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記事No 7018
タイトル ロングクランク42.5mmの導入について・・
投稿日 : 2016/04/14(Thu) 20:36:08
投稿者 AF35ZX仕様 りょう
参照先
以前、パワージェットの補修でお世話になりました。
兵庫県のAF35ZX仕様のりょう です。
先日は一緒に悩んで頂いてありがとうございました。
いつも、色々参考にさせて頂いております。

以前の仕様(だとう4st125)(ピストンリングとピストンは新品)を作ったときは、結構な加速と伸びだったのですが、ベルトも0.2mmほど摩耗し、気温のせいでセッティングも狂い、吸入音がうるさいので自作エアクリ等を作り(恥ずかしい位カッコ悪い・・)りセッティング済み
乗りなれてきたせいもあるのか、少しパワー感が落ちたような・・・
でも先日シグナスXに全く歯が立たない位スタートから離されました。(弄ってた?)
そこで!
最近ロングクランクに興味をもち、それについてのについての質問なんですが・・・・

現在、(アルミボアアップキット 47mm 67.9cc)を使用しております。
(排気ポートタイミングノーマルと同じ上し点から24mmです。拡大のみ)
現在ノーマルクランク(工程39.3mmです。)

良くネット販売されている赤ロングクランク(工程42.5mm)を導入するには、
ttp://item.rakuten.co.jp/autopartsu/crlh-15/

ベースガスケットを何ミリにすれば現在のポートタイミングを維持出来るでしょうか?
●あるHPを参考にすると、39.3mmの工程を42.5mmに変更すると上し点24mmの排気ポートタイミングなら計算によると上し点25.954mmと成りました。
シリンダーのベースを削らないとダメでしょうか?

初めは単純に、工程の増えた分3.2mm÷2=1.6mm
をベース1.6mmUPガスケットとヘッド1.6mmガスケットを良いのかなって考えてました。

若し、ポートタイミングを合わせる為にベースを削るとなると、上し点でピストンがかなり飛び出しますよね?
ヘッドガスケットの厚みでカバー出来るものでしょうか?

シリンダー若しくはベースガスケットやヘッドガスケット等はどのように加工してセットするものでしょうか?
具体的にベースパッキンの厚みとヘッドガスケットの厚み等の調整方法が判りません?

工程が3.2mmも変わると、当然ヘッドの容量アップも必衰ですよね。
Gアクシス等では、定番のチューンですね。
こんなに悩むんなら、JF06の100ccエンジンをチューニングした方が効果絶大かも
知れませんね(笑)

もしロングクランク導入の経験が御有りなら、
今のところ、ロングクランクの導入を考えていますので、お力添えお願いします。

AF35ZX仕様 りょう


記事No 7019
タイトル Re: ロングクランク42.5mmの導入について・・
投稿日 : 2016/04/17(Sun) 08:06:25
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com/
AF35ZX仕様りょうさんお久しぶりでございます〜
最近はスパム書き込みに悩まされている管理人です(泣

さてさて、パワージェットを補修された件についてはその後問題なく運用が
行えていますかね?
キャブですから一度固定しておけばそれなりに持つとは思いますがなんとなく
気になってしまうお年頃です(笑


> 以前の仕様(だとう4st125)(ピストンリングとピストンは新品)を作ったときは、結構な加速と伸びだったのですが、ベルトも0.2mmほど摩耗し、気温のせいでセッティングも狂い、吸入音がうるさいので自作エアクリ等を作り(恥ずかしい位カッコ悪い・・)りセッティング済み
> 乗りなれてきたせいもあるのか、少しパワー感が落ちたような・・・

セッティングの範囲ですが、これってば私は個人的アドバイスの方向性としては
多少、季節や気温が変わったところであからさまにおかしくなる様なセッティングは
形作らない、といった点を旨としていますよ。

さすがに氷点下の気温と真夏の40℃近い気温では差が出ても仕方ありませんが、
ジェッティングであれば限界まで濃い薄いのどちらかに詰めるではなく、どっちも
体感した上での「中間点」に合わせるのが一番ベターになる、と信じてますね〜


> 現在、(アルミボアアップキット 47mm 67.9cc)を使用しております。
> (排気ポートタイミングノーマルと同じ上し点から24mmです。拡大のみ)
> 現在ノーマルクランク(工程39.3mmです。)
>
> 良くネット販売されている赤ロングクランク(工程42.5mm)を導入するには、
> ttp://item.rakuten.co.jp/autopartsu/crlh-15/
>
> ベースガスケットを何ミリにすれば現在のポートタイミングを維持出来るでしょうか?

そして本題ですが、ボアアップキット構成に加えてストロークアップを考えられて
いるのですね。
こちら、最初に記しておきますがそれなりに難しい事であり、各部分析を正確に
行った後でも、その調整そのものが「物理的寸法により許容範囲から逸脱する」と
いった事も多数あるのがストロークアップである、といった事をご留意下さいな。

以下、りょうさんご自身がそれなりに各部の働きや数値の意味合いを理解して
おられる、といった前提にてお話を進めますので、不明瞭な点があればさくっと
ご指摘下さい。
かなり長くなりますがそれでも説明なんてしきれない位難しい、という事で。


まず前提条件として排気ポートタイミングですが、条件は以下とします。

・排気ポート開口タイミング=ピストン上死点から24mm
・コンロッド長=80mm(ノーマル)
・ストローク=39.3mm
・ピストン上死点時のシリンダー上面からの「肩落ち」=0mm(無しという事で)

この条件だと、現在の排気ポートタイミングは「BBDC84.4°」になりますね。
百分台は四捨五入です。
(…失礼ながらこのタイミングではパワー主体といった方向性としては遅いですが)


が、ここで気を付けないといけないのが、これはピストンが上死点にいる時に、
ピストンの「肩」がシリンダー上面とツライチ状態で、「ピストンの肩落ち」が
0mmである、といった条件の下の計算になります。

