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記事No 7137
タイトル 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/03/25(Sat) 21:51:23
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
新規スレッドでよろしくお願いします。

件のエンジンかからなくなった問題ですが、こちら問題なく走っていたボアアップシリンダーを下ろして、ポート加工後、組付けたらエンジンかからず、圧縮測ってみたら5kgしか出て無くて、ポート加工前は8kg出てたのに、何が悪いか分からず、バラしてリングの合口測ってみたら、1.5mm近く開いており、シリンダーの加工しかしてないのに、なぜいきなりそんなに広がったのか分からずじまいで、お手上げなので結局同じボアアップキットをもう一度買いました。

届いた新品で計測してみたらこちらは約0.13mmで、悪くないクリアランスでした。しかも1代目のキットは新品状態でリングを入れなくてもピストンがシリンダーに引っかる状態だったのに2代目キットは引っかからずにストンとピストンが落ちるクリアランスで、加工精度のバラツキが半端ない感じです。ほんとに、シュルシュルではなくストンなのでこれはこれで今度はクリアランスが多すぎるとかじゃなければ良いのですが。

クランクケースやリードバルブの問題だったら嫌だなと思い、念のためノーマルシリンダーで圧縮測ってみたらきちんと9kg出てたので、腰上の問題なのは特定できましたが、ホーニングしすぎでシリンダー内径が広がってしまったとかは納得できますが、それならなぜシリンダーをバラす前は8kg出てたのか謎すぎて未だに原因分からずでかなり気持ち悪い状況です。

とりあえずキット買い直したので原因分からずでも先には進められるのですが、これ、何か予想付くものありますかね?

記事No 7140
タイトル Re: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/03/27(Mon) 20:22:26
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ゅぅ@ジョルノさんもういっぺん毎度でっす(笑
と…今度はよく分からないトラブルの様ですね。


> こちら問題なく走っていたボアアップシリンダーを下ろして、ポート加工後、組付けたらエンジンかからず、圧縮測ってみたら5kgしか出て無くて、ポート加工前は8kg出てたのに、何が悪いか分からず

圧力計測では明らかな差が出ている様ですが…これって単純に排気ポートの
弦長を加工しただけではこうなってしまうのはおかしいですね。
組み間違いやガスケットの破断等が無い前提であれば、ですが…

排気ポートを「上」に向かって加工しているのであれば話は別ですが。
削ったつもりが無い位、撫でただけでも開口部が0.5o程度上向きに広がって
しまえば、圧縮比としてもそれなりに変化が出てしまうのはご存知かと
思いますので。


>バラしてリングの合口測ってみたら、1.5mm近く開いており、シリンダーの加工しかしてないのに、なぜいきなりそんなに広がったのか分からずじまいで、

と、原因はこれだと私も思いますが、合口隙間が1.5oなんて通常では
まず考えられない位の隙間になりますよ。
いくら劣化しても1o近くいけば良い方で、それが動かしてもいない
状態でそれだけ開く、となればリングが文字通り死ぬほど磨耗していると
しか考えられませんね。

が、加工前に合口隙間がいくらあったかは分かりませんが、実働させて
オイルが無かった、とかなら異常磨耗もその位起こってもおかしくは
ありませんが、火を入れてないのにそこまで数値が変わるのはいくら
なんでも想像が出来ないですね…
少なくとも、私の経験や知識の上では全く分からないです_| ̄|○


> 届いた新品で計測してみたらこちらは約0.13mmで、悪くないクリアランスでした。

ふむふむ、この数値なら新品でいたって普通レベルの隙間になるかとも。

これ、リングの「厚み」ではなく「幅」のデータを事前に取っていれば、
そこまで合口隙間が開いていた場合だとコンマ1o単位でリングの幅が
変わっているハズですが、そこはチェックされて無いでしょうか(汗
リング合口隙間が空くのは、リングの外周が磨耗して行っていると
いう事なので、ちょっとシビアではありますがリングの「幅」も
計測してみれば減っているのが基本になります。

現在新品リングがあるのであれば、「幅」を比べてみれば分かる事も
あるでしょう。
(ただしその社外品のリングの供給元が同じであるのが前提ですが)

もしも幅が変わっていない場合だと、リング合口が多少折れてしまって
いるとかそういうオチもあるかとも。
ここもリングの合口部の形状&寸法をチェックすると良いでしょうね。


>しかも1代目のキットは新品状態でリングを入れなくてもピストンがシリンダーに引っかる状態だったのに2代目キットは引っかからずにストンとピストンが落ちるクリアランスで、加工精度のバラツキが半端ない感じです。

うーん、これはピストン&シリンダーの寸法のみならず、表面の仕上げ具合や
バリ等にもよって左右されるので、ピストンだけシリンダーに入れてみた
感覚、ってのはあまりアテにならないです。
やるならば火を入れてある程度実働させ、慣らした後でしょうね。

ある程度の精度で良いならば、シクネスゲージを無理矢理ピストンと
シリンダーの隙間に入れてみるのも目安にはなりますよ。

ただ、社外品のシリンダー&ピストンなんて基本的に「そんなもの」ですよ。
デイトナシリンダーなんかでも私は同一品番の品を10機以上見ましたが、
ピストンの寸法にはさしてばらつきが無いにも関わらず、シリンダーとの
ピストンクリアランスは3/100〜9/100程度まで様々でしたから。
安価品だとばらつきがある時はもっと数値が酷く、このあたりを私はイヤと
言うほど見てきているので、内燃機屋さんでの精密ホーニングを必須だと
しているワケですね(泣

もっと言えば、これは「エンジンとして最低限レベルの精度」なのであり、
そこが最低限真っ当になっていない限り、チューニングもクソもあった
ものではない、と私は割り切っていますよ。


>ほんとに、シュルシュルではなくストンなのでこれはこれで今度はクリアランスが多すぎるとかじゃなければ良いのですが。

ピストンクリアランスが大きめなのは別に問題はありませんよ。
ボア径が50φあるのであれば、排気ポート弦長をある程度いたずらに
拡大しても、リングの屈曲率が低いのでピストンが多少暴れても
40φ前後のピストンの様には排気ポートに突撃しませんしね(笑

仮に、広い方へ0.05oの余裕がある広さが元々あったとしても、その
余裕の無いシリンダーを用い、運用上でピストンが0.05o磨り減っても
事実上同じ事になる物ですから。

もしピストンクリアランスが広すぎるのがイヤなのであれば、ピストン
そのものをかなりの短距離で交換していかないと運用出来ませんよ?
最初に決めたクリアランスって、いつまでも保てる物では無いので…


> クランクケースやリードバルブの問題だったら嫌だなと思い、念のためノーマルシリンダーで圧縮測ってみたらきちんと9kg出てたので、腰上の問題なのは特定できましたが、ホーニングしすぎでシリンダー内径が広がってしまったとかは納得できますが、それならなぜシリンダーをバラす前は8kg出てたのか謎すぎて未だに原因分からずでかなり気持ち悪い状況です。

腰下側のチェックはすでに行われているのですね。
ノーマル腰上を組んで元に近い数値が出たのであれば、暫定的に
ではありますが腰下側には問題は無さそうかなと私も思います。

なお、ホーニングしてシリンダー内径が広がっても圧縮圧力と
しては低下はしますが、目に見えて低くなるとなればそれはもう
真っ当にエンジンを動かせないレベルの円筒研磨加工なので、
ハンドツールで出来るレベルでは無いでしょうね。

…これ、合口隙間の数値だけを見ると異常な事になってはいますが、
リング合口部の欠損や折損が本当に無いのか、を今一度確認して
みるべきでしょう。

トップリング、セカンドリング共に合口隙間が1.5o近くまであるので
あれば話は別ですが、片方のリングでしか合口隙間をチェックして
いないのであれば、もう片方のリングでもやってみましょう。

かつ、新品の方のリングと比較し、寸法でもトラブルの可能性を疑って
みると宜しいかなと思います。


ではでは、参考にして頂けると幸いです。
管理人でした〜

記事No 7141
タイトル Re^2: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/03/30(Thu) 20:37:10
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
なんだか良く分からない症状にご返信ありがとうございます!

> と、原因はこれだと私も思いますが、合口隙間が1.5oなんて通常では
> まず考えられない位の隙間になりますよ。
> いくら劣化しても1o近くいけば良い方で、それが動かしてもいない
> 状態でそれだけ開く、となればリングが文字通り死ぬほど磨耗していると
> しか考えられませんね。
>
> が、加工前に合口隙間がいくらあったかは分かりませんが、実働させて
> オイルが無かった、とかなら異常磨耗もその位起こってもおかしくは
> ありませんが、火を入れてないのにそこまで数値が変わるのはいくら
> なんでも想像が出来ないですね…
> 少なくとも、私の経験や知識の上では全く分からないです_| ̄|○

おそらくボアアップ後のホーニングで削りすぎたんだと思います。どれくらい削ったのかは分かりませんが、0.3mm削っただけでも1mm近く直径広がってしまうので。そうなのかなぁと。そして、バラす前は圧縮出てたのは合口の位置が上手い具合に圧縮抜けない場所に収まってたのかなぁとか。なんか現実的で無い気がしますが、無理矢理納得するか無かったことにしないと気持ち的に先に進みづらいという^^;


> これ、リングの「厚み」ではなく「幅」のデータを事前に取っていれば、
> そこまで合口隙間が開いていた場合だとコンマ1o単位でリングの幅が
> 変わっているハズですが、そこはチェックされて無いでしょうか(汗
> リング合口隙間が空くのは、リングの外周が磨耗して行っていると
> いう事なので、ちょっとシビアではありますがリングの「幅」も
> 計測してみれば減っているのが基本になります。

プラスチックノギスなので精度は微妙ですが0.1mm弱幅が減っている感じではありました。 ただ読み方で結構誤差出るのでなんとも言えない感じです。


> 腰下側のチェックはすでに行われているのですね。
> ノーマル腰上を組んで元に近い数値が出たのであれば、暫定的に
> ではありますが腰下側には問題は無さそうかなと私も思います。
>
> なお、ホーニングしてシリンダー内径が広がっても圧縮圧力と
> しては低下はしますが、目に見えて低くなるとなればそれはもう
> 真っ当にエンジンを動かせないレベルの円筒研磨加工なので、
> ハンドツールで出来るレベルでは無いでしょうね。

これ、三叉の砥石が付いてる電動ドライバーに付けるタイプのものでやりました。それもダメだったんでしょうね。その後割りと普通に走ってたんですけどね。リング欠損など無かったですし。合口隙間は2本ともに同じくらいの数値でした。

