを吸っているとよく出る症状です。
こちらはスロットルバルブ底面側の余裕がありすぎ、ある程度アクセルが開いている
状態になっている可能性もありますが、スロージェットが大きいのにも関わらず
ニュートラル状態での回転落ちが遅い、落ちきらないとなれば他にトラブルが出て
いないのであれば、これもキャブの作り方の問題が影響している可能性があると
分析出来ますね。


> アイドルスクリューを低くセットしてみると、今度はアイドリングが低すぎてエンジンが止まってしまいます。

ふむふむ、それであればスロットルバルブ底面側はちゃんとキャブベンチュリを
完全に近く塞ぐところまで閉じているのかな、と思えますがこれは目視確認を
行うのが一番で、、アクセルワイヤーとアイドルスクリューを取り外し、スロットル
バルブのみをキャブに入れて吸気側から覗けばよく分かります。

この「スロットルバルブの0地点での開き具合」をノーマルキャブと比較し、
加工キャブでもノーマルと同じ位になる様になっていないとこれまた不具合が
出る可能性は大きいので。


> もーワケが分かりません(泣
> このセットは濃いんでしょうか・・・・

いえいえ、これはワケが分からなくて当然かな、と私は思いますよ(汗
もしも加工キャブそのものの作りがおかしく、セッティングの反映が上手く出来て
いないとなればワケが分からなくて当然でして、そんな状態でワケが分かる人は
この世に存在しませんので…

濃い、薄いの症状を鑑みる前に、キャブの作りを見直すか、もしくは同一の
VM18の無加工品をお持ちであれば取り替えて同一セットを施してみるのが
一番ベターだと思いますよ。


後、これは余談になりますが、文面から察しますに、まっつんさんは世間でよく
言われている、アイドルスクリューとエアスクリューの云々を、エンジン回転数が
一番高くなって落ち着いた所で調整してある、といった感じにも見受けられます。

これまたはっきり申しますが、これって本来は吸入負圧が低回転でも安定しており、
アイドル回転数の高低がしっかり出せる4stエンジン向けの手法なのであって、
これまたアイドル負圧が低く、低回転では間違っても100%点火していない小排気量
2stのエンジンでは全くといって良い程役に立ちません。

…コンテンツのどこかにも書いてますが、こういうのも何でもかんでも2stに転用が
効くものではありません、という事になります。

実際のエンジン温間時のブリッピングと、実走行において高回転でアクセルOFF→
すぐ1/8程度開け直してみた状態のフィーリングをアテにしてスロー系のセットは
決める物であり、その状態でアイドリングが物理的に低ければアイドルスクリューで
補正してやる、というのが正しい、と言いますか一番現実的なスロー系の合わせ方に
なりますので参考までにどうぞ。

…実際、私なんか2stなら車種問わず、エアスクリューが何回転だとかあんまし
細かく気にしませんし、フィーリングで合わせて合えばそれでOK、としか考えては
いませんしね(笑
あ、もちろん全閉でも駄目とか3回戻しでも駄目とかのレベルなら気にしますが。


> 昔、上記と同じセット(JNは真ん中)で一回焼きつかせてしまったことがあり、これ以上薄くするのは正直怖いというのが正直なところです。

こちらもまたおかしな突っ込みになりますが、社外品ボアアップを用いている時点で
ジェット番手のみがおかしくて焼き付いた、という理由付けはあまり行わないほうが
宜しいかなと思います。

別にAIRSALをバカにするワケではありませんが…とはいっても私の語り口ならば
そう取られても仕方ないのは承知の上で記しますが、メッキシリンダーの場合は
シリンダーホーニングのピストンクリアランスの調整が出来ないので、よほど
メーカー側がしっかりとした物作りを行っていないと、焼き付きに対しては改善の
しようがない、というのは確実にあるんですよ。


ウルフ用ではありませんが、他車種用のAIRSALをいくつか計測した所では、
ピストンクリアランスは6/100程度でそこまで悪くはないものの、ピストンの形状が
かなりの寸胴タイプなので、熱が溜まるピストンクラウン周辺側のクリアランスは
実動高負荷時にはかなりきつめである、という傾向が強くありました。
こういった点に齟齬があると、いくらシリンダーがアルミ製でも水冷であったと
してもそれで全て解決、とは行きませんので…

私ならばそういった状態ならそのまま使うといくらセットしても軽い焼き付きの
傾向から逃れられないと判断するので、もしまっつんさんのボアアップキットが
そうなっていた場合だと、これは仮に焼き付きの兆候があった、としてもキャブで
どうにかなる問題でもなく、裏を返せばパワーが出ない状態までキャブセットを
押さえてカブり気味で走らないといけない、となってしまいますんで…

これは前述のキャブ加工の問題にも繋がるのですが、ボアアップキットなんて物は
よほど各部がきっちり出来ていないと、人間側でいくらキャブセットがどうこう、
オイルや冷却がどうこう、といっても全く無駄になってしまう事がかなり多いので、
「根本的な構成が、各所セッティングが素直に反映されない位おかしい」のでは
無駄な時間を過ごすだけにしかならないのが悲しいんですね(泣

なので、キャブもそうなのですがボアアップ+チャンバーとなれば、エンジン本体の
構成がノーマルとはかけ離れていますから、難しいのは当然ですがそういった
「間違っていてはならない構成部分」をしっかり見極めないと、セッティングを楽しむ
事すら出来ない、といった点はお忘れなき様にお願い致します。


> スクーターでない&マイナー車すぎてデータも無いだろうと思われますが、何かアドバイス頂ければ幸いです。

と、専門車種では無いのであまり役に立たないかもしれませんが、文面から
分かる時点での意見を述べさせて頂きましたので不明瞭な点があればツッコミを
頂ければ、と思いますです。


> ちなみにですが・・・・画像は現在使用しているシリンダーの画像です。
> スペイン製とのことですが、とんでもないポート形状してますよね、コレ(汗

最後にコチラ、早速画像機能を利用して頂いて嬉しいですよ〜
…やっぱり質問板には画像貼れないと不便ですね、と今更ながら思ったり。

で、スペイン製ARISALですが、私もいくつか分析してきた経験上ではそこそこ
悪くは無い構成ではある、と分析してますよ。
ただ、メッキシリンダーであるが故のピストンクリアランスの融通の利かなさはちと
アレなのですが…

ポートタイミングや圧縮比、その他のあれこれなんかは安価なアジア製品とは
異なってそれなりレベルに「きちんと」していると思いますし、排気ポートに
関してもセンターリブを用いているのであればまあ及第点かな、とも(汗

で、画像の排気ポートでも上側一直線で弦長がボア径の90%とかありそうな
勢いですが、スクーターと違って低、中回転のパワーの出方をかなり無視しても
OKなMT車エンジンならば、この位やっても別段悪くないどころか普通レベル、と
私は感じますね〜

50ccでエキパイ口径が30φとかあるのが2stMT車ですが、その位ピーキーに
している上に7000〜10000rpm程度がパワーバンドでも十分街乗り出来る様に
なってますし、それをさらにハイパワーに、となればもはやセンターリブ前提で
ないと絶大なパワーアップは望めない、という事で(笑

あ、これも実際に計測してみないと分かりませんが、リブを除いた部分の排気
ポート弦長は、センターリブありならば最低でもボア径の80%は欲しいですね。
正直、それ以下だと1ポートでも実現可能ですしあまり狭いと見た目だけが
センターリブで実際は役に立ってないどころか抵抗にしかなってない、なんて
話もあったりはしますので…

こういうのって、本来はぱっと見のインパクトなんてどうでも良く、実際に各部を
採寸&分析してみないと見た目だけのハッタリだった、というのはこれまた
アフターパーツ業界では当たり前にある事なので_| ̄|○

とはいってもメッキシリンダーの場合、排気ポートはまだなんとかなりますが
掃気ポートなんかかなりの難削材となりますから、個人的には「やりづらい」品に
なりますがこれはあくまで余談と(以下略


ではでは、長くなりましたが参考にして頂けると幸いです。
管理人でした〜

記事No 6905
タイトル Re^2: ウルフ50とは珍しいですね〜
投稿日 : 2015/07/29(Wed) 21:34:38
投稿者 まっつん
参照先
お返事有難うございます!