りょうさんのデータですと肩落ち値が明記されていませんが、社外品のボアアップ
キットだと完全に0、という物は私は見た事がありませんのでその数値の勘定を
されていないのでは、とも(汗

ちなみにライブDio系腰上の場合、純正ノーマルでも肩落ちは0.1〜0.2mm程度は
存在しているので、完全な0ではなくポートタイミングを計算する場合には
この数値は必須であり、社外品だとmm単位で存在する事もあるので注意です。

で、この肩落ち値を勘定に入れない場合だとかなり狂いが生じますが…
ポート開口時のタイミング、というのはあくまでピストンの「肩部分」が
ポートを開かせる瞬間までにいくつストロークしたか、ですからね。

仮に、「シリンダー上面から」排気ポート開口部までが24mmであったとしても、
上死点時のピストンの肩落ちが1mmあるのであれば、排気ポートが開くまでの
ストロークは23mm分しかなく、これだとタイミングとしては「BBDC87.4°」に
なりますんで。

ちなみにこのあたりの計測方法は当HPのどっかにも記してはいますが…
ノーマル純正構成の寸法、というものをきちんと理解しておけば、パーツ単位で
社外品を計測して計算するだけで各部の数値等は算出出来ます。

ざっとですが、ライブDio系腰上だとシリンダー全長58.5mm前後、ベースガスケット
0.5mmのシリンダー構成にて、ストローク39.3mmのコンロッド長80mmに対して
ピストンのピン上、すなわちピストンピン中心部からピストンの「肩」までの
距離は「25.3mm」としています。これで肩落ちは0ではなくわずかにあります。

なので、これらの数値を元として社外品の寸法を当てはめていけば、ピストンの
肩落ち、というのもきちんと把握出来ますので参考までに。


> ●あるHPを参考にすると、39.3mmの工程を42.5mmに変更すると上し点24mmの排気ポートタイミングなら計算によると上し点25.954mmと成りました。

ご自身にて計算された様ですが、一応再計算してみますね。
条件は前述の物と同じとし、ストロークアップ「のみ」させた状態にての排気ポート
タイミングを算出してみましょう。

・排気ポート開口タイミング=ピストン上死点から24mm
・コンロッド長=80mm(大抵の社外品はノーマル準拠)
・ストローク=42.5mm
・ピストン上死点時のシリンダー上面からの「肩落ち」=マイナス1.6mm

で、この場合だとピストン肩落ちに着目して頂きたいですが、元々の状態にて
ピストン肩落ちが0mmであったとしても、ストロークが増えればピストンの
上死点の位置は「上がる」ので、単純に増えたストローク値の半分の値だけ
ピストンの肩位置が変更になります。

ストロークの増えた分は「3.2mm」ですからその半分の「1.6mm」分はピストンの
肩位置が上がりますから、「肩落ち」値は-1.6mm、としています。
シリンダー上面よりピストンの肩が飛び出ている、という事ですね。

この条件にて排気ポート開口タイミングを計算すると、「BBDC86°」です。
要は、ピストンの肩が排気ポートを開くまでのストローク値は24mm+1.6mmに
なるので25.6mm分、という事ですね。


で、この状態から元々のノーマルストローク状態で排気ポート開口部24mmと
同じタイミング、BBDC84.4°にするには…
排気ポート開口タイミングの位置はシリンダー上面から「24.57mm」あたりです。
ベースガスケットのみの変更で排気ポートタイミングを同じにするには、
追加ではなく他の手法が必要になります。

…百分台は指定しても調整なんて不可能なので参考までに、ですが、正直
これだけしか変わらないの?と思われるかなとも。
が、こういうのってクランクの回転角度のどこでも一律で同じ様な数値の
変化が起こるのではなく、かなりの差があるものなので元々これだけ遅めの
タイミングだと変化率が小さい、というだけのお話ですね。


なので、りょうさんの計算はどこか間違っているのでは、と思いますが…
計算式等を置いてあるサイトの式だと、肩落ち値を入力したり、換算して
入力したりしないとはっきりとした計算にはならない事も多いので注意ですよ。

ちなみに、42.5mmストローク仕様としてピストンの肩落ちが0、この状態で
排気ポート開口部までが25.954mmあったとしても、その場合の開口タイミングは
「BBDC85°」程度になります。

0.6°なら別に誤差の範囲でも良いのですが、この計算結果から逆算するにおそらく
りょうさんの計算ではストロークアップに伴うピストンの肩位置を加味されていない
可能性がある、という事になってしまいますね(汗


なお、当HPでもざっとした解説と計算式を配布してますんで参考までに。

ttp://www.neginoleader.com/scooter_tuning/scooter_tuning45/scooter_tuning45.html

ここの真ん中ちょい上辺りに計算式も忍ばせてます(笑


> シリンダーのベースを削らないとダメでしょうか?

次にこの辺りですが、シリンダーのベースを削る削らない、というのは前述の様に
各部の寸法からの設計にて、どこの部分をどれだけ加工すれば辻褄が合う、といった
事を決めつつ勘定に入れていくものであり、大前提となるポートタイミングの相違等が
きっちり算出されていないのではそれ以前の問題になります。

加工が少ないに越したことはありませんが、シリンダー下面を落とす、となれば
ストロークアップではあまり用いない方向性になりますね。
ピストンのピン上が異常に短い物を流用するとか、排気タイミングが合っても掃気の
タイミングが合わない等、色々な場面で採用する場合もあるにはありますが…


> 初めは単純に、工程の増えた分3.2mm÷2=1.6mm
> をベース1.6mmUPガスケットとヘッド1.6mmガスケットを良いのかなって考えてました。

これに関しては言うまでもありませんが、そんな簡単な方法で辻褄が合えば
誰も苦労はしませんし、残念ですがそのレベルだとストローク値とクランク回転
角度は正比例しない、といった基本中の基本を分かっていない残念なレベルです(泣

後、ややこしくなるので後述しますが圧縮比の事も考えないといけませんからね。


> 若し、ポートタイミングを合わせる為にベースを削るとなると、上し点でピストンがかなり飛び出しますよね?
> ヘッドガスケットの厚みでカバー出来るものでしょうか?