ちなみに、激安キットだと補修パーツの販売がないですが、リングだけ買いたい場合、流用できるものって情報お持ちですか?
ホンダでは、スーパーカブ100, クロスカブ, Dio110, スペイシー100, Zoomer-X, ベンリィ110プロ, NAVI110 (インド), MOOVE (タイ), WAVE100-S (タイ), Scoopy110i (タイ) がボア50φというのは分かったんですが、4stピストンだと幅や厚さなど合わないですよね恐らく。アクシス90も50φですが、どうなんでしょう。できればリングは大事なパーツなので品質の高い純正を使いたいです。消耗品ですし。



シリンダーとピストンのクリアランスはある程度あって良いとのことで安心しました。
とりあえず2代目キットを組んでみて圧縮測ってみたら12kg出てました。(このゲージではノーマルシリンダーだと9kg)
2千回転アイドリング10分ほど、4千回転アイドリング30分ほど、のち実走行6kmほどで慣らしてきました。
早速6500回転ほどで軽い抱き付きによる失速を起こし、慌てて軽く冷やし、その後は5000回転前後で帰りました。

当たりは写真の通りで、軽い感じなので、オイル溜まりの穴を2,3個追加しつつ磨いて、回転数ちょっと上げつつ、また様子見慣らしをしようと思います。
今度こそ問題なく日常使用できるように仕上がったら、WPC,DLC,モリショットなどのコーティング加工にも手を出して耐性・寿命を上げようと考えています。


記事No 7142
タイトル Re^3: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/04/01(Sat) 20:41:33
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ゅぅ@ジョルノさん毎度でございます〜
さてさて今日もいつものレスをば。


> おそらくボアアップ後のホーニングで削りすぎたんだと思います。どれくらい削ったのかは分かりませんが、0.3mm削っただけでも1mm近く直径広がってしまうので。そうなのかなぁと。

ホーニング、というのはあくまで砥石での研磨、という事ですよね?
3本爪タイプの物で加工されたみたいですが、これでシリンダー内径を
0.3oも広げるとなればかなりの時間が掛かると思いますよ。

あくまで、ホーニング加工というのはシリンダーの内壁を「研いで」いき、
1/100単位での微調整を行う加工なのであって、砥石を用いた場合では
いくらなんでもそこまではシリンダー内壁は広がらないかなとも。

仮に、オーバーサイズピストンで0.25o分シリンダー内径を拡大する場合だと、
こういった場合は砥石ではなく「刃物」で切削していった後で砥石の
微調整を行うものですから、DIY加工でコンマ1単位での内壁拡大が
行えるとはちょっと考えづらいですしね。


…が、これって人によりけりかもしれませんが、DIYホーニングの場合は
砥石をシリンダー内に入れて回転させながら上下させますが、それでも
加工時間は数秒間程度が限度であって、それで内壁がどうにもならない
状態ならばすでに砥石では解決出来ない破損状態である、とも言えます。

もしも数十秒間といった単位で砥石をがんがん突っ込んでいたのであれば
シリンダー内壁がコンマ1単位で広がってしまうのも分からなくは
無いのですが…ハンドツールでそこまでやってしまうとシリンダー内壁の
精度はもはやべっこべこになってしまいまともに使えるレベルでは
無くなってしまいますから注意ですね。

あの手の道具はあくまで気休めレベル、もしくはピストンのアルミ粉が
シリンダー内壁側にちょっとくっついている、といった物をこそげ取る
ツールなのであって、内燃機屋さんの精度を出しつつの真円加工とは
全く違う物である、といった点はご留意下さいな。


>そして、バラす前は圧縮出てたのは合口の位置が上手い具合に圧縮抜けない場所に収まってたのかなぁとか。なんか現実的で無い気がしますが、無理矢理納得するか無かったことにしないと気持ち的に先に進みづらいという^^;

うーん、私はこういうのはきちんとそうなった要因を突き止めておく
べきだと思いますけれどね〜
今後同じ様な事が起こった場合にはまた同じワケの分からなさを
経験してしまう事になりますから(泣


> プラスチックノギスなので精度は微妙ですが0.1mm弱幅が減っている感じではありました。 ただ読み方で結構誤差出るのでなんとも言えない感じです。

リング側の幅の減りだと、0.1oの磨耗があるか無いかの状態では
合口隙間の数値はそこまで大きな変動は起こらないんですよ。
ボア径にもよりますがよくいっても0.1〜0.2oとかです。
なので、その数値だけを拝見する限りではリングの磨耗によるモノでは
無さそうかな、とは思えますが…これはシリンダー内壁側の可能性が
高いかもしれませんね。


> これ、三叉の砥石が付いてる電動ドライバーに付けるタイプのものでやりました。それもダメだったんでしょうね。その後割りと普通に走ってたんですけどね。リング欠損など無かったですし。合口隙間は2本ともに同じくらいの数値でした。

リング合口部に欠損は無かったとの事なので、これはなんとも感覚的には
理解しがたいですが、シリンダー内壁が異常なまでに広がっていると
いった結論を出さざるを得ないかなとも(汗

…そんなにリングの合口隙間が広がるまで砥石でシリンダーの内壁を
広げていける、というのはどうにも腑に落ちづらいです。
私も昔実験でやった事ありますが、そこまで行く前に砥石が磨耗して
無くなってしまいましたんで(笑

が、そこまで内壁が広がっているならば新しい方のピストンを入れると
あからさまにすっこすこになっていると思いますよ。


> ちなみに、激安キットだと補修パーツの販売がないですが、リングだけ買いたい場合、流用できるものって情報お持ちですか?
> ホンダでは、スーパーカブ100, クロスカブ, Dio110, スペイシー100, Zoomer-X, ベンリィ110プロ, NAVI110 (インド), MOOVE (タイ), WAVE100-S (タイ), Scoopy110i (タイ) がボア50φというのは分かったんですが、4stピストンだと幅や厚さなど合わないですよね恐らく。アクシス90も50φですが、どうなんでしょう。できればリングは大事なパーツなので品質の高い純正を使いたいです。消耗品ですし。

次にコチラの件ですが…これはちと言葉がきつくなるかもしれませんが、
世の中そんなに甘くは無い、といった点は重々ご理解下さいな。

ご存知かとは思いますが、ピストンリングの構造は2st4stで根本的に
異なるのが基本ですし、ボア径が合っているなら使えるかも、と
いった発想自体、かなり突飛な事であるといった認識になります。

そもそも、同一系統のメーカーや車種だとしても、リングの合口の
構造は異なっている事は当たり前にありますし、リングの厚みや幅も
ピストン側リング溝の設計に合致していないといけません。

トップとセカンドリングで構造が違う場合も多く、トップはキーストン
タイプでセカンドはプレーンリング、というのも定番ですから、
その場合は元々上下異なる設計のリングなので、上下を交換すると
いった事でも成功しないですから。

私自身、同一ボア径で寸法的な流用が可能なもの、となればAF18系の
39φピストンリングにて、NSR50系の物が合致する位しか知りませんし、
純正同士でもなかなかそういうのはある物ではありませんしね。


なおアクシス90系だとリングは50φですが…実はその台湾系の50φの
ピストンはそのヤマハ系のコピー品っぽいので、ひょっとしたら合う
可能性はあるかもしれませんよ。

ただし、私の場合だとゅぅ@ジョルノさんのおっしゃる通り、その手の
リード90コピータイプの加工ボアアップシリンダーを用いる場合は、
「最初から3WF系の純正50φピストンとリングを用いて」物をこしらえます。
同一品の入手すら怪しい台湾系ピストンやリングなんてのは最初から
そのまま使う選択肢に入れていない、という事で…

50φシリンダーだけ使って加工ベースにする、といった事ですし、実際には
ある程度の辻褄を合わせる事が可能なので、過去に何度かその手法にて
50φ系のシリンダーを作成した事はありますよ。
過去の事例では、社外品コピーの50φシリンダーに対してはヤマハ純正の
50φピストンにてピストンクリアランスがオーバー過ぎる、という事は
無かったので、精密ホーニング加工にてシリンダーを広げるだけで
クリアランス的には調整は可能だった、といった点も付け加えておきます。


なお、加工修正は必須ですが純正品ベースを旨とするのであれば、
リード90の純正48φシリンダーを50φまでボーリングし、その上で
ヤマハ50φピストンを用いた設計&修正を行う、といった手法もありです。
これだとシリンダーから全て純正流用加工になるので、安心感はもはや
言うまでもありませんしね。
かつ、ボーリング前提なのでベースシリンダーは焼き付いていても
構いませんし…48φのままで各部の辻褄を合わせるのも出来なくは
無いですが50φより面倒です。

ただし、お察しの通り作成コストは安価ボアアップの修正とは比較には
なりませんが、安心や信頼性を旨とするならばそういった所にこそ
コストを掛けるべきである、というのは私のスタンスをご存知であれば
ご理解頂けるかなと思いますよ。

かつ、これは私自身にて得た各ノウハウがあっての前提ですから、仮に
手法のみをお伝えしてもそれが確実に形になるかどうかはまた別の話で
ある、という点はご留意をば。

参考までに↓に写真添付しておきますが、おそらく同系統のリードコピーの
50φシリンダーベースで、ヤマハ3VRのピストン刻印も見えると思います。
ただし、これは後にシリンダー上面カット加工を行った上で、ピストンも
スカート部を切り詰めていく工程が残っているので完成品ではありません。


> シリンダーとピストンのクリアランスはある程度あって良いとのことで安心しました。
> とりあえず2代目キットを組んでみて圧縮測ってみたら12kg出てました。(このゲージではノーマルシリンダーだと9kg)
> 2千回転アイドリング10分ほど、4千回転アイドリング30分ほど、のち実走行6kmほどで慣らしてきました。
> 早速6500回転ほどで軽い抱き付きによる失速を起こし、慌てて軽く冷やし、その後は5000回転前後で帰りました。

写真拝見しましたが、新しいボアアップでの慣らし後の状態なのですね。
…これ、個人的観点ではとてもアタリが軽いとは言えないと感じますが。
正直、これだと焼き付き寸前と言いますか軽くロックしているといった
レベルは超えていると思われます。

前回の写真のレベルであればまだなんとか、といった感じでしたが、
今回のピストンを拝見しますに、熱膨張が大きくなるピストンの上の方は
そこそこ無事である事から、内燃機としての熱量によってボン、と
なっていった事は高くは無いです。

しかし、寸法的に大きなピストンの前後方向、かつ下の方がギタギタに
なっている点から見ても、これはピストンクリアランスがあまりにも
狭すぎる状態であって、熱膨張でやられる以前の段階でしょう。


…また言葉が辛辣で申し訳ありませんが、確かに私は「ピストンクリアランスが
ある程度あればOK」とは記しましたが、それはきちんと計測&調整を行い、かつ
「許容範囲より広めなのは問題はほぼ出ない」という事なのであって、
現状ではどう見てもおかしすぎるレベルであり、運用云々以前の状態にしか
なっていないと断言しても良いです。
当然、ある程度の許容範囲であれば写真の様な具合にはまずなりません。