> 近年は原付クラス2stチューン、といった趣のサイトやHPも減ってしまっていますが
> だからこそ当方の記しているあれこれが少しでも皆さんのお役に立てれば、と
> 考えておりますので、是非是非活用して頂けると幸いです。


本当に、こういった「本当の技術的・理論的なコンテンツ」を公開しているサイトはここぐらいしか知りません・・・・(汗
「○○をつけて走ったら、前よりもパワー出てるような気がします!」くらいのサイト・ブログばっかりですからねぇ。


> しかしスズキの50ccMT車とは懐かしいですねえ。昔はヤマハやホンダに比べ
> 気難しい面もあって困った記憶もありますが、ある意味そこが面白かったと
> 思いますよ(笑

面白いんですが・・・・いかんせんパーツの選択肢が「全く」無いため、非常に非常に苦労しています(汗
チャンバーも、知っているだけでリップス、ルーニー、NR-Magic、RedMole、河内屋(河内屋はヤフオクオンリー)しかありませんし。
そのうち本当に「速くなる」チャンバーってリップスと河内屋だけじゃないでしょうか。



> で…一番気になったのが、純正のミクニVM18φを拡大されているという事ですが、
> VM18φはベンチュリ径が元々18φで、円筒スロットルバルブの「直径」は20φに
> なっているかと記憶しています。
>
> 要は、元々18φの穴に20φの筒を入れてフタをしているのが、19.5φの穴に
> 20φの筒を入れてフタをしている事になりますが、これってキャブ側の劣化等に
> よっては、十分に二次エアを吸ってしまう要因になりえるんですよ。


いやはや・・・この文章には衝撃を受けました。
吸気系の外側ではなく、内側からの二次エアを想定するとは!
実際にスロットルバルブの径をデジタルノギスで測ってみましたが、20.44mmでした。
と言うことはやはり、ここからの二次エアの可能性もある、と。

ここは本当に盲点でした。目からウロコです。


> 後、1.5φも拡大しているとなれば、スロットルバルブがベンチュリの底面側に
> 当たっている状態、すなわちアクセル開度0の時なのですが。
> こちら、仮にアイドルスクリューを抜いたとしても、ベンチュリ径の下方への拡大が
> 悪影響を及ぼし、スロットルバルブが「必要な位置まで」閉じきっていない、という
> 事も見られるんですよ。
>
> こちらは加工屋さんがそれを計算&加味し、スロットルバルブ底面をある程度
> 加工して詰めている上、ニードルジェット上のベンチュリに突き出す部分も多少
> 低く加工しているのであれば問題はありませんが、それらを行っていない場合は
> 元々のキャブの形状にもよりますが、これまたアイドリング近辺のセットは全く
> 融通が利かなくなってしまいます…
> このあたりが無加工で行けるのはよくいっても1φ程度のベンチュリ拡大ですね。

これも非常に心当たりがあります。
加工後のキャブのピストンバルブを覗いて見たところ、確かキャブ下面にスキマが出来ていたような気が・・・・(純正キャブはキッチリ全閉になります)
加工によってキャブ各部のクリアランスが狂ってしまい、セッティングが出なくなってしまった可能性もあるということですか・・・・


> いえいえ、これはワケが分からなくて当然かな、と私は思いますよ(汗
> もしも加工キャブそのものの作りがおかしく、セッティングの反映が上手く出来て
> いないとなればワケが分からなくて当然でして、そんな状態でワケが分かる人は
> この世に存在しませんので…
>
> 濃い、薄いの症状を鑑みる前に、キャブの作りを見直すか、もしくは同一の
> VM18の無加工品をお持ちであれば取り替えて同一セットを施してみるのが
> 一番ベターだと思いますよ。

そうですね、手持ちの予備キャブ(こちらも業者OHモノで新品同様)がありますので、そっちも試してみたいと思います。

というか、そもそも何故加工キャブなんて使用しているかというと・・・・前述のように、パーツの選択肢が無さ過ぎるからなんですよね(泣
ウルフ/RG50 ガンマ用のビッグキャブなんて、現在販売しているものはPWK28しかありませんし、他車種流用も失敗したときの金銭的リスクが大きいですしね・・・。
PWK28も入り口が大きすぎてフィルターの選択肢が限られます(しかもウルフのキャブ周りは狭すぎる!)し、半強制的に混合になりますし。
私の信条は「お買い物からサーキットまで」なので、エアクリBOX + 分離給油は避けられない問題なのでしたw


> 後、これは余談になりますが、文面から察しますに、まっつんさんは世間でよく
> 言われている、アイドルスクリューとエアスクリューの云々を、エンジン回転数が
> 一番高くなって落ち着いた所で調整してある、といった感じにも見受けられます。

はい、まさしくその通りですw
「キャブセッティング」といって調べると、この調整方法がほぼ100%を占めていますから・・・・(汗

> これまたはっきり申しますが、これって本来は吸入負圧が低回転でも安定しており、
> アイドル回転数の高低がしっかり出せる4stエンジン向けの手法なのであって、
> これまたアイドル負圧が低く、低回転では間違っても100%点火していない小排気量
> 2stのエンジンでは全くといって良い程役に立ちません。
>
> …コンテンツのどこかにも書いてますが、こういうのも何でもかんでも2stに転用が
> 効くものではありません、という事になります。

うぐっ・・・・頭では分かっているものの、実際に体験すると考えが変わりますね。
もう一度キャブセッティングを勉強しなおす必要がありそうです。



> こちらもまたおかしな突っ込みになりますが、社外品ボアアップを用いている時点で
> ジェット番手のみがおかしくて焼き付いた、という理由付けはあまり行わないほうが
> 宜しいかなと思います。
>
> 別にAIRSALをバカにするワケではありませんが…とはいっても私の語り口ならば
> そう取られても仕方ないのは承知の上で記しますが、メッキシリンダーの場合は
> シリンダーホーニングのピストンクリアランスの調整が出来ないので、よほど
> メーカー側がしっかりとした物作りを行っていないと、焼き付きに対しては改善の
> しようがない、というのは確実にあるんですよ。
>
> で、スペイン製ARISALですが、私もいくつか分析してきた経験上ではそこそこ
> 悪くは無い構成ではある、と分析してますよ。
> ただ、メッキシリンダーであるが故のピストンクリアランスの融通の利かなさはちと
> アレなのですが…

AIRSALはもう分析済みでしたか、失礼致しました(汗
シリンダーホーニングでクリアランス調整が出来ないというのは初耳です。なるほど、硬すぎて径の調整が出来ない、と言うことでしょうか。
前に焼きついたAIRSALシリンダーも、シリンダー自体はメッキが数箇所剥がれただけで比較的綺麗だったのに、ピストンは溶けてリングと合体しグチャグチャだった、なんて感じでしたね(笑


> ポートタイミングや圧縮比、その他のあれこれなんかは安価なアジア製品とは
> 異なってそれなりレベルに「きちんと」していると思いますし、排気ポートに
> 関してもセンターリブを用いているのであればまあ及第点かな、とも(汗
>
> で、画像の排気ポートでも上側一直線で弦長がボア径の90%とかありそうな
> 勢いですが、スクーターと違って低、中回転のパワーの出方をかなり無視しても
> OKなMT車エンジンならば、この位やっても別段悪くないどころか普通レベル、と
> 私は感じますね〜
>
> 50ccでエキパイ口径が30φとかあるのが2stMT車ですが、その位ピーキーに
> している上に7000〜10000rpm程度がパワーバンドでも十分街乗り出来る様に
> なってますし、それをさらにハイパワーに、となればもはやセンターリブ前提で
> ないと絶大なパワーアップは望めない、という事で(笑
>
> あ、これも実際に計測してみないと分かりませんが、リブを除いた部分の排気
> ポート弦長は、センターリブありならば最低でもボア径の80%は欲しいですね。
> 正直、それ以下だと1ポートでも実現可能ですしあまり狭いと見た目だけが
> センターリブで実際は役に立ってないどころか抵抗にしかなってない、なんて
> 話もあったりはしますので…
>
> こういうのって、本来はぱっと見のインパクトなんてどうでも良く、実際に各部を
> 採寸&分析してみないと見た目だけのハッタリだった、というのはこれまた
> アフターパーツ業界では当たり前にある事なので_| ̄|○


台湾製65cc・オートボーイ製65cc・AIRSALシリンダーと試しましたが、AIRSALはその中でも良い方かと考えています。
オートボーイのシリンダーは台湾製の安物シリンダーをポート加工してもらったものですがw
例えるならば、オートボーイの物は前に吸い込まれるような加速をし、ALRSALは荒々しくエンジンが回りながら無理矢理前に加速していく・・・・そんな感じでしょうか。
体感パワーはオートボーイとAIRSALは同じくらいに感じました。

台湾製65cc無加工は論外でした。「高回転回らねぇ!そんでもって3000rpm以下はアイドリングしねぇ!」てな感じにw


ちょっと雑談が多くなってしまいましたが、もう一度吸気系を見直してみることにします。



余談ですが・・・・このサイト、排気系とエンジンのメカニズムについては非常に詳しく書かれておりますが、吸気系についてあまり触れられていないのでは?とふと思いました。
個人的には吸気系についてももっと取り上げて欲しいところです。
「2stは吸気系を見直すと劇的に変わる」と聞いたことがあるので、そのあたりを詳しく知りたいですね。

例えば・・・・
・パワーフィルターはダメ、サーキットで高回転でしかエンジンを使わないような限定的な状況じゃないと意味が無いと言われていますが、ホント?
・純正エアクリBOXの実力は?
・直キャブ・ファンネル・パワフィル・純正BOXで一番有効なのは?
・「全天候型パワーフィルター」とあるけど、ホントに全天候で使えるの?
・吸気抵抗は無くした方がいいのか?ある程度あった方がいいのか?

などなど・・・・普段から疑問に思っていることをつらつら書いてみましたが、いかがでしょうか?