もしもシリンダーのベース面を落とした場合、おっしゃる通りでピストン上死点時の
肩落ち、と言いますか飛び出しはかなり大きくなります。
このあたりをカバーしなければならない場合、ヘッドガスケットではなくスペーサーを
こしらえた上で、私は「ヘッドガスケットでサンドイッチ」して対応させますよ。
もちろん、必要な「厚み」というのは先に設計がありき、です。

ミリ単位のスペーサーとなればそれなりの素材で無いといけませんが、そんな硬い
物体をアルミのヘッドはともかく鋳鉄のシリンダー上面に押し付けるだけで
きちんとした「ガスケット効果」なんて出るはずありませんのでね。

これも今の時代ですからはっきり言いますが、潰れづらい素材で厚いスペーサーを
こしらえた場合に、そのままシリンダーとヘッドもしくはケース側に挟むだけ、と
いうのは愚の骨頂でしかない、と断言しましょう。


> シリンダー若しくはベースガスケットやヘッドガスケット等はどのように加工してセットするものでしょうか?
> 具体的にベースパッキンの厚みとヘッドガスケットの厚み等の調整方法が判りません?

なので前述した様に、これはそう簡単に「具体的」な手法があれば苦労はしないんです。
まずはノーマルに対してのストロークアップのみを行った場合のポートタイミングの
相違を確認し、何をどう「位置関係の変更」を行えば目指す方向性に近くなるのか、
もしくはポートであればどの位タイミングを加工すれば許容範囲に収まるのか、を
「最初に間違いなく設計する」事こそが具体的手法の第一歩である、という事ですね。

ちなみにこういったポートタイミングの調整は、排気ポートのタイミングよりも
掃気タイミングの辻褄を合わせる方が難しく、そういった意味合いの方が大きい、と
いう事もポイントです。


このあたりはですね、りょうさんがそれらをしっかりお勉強した上である程度確実な
調整範囲を目指す、といった気概でおありであれば私もアドバイスさせて頂きたく
考えておりますよ。

ざっとここまで記したアドバイスのみでもまだ第一歩にすら到達していませんし、
少しずつでないとまず把握なんか出来ない位の情報量になるのでそのあたりは
ご了承願います。
…決して教えないよーとかって言ってるワケではありませんので誤解なき様に
お願いしますね。

まずは、肩落ち値を加味しているのかしていないのか、その結果での算出値にも
間違いはないのか、といった点からスタートですよ。



> 工程が3.2mmも変わると、当然ヘッドの容量アップも必衰ですよね。

圧縮比の件ですが、これは試算するのは最後に回しても良いでしょう。
当然、ストロークアップを行ってポートタイミングを調整した場合、スペーサー
等をヘッド&ベース側に用いた場合だと圧縮比は無茶苦茶になります。

仕様変更を行うのであれば、最低限度「現状の圧縮比」が分かっていないと
変更どころの騒ぎではありませんのでね。

これもいつものクチですが、コンプレッションゲージで計測して近似値ならば
OK、とかの手法を取るならばそれはエンジンをナメきっているだけ、とはっきり
断言させて頂きましょう(笑


> Gアクシス等では、定番のチューンですね。

いや、これは別にグランドアクシスのみならず多種多様な車種でストローク
アップのパーツはあるので私に言わせればどんな車種でも辻褄合わせを
行ってさえいれば定番である、と考えますよ。

…こういっては何ですが、グランドアクシス系のチューンだと前述の圧縮
「圧力」云々の間違った例が多いのと同じで、下手にパーツが選べるせいか
ストロークアップについても無茶苦茶な情報が散見されやすいですが_| ̄|○

これもはっきり言わせて頂きますが、ロングストローククランクシャフトを
用いたとしても、各部の辻褄あわせがしっかり出来る人なんてのは20〜30人に1人
居れば良い方だと私は考えていたりしますしね。

ある程度ではなく、きちんとやらないとお金を捨ててエンジンパワーをボケさせる
だけになるのがこのあたりのチューンですんで。
ストロークアップさせたらパワーバンド以下のパワーが出てピークはボケた、とか
わけのわからん事になるのは大抵の場合、ちゃんと調整出来てないからです。
表現としての「トルク型になる」なんて私から言わせれば大爆笑レベルなので(笑


> こんなに悩むんなら、JF06の100ccエンジンをチューニングした方が効果絶大かも
> 知れませんね(笑)

…これも夢を壊す様で申し訳ありませんが、リード100エンジンだとしても
ノーマル状態の特性等をしっかり把握し、仮にポートタイミングとかって一体
どうなっているのか、を分析していないと、ただ排気量がでかいだけの物に
なりかねません。

前述のグランドアクシス系なんてまさにその典型例なのですが、それなりの
排気量があるからこそ大きな間違いがあっても普通に乗るのにはそこまで問題が
無い位に留まってしまう、というのがミソなんです。

これが50ccベースの60や70cc程度だとそうは行かず、ボアストロークアップで
変化する排気量等も原付二種ベースとは比較にならない位比率がでかいので、
世の中甘くは無いです、という事だったりしますけれどね〜


> もしロングクランク導入の経験が御有りなら、
> 今のところ、ロングクランクの導入を考えていますので、お力添えお願いします。

これに関しては、ホンダヤマハスズキ問わず、かなりの車種にてボアアップや
ストロークアップ、もしくはその両方を用いた辻褄合わせの設計や改良を行って
きた経験はあります、と記しておきます。