もちろん、一度火を入れてこういった状態になったのであればこれから
対策を施さないといけませんが、これはそうなる前に内燃機屋さんに
出してピストンクリアランスの調整を行っていないといけないんですよ。

その上で多少の焼き付が出たのと、最初から危ない状態になったのでは
天と地ほどの差が出てしまいますし、せっかく購入した新しいボアアップ
キットをまたトラブらせてしまったのでは悲しいですしね…


> 当たりは写真の通りで、軽い感じなので、オイル溜まりの穴を2,3個追加しつつ磨いて、回転数ちょっと上げつつ、また様子見慣らしをしようと思います。
> 今度こそ問題なく日常使用できるように仕上がったら、WPC,DLC,モリショットなどのコーティング加工にも手を出して耐性・寿命を上げようと考えています。

こちらもちょっとツッコミを入れさせて頂きますが…ピストンへのオイル
穴通路加工とかをマメに行われているのは見て取れますが、こういった
加工修正というのはあくまで気休めレベル、おまじないレベルであって
「他の基本的なところ」をしっかりと修正した後で駄目押しにて追加して
いくものであり、言葉悪いですがこういった「小細工」でエンジン自体の
根本的な点を改善しようとするのは全くもって意味がありません。

もっとはっきり言えば、オイル穴加工やコーティングの類でピストン
クリアランスの不整合を根本から解決する事は出来ません、と
いう事に他なりませんので…

ゅぅ@ジョルノさんご自身がおっしゃる様に、耐久性や寿命をそれなりに
出したいという事であれば、そういった小細工を行う前に内燃機屋さんに
出してみるとかの手法が先立って必須なのであり、それが出来ていない、
もしくは社外品だとある程度行けているであろう、と考えているので
あればそれは大間違いなんですよ。

少なくとも、新しいボアアップキットを購入し、かつコーティング系の
加工に出すつもりのコストがあればピストンクリアランス調整の
精密ホーニング加工に出すお金にはなると思います。

このあたりは私だけが細かいとか厳しいとかではなく、エンジンに対する
理解や取り組み方であまりにも適当な手法が蔓延しているだけだ、と
はっきり言いたいのですが…基本のあれこれすら出さずに二次的修正や
加工のあれこれのみでモノを語る人の言う事は全部は鵜呑みにしない方が
良い、とだけは記しておきます。


で、あくまで参考までに、ですが私が新しいボアアップキットを目の前に
したらまず何をどうするか、というのをざっとだけ記しておきますね。

まず各部を計測してノーマルとの寸法差異を理解し、その上でポン付けした
状態を仮定しポートタイミングと圧縮比がどうなるのかを計算して行きます。
次に、ポン付けで異常な数値になるところの改善を考慮し、その場合に
可能な限り加工修正が小さくなる様な加工寸法を導き出してやります。

その上でオーナーの方の希望があればその希望に沿うポートタイミングや
圧縮比を付与し、ヘッドも作成して「特性の付与」は完成です。

次にピストンクリアランスを計測し、ピストンの形状や材質を見極め、
この位のクリアランスが欲しいな、と数値を決めた上で、それに対して
足らないならば内燃機屋さんに出してシリンダーを内径研磨での
精密ホーニング加工を施し、加工から帰ってきたら自分側でも
加工データシートと見比べた再計測を行います。

それが全て仕上がればやっと完成になりますが…これは別にパワーを
上げようとか特性を大きく変えようとかしてやっているのではなく、
「エンジンとしての基本的なバランス」を持たせる為の加工修正に
なりますから、エンジンにとってはこれが最低限であり、かつ純正品に
近いバランスを持たせているだけの工程である、という事になりますね。


> とりあえず2代目キットを組んでみて圧縮測ってみたら12kg出てました。(このゲージではノーマルシリンダーだと9kg)

最後にまたツッコミで申し訳ありませんが、新しいボアアップキットを
計測すると12kgの圧力があったのでしょうか。
これだとノーマル時と比べて1.3倍もの数値になっていますが…
個人的にはこれでは即座にぶっ壊れてもおかしくないレベルでは、と
推測してしまいますね。

こういった場合、とりあえずはノーマル数値と同じ位にまで戻して
走ってみるのがベターではありませんか?
デンジャラスな面を抱えたまま走行&慣らしを行っても余計に悪化して
しまっては元も子も無いかとも。
せめて、真っ当に走っていた以前のボアアップキットの数値と同じ位に
調整はすべきでしょうね。

…何度も記しますが、私はそういった面での圧力計測はほぼ無意味に
なっていると考えているので正直アテになるとは考えてはいませんが、
圧力を基本の基準としていると絶対に真っ当な方向には進まない、と
断言しても良いのでこの点だけはご留意下さいませ。

いくつもそのボアアップキットを使って、自身のゲージでどれ位の
値になるのか、のノウハウがあればまだマシですがそれが溜まっていない
状態ならばあまりに過信するのは命取りです、という事で。
別に排気量が大きいからと言って、冷間時の圧力がかなり増大するとか
そういったモノでもありませんので、ね…


と、今回はちょっと厳しくなってしまいましたが。
写真を拝見する限り、ではありますがこの状態でなんとかいけそう、と
いった感覚で物事を進められているのがちょっと引っかかりまして。
さすがにそれは不味いであろう、と感じましたのでご容赦下さい。

私はゅぅ@ジョルノさんを貶めたり嫌味を言ったりするのが目的では
なく、不要な失敗や要らぬ回り道をして欲しく無いからこその文面で
ある、といった点はどうかご理解頂きたく思います。

ではでは、長くなりましたが今回はこの辺りで失礼しますね。
管理人でした〜


記事No 7143
タイトル Re^4: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/04/04(Tue) 21:50:32
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
管理人さんこんばんは

貶めたり嫌味なんてとんでもない!いつも凄く丁寧に細かくご返信いただいて感謝しかないです!今回のレスもネットでは中々得ることができない深い内容を教えていただき感動しました。

> ホーニング、というのはあくまで砥石での研磨、という事ですよね?
> 3本爪タイプの物で加工されたみたいですが、これでシリンダー内径を
> 0.3oも広げるとなればかなりの時間が掛かると思いますよ。

はい、確かSTRAIGHTのホーニングツールです。

> 加工時間は数秒間程度が限度であって、それで内壁がどうにもならない
> 状態ならばすでに砥石では解決出来ない破損状態である、とも言えます。

数十秒どころか数分単位でかけてガリ傷を消していました。笑
1個めのシリンダーはオーバーサイズピストンを入手しない限りはお蔵入りですね。笑


> うーん、私はこういうのはきちんとそうなった要因を突き止めておく
> べきだと思いますけれどね〜
> 今後同じ様な事が起こった場合にはまた同じワケの分からなさを
> 経験してしまう事になりますから(泣

そうしたいところですが、これ以上、自分には原因特定ができなそうなので、その時は新しい違うものに変えるようにします。^^;


> 次にコチラの件ですが…これはちと言葉がきつくなるかもしれませんが、
> 世の中そんなに甘くは無い、といった点は重々ご理解下さいな。
>
> トップとセカンドリングで構造が違う場合も多く、トップはキーストン
> タイプでセカンドはプレーンリング、というのも定番ですから、
> その場合は元々上下異なる設計のリングなので、上下を交換すると
> いった事でも成功しないですから。

ですよね〜。試しにモンキー用の50φキットのリングやデイトナのものを買ってみましたが全く違いました。新品のままオク転売でもしようと思います。


> なおアクシス90系だとリングは50φですが…実はその台湾系の50φの
> ピストンはそのヤマハ系のコピー品っぽいので、ひょっとしたら合う
> 可能性はあるかもしれませんよ。

TKRJがピストンキットの寸法データを公開していましたので、手元のピストンを測ってみたところ、ピストンピン径、圧縮高がほぼ同じでしたので、3VRのピストン・リング・ピン一式をバイク屋で発注しました。
ttp://www.tkrj.co.jp/jp/goods/m-AY0300X-3WF-.php
スカートだけ3VRの方が長いので、干渉するようなら削ろうと思っています。グラインダーでは精度的にやばいですかね?

初めて知りましたが、YAMAHAはiPhoneアプリでパーツ在庫と価格が確認できるんですね。感動しました。HONDAも見習ってもらいたいものです。

TKRJ では 0.25mm 刻みでオーバーサイズを出しているようですが、このメーカーのピストンの品質ってどうなんでしょう?


> 50φシリンダーだけ使って加工ベースにする、といった事ですし、実際には
> ある程度の辻褄を合わせる事が可能なので、過去に何度かその手法にて
> 50φ系のシリンダーを作成した事はありますよ。
> 過去の事例では、社外品コピーの50φシリンダーに対してはヤマハ純正の
> 50φピストンにてピストンクリアランスがオーバー過ぎる、という事は
> 無かったので、精密ホーニング加工にてシリンダーを広げるだけで
> クリアランス的には調整は可能だった、といった点も付け加えておきます。

この辺、物凄くためになる情報です!本当にありがとうございます。
3VRピストンが届いたら、ボアアップキットのシリンダーと合わせて、内燃機加工屋に頼んでクリアランス調整とWPC処理をお願いしようと思っています。
今回2社に画像の送付してピストン再利用できそうかどうかと、概算見積もりをお願いしていますが、片方は再利用不可、片方はWPC&MOS2で使えそうとのことでした。

加工処理の指示も何をどうお願いして良いのか分かりませんが、何かこう指示するべきみたいなポイントってありますか?また、WPCだけで充分なのか、WPC&MOS2をやった方が良いのかなどアドバイスいただけると幸いです。


> で、あくまで参考までに、ですが私が新しいボアアップキットを目の前に
> したらまず何をどうするか、というのをざっとだけ記しておきますね。

こちらもこれだけで有料情報にしても良いくらいの内容を教えていただきありがとうございます!精密測定器具が高くて揃えられないことや経験などからトレースすることは難しいとは思いますが、やはり内燃機屋には出さないといけないということは凄く為になるノウハウです。


> 最後にまたツッコミで申し訳ありませんが、新しいボアアップキットを
> 計測すると12kgの圧力があったのでしょうか。
> これだとノーマル時と比べて1.3倍もの数値になっていますが…
> 個人的にはこれでは即座にぶっ壊れてもおかしくないレベルでは、と
> 推測してしまいますね。

はい、2個めのキットで12kg出ていました。そこもまた謎な部分があるのですが、1個めのキットの1度抱き付き後の計測では8kgでした。
そして、1個めのヘッドを0.6mmほど面研しているのですが、そのヘッドを2個めのシリンダーに合わせて計測しても12kgでした。キットの精度のばらつきやスキッシュエリアの取り方がロットで違うのか、はたまたコンプレッションゲージが安物でクソなのか…。
ただ、1個めのシリンダーよりも2個めのシリンダーの方が、気持ち高さが低いような気もします。0.3~5mmくらい。


> こういった場合、とりあえずはノーマル数値と同じ位にまで戻して
> 走ってみるのがベターではありませんか?
> デンジャラスな面を抱えたまま走行&慣らしを行っても余計に悪化して
> しまっては元も子も無いかとも。
> せめて、真っ当に走っていた以前のボアアップキットの数値と同じ位に
> 調整はすべきでしょうね。

そうですね、ヘッドガスケットを何種類か揃えてみたいと思います。KN企画が3WF用のヘッドガスケット4種類セットを売っていますが、これ合いますよね?
ttp://store.shopping.yahoo.co.jp/webike/9678024.html?sc_e=slga_pla


いつもいつもありがとうございます。
エンジンが中々安定しないので、NRマジックのマフラーも届いているというのに中々先に進まずヤキモキしています^^;

それではまたよろしくお願いしますm(_ _)m

記事No 7144
タイトル Re^5: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/04/05(Wed) 01:26:50
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
書き忘れましたが、スカートの長さ調整ってコンロッドにピストン組んでみて、手回ししてみてクランクケース側で干渉しなければ大丈夫という認識で問題ないでしょうか?