私も長文になってしまい、失礼しました。
今度結果も報告しようと思います。

記事No 6906
タイトル Re^3: ついでに吸気系のあれこれとか
投稿日 : 2015/07/30(Thu) 03:05:38
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
まっつんさん毎度でございます〜
面白い話題が出るとレスが速くなる管理人です(笑
さてさて今回もつらつらと書き連ねてみますね。


> 本当に、こういった「本当の技術的・理論的なコンテンツ」を公開しているサイトはここぐらいしか知りません・・・・(汗
> 「○○をつけて走ったら、前よりもパワー出てるような気がします!」くらいのサイト・ブログばっかりですからねぇ。

そうですねえ…10年くらい前ならそういったマニアックなメカニズム解析を
行ったりしているところも多数あったのですが、大抵の所はもう閉じて
しまっているか、ネットの海に埋もれてしまっているかなと(泣

…こういうのってですね、情報を発信する側からすると、酷いレベルの
教えて君とか、情報は公開されて当たり前だとか思う連中とか、はたまた
自分で情報を選択したのにも関わらず、上手く行かなかったら文句だけ
付けてくるとか、そういった類の阿呆な連中に嫌気が差してしまって
もう情報公開はやーめた、といったパターンの所もあったりしますんで。

こればかりは善意だけではなかなか上手く行かないので、どうしても
欲する情報が目減りしていくのはやむを得ない部分もあると思いますよ。
本来はこういうのはギブアンドテイクの関係なのですけれどねえ_| ̄|○


> 面白いんですが・・・・いかんせんパーツの選択肢が「全く」無いため、非常に非常に苦労しています(汗
> チャンバーも、知っているだけでリップス、ルーニー、NR-Magic、RedMole、河内屋(河内屋はヤフオクオンリー)しかありませんし。
> そのうち本当に「速くなる」チャンバーってリップスと河内屋だけじゃないでしょうか。

ふむふむ…こういっては何ですが、車種専用の市販品チャンバーが
それだけあればまだまだ恵まれている方では、と私は思ったりして
しまいますよ(笑

…あくまで私の経験や知る限りでは、そのラインナップだとおっしゃる通り
ある程度高性能を発揮出来るのは少ないと思いますが、それでも明確に
パワーバンドの所在が存在し、ノーマルよりも特性が変わってパワーが
出るのであれば、それはそれで良い事なのですよね〜


> いやはや・・・この文章には衝撃を受けました。
> 吸気系の外側ではなく、内側からの二次エアを想定するとは!
> 実際にスロットルバルブの径をデジタルノギスで測ってみましたが、20.44mmでした。
> と言うことはやはり、ここからの二次エアの可能性もある、と。
>
> ここは本当に盲点でした。目からウロコです。

こちら、スロットルバルブを実測されたのですね〜
かくいう私もスズキ純正のVM18が手元にあったのでキャブ側のスロットル
バルブが入る所を計測したらやっぱり20φ程度でしたよ。

後、つまらない事ですがノギスとかの「最小目盛り」はあくまで
「その一つ上の位」が正確かどうか、を把握する為に存在して
いる物ですから、コンマ01の単位は切り捨てて把握するのが
正しい道具の使い方になりますね。
1/100oを正確に計測するならマイクロメーターが必須になります。


> これも非常に心当たりがあります。
> 加工後のキャブのピストンバルブを覗いて見たところ、確かキャブ下面にスキマが出来ていたような気が・・・・(純正キャブはキッチリ全閉になります)
> 加工によってキャブ各部のクリアランスが狂ってしまい、セッティングが出なくなってしまった可能性もあるということですか・・・・

なるほど、まさかとは思っていましたがベンチュリ径の拡大のみで、
他に必要となる部分は手付かずでしたか_| ̄|○

…こちら、はっきり申しますがキャブのベンチュリ径をボアアップ加工
するならば当然と言って良いレベルのポイントなのですよね。

ここまで言ってしまってはどうかとは思うのですが、キャブのベンチュリ径を
加工している、という加工屋さんもしくは業者さんなのであれば、その程度は
考慮しながらモノをこしらえないといけないでしょう、と私は考えますんで。

「加工精度が良い」のと「実用的なメカニズムを把握出来る」のとは全く
意味合いが異なっていますが、「チューニング」を行うのであればそれは
どちらも必要な能力になります、とは言わせて頂きますね。


> そうですね、手持ちの予備キャブ(こちらも業者OHモノで新品同様)がありますので、そっちも試してみたいと思います。

お、きちんとした同等のキャブをお持ちであればそれを試されるのが一番
手っ取り早いでしょうね。
…状況を鑑みますに、おそらく現在の加工キャブよりは真っ当になりそうな
予感はしています。


> というか、そもそも何故加工キャブなんて使用しているかというと・・・・前述のように、パーツの選択肢が無さ過ぎるからなんですよね(泣
> ウルフ/RG50 ガンマ用のビッグキャブなんて、現在販売しているものはPWK28しかありませんし、他車種流用も失敗したときの金銭的リスクが大きいですしね・・・。

ええ、こればかりはマイナー車であるが故の悩みだと思いますよ。
VM18のベンチュリ拡大も特におかしな事ではありませんが、やるならば
きちんとやらないと良い結果にはならない、という事で。

後、PWK28用のマニホールドなのですが、これってキタコからまだ出て
いた様な気もしますが…
シリンダーから生えている筒に対し、ゴムの筒でキャブを無理矢理くっつけて
いるだけのはずなので別に自作でもそれなりにいけるとは思いますよ。
ただし、シリンダー側の吸気穴はそれなりに拡大しつつ、リードブロックも
がっつり加工する必要はあると思いますが(汗


なお、キャブに関してはですね、一応現在で「70ccなり」のパワーが出て
いるのが大前提なのであれば、PWK28を選ぶ事によるデメリットは
全くありませんよ。
私なら間違いなくPWK28をチョイスすると思いますしね。

口径的には別段オーバーではありませんし、むしろ70ccにてチャンバーも
それなりなのであればキャブセットしやすいPWKを選んだ方が色々と
苦労も少なくて済みますんで。


> PWK28も入り口が大きすぎてフィルターの選択肢が限られます(しかもウルフのキャブ周りは狭すぎる!)し、半強制的に混合になりますし。

確かにキャブ周りは狭いですが…キャブさえくっついてしまえば、キャブの
吸気口の真正面側のみにある程度(50o位)クリアランスがあれば、
そこから先は別にエアクリボックスではなく、内径50φのホースを伸ばし
どこかに出しても良いですし、ホースが長ければ音量もさほど爆音には
なりませんしね。

もしくは、キャブ本体にはファンネルのみを取り付け、キャブごと全体を
囲う様にBOXをこしらえて内側に吸音材を貼るとかでもOKでしょう。

何も、無理矢理エアクリボックスを使わなければいけない事はありませんし
発想を転換すれば色々と手法は出てくるものですよ。


> 私の信条は「お買い物からサーキットまで」なので、エアクリBOX + 分離給油は避けられない問題なのでしたw

エアクリ「BOX」必須でも、マニ側やキャブを加工するよりはプラスチックと
ゴム系統を加工する方がはるかに優しいですから、なんとかなるとは
思ったりもします(笑

後、PWK28でも近年のモデルであれば贅沢にもキャブ本体にオイルの
ニップルが付いてる物もありますんで分離給油でも行けるでしょう。
もしくはシリンダー側に穴を開けてニップルでも刺せばそれでOKかなと。

ただし、個人的にはボアアップ&チャンバーで完全分離給油のまま、と
いうのは現状でもそれなりのストレスがあると考えますよ(汗


> はい、まさしくその通りですw
> 「キャブセッティング」といって調べると、この調整方法がほぼ100%を占めていますから・・・・(汗

アイドリング調整ですが、やっぱしそうでしたか_| ̄|○
…とはいってもこれも間違いではなく、悪くは無いのですがせめて真っ当な
ノーマル新車状態でもなければまず上手く行きづらい、という点は大いに
あるので注意は必要ですしね。


> シリンダーホーニングでクリアランス調整が出来ないというのは初耳です。なるほど、硬すぎて径の調整が出来ない、と言うことでしょうか。

えと、アルミメッキシリンダーの場合、シリンダー内筒がアルミ地のままでは
鉄のピストンリングと擦り合わせるワケには行かないので、文字通り
メッキ加工を施し、リングとの摺動性が出る様に作成されています。

しかし、メッキ加工を行うとそれなりに「脆くて硬い層」が出来るので、
仮にシリンダー内径を0.03oだけ大きくしたい、となっても内燃機屋
さんの機械&砥石では全く加工が出来ないんですよ。

なので、メッキシリンダーを作成する場合はメッキ加工する前のシリンダー
内径寸法が非常に大切になりますし、組み合わせるピストンもメッキが
乗った後のシリンダー内壁に合わせた設計が必要になりますからね。

このあたり、後でピストンクリアランスを簡単には調整出来ない、と
いうのはチューニングエンジンとしては致命的ですし、本来であれば
元々パーツメーカーがそのあたりをきっちりこしらえているのが当然に
なりますが、そんな事はまず無いのが現実なのはご存知でしょう(泣

という訳で、私は最初の状態でピストンクリアランス「程度」ですら
真っ当でないシリンダー&ピストンのキット、なんてただのゴミだとしか
考えていませんから、きちんとした調整幅すら無いエセメッキの
社外品、というのはいくら他が良くても全く好まないんですよね。


> 前に焼きついたAIRSALシリンダーも、シリンダー自体はメッキが数箇所剥がれただけで比較的綺麗だったのに、ピストンは溶けてリングと合体しグチャグチャだった、なんて感じでしたね(笑