…これまた他人様を馬鹿にするワケではありませんが、やりたいけど前述の様な
辻褄合わせのやり方がわからない、といった方から依頼を受けることも珍しくは
ありませんし、基本は分かっているつもりなので車種や仕様を問わずやれるのが
私の武器でもある、とは自負しておりますんで(笑

当然ですが、巷に溢れている様な適当な事は行いませんし、間違ってもいないと
考えていますし調整の上で齟齬や限界があれば「どこを妥協するか」の見極めも
出来る事は出来ます、という事で…

一応、多少の対価は頂戴しますが仕様変更に伴う分析や加工、調整等も個人的に
お受けしてはおりますんでどうしてもダメだった、という事になれば私の力で
宜しければお貸しする事も可能なのでよろしくです。

が、重ねて申しますがご自身にて各部のあれこれを理解した上でチャレンジしたい、
加工は無理な点があってもこうしたい、といった指標を形作りたいという事で
あればアドバイスはさせて頂きますので。


ではでは、今回はこんなところで失礼します。
管理人でした〜


P・S
画像は自作エアクリでしょうか?根元がユニフィルターの接続部になってたり
するのが素敵だと思いますよ〜
が、容量はもうちょっと大きい方が融通が利きそうな気がします(汗

記事No 7023
タイトル Re^2: ロングクランク42.5mmの導入について・・
投稿日 : 2016/05/02(Mon) 20:57:16
投稿者 AF35ZX仕様 りょう
参照先
すみませんレス遅くなってしまいました。
先ず、これだけの長文 赤の他人の私の質問に回答を頂きありがとうございます。

初めに見たときに、こりゃ時間のあるときに熟読しなけりゃと思いついつい
レスが遅くなってしまいました。


> さてさて、パワージェットを補修された件についてはその後問題なく運用が
> 行えていますかね?
> キャブですから一度固定しておけばそれなりに持つとは思いますがなんとなく
> 気になってしまうお年頃です(笑

●パワージェットの件は、ホントお世話になりました。
おかげさまで、現在も問題なく当初の強度を保ち順調に機能しております。


> セッティングの範囲ですが、これってば私は個人的アドバイスの方向性としては
> 多少、季節や気温が変わったところであからさまにおかしくなる様なセッティングは
> 形作らない、といった点を旨としていますよ。

●あっ!
これは、パワフィルが煩くて、エアクリを作成したのでセッティング
し直しました。
確かに、静かには成りましたが容量不足な感じは否めません。
それにカッコ悪いですね(笑)


> そして本題ですが、ボアアップキット構成に加えてストロークアップを考えられて
> いるのですね。
> こちら、最初に記しておきますがそれなりに難しい事であり、各部分析を正確に
> 行った後でも、その調整そのものが「物理的寸法により許容範囲から逸脱する」と
> いった事も多数あるのがストロークアップである、といった事をご留意下さいな。
>
> 以下、りょうさんご自身がそれなりに各部の働きや数値の意味合いを理解して
> おられる、といった前提にてお話を進めますので、不明瞭な点があればさくっと
> ご指摘下さい。
> かなり長くなりますがそれでも説明なんてしきれない位難しい、という事で。
>
>
> まず前提条件として排気ポートタイミングですが、条件は以下とします。
>
> ・排気ポート開口タイミング=ピストン上死点から24mm
> ・コンロッド長=80mm(ノーマル)
> ・ストローク=39.3mm
> ・ピストン上死点時のシリンダー上面からの「肩落ち」=0mm(無しという事で)
>
> この条件だと、現在の排気ポートタイミングは「BBDC84.4°」になりますね。
> 百分台は四捨五入です。
> (…失礼ながらこのタイミングではパワー主体といった方向性としては遅いですが)
>
>
> が、ここで気を付けないといけないのが、これはピストンが上死点にいる時に、
> ピストンの「肩」がシリンダー上面とツライチ状態で、「ピストンの肩落ち」が
> 0mmである、といった条件の下の計算になります。
>
> りょうさんのデータですと肩落ち値が明記されていませんが、社外品のボアアップ
> キットだと完全に0、という物は私は見た事がありませんのでその数値の勘定を
> されていないのでは、とも(汗

> で、この肩落ち値を勘定に入れない場合だとかなり狂いが生じますが…
> ポート開口時のタイミング、というのはあくまでピストンの「肩部分」が
> ポートを開かせる瞬間までにいくつストロークしたか、ですからね。
>
> 仮に、「シリンダー上面から」排気ポート開口部までが24mmであったとしても、
> 上死点時のピストンの肩落ちが1mmあるのであれば、排気ポートが開くまでの
> ストロークは23mm分しかなく、これだとタイミングとしては「BBDC87.4°」に
> なりますんで。

> ざっとですが、ライブDio系腰上だとシリンダー全長58.5mm前後、ベースガスケット
> 0.5mmのシリンダー構成にて、ストローク39.3mmのコンロッド長80mmに対して
> ピストンのピン上、すなわちピストンピン中心部からピストンの「肩」までの
> 距離は「25.3mm」としています。これで肩落ちは0ではなくわずかにあります。

●いやぁ、凄くシビアなものなのですね!
肩おちとは、上死点の時にシリンダとピストン上部のツラが出ているかって事でしょうか?
ストロークを伸ばせば、確かに排気ポートにタイミングを合わせるか、掃気ポート
に合わせるか等の矛盾が生じるのでしょうね?