記事No 7146
タイトル Re^6: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/04/07(Fri) 19:02:59
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ゅぅ@ジョルノさん毎度でございます〜
レース後なので脳味噌内部がFNマシンモードになってる管理人ですが
早速今日もいつものレスをば。


> 貶めたり嫌味なんてとんでもない!いつも凄く丁寧に細かくご返信いただいて感謝しかないです!今回のレスもネットでは中々得ることができない深い内容を教えていただき感動しました。

いえいえ、そういって頂ければ嬉しいですよ。
どうしても個人的に必要となれば言葉はきつくなってしまいますし、
短文や分かりづらい文体で曲解を招く様な事だけは避けたいので…
このあたりは留意の上で宜しくお願い致しますね。


> はい、確かSTRAIGHTのホーニングツールです。
> 数十秒どころか数分単位でかけてガリ傷を消していました。笑
> 1個めのシリンダーはオーバーサイズピストンを入手しない限りはお蔵入りですね。笑

以前のシリンダーのホーニング具合ですが、3本砥石のタイプでかつ
数分単位でごりごり行った、となれば間違いなくそれが原因です(泣

あれは砥石なのでそれなりに削れてしまう物ですし、ドリルでやったならば
回転数もそれなりの物だったかと思いますんで…それであればシリンダーの
内径を計測すると0.3oとか広がっていても決しておかしくは無いでしょう。

この手のツールはですね、私はフレックスホーンしか使わないのですが
それでも低回転で十分に切削油を用いた上で一度に数秒程度、ですから。
その上でキズ等の具合を見ながら徐々に施工していくものであって、
一気にぎゅいーん、とやるモノではない、といった点は記しておきますね。


> ですよね〜。試しにモンキー用の50φキットのリングやデイトナのものを買ってみましたが全く違いました。新品のままオク転売でもしようと思います。

リングですが世の中はそういう物なので(泣
だからこそ、パーツ同士の他車流用が効く、なんてのは本来はかなりの
レアケースであって、先人の多大なる犠牲や検証によって成り立っている、と
いった点は忘れてはいけないな、と私は常々思っておりますよ。

だからこそ、私は自身のノウハウ等でもあまり出し惜しみしたくは無いと
いうだけのオチなのですけれどね(笑


> TKRJがピストンキットの寸法データを公開していましたので、手元のピストンを測ってみたところ、ピストンピン径、圧縮高がほぼ同じでしたので、3VRのピストン・リング・ピン一式をバイク屋で発注しました。
> ttp://www.tkrj.co.jp/jp/goods/m-AY0300X-3WF-.php
> スカートだけ3VRの方が長いので、干渉するようなら削ろうと思っています。グラインダーでは精度的にやばいですかね?

早速TKRJ製品を発注されましたか〜
モノによるかとは思いますが社外50φに対して3VRピストンはほぼ同寸と
言っても良いのですが、現物もちゃんと計測した方が良いでしょう。

これ、ピン上寸法が同じでも圧縮高、すなわちピストントップの部分の
「容積」が同じとは限らないので、それを間違っていると圧縮比では
モノを考えられなくなりますんで…

なおスカートに関しては、41.4oストロークでも数o程度はカットして
やる必要が出てきます。
これはざっとだけならグラインダーでも良いですが、最終的には手作業と
鉄やすりでも良いので、削りながらピストンをガラスの上にでも置いてみて
ある程度の精度が出ている事を確かめながら加工すると良いでしょう。

さらに、これは無かったはずですがリングの合口ピンの位置、これが
シリンダーの第2掃気と第3掃気の間の部分にきちんと来ていないと
リングがヤバい事になるのでここも注意です。
と言いますか、ピストンの流用の折に一番最初に見極めなくては
ならないのがこの合口ピンの位置で、他はある程度どうとでもなりますが
これが決定的に違っているとどうにも出来ないんですよね…


> 初めて知りましたが、YAMAHAはiPhoneアプリでパーツ在庫と価格が確認できるんですね。感動しました。HONDAも見習ってもらいたいものです。

そうですね、ヤマハ以外にはカワサキも純正部品の検索が出来ますが、
ホンダとスズキは出来ないのは残念です(泣
…ホンダさんはそうそう簡単に調べられては困る理由があるのではと
思いますが、それでも昔の様にパーツリストを買わないと何も調べる事が
出来なかった時代よりははるかにマシという。


> TKRJ では 0.25mm 刻みでオーバーサイズを出しているようですが、このメーカーのピストンの品質ってどうなんでしょう?

これはですね、私がいくつかのタイプを計測したりしてきた限りでは
精度そのものには悪い点は無いレベルで、材質も粗悪というワケでは
ありませんね。

リングそのものもさすがに安物社外品は比較にならないレベルですし、
台湾系製品の様にピストンピンが磨耗しまくるという事も無いです(笑

今ではモノによっては純正品そのものよりも安価なモノもありますが、
純正の代替品、とまでは言わなくとも私はそれなりに信頼している
製品ではあります、という事でひとつ。

…が、3VRピストン&リングってまだ純正品でも出ると思いますんで
コストが許せばそっちの方が安心は出来るでしょう。


> 今回2社に画像の送付してピストン再利用できそうかどうかと、概算見積もりをお願いしていますが、片方は再利用不可、片方はWPC&MOS2で使えそうとのことでした。

うーん、こういうのは実際に現物を見ないと完全なる分析は
出来ませんから過度の期待はしない方が良いでしょうね。
とはいえ、表面処理を行うのであれば元のピストン寸法として
問題無いところに収まっている、というのが大前提なので、やると
すればシリンダー側とのピストンクリアランスの調整が先になります。


> 加工処理の指示も何をどうお願いして良いのか分かりませんが、何かこう指示するべきみたいなポイントってありますか?

内燃機屋さんの出すのであれば正直、文面では書ききれないくらいの
コツやツボは大量にあるんですよね(汗

まずはピストンクリアランス調整の為の精密ホーニングですが、これは
内燃機屋さんがどれ位の「勘定」を持って数値を決めるのか、は
所によってバラバラなのでまずこれが問題になります。

何も考えずに純正値と同じ位の5/100でOKとするところもありますし、
ちゃんとピストンの上の方と下の方の寸法差を計測し、その上で
余裕がこれくらいあればOK、とする所もあります。

かつ、社外品の混じりっ気の無いアルミピカピカのピストンなんかだと、
純正品よりははるかに熱膨張率は大きいのでその分クリアランスには
余裕を付与してやらねばなりませんし。

私は、ですがこれは自身のノウハウを最優先するので数値そのものは
決定した上でこれだけのクリアランスにしてくれ、といった発注の
仕方なのですが…これば計測器具とそれをちゃんと使える技量が
無いとノウハウだけあっても意味が無いので。

が、一応は3VRピストンの純正品といった勘定でモノを考えますと、
6/100〜8/100程度を「最低でも」取っておいた方がベターでしょう。
基本的にチューニングエンジンであり、かつ社外品のピストンや
シリンダーを用いる場合は、ピストンの寸胴具合等にもよりますが
純正ちっくなクリアランスではまず安心は出来ない、といった点を
考慮しないといけませんので。

これもまず、3VRピストンの「一番太い所」と社外50φのシリンダーの
内径を計測するのが先決ですが、まずはこの計測数値を内燃機屋さんに
伺ってみる方向性を取ると良いでしょう。
いきなり「○/100で調整してほしい」と頼むのではなく、現状を
把握しつつ話を進めた方が、言葉が悪いですが「勝手な勘定」で
モノを仕上げられる可能性も低くなりますんで、ね。


>また、WPCだけで充分なのか、WPC&MOS2をやった方が良いのかなどアドバイスいただけると幸いです。

表面処理ですが、まずWPCは精密ショットピーニング加工ですよね。
これは「金属疲労に対する強度」を上げる物だと認識していますが…
これを施工したからと言って、シリンダーの歪みが低減されたりは
しませんし、元々穴だらけの2stシリンダーでは気休めレベルにしか
ならないでしょう。

ピストン側に施工しても、表面処理部分ごと磨耗してくる方がはるかに
問題ですから、一般的な金属部品への施工の様には長期的なメリットは
ありませんね。

なお、ピストンクリアランスを調整後、慣らしを行った後には
一度は腰上を開けてアタリを確認すると思いますが、その折には
ピストン側を多少は手作業で修正していくはずでして…その時点で
表面処理の部分はかなりこそげ取ってしまう事になります。


次にMOS2、モリブデンショットだと解釈しますがこちらはピストン
リングに対しての施工であれば、排気ポートのカドに対しての
攻撃性を和らげる事は出来るでしょう。

ただしこれもリングが磨耗しきるまでの話であって、個人的経験では
排気ポート弦長がかなり広く、どうあってもリング折損のリスクの高い
設計の様な場合は、リングや「加工済み&慣らし済み」のシリンダーと
言いますか排気ポート周辺も含めて施工を行えば、そういった面での
リング折損のリスクは低減する事が出来るかなと。


…はっきり申しますと、磨耗によるパーツ交換が2stほど頻繁でない
4stエンジンならばまだそれだけの施工コストをかけるだけの意義も
あるかと思いますが、数千kmで交換が前提の2stチューニングエンジンに
対して、毎回そのコストをかけた特殊処理の施工を行えますか?と
いった点が重要になります。

こういうのは「一度施工したら長持ちする」のではなく、パーツそのものは
それなりに磨耗&劣化していきますから…以前のお話の様にリング合口の
クリアランスが1oとか広がる位にまで磨耗しているのにこういった
特殊処理をしているからまだいける、とかってのは物理的にありえない
夢物語になりますんで、ね。