ふむふむ、やはりそうなると思いますが…
これもまた良い機会なのではっきり申しますが、「本物」のメッキ加工の
シリンダーであれば、仮にピストンリングが折れる程のダメージが
シリンダー内で起こったとしても、シリンダーのメッキ部分にはキズなんて
ほとんど付かない程強靭なんですよ。

むしろ、その位の強度が無いとメッキの意味がありませんし、これまた
そんなに簡単に剥がれるなんてのは、たかだか数万円程度の量産
市販品キットの「メッキ」なんて、エセどころか偽者以外の何物でもなく
メッキ仕様のメリットなど全く無い、と断言しても良いでしょう。

その上、シリンダーがボーリングもホーニングも出来ない為、ピストン
クリアランスが簡単には調整出来ない、となれば何がメリットなのか
私には全く理解が出来ないです。

シリンダーフィン等がアルミで作成出来る為、放熱性に関しては
ある程度は鋳鉄シリンダーよりはマシではありますが、そこまで
するのならば、水冷シリンダーなら寸法限界まで水路を広げるとか、
強制空冷、自然空冷シリンダーならフィンを大型化するとかすれば
別に鋳鉄シリンダーでも問題は無いワケですが(笑

アドレスV100、110や昔のデイトナボアアップみたいに、スリーブのみ
鋳鉄製でアルミシリンダーに圧入していても構いませんしね。
むしろそれが一番融通が利く作成法だと私は考えてますよ。


ちなみに、エセメッキシリンダーでもピストンクリアランスを調整する
方法はあるにはありますが、これは結構な職人芸が必要なので
私もあんまし得意ではありませんが…

それともう一つ、エセメッキシリンダーのメッキって、アルミに対する
定着力が小さいので、ポート加工を行っていると一部だけぱりっと
剥がれたりしやすい、という点も偽者の証明だったりしますよ。


…なおこれらはボアアップシリンダー本体の特性や性能がどうこう、
という以前の話であって、エンジンとして基本的な部分ですら怪しい、
といったおかしな話ではあるのですけれどねえ_| ̄|○
本来のメッキを知らないと、市販品のエセメッキにメリットがある、と
思い込んでしまう点を突いた嫌なモノづくりだなあ、と私は感じて(略



> 台湾製65cc・オートボーイ製65cc・AIRSALシリンダーと試しましたが、AIRSALはその中でも良い方かと考えています。
> オートボーイのシリンダーは台湾製の安物シリンダーをポート加工してもらったものですがw
> 例えるならば、オートボーイの物は前に吸い込まれるような加速をし、ALRSALは荒々しくエンジンが回りながら無理矢理前に加速していく・・・・そんな感じでしょうか。
> 体感パワーはオートボーイとAIRSALは同じくらいに感じました。
>
> 台湾製65cc無加工は論外でした。「高回転回らねぇ!そんでもって3000rpm以下はアイドリングしねぇ!」てな感じにw

なるほど、各社ボアアップキットでもそれなりに差は出ていたのですね。
こういうのって、実際にある程度使って試されたのであれば、そこから
もう1ランク踏み込んで、ポートタイミングや圧縮比なんかを各々の
キットでどう異なっているのか、を調べていくと建設的ですよ。

前述の話ではありませんが、どの品もある程度真っ当に作られていて、
ポン付けにてそこそこいけるのであれば使ってみての感想のみの
方向性でも良いのですが、今の時代はそれではいつか困る時が来て
しまう可能性が高い、とは記しておきますです(汗

後、台湾製品は当然ですが、私はオートボーイの製品に関しては
エンジン系のモノは全く信頼していないです。
はっきり言いますが子供騙しも良い所なので近づかない方が良いかと。


> ちょっと雑談が多くなってしまいましたが、もう一度吸気系を見直してみることにします。

いえいえ、質問ついでの雑談は大歓迎なので何でもどーぞ(笑
そして、とりあえずはノーマルキャブに取り替えて試されると色々
見えて来るところもあるかと思いますんで是非お試し下さいな。


> 余談ですが・・・・このサイト、排気系とエンジンのメカニズムについては非常に詳しく書かれておりますが、吸気系についてあまり触れられていないのでは?とふと思いました。
> 個人的には吸気系についてももっと取り上げて欲しいところです。

これはこれはお褒め頂きありがとうございます〜
…とはいっても当サイトは、基本的に他所様ではあまり記されて
いない部分や、勘違いしている所なんかをあら捜しした上で
そういった部分ばかりを選んで記していますんで、どうしても偏りが
あるのはご容赦頂きたく(汗

本質はスクーター用としての2stエンジン、そしてそれに関わる
特性や駆動系との兼ね合い、といった部分が大半なのですが(笑


そして、吸気系に関してはこれはあまり記していない、と言いますか
あまり記す事が無いんですよ。

基本的に、エンジンに対してよほどダウンサイズのキャブでない限り、
エンジン内部をチューンして「吸入負圧」を上げれば、キャブ口径が
同一でも「吸い込める混合気量」は増大するので、エンジン本体が
間違っていなければそこまで吸気系から攻める必要も無い、と
いうのが基本になりますからね。


> 「2stは吸気系を見直すと劇的に変わる」と聞いたことがあるので、そのあたりを詳しく知りたいですね。

うーん、これは元のエンジンや吸気系の構成によりけりでしょう。
仮に、記憶を頼りに行ってみますと…ガンマ&ウルフの50であれば、
一応はクランクケースリードバルブ方式ではありますが、肝心の
リードブロックの位置や形状はよろしくありませんから、吸気系と
なれば私ならばまずリードブロックを限界までぶち抜き、大きな
リードバルブを作成して用いてやりたいですね。

その上で、シリンダーからクランクケースに流れる混合気通路の
吸気抵抗を減らしていきたいですが、これはケースリード形式の
エンジンでは一番大切な事なので、エアクリやキャブがノーマルで
あってもまずそういった点から注視してみたいです。


と、ついでなのでここで色々と個人的アドバイスを交えてみますね。


> ・パワーフィルターはダメ、サーキットで高回転でしかエンジンを使わないような限定的な状況じゃないと意味が無いと言われていますが、ホント?

これは、パワーフィルターそのもので本当にノーマルエアクリよりも
「一度のストロークによる吸気抵抗」が減っているのであれば、
別にどんなステージでも性能的なデメリットはありませんよ。

ただし、アイドリング付近の低回転での吸入負圧が弱すぎる
エンジンだと、そのあたりの調整はちとシビアになる位でしょうか。

実際にはエンジンが低、中回転でも、その分吸入負圧が低いのですから
そういった所にこそ、吸気抵抗が低減されるフィルターの類がメリットを
発揮しますんで、そのご意見はどちらかと言うと正反対、と言えますね。

もちろん、高回転でも吸気抵抗が小さいのに越した事はありませんが、
市販品のパワーフィルターだと、全長が短くてキャブの真正面にフタを
しているだけ、というゴミみたいなモノも多いので(笑

だからこそ、「高回転でしかまともに走れない」といったイメージが
根付いているのでは?と私は考えていますよ。


> ・純正エアクリBOXの実力は?

これも車種や構成によりけりです。
こちら、一番よく分かるのは、可能な限りノーマルのエンジン仕様に
おいて、エアクリーナーBOXを取り外し、直キャブにてキャブセットを
行った上で、加速タイム等を取ってみるんですよ。

これであれば、ノーマルエンジンに対してもどの位の性能的メリットが
出るかどうか、をはっきり体感出来ますし、もし直キャブでセットしても
ノーマルの加速と大差無いのであれば、エアクリそのものは特に
悪くも無かった、という方向性にもなりえますから。

エンジンをチューンしている場合はそうでもないパターンもありますが、
エアクリの構成がどれ程の能力を持っているのか?といった点が
疑問なのであれば、エアクリを外してセットして走らせてみるのに
かなう比較方法はありませんからね。


ここで一例を挙げますと…ホンダのNSR50ってありますよね。
昔、このマシンに市販品のちっこいパワーフィルターをくっつけて
セットした事があるのですが、どうやってもMJはノーマルより小さく
しないとまともに走りませんでした。

と、これなら実に話は単純で、音だけの粗悪パワーフィルターであれば
ノーマルの大容量で吸気抵抗も小さいエアクリBOXの方がはるかに
優れていた、という証明にしかなっていませんから(笑

なお、NSR50ならM12仕様、ノーマルレーサー使用でもエアクリBOXを
使うのと直キャブなのはそこまで絶大な差は出ない、と私は感じて
いるので、この車種であればノーマルエアクリBOXはかなりの能力を
持っているのかな、とも分析出来るという事で。


> ・直キャブ・ファンネル・パワフィル・純正BOXで一番有効なのは?

何をもって「有効」とするかにもよりますが、単純に吸気抵抗を低減して
行くのであれば、直キャブが最高の効率になりますね。

なお、直キャブにカールファンネルを用いればある程度吸入効率を
UPさせられる場合もありますが、これは元々のキャブの設計にも
よりけりなので、PWKの様な高性能キャブではあまり差は出ません(汗

純正のエアクリBOXは言うに及ばず、ですが…パワーフィルターと
呼ばれるものはあまりにも色々ありすぎて、一概には言えませんね。

ただ、はっきりと言えるのは容量そのものが小さいものは駄目ですし、
全長が短く、キャブの吸気口の真正面を塞ぐ様な形状の物は最悪です(笑

キャブというモノは見たまんまですが、吸気口側の真正面からエアを
吸い込んでいるので、その真正面すぐに壁があるのではいくら他に
隙間があっても高効率にはなりえませんので。

なお、市販品のモノだと小さすぎて役に立たないどころかうるさくなる上に
吸気効率も落ちるデチューンにしかなってないモノもありますしね…


> ・「全天候型パワーフィルター」とあるけど、ホントに全天候で使えるの?