> ご自身にて計算された様ですが、一応再計算してみますね。
> 条件は前述の物と同じとし、ストロークアップ「のみ」させた状態にての排気ポート
> タイミングを算出してみましょう。
>
> ・排気ポート開口タイミング=ピストン上死点から24mm
> ・コンロッド長=80mm(大抵の社外品はノーマル準拠)
> ・ストローク=42.5mm
> ・ピストン上死点時のシリンダー上面からの「肩落ち」=マイナス1.6mm
>
> で、この場合だとピストン肩落ちに着目して頂きたいですが、元々の状態にて
> ピストン肩落ちが0mmであったとしても、ストロークが増えればピストンの
> 上死点の位置は「上がる」ので、単純に増えたストローク値の半分の値だけ
> ピストンの肩位置が変更になります。
>
> ストロークの増えた分は「3.2mm」ですからその半分の「1.6mm」分はピストンの
> 肩位置が上がりますから、「肩落ち」値は-1.6mm、としています。
> シリンダー上面よりピストンの肩が飛び出ている、という事ですね。
>
> この条件にて排気ポート開口タイミングを計算すると、「BBDC86°」です。
> 要は、ピストンの肩が排気ポートを開くまでのストローク値は24mm+1.6mmに
> なるので25.6mm分、という事ですね。

●これは理解できます。

> で、この状態から元々のノーマルストローク状態で排気ポート開口部24mmと
> 同じタイミング、BBDC84.4°にするには…

●成るほど!(点火時期の問題?)
ノーマルと同じBBDC84.4°にする必要があるわけですね!


> 排気ポート開口タイミングの位置はシリンダー上面から「24.57mm」あたりです。
> ベースガスケットのみの変更で排気ポートタイミングを同じにするには、
> 追加ではなく他の手法が必要になります。
>
> …百分台は指定しても調整なんて不可能なので参考までに、ですが、正直
> これだけしか変わらないの?と思われるかなとも。
> が、こういうのってクランクの回転角度のどこでも一律で同じ様な数値の
> 変化が起こるのではなく、かなりの差があるものなので元々これだけ遅めの
> タイミングだと変化率が小さい、というだけのお話ですね。

>
> なので、りょうさんの計算はどこか間違っているのでは、と思いますが…
> 計算式等を置いてあるサイトの式だと、肩落ち値を入力したり、換算して
> 入力したりしないとはっきりとした計算にはならない事も多いので注意ですよ。


●確かに言われるように、適当な計算式だったかもしれません。


> ちなみに、42.5mmストローク仕様としてピストンの肩落ちが0、この状態で
> 排気ポート開口部までが25.954mmあったとしても、その場合の開口タイミングは
> 「BBDC85°」程度になります。
>
> 0.6°なら別に誤差の範囲でも良いのですが、この計算結果から逆算するにおそらく
> りょうさんの計算ではストロークアップに伴うピストンの肩位置を加味されていない
> 可能性がある、という事になってしまいますね(汗


> なお、当HPでもざっとした解説と計算式を配布してますんで参考までに。
>
> ttp://www.neginoleader.com/scooter_tuning/scooter_tuning45/scooter_tuning45.html
>
> ここの真ん中ちょい上辺りに計算式も忍ばせてます(笑

> > シリンダーのベースを削らないとダメでしょうか?
>
> 次にこの辺りですが、シリンダーのベースを削る削らない、というのは前述の様に
> 各部の寸法からの設計にて、どこの部分をどれだけ加工すれば辻褄が合う、といった
> 事を決めつつ勘定に入れていくものであり、大前提となるポートタイミングの相違等が
> きっちり算出されていないのではそれ以前の問題になります。
>
> 加工が少ないに越したことはありませんが、シリンダー下面を落とす、となれば
> ストロークアップではあまり用いない方向性になりますね。
> ピストンのピン上が異常に短い物を流用するとか、排気タイミングが合っても掃気の
> タイミングが合わない等、色々な場面で採用する場合もあるにはありますが…

●なにやら、色んなサイトを見たせいで考え方がごちゃ混ぜに成っていました。
なるほどです。
>
> > 初めは単純に、工程の増えた分3.2mm÷2=1.6mm
> > をベース1.6mmUPガスケットとヘッド1.6mmガスケットを良いのかなって考えてました。
>
> これに関しては言うまでもありませんが、そんな簡単な方法で辻褄が合えば
> 誰も苦労はしませんし、残念ですがそのレベルだとストローク値とクランク回転
> 角度は正比例しない、といった基本中の基本を分かっていない残念なレベルです(泣

> 後、ややこしくなるので後述しますが圧縮比の事も考えないといけませんからね。

> もしもシリンダーのベース面を落とした場合、おっしゃる通りでピストン上死点時の
> 肩落ち、と言いますか飛び出しはかなり大きくなります。
> このあたりをカバーしなければならない場合、ヘッドガスケットではなくスペーサーを
> こしらえた上で、私は「ヘッドガスケットでサンドイッチ」して対応させますよ。
> もちろん、必要な「厚み」というのは先に設計がありき、です。
>
> ミリ単位のスペーサーとなればそれなりの素材で無いといけませんが、そんな硬い
> 物体をアルミのヘッドはともかく鋳鉄のシリンダー上面に押し付けるだけで
> きちんとした「ガスケット効果」なんて出るはずありませんのでね。
>
> これも今の時代ですからはっきり言いますが、潰れづらい素材で厚いスペーサーを
> こしらえた場合に、そのままシリンダーとヘッドもしくはケース側に挟むだけ、と
> いうのは愚の骨頂でしかない、と断言しましょう。
>
●やはり、ハードル高いですね。
アルミで0.5〜1mm厚以上にスペーサー作る道具や技術も必要ですし・・・・

> まずはノーマルに対してのストロークアップのみを行った場合のポートタイミングの
> 相違を確認し、何をどう「位置関係の変更」を行えば目指す方向性に近くなるのか、
> もしくはポートであればどの位タイミングを加工すれば許容範囲に収まるのか、を
> 「最初に間違いなく設計する」事こそが具体的手法の第一歩である、という事ですね。
>
> ちなみにこういったポートタイミングの調整は、排気ポートのタイミングよりも
> 掃気タイミングの辻褄を合わせる方が難しく、そういった意味合いの方が大きい、と
> いう事もポイントです。
>
>
> このあたりはですね、りょうさんがそれらをしっかりお勉強した上である程度確実な
> 調整範囲を目指す、といった気概でおありであれば私もアドバイスさせて頂きたく
> 考えておりますよ。
>
> ざっとここまで記したアドバイスのみでもまだ第一歩にすら到達していませんし、
> 少しずつでないとまず把握なんか出来ない位の情報量になるのでそのあたりは
> ご了承願います。
> …決して教えないよーとかって言ってるワケではありませんので誤解なき様に
> お願いしますね。
>
> まずは、肩落ち値を加味しているのかしていないのか、その結果での算出値にも
> 間違いはないのか、といった点からスタートですよ。
>
●肩落ちの意味を、言われて初めて知りました。
そらそうですよね、基本のスタート位置が出ていなければダメですね。