シリンダー側にならばまだ施工する意味はあるかと思いますが、それも
エンジン腰上の設計をきちんと行い、かつピストンクリアランスを調整した
上で慣らし&運用し、これでバッチリだ、といった状態を作り上げてから
「ダメ押し」の様な感じで最後に施工を行うものなんです。
間違っても、まだどう転ぶか分からないシリンダーやピストンに対して
いきなり施工しておく、というのは私から見れば意味が分からない
レベルなので…


これは文字通り夢を壊す様で申し訳ありませんが、はっきり申しますが
そんなところに先にコストをかける前に、ピストンクリアランスの調整を
精密ホーニングにて行い、安定運用出来る様になったその「後」で
特殊施工を行うかどうかを決定していかないと、最初に同時にやっても
無駄とまでは言いませんがほぼ無意味である、とは断言しても良いです。

…私はこういうのは別に嫌いではありませんが、他をきちんとした上で
保険や気休めの様な感じで行うものであり、間違ってもこういった
特殊施工が「焼き付きを低減する」とか「耐久性が上がる」とかを
期待してやるものではない、と考えていますので。
そういった物で基本がダメなエンジンをカバーできれば誰も困ったりは
しませんのでね(泣
言葉を返せば、それらの特殊施工が無いとダメ、というパターンであれば
元々の設計に無理がありすぎるだけだ、という事です。

私ならばそれらの施工コストを掛けるのであれば、同じピストンを
もう一個買っておいて予備の保険もしくは磨耗時のスペアとしますよ(笑
間違いなくそちらの方が恒常的な運用品にかけられるコストとしては
建設的だと思いますんで、ね…


> こちらもこれだけで有料情報にしても良いくらいの内容を教えていただきありがとうございます!精密測定器具が高くて揃えられないことや経験などからトレースすることは難しいとは思いますが、やはり内燃機屋には出さないといけないということは凄く為になるノウハウです。

いえいえ、これは中古で良いので計測器具を揃えて行き、要らない
パーツとかで計測を練習すれば誰でも出来る様になると思います。
実際、過去に当サイトやメールでのやりとりを行った方々でも、
一から始めて色々出来る様になった方も何人もおられますんで。

こういうのは皆、最初から出来る環境や技術があるのではなく、
努力した上で出来る様になっている、といった点は忘れては
いけないと思いますよ。


> はい、2個めのキットで12kg出ていました。そこもまた謎な部分があるのですが、1個めのキットの1度抱き付き後の計測では8kgでした。
> そして、1個めのヘッドを0.6mmほど面研しているのですが、そのヘッドを2個めのシリンダーに合わせて計測しても12kgでした。

…これまた言葉が厳しくなりますが、圧力計測での比較を行うならば
新旧2セットのシリンダー&ピストンが、「双方共に設計、寸法において
全く同一な物である」事が前提で無いと、圧力による状態の比較は
なかなか正確には出来ません。

私が圧力計測値をアテにするのを推奨していないのはそこにも理由が
ある訳でして、製品としての寸法、品質が安定している純正部品の
フルノーマル同士ならまだしも、そうではない社外品に対して圧力の
云々で勘定を取っていくのは結果的に遠回りをするだけだ、と
いう事です。


なお「面研を行った」ヘッドを用いた状態で、2個目のシリンダーに
対して組んだ上で圧力が変わらない、というのならば…正直、その程度の
ヘッド容積変化に対しては圧力計測数値は計測誤差にすらならない、と
いった事を如実に表していますよね?

これは磨耗や劣化の比較ではなく、容積をダウンさせた(はず)の
ヘッドを交換し、その上で圧力計測にて「特性比較」を行っている
事になりますが、私はコンテンツ内でも述べている通り圧力はそういった
指標とすべき数値にはなりえない、というだけです。


>キットの精度のばらつきやスキッシュエリアの取り方がロットで違うのか、はたまたコンプレッションゲージが安物でクソなのか…。

こちらはそういった疑いがあるのであれば、面研済みのヘッドと無加工の
ヘッドの容積なりを計測比較してみる事が一番です。

はっきり言えば、そういった事も行わずにゲージ計測に頼っている、と
いったスタンスであれば絶対にエンジンの基本を学んで行く事は出来ず、
ゲージ数値で明らかなる差異が出る位にまでヘッド容積を小さくし、
デンジャラス状態を作り上げた上ですぐにボン、となるのが関の山でしょう。

これは申し訳ありませんが、ゅぅ@ジョルノさんの段階であるならば
コンプレッションゲージを用いて何かを測るといった手法自体をしばらく
封印された方が間違いなく上手く行くと思いますよ。

…私にしても、別に何が何でもコンプレッションゲージを否定したいワケでは
ありませんが、こうやって取り組み方がズレていく様な方が出てきてしまう
事自体が圧力ゲージ信者による弊害であろう、とは強く感じておりますのでね。


> ただ、1個めのシリンダーよりも2個めのシリンダーの方が、気持ち高さが低いような気もします。0.3~5mmくらい。

これはその位シリンダー全長が異なるのであれば、排気ポートの
「シリンダー上面からの高さ」にしても、双方のシリンダーで数値が
同等であってもポートタイミングも圧縮比も違ってきますね。

仮に0.5oもシリンダー全長に差異があるのであれば、それはガスケットの
一枚分くらいの寸法差にはなるワケですから、そういった所って
無視したり気のせいで済ませてはいけない部類になりますよ。

これはガラス板の上にヘッドガスケット面をくっつけてシリンダーを置き、
ヘッドボルト貫通穴からノギスのお尻を差し込んで計測すると分かりやすいです。
シリンダー上面&下面をノギスで挟み込んで計測すると誤差が出やすいので、
私はそうやって計測していますよ。


> そうですね、ヘッドガスケットを何種類か揃えてみたいと思います。KN企画が3WF用のヘッドガスケット4種類セットを売っていますが、これ合いますよね?
> ttp://store.shopping.yahoo.co.jp/webike/9678024.html?sc_e=slga_pla

ん?これってJOG90系用ですよね?ヘッドボルト穴のPCDってDio系エンジンと
かなり違うと思いますが…
私は50φでホンダ用のヘッドガスケットが欲しい時には、リード90用の
純正48φ品の内径を適当に拡大して使ったりしますね。

なお、ヘッドガスケットの厚みを変更しつつ、圧力計測で具合を合わせて
行こうとされているのであればそれは私からは推奨しないですよ。
それをやるとかなりデンジャラスな領域に入らないと数値がどかんと
上がらない、イコールノーマルより高くなっていない、と錯覚してしまう
事が大半ですので。

それをやろうとするならば、少なくともAF18系エンジンでその50φ社外品
ボアアップキットを運用しており、かつ同一メーカーのゲージを使って
データを持っている方に詳しくお話を伺うべきでしょう。
ただし、それで上手く行かせられる「アドバイス」が出来る人なんてまず
おられないと私は思いますけれど、ね…


> 書き忘れましたが、スカートの長さ調整ってコンロッドにピストン組んでみて、手回ししてみてクランクケース側で干渉しなければ大丈夫という認識で問題ないでしょうか?

最後にコチラですが、手法としてはそれでOKですよ。
AF18系エンジンだとリードブロック装着穴から覗いても、ノーマルピストンが
下死点ではどれ位の余裕があるのかは確認出来ますし、その上で寸法比較を
行った上で現物合わせのカットで良いでしょう。

コンロッド小端&大端部というのは上下方向には0.1oもガタがあっては
いけないものなので、ピストンスカート下部とクランクウェブの余裕は
1o取っておけば十分だと思いますよ。


ではでは…今回もズバズバとモノを記してしまいしたがご容赦をば(汗
圧力云々で物事を進めようとしている方だと、これ位はっきり記して
いかないと納得頂けない事が多いので。

とにもかくにも、少しずつでも「取り組み方の可否」も含めて経験を
積んで行かれると宜しいかと思いますよ。

では今回はこれにて失礼をば。
管理人でした〜

記事No 7148
タイトル Re^7: 謎の圧縮漏れ
投稿日 : 2017/04/07(Fri) 22:03:51
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
管理人さんこんばんは。レースしてきたのですね。良いですね〜。

今回もまた感動の内容をありがとうございます!

フレックスホーンって内燃機屋のホーニング加工代の方が安いという、凄く高い納豆みたいなやつですね。シリンダーを何個も加工するように成長したら手を出したいツールですね。

> だからこそ、私は自身のノウハウ等でもあまり出し惜しみしたくは無いと
> いうだけのオチなのですけれどね(笑

いやほんと足を向けて寝られないです。m(_ _)m


> > TKRJがピストンキットの寸法データを公開していましたので、手元のピストンを測ってみたところ、ピストンピン径、圧縮高がほぼ同じでしたので、3VRのピストン・リング・ピン一式をバイク屋で発注しました。
> > ttp://www.tkrj.co.jp/jp/goods/m-AY0300X-3WF-.php
> > スカートだけ3VRの方が長いので、干渉するようなら削ろうと思っています。グラインダーでは精度的にやばいですかね?
>
> 早速TKRJ製品を発注されましたか〜
> モノによるかとは思いますが社外50φに対して3VRピストンはほぼ同寸と
> 言っても良いのですが、現物もちゃんと計測した方が良いでしょう。

発注したのはヤマハ純正ピストンです。アプリで調べたところ TKRJ の製品とあまり値段が変わらなかったのでバイク屋で発注したら、届いたらヤマハ公表価格よりピストン周り一式でトータル8千円ほどだったのに3千円ほど上乗せされていました。ちょっと中抜きしすぎなので、今度からバイク屋数カ所電話して発注前に手数料その他金額を確認してから発注しようと思いました。

台湾ピストンと 3VR ピストンの比較写真を参考までに載せておきますね。

> なおスカートに関しては、41.4oストロークでも数o程度はカットして
> やる必要が出てきます。
> これはざっとだけならグラインダーでも良いですが、最終的には手作業と
> 鉄やすりでも良いので、削りながらピストンをガラスの上にでも置いてみて
> ある程度の精度が出ている事を確かめながら加工すると良いでしょう。

道標ありがとうございます。5mm ほどグラインダー&ガラステーブルペーパー手がけで処理しようと思います。

> さらに、これは無かったはずですがリングの合口ピンの位置、これが
> シリンダーの第2掃気と第3掃気の間の部分にきちんと来ていないと
> リングがヤバい事になるのでここも注意です。
> と言いますか、ピストンの流用の折に一番最初に見極めなくては
> ならないのがこの合口ピンの位置で、他はある程度どうとでもなりますが
> これが決定的に違っているとどうにも出来ないんですよね…