一応、全面にフタのあるタイプならば雨が降ってもそこそこイケますね。
しかし、ただでさえ小型のフィルターで吸気効率が悪い上、全体にカバーを
掛けてしまっているので吸入抵抗は言うまでも無いレベルです。

吸気音漏れだけはでかくなりますが、それなら正直ノーマルエアクリBOXで
何も問題は無い、というオチが大半ですが(笑
…はっきり言いますがこの手も子供騙しのパーツですよ。

なお、ノーマルでも巨大なエアクリーナーBOX容積を持つ車種であれば、
大きな箱の中にあるエアを、直キャブ状態にて吸い込んでいるのと同じ
理屈になりますから、こういった点を鑑みてもわざわざキャブにフタを
しているパワーフィルターはただの子供騙しであるとも言えますね。


で、これも少し補足しますが、モンキーとかカブとかの4st小排気量の
エンジン車だと、ちっこいパワーフィルターでもまともに走ったりしますが
あれは元々、エンジンの吸入負圧が2stとは段違いに大きい為、
吸入口辺りで多少の吸気抵抗があっても問題ないレベルで「エアを
吸っていける」という理由があるからなんですよ。
(※もちろん4stでも吸気抵抗が小さいに越した事はありませんが)

少なくとも、これも4stのイメージで2stのモノを考えていては上手くは
いかないという一つのお話とも言えますね〜


> ・吸気抵抗は無くした方がいいのか?ある程度あった方がいいのか?

吸気抵抗ですが、これは大きければ大きい程、エンジンの吸入負圧にて
エアを吸い込む時に大きな力が必要になりますから具合は良くなく、
吸気抵抗は小さいに越した事はありませんね。


> などなど・・・・普段から疑問に思っていることをつらつら書いてみましたが、いかがでしょうか?

と、私もざっとではありますが一般の風聞で言われている様な事を
ずばっと解説してみましたので参考までにどうぞ。

こういうのって、私も何かを記したいなとは常々考えてはいるのですが
何を書いたら良いか迷いすぎる、という点も多々あるので、疑問や
質問があればこうして直接問い合わせて頂いた方がありがたいです(笑


> 私も長文になってしまい、失礼しました。
> 今度結果も報告しようと思います。

いえいえ、私は長文大歓迎ですのでいくらでもどうぞ(笑
また結果報告の方もお聞かせ頂ける事を期待しておりますです。


ではでは今回はこれにて失礼しますね。
管理人でした〜

記事No 6909
タイトル Re^4: ついでに吸気系のあれこれとか
投稿日 : 2015/08/01(Sat) 23:20:47
投稿者 まっつん
参照先
素早いご返信有難うございます。
いやぁ、ここまで詳細に答えてくれるねぎのリーダーさんに驚いています(汗


> …こういうのってですね、情報を発信する側からすると、酷いレベルの
> 教えて君とか、情報は公開されて当たり前だとか思う連中とか、はたまた
> 自分で情報を選択したのにも関わらず、上手く行かなかったら文句だけ
> 付けてくるとか、そういった類の阿呆な連中に嫌気が差してしまって
> もう情報公開はやーめた、といったパターンの所もあったりしますんで。

やはりそうですよね・・・・
自分で試さない、考えない、それで文句だけは一丁前、こんな輩が多いですからね。
レシプロエンジンの構造や機構も分からないのにチューニングしようとする神経が理解できません。


> ふむふむ…こういっては何ですが、車種専用の市販品チャンバーが
> それだけあればまだまだ恵まれている方では、と私は思ったりして
> しまいますよ(笑

実は「本当のレース用チャンバー」が欲しくて、河内屋にワンオフモノを一本作ってもらったことがあるんです。
出来上がったものはかなりのショートチャンバーであり、パワーバンドが9000rpm以上で
14000rpm以上のブラックゾーンまで回ってしまうというとんでもない物でしたがw
オクムラスポーツマフラーではありませんが、まさしく「エンジンぶっ壊れるかと思いました」。



> なるほど、まさかとは思っていましたがベンチュリ径の拡大のみで、
> 他に必要となる部分は手付かずでしたか_| ̄|○
>
> …こちら、はっきり申しますがキャブのベンチュリ径をボアアップ加工
> するならば当然と言って良いレベルのポイントなのですよね。

本日VM19.5を確認してみましたが・・・・ねぎのリーダーさん、ビンゴですねorz
キャブボディにライトを照らしながら確認しましたが、ピストンバルブ下面はもとより、
バルブサイドに隙間が出来ていました・・・・


> お、きちんとした同等のキャブをお持ちであればそれを試されるのが一番
> 手っ取り早いでしょうね。
> …状況を鑑みますに、おそらく現在の加工キャブよりは真っ当になりそうな
> 予感はしています。

で、手持ちの極上VM18を取り付けてみました。
やはりと言いますか、VM19.5の時よりもさらに濃い症状が出たようです。
ピストンバルブがキッチリ閉じたことによる効果かは分かりませんが、前よりも
アイドリング付近のセッティングがシビアになりましたね。

まぁ、他の部分の調子が万全ではないので、一概には言えないのが難しいところですorz


> なお、キャブに関してはですね、一応現在で「70ccなり」のパワーが出て
> いるのが大前提なのであれば、PWK28を選ぶ事によるデメリットは
> 全くありませんよ。
> 私なら間違いなくPWK28をチョイスすると思いますしね。
>
> 口径的には別段オーバーではありませんし、むしろ70ccにてチャンバーも
> それなりなのであればキャブセットしやすいPWKを選んだ方が色々と
> 苦労も少なくて済みますんで。

いえ、私が一番気にしているところと言うのは、オイルポンプワイヤーとアクセルワイヤーの
分岐点なんです。
ウルフ50にPWK28を「分離給油のまま」取り付けた方のレポートを見たことがあるんですが
10mmも引きしろが多くなるので、非常に苦労されていたようです。
そのような苦労と、90%は町乗りで使用することの利便性を天秤にかけると、
どうしても手が伸ばしにくいんですよね。


> 確かにキャブ周りは狭いですが…キャブさえくっついてしまえば、キャブの
> 吸気口の真正面側のみにある程度(50o位)クリアランスがあれば、
> そこから先は別にエアクリボックスではなく、内径50φのホースを伸ばし
> どこかに出しても良いですし、ホースが長ければ音量もさほど爆音には
> なりませんしね。
>
> もしくは、キャブ本体にはファンネルのみを取り付け、キャブごと全体を
> 囲う様にBOXをこしらえて内側に吸音材を貼るとかでもOKでしょう。
>
> 何も、無理矢理エアクリボックスを使わなければいけない事はありませんし
> 発想を転換すれば色々と手法は出てくるものですよ。


私も色々考えてはいるんですが、ウルフのリアサスが非常に複雑なリンク構造になっていまして
キャブからホースを伸ばすのにも一苦労なんですorz
その辺り純正は非常に良く出来ておりまして、見事にギリッギリの位置でサスを避けてエアクリBOXに
ホースが伸びています。

ちなみにですが、ウルフ/RG50ガンマの場合、オイルニップルがエンジンのインマニから直接出ておりまして
インマニにダイレクトに給油するシステムになっています。
なので、インシュレーターさえどうにかなれば自由にキャブが選べる、とも言えますが・・・・


> えと、アルミメッキシリンダーの場合、シリンダー内筒がアルミ地のままでは
> 鉄のピストンリングと擦り合わせるワケには行かないので、文字通り
> メッキ加工を施し、リングとの摺動性が出る様に作成されています。
>
> しかし、メッキ加工を行うとそれなりに「脆くて硬い層」が出来るので、
> 仮にシリンダー内径を0.03oだけ大きくしたい、となっても内燃機屋
> さんの機械&砥石では全く加工が出来ないんですよ。
>
> なので、メッキシリンダーを作成する場合はメッキ加工する前のシリンダー
> 内径寸法が非常に大切になりますし、組み合わせるピストンもメッキが
> 乗った後のシリンダー内壁に合わせた設計が必要になりますからね。

なるほど、勉強になります。
AIRSALの場合は、一個目と二個目のシリンダーのピストンクリアランスに多少の違和感があったので
製品としての品質はあまり良くない、バラツキの大きいものなのかも知れませんねorz
まぁ、普通にエンジンとして機能しているだけまだマシとも言えますが・・・・

これもまたパーツの種類の少なさに起因することですが、ウルフのボアアップシリンダーと言いますと
今はキタコと台湾製とAIRSAL、そしてオートボーイの物しか無いんですね・・・
そしてキタコとオートボーイの物は5万円以上する高級品で、エンジンを壊す可能性を考えると、必然的に
台湾製かAIRSALとなるわけで(汗


> 後、台湾製品は当然ですが、私はオートボーイの製品に関しては
> エンジン系のモノは全く信頼していないです。
> はっきり言いますが子供騙しも良い所なので近づかない方が良いかと。

あれ?そうなんですか?
意外です・・・・

私の場合、信頼できるチューニング屋さんを知らないと言うのが一番の問題ですね・・・

>> ・純正エアクリBOXの実力は?