>
> > 工程が3.2mmも変わると、当然ヘッドの容量アップも必衰ですよね。
>
> 圧縮比の件ですが、これは試算するのは最後に回しても良いでしょう。
> 当然、ストロークアップを行ってポートタイミングを調整した場合、スペーサー
> 等をヘッド&ベース側に用いた場合だと圧縮比は無茶苦茶になります。
>
> 仕様変更を行うのであれば、最低限度「現状の圧縮比」が分かっていないと
> 変更どころの騒ぎではありませんのでね。
>
> これもいつものクチですが、コンプレッションゲージで計測して近似値ならば
> OK、とかの手法を取るならばそれはエンジンをナメきっているだけ、とはっきり
> 断言させて頂きましょう(笑

●かなり厳しいですね(笑)
シリンダ容積対シリンダヘッドの容量の計算でしょうか?


> …こういっては何ですが、グランドアクシス系のチューンだと前述の圧縮
> 「圧力」云々の間違った例が多いのと同じで、下手にパーツが選べるせいか
> ストロークアップについても無茶苦茶な情報が散見されやすいですが_| ̄|○
>
> これもはっきり言わせて頂きますが、ロングストローククランクシャフトを
> 用いたとしても、各部の辻褄あわせがしっかり出来る人なんてのは20〜30人に1人
> 居れば良い方だと私は考えていたりしますしね。
>
●考えて行くと確かに複雑すぎますよね。
言われるように、こんなの普通に理解して、出来ている人は少ないですね。

> ある程度ではなく、きちんとやらないとお金を捨ててエンジンパワーをボケさせる
> だけになるのがこのあたりのチューンですんで。
> ストロークアップさせたらパワーバンド以下のパワーが出てピークはボケた、とか
> わけのわからん事になるのは大抵の場合、ちゃんと調整出来てないからです。
> 表現としての「トルク型になる」なんて私から言わせれば大爆笑レベルなので(笑
>
>
> > こんなに悩むんなら、JF06の100ccエンジンをチューニングした方が効果絶大かも
> > 知れませんね(笑)
>
> …これも夢を壊す様で申し訳ありませんが、リード100エンジンだとしても
> ノーマル状態の特性等をしっかり把握し、仮にポートタイミングとかって一体
> どうなっているのか、を分析していないと、ただ排気量がでかいだけの物に
> なりかねません。
>
> 前述のグランドアクシス系なんてまさにその典型例なのですが、それなりの
> 排気量があるからこそ大きな間違いがあっても普通に乗るのにはそこまで問題が
> 無い位に留まってしまう、というのがミソなんです。
>
> これが50ccベースの60や70cc程度だとそうは行かず、ボアストロークアップで
> 変化する排気量等も原付二種ベースとは比較にならない位比率がでかいので、
> 世の中甘くは無いです、という事だったりしますけれどね〜
>

> これに関しては、ホンダヤマハスズキ問わず、かなりの車種にてボアアップや
> ストロークアップ、もしくはその両方を用いた辻褄合わせの設計や改良を行って
> きた経験はあります、と記しておきます。
>
> …これまた他人様を馬鹿にするワケではありませんが、やりたいけど前述の様な
> 辻褄合わせのやり方がわからない、といった方から依頼を受けることも珍しくは
> ありませんし、基本は分かっているつもりなので車種や仕様を問わずやれるのが
> 私の武器でもある、とは自負しておりますんで(笑
>
> 当然ですが、巷に溢れている様な適当な事は行いませんし、間違ってもいないと
> 考えていますし調整の上で齟齬や限界があれば「どこを妥協するか」の見極めも
> 出来る事は出来ます、という事で…
>
> 一応、多少の対価は頂戴しますが仕様変更に伴う分析や加工、調整等も個人的に
> お受けしてはおりますんでどうしてもダメだった、という事になれば私の力で
> 宜しければお貸しする事も可能なのでよろしくです。
>
> が、重ねて申しますがご自身にて各部のあれこれを理解した上でチャレンジしたい、
> 加工は無理な点があってもこうしたい、といった指標を形作りたいという事で
> あればアドバイスはさせて頂きますので。
>
> ではでは、今回はこんなところで失礼します。
> 管理人でした〜

●一言に ロングクランクを入れると言っても、ボアアップキットを入れるのとは
訳が違うって事を悟りました。(笑)
ボアアップでも突き詰めれば、ポートの形状や大きさや角度やタイミングなど
キリが無い位ありますが、ロンクラは私にはハードル高過ぎますね。
他のHPには、簡単な感じで書いてますが、キッチリ説明された所は無かったように
思います。
リーダーの言われるように、20〜30人に一人ってのが現実かも知れません。
今回ロングクランクは、諦めます。
実に親身に書かれた長文の回答ありがとうございました。


> P・S
> 画像は自作エアクリでしょうか?根元がユニフィルターの接続部になってたり
> するのが素敵だと思いますよ〜
> が、容量はもうちょっと大きい方が融通が利きそうな気がします(汗

もう少し、容量確保したかったのですが丁度良い容器が見つかりませんでした。
近所迷惑防止のため、早急に作成しました。
何か良いのないですかねぇ〜?