既に内燃機屋に現物送ってしまったので今手元で確認できませんが、こちら写真の通りほぼほぼ同じ位置にストッパーピン付いていますので、特に問題なさそうです。

> そうですね、ヤマハ以外にはカワサキも純正部品の検索が出来ますが、
> ホンダとスズキは出来ないのは残念です(泣
> …ホンダさんはそうそう簡単に調べられては困る理由があるのではと
> 思いますが、それでも昔の様にパーツリストを買わないと何も調べる事が
> 出来なかった時代よりははるかにマシという。

海外のサイトでパーツリストのPDF公開しちゃってるところありますよね。
せめて在庫だけでもオフィシャルで公開してくれれば良いんですけどねぇ。

> > TKRJ では 0.25mm 刻みでオーバーサイズを出しているようですが、このメーカーのピストンの品質ってどうなんでしょう?
>
> これはですね、私がいくつかのタイプを計測したりしてきた限りでは
> 精度そのものには悪い点は無いレベルで、材質も粗悪というワケでは
> ありませんね。
>
> リングそのものもさすがに安物社外品は比較にならないレベルですし、
> 台湾系製品の様にピストンピンが磨耗しまくるという事も無いです(笑
>
> 今ではモノによっては純正品そのものよりも安価なモノもありますが、
> 純正の代替品、とまでは言わなくとも私はそれなりに信頼している
> 製品ではあります、という事でひとつ。

ふむふむ。価格的にも今後補修キットの入手先として有力候補ですね。内燃機屋でもよく持ち込まれるピストンだと言っていました。


> まずはピストンクリアランス調整の為の精密ホーニングですが、これは
> 内燃機屋さんがどれ位の「勘定」を持って数値を決めるのか、は
> 所によってバラバラなのでまずこれが問題になります。
>
> 何も考えずに純正値と同じ位の5/100でOKとするところもありますし、
> ちゃんとピストンの上の方と下の方の寸法差を計測し、その上で
> 余裕がこれくらいあればOK、とする所もあります。

一社はだいたい5/100辺りを狙って出すと言っていました。


> かつ、社外品の混じりっ気の無いアルミピカピカのピストンなんかだと、
> 純正品よりははるかに熱膨張率は大きいのでその分クリアランスには
> 余裕を付与してやらねばなりませんし。
>
> 私は、ですがこれは自身のノウハウを最優先するので数値そのものは
> 決定した上でこれだけのクリアランスにしてくれ、といった発注の
> 仕方なのですが…これば計測器具とそれをちゃんと使える技量が
> 無いとノウハウだけあっても意味が無いので。
>
> が、一応は3VRピストンの純正品といった勘定でモノを考えますと、
> 6/100〜8/100程度を「最低でも」取っておいた方がベターでしょう。
> 基本的にチューニングエンジンであり、かつ社外品のピストンや
> シリンダーを用いる場合は、ピストンの寸胴具合等にもよりますが
> 純正ちっくなクリアランスではまず安心は出来ない、といった点を
> 考慮しないといけませんので。
>
> これもまず、3VRピストンの「一番太い所」と社外50φb「たところ、シリンダーに入れてみて、シクネスゲージで測ってみたところ、0.13〜0.14mmで入ってしまいました。涙
オーバーサイズピストンを買えばよかったです。台湾ピストンでも同じくらいのクリアランスでした。これでも抱き付いていたというのはそれだけ膨張率が大きかったのですね。

もう今回は1,2ヶ月予算をかけられないので、とりあえずは正確なサイズを測定してもらって、ホーニングに意味があるようならしてもらって、プラスダメ元で表面加工だけしてもらって、来月以降オーバーサイズピストンを買ってボーリングしてもらおうかなと考えています。シクネスゲージでそんなに入ってしまうなんてクリアランス広すぎですよね?


> いえいえ、これは中古で良いので計測器具を揃えて行き、要らない
> パーツとかで計測を練習すれば誰でも出来る様になると思います。
> 実際、過去に当サイトやメールでのやりとりを行った方々でも、
> 一から始めて色々出来る様になった方も何人もおられますんで。

オクで出てる5千円くらいのミツトヨのシリンダーゲージでも大丈夫ということですかね?マイクロメーターとかシリンダーゲージとかちゃんとしたやつは4,5万くらいするイメージで手出せないな〜というイメージでした。


ちなみに、メスシリンダーは買っていて、一度燃焼室容積を測ろうとしたりしていたのですが、ピストントップがシリンダーヘッドから中途半端に突き出していて、頓挫していました。シリンダー自体も組み付け時と同じトルクで固定しないと高さにズレが出ると思い、ヘッドの厚み分短いボルトが用意できていなかったため、まだキチンとした容積は測れていません。ヘッド単体なら測れるんですけどね。

ところで管理人さんは容積測定の時は液体は何を使っていますか?自分は2ストオイルにシャバシャバになりすぎない程度にガソリンで割っているのですが、緩いと密封用のグリスをとかしてしまったり漏れたりするし、濃いと注射器で吸いづらいし出しづらいしで。

> ん?これってJOG90系用ですよね?ヘッドボルト穴のPCDってDio系エンジンと
> かなり違うと思いますが…
> 私は50φでホンダ用のヘッドガスケットが欲しい時には、リード90用の
> 純正48φ品の内径を適当に拡大して使ったりしますね。

ありゃそうなんですね。なかなか難しいですね。ホンダ用で探してみます。

今日もありがとうございます。


記事No 7150
タイトル Re^8: 計測等について
投稿日 : 2017/04/08(Sat) 22:04:36
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ゅぅ@ジョルノさん毎度でございます〜
レス出来る時には可能な限りレスする管理人です(笑
では今日もいつものをば。


> フレックスホーンって内燃機屋のホーニング加工代の方が安いという、凄く高い納豆みたいなやつですね。シリンダーを何個も加工するように成長したら手を出したいツールですね。

そうです、丸い砥石がたくさん放射状に生えていて、遠心力にてシリンダーの
内壁をなぞっていく特殊なツールですね。
これ、確かに高価ではあるのですが…自身の運用するサイズのシリンダーに
適合した物は1本は持っていた方が何かと役に立ちますよ。

基本、この手のハンドツールの砥石というモノは、あくまで「シリンダー側の
内壁にこびりついたアルミのカス」をこそげ取る目的と、キズがあるとしたら
内壁側に「盛り上がった部分」のみを慣らして行くのが主目的なので、
円筒内部の真円度を維持しつつ内径を広げていく物ではない、といった点は
注意が必要です。


> 発注したのはヤマハ純正ピストンです。アプリで調べたところ TKRJ の製品とあまり値段が変わらなかったのでバイク屋で発注したら、届いたらヤマハ公表価格よりピストン周り一式でトータル8千円ほどだったのに3千円ほど上乗せされていました。ちょっと中抜きしすぎなので、今度からバイク屋数カ所電話して発注前に手数料その他金額を確認してから発注しようと思いました。

あ、発注されたのは3VRの純正品でしたか(汗
お値段が変わらないなら純正の方が良いですし…ただ純正品のオーバー
サイズピストンはすでに廃盤なので、そういった場合にはTKRJを選んで
みるのも面白いでしょうね。

と、バイク屋さんでの純正部品のお値段は…ヤマハが公表している値段は
バイク屋さんで直に発注すればそれがお客相手の値段になるのですが、
8000円に対して3000円も乗せるのはちとやりすぎかなとも。

通販系の純正部品でもよく乗せて1割強ですから…ちょっと残念ですが
そういうお店では純正部品の世話にはならない方が良いでしょうね(泣


> 既に内燃機屋に現物送ってしまったので今手元で確認できませんが、こちら写真の通りほぼほぼ同じ位置にストッパーピン付いていますので、特に問題なさそうです。

ピストン画像拝見しましたが、以前の物と変わっていない様ですから
リング合口ピンの位置もそのままいけると思いますよ。
ただ、ピン上寸法が若干異なるのとかも以前と同じみたいなので、
流用にあたってはそういった所の考慮も必要です。


> 海外のサイトでパーツリストのPDF公開しちゃってるところありますよね。
> せめて在庫だけでもオフィシャルで公開してくれれば良いんですけどねぇ。

ヤマハがかなり良心的というのは大きいと思いますが…こればっかりは
本来ならばパーツリストを購入するのが筋という物なので、あんまり
サービスしまくってもダメだと私は考えてますよ。

特にホンダはこのあたりがかなり厳しい印象は昔から変わりませんが、
私からすれば品番等がタダである程度見られるだけでも幸せだと思います(笑


> 一社はだいたい5/100辺りを狙って出すと言っていました。

ピストンクリアランスですが、これはベターなところと言いますか
あまりにも変な数値ではないところを狙った数値なのでしょう。

しかし、純正品のオーバーサイズを入れる為のボーリングならともかく、
社外品相手ではそれでは一筋縄では行かない事が大半ですね。

熱膨張率もありますが、一番問題になるのはピストンを真横から見ての
上の方の「前後幅」と下の方の「前後幅」の寸法の違いにあります。

当然、ピストンというモノはトップ部分の方が熱に晒されやすく、
熱膨張は大きくなるので、上の方と下の方を比較すれば上の方が
下の方に比べて前後長は短くなっている、すなわち細くなっているのが
基本になっています。

これが仮に…40φの純正ノーマルピストンだと、

上=39.650o
下=39.950o

とかになってたりしますが。

下側に関してはこことシリンダー内径の差異がピストンクリアランスに
なるので、シリンダー側内径が40.00φだとすればピストンクリアランスは
「0.05o」すなわち5/100となっていますね。

で、上の方は下の方よりも細い物ですが、これだとその寸法差は0.3o程
ありますが、40φで純正材質だとおおむねこの位の寸法差異が付けられて
いても普通のレベルなんですよ。


大切なのがこの数値なんですが…仮に上の方が39.750oなのであれば
それだけ熱膨張に対する余裕が小さくなる為に、ピストンクリアランスの
調整としては5/100ではなくもうちょっと大きめにしないと不味いのです。

かつ、これが40φではなく50φのピストンだとして、同じく上下の
前後幅寸法差が0.3oあるとすれば…ピストンそのものの径が大きいので
寸法差が0.3oあれば40φピストンと同じだけの余裕がある、と
言う訳には行きません。

このあたりこそがピストンプロフィール、形状等を加味した上でかつ
熱膨張の具合等を考慮した「設計」が必要な面であり、前述の様に
内燃機屋さんの意見の一つの「5/100で合わせる」といった手法が
ベターではなくなってくる最大の理由でもあります。


実際、過去に知人がそんな事一切考えず、上の方と下の方の寸法差が
小さく寸胴気味なピストンをおまかせの5/100にしたら一発でぶっ壊れた、
なんて事もありましたしね(笑

このあたりはさすがに私も企業秘密の面があるのであまり詳しくは
コツをご説明する訳にはいきませんが、ピストンクリアランスという
モノはそういった点も加味するのが内燃機として当然の分析には
なっている、といった点を覚えておかれると宜しいかと思いますよ。