> こちら、一番よく分かるのは、可能な限りノーマルのエンジン仕様に
> おいて、エアクリーナーBOXを取り外し、直キャブにてキャブセットを
> 行った上で、加速タイム等を取ってみるんですよ。
>
> これであれば、ノーマルエンジンに対してもどの位の性能的メリットが
> 出るかどうか、をはっきり体感出来ますし、もし直キャブでセットしても
> ノーマルの加速と大差無いのであれば、エアクリそのものは特に
> 悪くも無かった、という方向性にもなりえますから。
>
> エンジンをチューンしている場合はそうでもないパターンもありますが、
> エアクリの構成がどれ程の能力を持っているのか?といった点が
> 疑問なのであれば、エアクリを外してセットして走らせてみるのに
> かなう比較方法はありませんからね。

この質問は、ちょっと変則的な質問になってたんですが・・・・
私、バイクはウルフ50、車はFC3S型RX-7に乗っているのですが、FC3Sのエアクリボックスは非常に良く出来ておりまして
純正状態でも320PS程まで対応できるモノとなっているんです。
しかも、ロータリーは熱に弱いことで有名ですが、純正の吸入ダクトによりフレッシュエアをインテークに
導くことが出来る物であり、ヘタにエアクリーナーを社外品に交換して吸入効率を上げたとしても
エンジンの熱を拾ってしまい、結果的に寿命を縮めるだけ、なんて事がありまして。

それならば、より熱源より遠い場所、しかもウルフの場合リアサスの裏側の一番空気が安定している場所に
吸気口があるエアクリーナーBOXならば、ヘタに社外品に交換するよりは安定したパワーを得られるのではないか?と
疑問に思い、この質問をしてみたわけです。
スクーターの場合パワフィルやファンネルに交換すると吸気口が「空気が流動し、温度も変化する不安定な場所」に
設置されるわけですから、これではパワーがコロコロ変わってしまい、結果的に遅くなってしまうのでは?と思ったのです。

車種によりけりというのは勿論なことですので、あまりにも吸気抵抗が大きいBOXだとパワフィルもしくはファンネルに
変えてしまうのが一番かと思いますが、ウルフの場合、BOX内の構造的に抵抗が非常に小さく出来ていますので
吸入口を大きく加工するだけでキャブのパワーを100%引き出せるものなんですよね。

前にパワフィルに変えてセッティングを出したことがありますが、セッティングが非常にシビアになり
パワー的にもメリットは殆ど無かったもので・・・・


> ・直キャブ・ファンネル・パワフィル・純正BOXで一番有効なのは?
>
> 何をもって「有効」とするかにもよりますが、単純に吸気抵抗を低減して
> 行くのであれば、直キャブが最高の効率になりますね。
>
> なお、直キャブにカールファンネルを用いればある程度吸入効率を
> UPさせられる場合もありますが、これは元々のキャブの設計にも
> よりけりなので、PWKの様な高性能キャブではあまり差は出ません(汗

コレについては・・・・空気を「流体」として見た時の効率で質問してみました。
直キャブだとキャブの入り口がスパッとカットされてしまうわけで、そうなると
流体としてはあまり好ましくない状態ですよね。
それならばファンネルを付けて流体を整流さえてやれば吸入効率が上がるので、ファンネルが
パワー的には一番上がるのかな、と思っていました。
ただ、エアクリーナーBOXを用いることで空気溜まり、所謂「インテークチャンバー効果」と
「吸気慣性の効果」があるとまた違った話になってくるのではないか、とも思ったり。



> > ・「全天候型パワーフィルター」とあるけど、ホントに全天候で使えるの?
>
> 一応、全面にフタのあるタイプならば雨が降ってもそこそこイケますね。

うーん、これ、長年の疑問なんですよね・・・・
スクーターの場合、キャブレター・パワーフィルターの方向って、車体に対して後ろを向いているかと思うんですが
前に進むと、前面から雨が降りかかることになりますよね?
で、全天候型パワフィルの場合、フィルターを包んでいるのはいいんですが、吸入口は前、進行方向を向くことになりますよね?
それって雨を導くことになって意味無いんじゃ・・・?と思っているんです。


> しかし、ただでさえ小型のフィルターで吸気効率が悪い上、全体にカバーを
> 掛けてしまっているので吸入抵抗は言うまでも無いレベルです。

まぁ、ですよねw
吸入口が小さすぎますもんねw



またまた長文になってしまいましたが・・・・新たな疑問点や、報告などしてみました。
色々勉強になることが多いですね・・・・

ただ、私の場合、ロータリーをチューニングしている(しかもほとんどフルチューンの物)こともあり
吸気する空気の質、吸気温度をとっても気にしてしまう所があるんですよね。
ロータリーは吸気温度や質によって寿命やパワーが大きく異なってしまうデリケートなエンジンですので・・・・。

まぁ、構造・排気量が大きく異なり、しかもターボ付きでインジェクションとなれば
「何言ってんだこいつ・・・」と思われても何も言えませんがorz


ウルフはもう10年以上乗っている文字通りの愛車となりますが、そろそろ腰下がダメになってきているようですので
腰下のOHとリフレッシュがしたいまっつんでした。

記事No 6910
タイトル Re^5: ついでに吸気系のあれこれとか
投稿日 : 2015/08/03(Mon) 10:08:23
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
まっつんさん毎度でございます〜
今日もがっつりレスを記すつもりの管理人です(笑

あ、こういうのって私は全ての話題にレスする傾向があるのですが、必要で
無いと感じれば適度にスルー&端折って頂いて結構ですんでよろしくです。


> 自分で試さない、考えない、それで文句だけは一丁前、こんな輩が多いですからね。
> レシプロエンジンの構造や機構も分からないのにチューニングしようとする神経が理解できません。

こればかりはいつの時代もそんなもんです、という事で_| ̄|○
とはいっても、ネットでの情報を鵜呑みにするのも一長一短ですから、
実際にはまっつんさんが問いかけられている様な一問一答といった形式が
双方一番納得も出来る手法ではあるかな、と私は今でも信じてますよ。


> 実は「本当のレース用チャンバー」が欲しくて、河内屋にワンオフモノを一本作ってもらったことがあるんです。
> 出来上がったものはかなりのショートチャンバーであり、パワーバンドが9000rpm以上で
> 14000rpm以上のブラックゾーンまで回ってしまうというとんでもない物でしたがw
> オクムラスポーツマフラーではありませんが、まさしく「エンジンぶっ壊れるかと思いました」。

おお、ワンオフモノを作成された事があるのですね〜
ノーマルの特性を鑑みた上で、そこまで特性変化を起こせればかなり良いと
思いますし、実際の「体感」ってピーキーでないと満足感も得られにくかったりも
するのが面白いところかなとも。

…もちろん、特性変化に伴うエンジンへの負荷増大には注意ですね(笑


> 本日VM19.5を確認してみましたが・・・・ねぎのリーダーさん、ビンゴですねorz
> キャブボディにライトを照らしながら確認しましたが、ピストンバルブ下面はもとより、
> バルブサイドに隙間が出来ていました・・・・

あらら、やはりと言いますかそうなっていましたか…
クリアランスの確認には明かりを透かすのが非常に分かりやすいのですが、
その手法で光が見えた、となればこれはさすがに不味いです_| ̄|○


> で、手持ちの極上VM18を取り付けてみました。
> やはりと言いますか、VM19.5の時よりもさらに濃い症状が出たようです。
> ピストンバルブがキッチリ閉じたことによる効果かは分かりませんが、前よりも
> アイドリング付近のセッティングがシビアになりましたね。

VM18は無加工品を取り付けてみたのですね。
それで改善…と言いますか明らかに症状が濃い目になった、となれば
各部隙間からの2次エアは確実に吸っていた、という結論になるかなと。

…いやはや、こういうのは加工の手法としては一般的に広まっていても、
何がどうなると駄目なのか、といった点まではなかなか言及されては
いませんし、情報も広く公開されている訳ではありませんからある意味では
仕方が無い、という事でお勉強したと考えられれば良いかなとも(泣


> いえ、私が一番気にしているところと言うのは、オイルポンプワイヤーとアクセルワイヤーの
> 分岐点なんです。
> ウルフ50にPWK28を「分離給油のまま」取り付けた方のレポートを見たことがあるんですが
> 10mmも引きしろが多くなるので、非常に苦労されていたようです。
> そのような苦労と、90%は町乗りで使用することの利便性を天秤にかけると、
> どうしても手が伸ばしにくいんですよね。

あ、アクセルワイヤーの分岐の問題ですね。
これはワイヤーを加工するとか、超ハイスロを装着するとかでカバーするしか
無いのですが…ちょっと検索してみるとウルフ50にPWKを装着された方の
詳細が見つかりましたが、やはりワイヤーのあれこれは必須、といった感じ
みたいで。

が、こればかりはPWKのメリットと作業性等を天秤にかけてもやってみる
価値は十分にある、と私は思いますよ〜
…結構面倒そうではありますが(汗


> 私も色々考えてはいるんですが、ウルフのリアサスが非常に複雑なリンク構造になっていまして
> キャブからホースを伸ばすのにも一苦労なんですorz
> その辺り純正は非常に良く出来ておりまして、見事にギリッギリの位置でサスを避けてエアクリBOXに
> ホースが伸びています。