記事No 7029
タイトル Re^3: ロングクランク42.5mmの導入について・・
投稿日 : 2016/05/13(Fri) 09:49:09
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com/
AF35ZX仕様りょうさん毎度でございます〜
GWは色々やっててHP放置になってた管理人です(汗
ではでは早速いつものレスをば。


> ●パワージェットの件は、ホントお世話になりました。
> おかげさまで、現在も問題なく当初の強度を保ち順調に機能しております。

なるほど、パワージェットは無事動作しているのですね。
場所的にアルミ系パテが割れる事は無いとは思いますが…クランクケースの
内部とかだとさすがに時間が経つと剥離も見られるのでチェックは必要です(汗


> ●いやぁ、凄くシビアなものなのですね!

そうですね、この手の数値的な物ってのは2stエンジンとしてのノーマルの
特性、構造を見る段階でも必ず把握しなければいけないので…
シビアといえばシビアなのかもしれませんが、これってばある意味では
「当然」でもあったりしますよ。


> 肩おちとは、上死点の時にシリンダとピストン上部のツラが出ているかって事でしょうか?

ピストン上死点時にピストンの肩部分がシリンダー上面より「突出」している
場合だと「肩」は落ちてないので肩落ちとは呼ばないかもしれませんが(笑
私は便宜上、突出の場合はマイナスいくつの肩落ち値、としていたりしますね。


> ストロークを伸ばせば、確かに排気ポートにタイミングを合わせるか、掃気ポート
> に合わせるか等の矛盾が生じるのでしょうね?

うーん、これはまずストローク値のみを変更すると、まずどちらにも合わないと
いう事が前提になります。
で、その上で排気ポートも掃気ポートも、許容範囲内もしくは自分で狙っている
タイミングに「合わせられる様に調整または加工等を行う」事こそがチューニング
とも言えますね。

仮に、ストローク値を変更した場合に、排気ポートタイミングにはまあ許せる
範囲内であったとしても、掃気ポートタイミングが許容範囲から大きくズレて
しまっては全く意味がないどころかマイナスになるだけです。

掃気ポートタイミングはある程度の許容範囲、というのが確実に存在し、これが
大ハズレになっていると何をやってもノーマルレベルのパワーすら出ないので
優先度を付けるとすれば掃気タイミングの方を優先すべきでしょう。
排気ポートは加工等でもまだ調整は行いやすいですしね。

で、これは言うまでもありませんがノーマルではないピストンやシリンダー等、
社外品のボアアップキット等でも、そのあたりが真っ当になっている物って
そう簡単には存在しないので、前述しましたがノーマルとどう異なっているのか
といった点を見極めないと、ボアアップのみでも正直面白くなくパワーバンドも
存在しない様なエンジンになってしまう、といった点は多々あります…


> ●これは理解できます。
>
> > で、この状態から元々のノーマルストローク状態で排気ポート開口部24mmと
> > 同じタイミング、BBDC84.4°にするには…
>
> ●成るほど!(点火時期の問題?)
> ノーマルと同じBBDC84.4°にする必要があるわけですね!

こちら、点火時期ではありませんよ(汗
BTDCとしているのであれば「びふぉあ・とっぷ・でっどせんたー」なので
「上死点前」でのクランク角度を示しますが、私がポートタイミングとして
記しているのは「BBDC」、すなわち「びふぉあ・ぼとむ・でっどせんたー」に
なりますから、「下死点前」のクランク角度という事です。

下死点を0°とし、そこからクランクシャフトを逆に何度回せばポートが
開口するか、といった事になるので、数値が大きいほどタイミングが
「速い」んですね。
(※ウェブ上ではこれを逆表記されている事もあるので要注意です)

で、「ノーマルと同じBBDC84.4°にする必要がある」とありますが、これは
あくまで「ボアアップキットのみの状態で、ピストン上死点時の肩落ちが0、
かつ排気ポート開口位置がシリンダー上面より24mm」である場合を勝手に
私が計算しただけですから、実際にりょうさんのボアアップエンジン構成にて
「ピストンの肩落ち」がいくらか存在するのであれば排気ポートタイミングは
現在でもBBDC84.4°にはなっていない、といった点をご注意下さい。


> ●確かに言われるように、適当な計算式だったかもしれません。

計算式に関しては是非当サイト内のあれこれを参照して下さいな。
手前味噌で申し訳ありませんが、加味すべき点をきちんと考慮している
真っ当なポートタイミング計算式なので(笑


> ●やはり、ハードル高いですね。
> アルミで0.5〜1mm厚以上にスペーサー作る道具や技術も必要ですし・・・・

こちら、もしもスペーサー等を作成する「必要がある」のであればそれなりに
敷居は高くなりますが、それが必要なのかどうか、を先に見極めないと話が
進まないですよ。

正直、何をどれだけ変更すればバッチリくる、といった事を分析&設計する
方がモノ自体を作成するよりも難易度は高いんです。
図示があればそれに伴ってモノをこしらえる、ってのは設備&技術があれば
そこまで難しくはありませんが、ご自身のエンジンの特性を辻褄あわせを
分析する事の方が大変でしょう。

スペーサーなんてのも、近年であればそこそこ安価で作成出来る所も結構
ありますし、私もそうですがガレージチューナー系の人に依頼してもそこまで
高額にはならないものですしね。

もし、シリンダーのみが1mmとか1.5mmとかのかさ上げで良い、となるので
あれば、純正ベースガスケットを3枚重ねても+1mmにはなりますし、適当な
厚みのあるガスケットシートを用いて自作して重ねてもOKでしょう。

スペーサーをこしらえるにしても、安価で柔軟なアルミ製で構わないのですから
アルミの板を買ってきて下書きを行い、穴を多数開けてから丸棒やすりにて
穴から穴の間を削り取ってやる、といった事を繰り返してやればフリーハンドで
作成を行う事だって可能です。

さすがにハンドドリル程度は必要ですが、自分でやろうと思えばいくらでも手法は
あります、という事で。
…私ならその手間をお金で買って外注した方が良い、と思うフシもありますが(汗