なお、このあたりの私が述べた点を、内燃機屋さんの全てがノウハウと
して持っている訳ではないのが現実ですから、数値で決め打ちと
いうのはまず通用しないレベルである、といった事も記しておきますね。


> これまた絶望してる最中なのですが、3VR ピストンが届いたところ、シリンダーに入れてみて、シクネスゲージで測ってみたところ、0.13〜0.14mmで入ってしまいました。涙
> オーバーサイズピストンを買えばよかったです。台湾ピストンでも同じくらいのクリアランスでした。これでも抱き付いていたというのはそれだけ膨張率が大きかったのですね。

うむむ…新品のピストンを社外50φに入れた上でシクネスが0.14oで
はまってしまったのでしょうか?
さすがにそれはちとガバガバすぎかと思いますが…個人的経験では
そんな50φ社外品は見た事は無いのですが、いつもながらのセリフに
なってしまいますが、社外品なんてそんなものかな、と言うしか
言葉がありませんよ_| ̄|○

これも先立ってシリンダー内径を計測してみるのが本来ならば先決では
あるのですが…流用ってのはそういう物ですから(泣


なお、一応の計測方法としてはですね、シリンダーってのはそれだけ
ボア径が大きいとスリーブ部分はかなりぺらぺらでしょうから、ピストンを
入れて簡易的にクリアランスを見る場合には、内径寸法のおかしくなって
いる可能性の高いシリンダーの下側ではなく、「シリンダー上側から
ピストンを逆さまに入れ、スカートの末端をシリンダー上面から10o程度
下げた上で、スカートの前後両側のクリアランスを計測する」といった
手法が一番確実です。

シリンダー下側のスリーブだとガバガバに広がっていたりする事も多いので、
肉が厚く、かつ寸法変化の小さいシリンダー内径の箇所を狙ってピストンを
入れて計測しないとかなりアテが外れる、といった点にはご注意下さいな。


> もう今回は1,2ヶ月予算をかけられないので、とりあえずは正確なサイズを測定してもらって、ホーニングに意味があるようならしてもらって、プラスダメ元で表面加工だけしてもらって、来月以降オーバーサイズピストンを買ってボーリングしてもらおうかなと考えています。シクネスゲージでそんなに入ってしまうなんてクリアランス広すぎですよね?

ピストンクリアランスの大小については…さすがに簡易的にでも14/100も
クリアランスがあると焼き付かせる方が難しいレベルなのですが。
ピストンの表面を見る限り、完全にがっつりと逝っているワケでは
無さそうなので、それだけクリアランスがあっても冷却が足らないか
オイル潤滑効率が悪いか、といった可能性はありそうですね。

そもそも、ノーマルの1.6倍の排気量なら冷却ってのは当然のごとく
追いつかない、というのはお分かりかと思いますよ(汗


で、こういうのはやはりシリンダー内径とピストン側をきちんと測り、
その上でクリアランス数値を出さないと簡易計測ではどうしても
納得は行かないでしょう。

内燃機屋さんがシリンダー内径を測る場合には、上中下の3箇所では
計測するはずなので、その3点の内径数値と、ピストンの上の方やら
下の方やらの数値を伺えば納得も行くかなとも。
ただし、前述の様にノウハウの少ない内燃機屋さんだとピストンの
上の方の寸法は元々測ってない事もあるのでその点は注意です。


> オクで出てる5千円くらいのミツトヨのシリンダーゲージでも大丈夫ということですかね?マイクロメーターとかシリンダーゲージとかちゃんとしたやつは4,5万くらいするイメージで手出せないな〜というイメージでした。

これは使ってみないと分かりませんが、一流品の中古でOKですよ。
かくいう私もさすがにシリンダーゲージは中古ですし、基準器と
いった寸法指標となる物体を用いたりして誤差が無い様にした上で
計測機器として運用はしていますしね。

サイズとしては35〜60φ用を持っていれば原付一種&二種レベルの
シリンダーであればまず問題無いのと、基準値を出す為には
同様寸法が測れるマイクロメーターも必須ですが、これもそこまで
高額ではないですし他に汎用製があるのでひとつ買いましょう(汗

使い方にはそれなりにはコツが要りますが、こればっかりは情報と
して知っていても実際にやってみないと分かりづらいものですから、
計測機器というのは慣れも必要な為、タコメーターではありませんが
可能な限り早い時期から手に取っておく方が絶対にプラスには
なりますので、ね。


> ちなみに、メスシリンダーは買っていて、一度燃焼室容積を測ろうとしたりしていたのですが、ピストントップがシリンダーヘッドから中途半端に突き出していて、頓挫していました。シリンダー自体も組み付け時と同じトルクで固定しないと高さにズレが出ると思い、ヘッドの厚み分短いボルトが用意できていなかったため、まだキチンとした容積は測れていません。ヘッド単体なら測れるんですけどね。

これは文面から拝見するに、「ピストントップ部分の容積」を計測して
みようとした感じですが…腰下に組んだ状態ではピストントップ部分は
大抵はシリンダー上面から突出するのでそれでは計測出来ません。

これは当サイト内にもコツを記してあるのでそっちをご覧下さいな。

http://cgi.neginoleader.com/scooter_tuning/scooter_tuning43/scooter_tuning43.html

「スクーター改造」内の「2ストエンジンの「圧縮比」についての一考 
補足編」に記述しているのでご一読をば。

ピストン単体をシリンダーに入れ、シリンダー上面に透明板をくっつけて
液体を注入し、その量と計算でトップ容積を求めますね。
これもコツは要りますが…3VRならばオマケの記述でトップ容積を記して
いますんでそれを参照しても良いでしょう。

ちなみに、シリンダー自体をケースに固定した場合のベースガスケットの
潰れ具合を考慮されているかと思いますが、私はこれはほとんど
加味していないですよ。
いっても0.1o程度なので、正直それだけの数値をマイナスしておけば
致命的な誤差にはなりませんし、他の箇所の容積測定を間違ってしまう
方がはるかに計算誤差になるので、そこはとりあえず気にしなくてOKです。


> ところで管理人さんは容積測定の時は液体は何を使っていますか?自分は2ストオイルにシャバシャバになりすぎない程度にガソリンで割っているのですが、緩いと密封用のグリスをとかしてしまったり漏れたりするし、濃いと注射器で吸いづらいし出しづらいしで。

これも前述のコンテンツに記述があると思いますが、私は古くなって
茶色になったブレーキフルードを計測用の液体としています。

その特性上気泡が出来づらく、粘度もまあまあなので容積計測には
向いていますし、新品だと透明で分かりづらいのであえて捨てる様な
色の付いたモノを使っていますね。

後、こういったところの計測は「注入」が目的なのでメスシリンダーは
不要でして、「注射器に最初に10cc(仮)入れておき、注入後に何cc残ったか」で
判断するのが一番正確ですよ。


これらに加え、後は前述の様な「ピストンの肩落ち値」を計測しておけば
全て計算で圧縮比は簡単に出せるので、「測定の手間」さえ惜しまなければ
それなりのしっかりした計算結果が出せますので…

…またはっきり言いますが圧力信者の人だとこれが面倒臭いか分からないかの
どっちかだろう、と私は割り切っているので正直アテにするレベルですら
ありません、というのは改めて記しておきます。


> ありゃそうなんですね。なかなか難しいですね。ホンダ用で探してみます。

ヘッドガスケットですが、ヘッドボルトPCDはDio系とリード90系は同一に
なっているので、社外品で探すならそのあたりをアテにすると良いでしょう。
が、社外品ってヘッドガスケットの金属材質がうんこレベルなのもあり、
銅ガスケットとかだと最初から目一杯圧縮されきっていて、ヘッドボルトを
締めても潰れる余力が全く無い、というガスケットの意味すら成していない
物もあるので過信は禁物ですよ(笑


ではでは、今回もあれこれと記しましたが、計測に関してはコンテンツの方も
熟読される事をお奨めしておきますね。
管理人でした〜

記事No 7151
タイトル Re^9: クリアランスについて
投稿日 : 2017/04/11(Tue) 22:59:49
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
クリアランスや計測器具についてのアドバイス、ありがとうございます。

ノーマルシリンダーも後から測ってみたのですが、シリンダートップとピストントップを合わせて測ってみたら、これも 0.14mm ほどで、シリンダースカートとピストンスカートを合わせて測ってみたら、0.07mm ほどでした。

教わったピストンを逆さまに入れて 10mm 下げて計測でも 0.07mm ほどですね。

この結果を見るに、ボアアップシリンダーと 3VR STD のクリアランスが 0.14mm あるのはとりあえず5000kmくらい走れば良いという、街乗り使用においては、走ることはとりあえず走るという、そこまで悲観しなくて良いものなのでしょうか?一応シクネスゲージはシンワ測定のものなのですが。
サービスマニュアルでは、0.035-0.05mm で使用限度が 0.10mm と書いてありますが。

ノーマルシリンダーの方は、走っていて特に違和感などは感じません。

記事No 7152
タイトル Re^10: クリアランスについて
投稿日 : 2017/04/13(Thu) 20:32:54
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ゅぅ@ジョルノさん毎度でございます〜
さて今日も補足のレスをば。


> ノーマルシリンダーも後から測ってみたのですが、シリンダートップとピストントップを合わせて測ってみたら、これも 0.14mm ほどで、シリンダースカートとピストンスカートを合わせて測ってみたら、0.07mm ほどでした。
> 教わったピストンを逆さまに入れて 10mm 下げて計測でも 0.07mm ほどですね。

ふむふむ、ピストントップとシリンダー内径とであれば0.10oを超えていても
いたって普通でして、正確に測ればもっと隙間はあってしかるべきなんですね。

メイン、と言いますか本来の意味でのピストンクリアランスはピストンの
逆さま計測で0.07o、という事であれば正常範囲内でしょう。

純正新品できつめの物であれば0.05o以下とかもありますが、普通に走って
磨耗しただけのシリンダーであれば、シリンダー側ではなくピストン側が
どんどん磨耗して減っていくので、その分はクリアランスは広がります。

オイルをケチっていたり、パワーバンドを超えたオーバーレブで全開走行
ばかりしている車両だと数千kmの走行でもピストン側は0.05o〜とか平気で
減りますんで…


> この結果を見るに、ボアアップシリンダーと 3VR STD のクリアランスが 0.14mm あるのはとりあえず5000kmくらい走れば良いという、街乗り使用においては、走ることはとりあえず走るという、そこまで悲観しなくて良いものなのでしょうか?一応シクネスゲージはシンワ測定のものなのですが。