確かにリヤサスは懐かしの複雑リンク式ですよねえ。
…クリアランスが無いのはどうしようもありませんが、そこをなんとか
するのもこれまた一興かな、とも(笑


> ちなみにですが、ウルフ/RG50ガンマの場合、オイルニップルがエンジンのインマニから直接出ておりまして
> インマニにダイレクトに給油するシステムになっています。
> なので、インシュレーターさえどうにかなれば自由にキャブが選べる、とも言えますが・・・・

あ、オイルはゴムのインマニに直接給油タイプでしたか。
それであればまだキャブ給油の分離タイプPWKなら融通が効くかとも
思いますが、キャブ本体の取り回しにすら苦労しそうですね_| ̄|○


> なるほど、勉強になります。
> AIRSALの場合は、一個目と二個目のシリンダーのピストンクリアランスに多少の違和感があったので
> 製品としての品質はあまり良くない、バラツキの大きいものなのかも知れませんねorz
> まぁ、普通にエンジンとして機能しているだけまだマシとも言えますが・・・・

そうですね、これは昔でもあまり変わらない、といえば変わらないのですが
ピストンクリアランスの整合誤差なんて本来はエンジンパーツとしては
あってはならないんですが、そうは行かないのが現実なので(泣

…私がこういうのを嫌う最大の要因は、別に焼きつくとかデンジャラスで
あるとかではなく、ユーザー側が真っ当なキャブセットやオイル管理を
行っていても、Aさんは上手く行ってもBさんは駄目だった、みたいな
事が起こりやすいからこそ、量産品の質の大きなばらつき、というモノが
大嫌いなんですよ_| ̄|○

そうなってしまっては、他人様のインプレなんか全くアテに出来ない上に
量産品なのに品質が安定していないなんて「商品」ですらない、と(略

近年の商品群だとシリンダーゲージやマイクロメーター必須のレベルで
すらありますから、結局はエンジンをいじる、という事の基本に立ち返って
いるだけかな、とも考えたり…


> これもまたパーツの種類の少なさに起因することですが、ウルフのボアアップシリンダーと言いますと
> 今はキタコと台湾製とAIRSAL、そしてオートボーイの物しか無いんですね・・・
> そしてキタコとオートボーイの物は5万円以上する高級品で、エンジンを壊す可能性を考えると、必然的に
> 台湾製かAIRSALとなるわけで(汗

壊す可能性、というモノはチューニングであればどうしても避けられは
しないものですが、その可能性を極限まで低減させるのもこれまた
楽しみ方の一つなのですよね〜

ご存知かとは思いますが、私なんかは前述の様にパーツメーカーの
エンジンパーツなんてハナから全幅の信頼を置いていないので、
最低でも各部計測や分析を行わないとそのままポン、で使う事は
絶対に無いですから(笑

今の時代、歯に衣を着せずにモノを言いますとパーツメーカー側の
適当なモノづくりと子供騙しの商売が本気で嫌いなんですよ…

…しかし、これは時代の流れかもしれませんが水冷シリンダーで
ある程度チューンされているもので価格が5万円、ともなればそれは
高級、と言う程でも無いと私の観点からは見えてしまったり。

仮に、ベースの安い台湾製品を可能な限り安心出来るレベルに
計測、分析、修正加工を行ったとすればその位はコストが掛かって
しまうと思いますから、やはり世の中美味い話は無いんですね。

が、それなりに高価なのに作りが杜撰である、というのは一番
気に入らない事である、というのは(以下略


> あれ?そうなんですか?
> 意外です・・・・
>
> 私の場合、信頼できるチューニング屋さんを知らないと言うのが一番の問題ですね・・・

オートボーイですが、少なくとも私の知る限りでは、エンジン腰上の
加工や調整を行うにしても、ちょっとどうかと思われるレベルです。
なのであくまで私としては度外視していますんで。

チューニング屋さん、というのは私も信頼出来るところなんて知らないと
言っても良いのですが、だからこそ自分であれこれお勉強して
行くしか無かった、というのが厳しい現実だったりしましたが、結局は
知らない方が幸せだった、なんて事も多々あるのでなかなか(略

あと、最近ご無沙汰ですが私は大阪の「BSC」のみはモノの分析や
安定性等をしっかり見据えてチューンが出来る所だ、と考えてます。
…この偏屈な私が唯一、と言って良い程信頼しているところなので
世の中にはそういうところもあります、という事でひとつ。

が、とはいってもやはり一番信頼出来るのは自分の技量と知識、
ノウハウ等である、という点はあったりしますし、そうでなければ
他人様のチューンのお手伝いとかは出来ませんので、ね。


> この質問は、ちょっと変則的な質問になってたんですが・・・・
> 私、バイクはウルフ50、車はFC3S型RX-7に乗っているのですが、FC3Sのエアクリボックスは非常に良く出来ておりまして
> 純正状態でも320PS程まで対応できるモノとなっているんです。
> しかも、ロータリーは熱に弱いことで有名ですが、純正の吸入ダクトによりフレッシュエアをインテークに
> 導くことが出来る物であり、ヘタにエアクリーナーを社外品に交換して吸入効率を上げたとしても
> エンジンの熱を拾ってしまい、結果的に寿命を縮めるだけ、なんて事がありまして。

ふむふむ、まっつんさんはFC3SのRX-7にお乗りなのですね〜
個人的にはFCは一番「セブン」らしくて好きだったりしますが、今ではもう
走っているのを見かける事も少なくなりましたねえ…

で、吸入位置の問題や取り回し、エアクリーナーの位置関係等は
確実に影響を及ぼすものである、と私も認識していますよ。

しかし、これは車、というボンネット内の密閉空間に近いスペースに
高熱を発するエンジンが押し込まれており、吸気ラインも外気導入から
後はかなりの熱の影響を受ける、という点が大前提になるでしょう。

実際、エンジン回りがギチギチのレイアウトの車だと、遮熱版みたいな
モノでもそれなりの効果が見られるのは存じてますし、実際にも
温度計での吸気温度が下がった、というのも特におかしくは無いかと。


> それならば、より熱源より遠い場所、しかもウルフの場合リアサスの裏側の一番空気が安定している場所に
> 吸気口があるエアクリーナーBOXならば、ヘタに社外品に交換するよりは安定したパワーを得られるのではないか?と
> 疑問に思い、この質問をしてみたわけです。
> スクーターの場合パワフィルやファンネルに交換すると吸気口が「空気が流動し、温度も変化する不安定な場所」に
> 設置されるわけですから、これではパワーがコロコロ変わってしまい、結果的に遅くなってしまうのでは?と思ったのです。

が、これがバイクのエンジンレイアウトであればかなり話が異なって
しまうんですよ。
エンジンが熱源である、といった点は当然ですが、全水冷シリンダーの
様に外部に放熱フィンが無い場合でも、一応は走行風にて冷却等が
行われている面は確実にありますし、この点に関してはボンネットイン
エンジンである車のレイアウトよりははるかに熱的影響は小さいですね。

おっしゃる通り、外気に触れまくりで走行風の影響を受けまくるバイクの
エンジンレイアウトの場合、エアクリの吸入口もそれなりに考えられており
整流された走行風がまとまっている所に設定されている事は確実です。
と言いますかバイクメーカーさんはちゃんと考えてます(笑

しかし、高性能キャブの直キャブ等であれば、その多少の乱流等の悪影響を
犠牲にしてでも、「大きな開口部を用い、多少の乱流をものともしない」と
いった設計ならばメリットの方が大きいんですよね。

こういったケースだと、メリットの大きさとデメリットの大きさのトータルにて
判断を行う物なのですが、熱的影響や乱流のデメリットを鑑みても、
「吸気口がきっちりしているキャブ」であれば、狭い空間にて直キャブの
運用を行ってもさしてデメリットは姿を現さない、という事になります。
(※周辺が汚れやすいとかはデメリットですが)


後、小排気量であるが故に、キャブに発生する吸入負圧という物も
そこまで絶大ではないので、温度変化のある暖かいエアまでまとめて
吸い込みがちになるとか、と行った面は、ほとんど気にしなくて良い
レベルでは、と私は分析していますね。

パワーフィルターの話ではありませんが、明らかにノーマル状態よりも
吸入抵抗が増大しており、かつキャブ正面にフタがある様な状態なら
話は別ですが…


なお、さすがにVM18φだとベンチュリ径に対してキャブの吸入口は
あまりに小さすぎ、広い範囲からのエアの吸入、といった点を鑑みると
直キャブ運用には全く向いていませんね。

そのへんの50ccスクーター等採用の16φ純正キャブ等の方がはるかに
吸入口の設計が良くてでっかいですし、ケイヒンのPE等もそうなんですが
ああいったスムーズインでない吸入口口径と形状を持つキャブは、
基本的に4stエンジン向けのキャブである、とも言えますんで。

と言いますか、元から2st向けとなっている設計のキャブ、ともなれば
それこそ純正系やPWKしか存在しておらず、スズキが純正にてガンマ&
ウルフに採用したVM18は、効率のみを求めるならかなり不向きでは
あったのでは、と私は思いますしね。