> ●肩落ちの意味を、言われて初めて知りました。
> そらそうですよね、基本のスタート位置が出ていなければダメですね。

そうなんですよね。こういっては何ですが「ピストンの肩落ち」ってのは
車種によっては当然のごとく、社外品だと当たり前の様にあるものなので、
ここをすっ飛ばしたまま「排気ポートは上から何mmです」なんて言っても
正直、何の参考にも分析にもならないんです。

それが通じるのは全く同一の車種で純正パーツも同じエンジンの場合のみで、
チューニング的会話にて「ボアアップキットで排気ポートは上から○mm」と
言っても把握なんて出来ない、と断言しても良いでしょう。

一例で、ライブDio系と3YKのJOG系ってボア40φのコンロッド80mm、ストロークは
コンマ1の差はありますがほぼ同じ動作寸法なんですよね。

が、「ピストンの肩落ち」だとJOG系はノーマルで1mmくらい落ちているので、
こんなパターンでも「排気(掃気)ポートが上から何mm」では全く話が通じない、
という事です(笑


> ●かなり厳しいですね(笑)
> シリンダ容積対シリンダヘッドの容量の計算でしょうか?

圧縮比ですが、これは2stならではの「有効圧縮比」なので、当サイト内の
圧縮比についてのコンテンツを熟読されることをお奨めします。
シリンダー円筒容積÷ヘッド容積ではサービスマニュアル値の数値とはかけ離れて
しまいますし、その解釈は大間違いですんで。

簡単な計算式のみを記せば、ライブDio系のノーマルエンジンにて

A:排気ポート開き始め=シリンダー上面から24.5mmの体積=(4.0/2)2乗×π×2.45=30.77=cc
B:ピストン上死点時のシリンダー上面からの肩落ち量=0.2mm=(4.0/2)2乗×π×0.02=0.25cc
C:ヘッドガスケット内径42φ厚さ0.2o分の体積=(4.2/2)2乗×π×0.02=0.28cc
D:シリンダーヘッド容積=6cc(ノーマル+BR7HS)
E:ピストントップ部体積=1.6cc(ライブDio系純正ピストン実測)

A+C+D−E/B+C+D−E=

30.77cc+0.28cc+6cc-1.6cc/0.25+0.28+6cc-1.6cc=「7.19:1」

こんな感じですね。

…いつものクチですが、社外品ボアアップ等だとこれをちゃんと最初に出して
おかなければ、ノーマルよりも高いのか低いのかすら判別が付きませんから、
きちんとやりたいのであればこれは基本の計測&計算になります、という事で。


> ●考えて行くと確かに複雑すぎますよね。
> 言われるように、こんなの普通に理解して、出来ている人は少ないですね。

そうです、そこまで理解されて楽しくいじくってる方というのはかなり少ないと
いうのが現実なのですが、現在だとまだネット上の情報でも精査されて来て
いると思いますから、昔の様な無茶がまかり通っているばかりではない、と
私は信じておりますよ。

これは複雑過ぎるのではなく、そういった点を全く理解せずともエンジンという
構造体がいじくれる、といった文化的なモノにもかなりの問題がある、と私は
考えていますんで…だからこそこういったご質問等であればこそ適当な答えは
絶対に返したくない、というのが本音ですので_| ̄|○


> ●一言に ロングクランクを入れると言っても、ボアアップキットを入れるのとは
> 訳が違うって事を悟りました。(笑)
> ボアアップでも突き詰めれば、ポートの形状や大きさや角度やタイミングなど
> キリが無い位ありますが、ロンクラは私にはハードル高過ぎますね。
> 他のHPには、簡単な感じで書いてますが、キッチリ説明された所は無かったように
> 思います。

そう思われたのであれば、今回はロングクランクシャフトの投入を見送るのも
英断だと思いますよ。
勝手な分析にて、理解もしないのにやってみてナンボ、ってレベルではまず
成功しないのがこのあたりのチューンなのが現実だったり。
そーいうのはお金と時間を捨てるだけだ、というのを私自身も骨身に染みて
知ってますので(泣


> リーダーの言われるように、20〜30人に一人ってのが現実かも知れません。
> 今回ロングクランクは、諦めます。
> 実に親身に書かれた長文の回答ありがとうございました。

いえいえ、私のアドバイスにてお役に立てて頂ければ幸いですよ。
ただし、こういうのは最初におっしゃられた様に、「具体的に」説明を行うと
なれば二言三言では絶対に無理ですし、言葉悪いですが「手っ取り速い」
手法を求められている、という場合だとそんなのは絶対に不可能です、と
断言出来ますから。

正直、一番手っ取り速いのは私の様なある程度理解してる人間にモノを依頼して
完成させる事なのですが、その場合はそれなりの対価は発生しますので、
ご自身にてもっと学んだ上でやってみたい、という事であれば私からは
アドバイスを惜しむ事はありません、という事でよろしくです。


> もう少し、容量確保したかったのですが丁度良い容器が見つかりませんでした。
> 近所迷惑防止のため、早急に作成しました。
> 何か良いのないですかねぇ〜?

最後にエアクリの件ですが、容量が欲しいとなれば難しい問題ですね(汗
とはいえ、別にライブDio系のノーマルエアクリーナーでもそこまで容量が
おかしいなんて事はありませんので私はあまり気にした事が無いです。

エンジンの「吸う力」が増大すればエアクリの入り口のでかさが変わらなくとも
それなりに大量のエアを吸える様になる、というのがエンジンの基本ですよ。

で、音量を問題にするのであれば…格好は悪いかもしれませんがジャバラの
ダクトをキャブから這わせ、メットインに繋げてみるのはいかがでしょう?
これ、音量はかなり低減出来るので一つの選択肢として提案してみます。


ではでは、いつもながら長くなりましたが今回はこれにて失礼しますね。
管理人でした〜

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