> 車種によりけりというのは勿論なことですので、あまりにも吸気抵抗が大きいBOXだとパワフィルもしくはファンネルに
> 変えてしまうのが一番かと思いますが、ウルフの場合、BOX内の構造的に抵抗が非常に小さく出来ていますので
> 吸入口を大きく加工するだけでキャブのパワーを100%引き出せるものなんですよね。

そうですね、エアクリ効率が悪く無いのであれば多少の加工でもキャブ
本体の旨味は100%に近く引き出せると思いますし、真っ当な70ccで
18φであれば小さすぎるくらいなので、おっしゃる通りこういった場合は
まさに車種特有の設計を見極めないと有用にはならない、とも
言えるかと思いますよ。

…逆に、エアクリに穴を開けないとキャブセットが上手く出来ない、とか
わけのわからないパターンというのも世の中には存在するみたいですが
それってエンジンそのものの吸入効率が悪すぎるからこそそうなって
いるのであり、別にキャブやエアクリは悪くなかったりもしますんで(笑


> 前にパワフィルに変えてセッティングを出したことがありますが、セッティングが非常にシビアになり
> パワー的にもメリットは殆ど無かったもので・・・・

そういった事であれば、少なくとも現状の仕様においては社外品の
そのパワーフィルターでは全く意味&メリットが無いという事ですね。
…別に、パワーフィルターでもモノによっては多少のメリットは出て
くるものなのですが、吸気抵抗が小さくなっているのにセットが
シビアになる時点でかなりおかしな設計である、とは断言出来ます。


> コレについては・・・・空気を「流体」として見た時の効率で質問してみました。
> 直キャブだとキャブの入り口がスパッとカットされてしまうわけで、そうなると
> 流体としてはあまり好ましくない状態ですよね。

うーん、直キャブで空気を流体、として考えるのであれば、それこそ
キャブ吸入口の作りや口径がかなりのウェイトを占めるんですよ。

前述の様に、VM18であれば直キャブ仕様は全く向いていないキャブの
設計、構造になっていますがこういった場合であれば、整流効果を
生み出せる様なエアクリシステムやダクト的な物が必須でしょうね。

ただし、他車種の吸入口がそれなりに良いキャブ等であれば、これは
吸気口部分の開口断面積がでかい分、「雑」ではありますが1度の
ストロークにてある程度多量のエアをロス無く吸える方向になるので、
キャブ吸入口までの整流効果が0であっても、そこから後がかなりの
高効率なので、トータルで見ればメリットが大きい、という事になります。


> それならばファンネルを付けて流体を整流さえてやれば吸入効率が上がるので、ファンネルが
> パワー的には一番上がるのかな、と思っていました。

そうですね、高性能キャブの直キャブ+「高効率のカールファンネル」と
いう仕様がおそらく一番ロスの小さい仕様である、と私も考えていますよ。

ただ、これまた前回の解説の通り、VM18だとかなりのロングで
テーパーなファンネルを用いないと直キャブでも真っ当な整流効果が
得られないはずですが、NSR50のケイヒンキャブとかTZMやTZR50の
ミクニキャブであれば、小さなファンネルでもキャブの形状としては
それなりに良くなりますから、車種、というよりはキャブによりけりですと
言えるかなとも。


> ただ、エアクリーナーBOXを用いることで空気溜まり、所謂「インテークチャンバー効果」と
> 「吸気慣性の効果」があるとまた違った話になってくるのではないか、とも思ったり。

インテークチャンバー効果は確実に影響があると思いますが、
これは吸入負圧が小さく、かつ低回転では失火の多い2stの
小排気量であればこそのメリットがあるかなと。

逆に、パワーバンドの存在する中、高回転においてはロスにしかなって
いない面もあるかと思いますが、これまたエアクリ容量や設計が十分な
ものであればそこまで極端な差が出ない事も多々ありますね。

あと、吸気慣性についてですが、これは正直エアクリやキャブの問題と
言うよりも、2stエンジンの構造上においてはあまり着目してもそこまで
メリットは無いでしょう。

ウルフ50であれば明確に分かると思いますが、インマニそのものが
クランクケースに向かって折れており、かつリードブロックは下方向へ
出口が向いているのではなく、進行方向へバルブが開く設計になって
いますよね?

こういった設計のエンジンの場合、ケースリードタイプとはいえいかに
クランクケース内にまでスムーズに混合気を吸うか、が命題になって
来ますから、吸気慣性を言うなればまずはクランクケースに近い側から
なんとかしていかないと、入り口に近い側であれこれやっても結局は
大きな効果にはなりえない、とは言えますよ。

前述された、「2stは吸気系見直しでかなり変わる」というのはまさに
このあたりの設計変更を指している部分もあり、キャブとエアクリ、
マニあたりのみをいくら手直ししても、本題のそこから「後」がイマイチに
なっているのでは意味が薄れる、という事で。

このあたりも、着眼点と言いますか設計の見極め的な部分が大きく
影響してきますが、決してまっつんさんの着眼点が悪いという訳ではなく、
「そこを鑑みるならば先に根本的な部分を見つめないと本末転倒」で
あるとも言えますので(汗

ひとつの例で、AF18系エンジン搭載のホンダ系スクーターなんかも、
ガンマウルフに似た様なマニやリードブロックの構成なんですが、
クランクケース部分の制限のある吸入部分を真っ当に加工修正して
やれば、他がフルノーマルでも結構なパワー効率を得る事が出来る、と
いう事もありますんで、どこが「ネック」になっているのかの見極めは
エンジンにおいてとーっても大切ですね。


> うーん、これ、長年の疑問なんですよね・・・・
> スクーターの場合、キャブレター・パワーフィルターの方向って、車体に対して後ろを向いているかと思うんですが
> 前に進むと、前面から雨が降りかかることになりますよね?
> で、全天候型パワフィルの場合、フィルターを包んでいるのはいいんですが、吸入口は前、進行方向を向くことになりますよね?
> それって雨を導くことになって意味無いんじゃ・・・?と思っているんです。

パワーフィルターのカバーの隙間が前方、進行方向ヘ向いて
いるタイプもありますが、この隙間って結構小さいので実際に雨が
ダイレクトに吸われる、という事もあまり無いんですよ。

そもそも、パワーフィルター等で雨を吸って不味い、というのは
「フィルター部分に水分が溜まり、全くエアが通らない」からこそ
不味いのであって、水の吸い込み具合で言うなれば、直キャブで
雨をダイレクトに吸う方がはるかに悪影響って小さいんです(笑

私はストリートならともかく、サーキットランでは雨の中を直キャブで
走ることも別段珍しくありませんが、普通に雨が降っている中で
直キャブで走っても、ガボガボいって走らないことはまず無いです。

さすがに水溜りの水を跳ね上げ、ざばっとキャブが水を吸ってしまうと
ちょっとは不味いですが、それも一瞬のレスポンスの消失のみで
その程度の水分はすぐにエンジン内で燃焼されてしまいますんで。

このあたりは、フィルター部分に「水が溜まる」からこそ不味いと
いう事なのであり、下手にパワーフィルターを装着する位なら
直キャブの方がはるかに雨の影響は小さい、とだけは言えますね。

補足で、全天候型パワーフィルターというモノは…
その隙間が小さいが故に余計に雨水がそこのみに集中し、
水が溜まりやすいフィルター材質や形状もあるので、実際には
雨で使用するには最悪のチョイスであるかとも(笑


> ただ、私の場合、ロータリーをチューニングしている(しかもほとんどフルチューンの物)こともあり
> 吸気する空気の質、吸気温度をとっても気にしてしまう所があるんですよね。
> ロータリーは吸気温度や質によって寿命やパワーが大きく異なってしまうデリケートなエンジンですので・・・・。

ええ、これはロータリーエンジンの経験があってこその貴重な
ご意見かと思います。
しかし、少なくともエンジンがむき出しに近い通常のバイクエンジンの
レイアウトでは、エアクリーナー吸入口の位置がどこであれ、そこまで
極端な差は出ない、とも言えますしね。

もちろん、吸気温度低下を行った場合の効果は0ではない
はずですが、狙って大きな効果を得たり、ものすごく不味い状況に
陥る、といった面は極小であろう、と私は分析していますよ。


> まぁ、構造・排気量が大きく異なり、しかもターボ付きでインジェクションとなれば
> 「何言ってんだこいつ・・・」と思われても何も言えませんがorz

いえいえ、それはそれで良い経験をお持ちだとは思います。
が、これまた私の口癖の様なモノですが…何でも同じ様に知識の
流用が効く訳ではなく、2stというモノはただでさえ基本レベルの
理解すらされづらいエンジンであり、このあたりは難しいからこそ
面白い、という事でひとつ。


> ウルフはもう10年以上乗っている文字通りの愛車となりますが、そろそろ腰下がダメになってきているようですので
> 腰下のOHとリフレッシュがしたいまっつんでした。

なるほど、長く乗られているのであれば腰下もO/Hしておいて
損はありませんしね。
劣化しまくったパーツがクランクケースに悪影響を及ぼす前に
一度はO/Hしておかないと手遅れになっても不味いので(汗

このあたりは時間をじっくりかけ、ご自分にてトライされてみるのも
なかなか面白いと思いますよ〜


ではでは、今回も長ったらしくなりましたがツッコミあればまた
よろしくです(笑
管理人でした〜

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