こちらはですね、あくまでピストンクリアランスとしては0.14oもあれば
正直、一般的な常用範囲というものは超え切ってはいます。
そこまでガバいとさすがに私でもピストンの首振りによる弊害を考慮して
しまうレベルなのですが…
あまりにも高回転を常用しなければなんとかいける範囲では、とは思えますが。
が、正直な感想としては新品ピストンを投入する場合であれば推奨は出来ないです。

ただし、排気ポート弦長がそれなりに広い加工での運用や、大き目のボア径では
そこまで心配する事はありませんが排気ポートの「面取り」の無さによる
リングの折損等の可能性もあるにはありますね。

ピストンクリアランス過大による首振りにおける一番懸念する弊害は
このあたりにありまして、こればかりはシクネスゲージではなく
内燃機屋さんのパーツ計測寸法値を正確に把握されてからの方が良いですよ。


シクネスゲージ計測が全くもって不正確、という訳ではありませんが、
ピストンクリアランスの数値を懸念する、といった段階なのであれば
簡易計測ではいけそう、ダメそうといった判断を行う材料としては
ちょっと不安が大きい、といった点はご留意下さいな。
それで判断や分析が可能なのであればシリンダゲージなんて要らないです。

ちなみにシンワ製のシクネスゲージは私もひとつ使っていますが、精度は
JIS2級であればそんなに悪い物でもありませんし、どちらかと言うと
使う人のウデの問題の方が大きくなるのでそこまで心配する事は
無いでしょう。


> サービスマニュアルでは、0.035-0.05mm で使用限度が 0.10mm と書いてありますが。

これはあくまで、新品状態のピストンクリアランスがそれだけあれば、
0.05o程度「ピストンが減ってクリアランスが広がった」状態だと
もう磨耗限界なのでピストンを交換しなさい、という意味合いになります。

シリンダー側は正直、原付一種の純正だとノーマル運用であれば10000km
走って0.01〜0.02o広がるかどうか、といった程度ですし、原付二種系の
純正シリンダーなら場合によってはもっと磨耗度合いは小さいです。

あくまで、致命的な焼き付き等でダメージを負った場合にはシリンダーの
内壁磨耗ではなく歪み等が発生するのがダメなのであり、鋳鉄製の
シリンダーの内壁磨耗、というモノは普通に使っていればそこまで大きく
減るものではない、といった点がポイントですね。

純正の限界値の0.10oまでピストンクリアランスが広がった、となれば
ピストンが異常に減っている状態である、という事なので。
だからこそ、シリンダー側の寸法が元々広くてピストンクリアランスが
過大な場合、ピストンの経年劣化による磨耗を考慮するとしばらく走った
後にはもっともっとクリアランスは広がってしまう、という事です。

かつ、ピストンリングの磨耗はもっと速く、リングがゆるゆるになって
しまっているとそれもピストンクリアランス過大状態の場合には
余計に弊害が起こりやすいといった点も付け加えておきますね。


最後に余談ですが、私の所有マシンのひとつであるアルミフレームの
FS-JOGですが、あれってそれなりに使い込んだ現状でのピストン
クリアランスで0.12o位なんですよ。
これはピストンがそこまで減っているのではなくシリンダー側が強烈に
磨耗しているといった状態です。
(ピストンは定期交換してます)

シリンダーのみ自然空冷、といった強制空冷に対してはるかに劣る
冷却方式の為、シリンダーを作成する時点でもピストンクリアランスは
0.09oとかに設定していましたが、ここまで広がってくるとさすがに
いつかリングが折損するのではないか、といった懸念は出てきている
状態ではある、といった感じでしょうか。
変速回転数12500rpmで44φボア、かつJCC製のリングがイマイチな
ピストンといった厳しい条件ではありますが、その位なら運用はまだ
出来るかな、といった感じなので参考までに。


ではでは、いつもながらややこしくて申し訳ありませんが今回は
このあたりで失礼をば。
管理人でした〜

記事No 7154
タイトル Re^11: クリアランスについて
投稿日 : 2017/04/13(Thu) 22:35:39
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
おぉ書いてる間にご返信ありがとうございます。

> ふむふむ、ピストントップとシリンダー内径とであれば0.10oを超えていても
> いたって普通でして、正確に測ればもっと隙間はあってしかるべきなんですね。
>
> メイン、と言いますか本来の意味でのピストンクリアランスはピストンの
> 逆さま計測で0.07o、という事であれば正常範囲内でしょう。

そうなのですね、台湾キットも送る前に測れれば素人測定によるややこしい心配の話にならなくって良かったですね。^^;
内燃機屋からのデータが来たので今は色々腑に落ちています。


> シクネスゲージ計測が全くもって不正確、という訳ではありませんが、
> ピストンクリアランスの数値を懸念する、といった段階なのであれば
> 簡易計測ではいけそう、ダメそうといった判断を行う材料としては
> ちょっと不安が大きい、といった点はご留意下さいな。
> それで判断や分析が可能なのであればシリンダゲージなんて要らないです。
> ちなみにシンワ製のシクネスゲージは私もひとつ使っていますが、精度は
> JIS2級であればそんなに悪い物でもありませんし、どちらかと言うと
> 使う人のウデの問題の方が大きくなるのでそこまで心配する事は
> 無いでしょう。

今回はこれが顕著に出た結果となりましたね。0.14mm の件については測定の仕方を学んでいくということで、というかマイクロメーター買います。

サービスマニュアルについての補足もありがとうございます。使用限度というのは経年劣化的な数値の目安ではなく、それはちょっとおかしいよ的な目安なのですね。

> 変速回転数12500rpmで44φボア、かつJCC製のリングがイマイチな
> ピストンといった厳しい条件ではありますが、その位なら運用はまだ
> 出来るかな、といった感じなので参考までに。

半端ない高回転ですね!そこまで行くと最大回転数は 14,500rpmとか行くのでしょうか?街乗りだと尻への振動で疲労が半端なさそうですね。笑

JCC は台湾製だと思いますが、使ってらっしゃるということは無名のものよりかは幾分マシで使えるということでしょうか?

そして、G'チューニングのページで、12φ35mm ピストンピンを探してらっしゃるということで、8年前の記事なので今更な可能性の方が遥かに高いですが、お世話になっているお返しで、お力になれればと思い、TKRJ で公開しているデータを全ページチェックしてみました。既に見つけられていたらすみません。

RD125
ttp://www.tkrj.co.jp/jp/goods/m-AY0620X-466-.php

KX-60A
ttp://www.tkrj.co.jp/jp/goods/m-AK0080X--1080.php

BAJAJ DISCOVER100
ttp://www.tkrj.co.jp/jp/goods/m-AZ0080X-JB-5212-00.php

の3点のみが該当しました。

タイミング的にレスが被ってしまいましたが、引き続きよろしくお願い致します。m(_ _)m

記事No 7155
タイトル Re^12: クリアランスについて
投稿日 : 2017/04/14(Fri) 22:56:13
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
> そして、G'チューニングのページで、12φ35mm ピストンピンを探してらっしゃるということで、8年前の記事なので今更な可能性の方が遥かに高いですが、お世話になっているお返しで、お力になれればと思い、TKRJ で公開しているデータを全ページチェックしてみました。既に見つけられていたらすみません。

これ今他のG'のコンテンツ読んでいたらやはり既にキタコなどで見つけられていたようですね。失礼しましたm(_ _)m

記事No 7153
タイトル Re^10: クリアランスについて
投稿日 : 2017/04/13(Thu) 21:43:24
投稿者 ゅぅ@ジョルノ
参照先
毎度こんばんは、早く普段の足をリードから愛しのジョルノに乗り換えたくて喉から手が出っぱなしで嘔吐きが止まらないゆうです。

内燃機屋から計測結果が来ました。添付の画像です。

結果、シックネスゲージと大分ズレがありました。全然あてにならないのですね。逆に安心しました。もうちょっと測定の位置を考えて測ればよかったですが。
計測結果を見ると、シリンダーが真円になっていませんが、クリアランスについてのコンテンツで書かれている、「ザラにある」シリンダーですね。シリンダーが20mmの位置で、49.97mm しか無いのであれば、台湾ピストンの最大径が49.95mmで寸胴ピストンだったと仮定すると、2/100のクリアランスしかなく、抱き付いたのも納得がいきますね。

ピストンは最大径しか来てないので、再度ピストントップから、10mm, 36mm(ピン穴中心), 53mm(スカート下端から5mm) の位置の前後幅の径を測るように依頼しています。

3VR ピストンを加工ベースにお願いする予定ですが、依頼内容は、純正ピストンなので寸胴ではないとして、スカート部の 49.955mm を考慮し、

上から 10mm 位置の前後幅が 49.65mm の場合は 7/100、49.75mm の場合は 8/100、で真円にするという具合に 0.1 mm 差が縮まる毎に 1/100 クリアランスを拡げる。

という感じで問題ないでしょうか?

企業秘密で明確なことは書けないのは重々承知していますので根拠は明かさず、そのデータだったらこれくらいのクリアランスなら抱き付きの危険性かなり減らせるよというアドバイスいただけるととても嬉しいですm(_ _)m


記事No 7156
タイトル Re^11: クリアランスについて
投稿日 : 2017/04/15(Sat) 01:48:17
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ゅぅ@ジョルノさん毎度でございます〜
…何かかなりヤバそうな症状が出ているみたいですがエンジンがきちんと
出来るまでは発作を抑えた方が良いかなとも(笑


さてさて、内燃機屋さんの計測結果を早速拝見しましたが…
そこまで無茶な物でなくてなんとなくほっとしておりますよ〜


> 結果、シックネスゲージと大分ズレがありました。全然あてにならないのですね。逆に安心しました。もうちょっと測定の位置を考えて測ればよかったですが。

そうですね、こればかりは前述の通り、きちんとした計測器を使っても
温度や人間のウデの差でも誤差は出てくるものなので。
測定位置に関してはこれもまた正確な物事の機微、という物を知って
いなければ器具だけがあってもほぼ意味は無い、という事で…(汗


> 計測結果を見ると、シリンダーが真円になっていませんが、クリアランスについてのコンテンツで書かれている、「ザラにある」シリンダーですね。

シリンダーを2個計測した結果で、かつどちらもそれなりの内径寸法の
ばらつきがあった、といった結果の様ですが、おっしゃる通り社外品の
シリンダーならこんなのザラにあって当然なんですよね。
…こんな精度で焼き付きがどうこう、安定がどうこうなんて語っていても
無意味に等しい、といった点は正確な計測に基づく数値を確認すれば
私がくどくど言っている意味が分かって頂けたかなと思いますです(笑


>シリンダーが20mmの位置で、49.97mm しか無いのであれば、台湾ピストンの最大径が49.95mmで寸胴ピストンだったと仮定すると、2/100のクリアランスしかなく、抱き付いたのも納得がいきますね。

えっと、これはちと解釈が違いますね。
シリンダー上面から20oの位置の内径寸法が49.97oなのであれば、ピストン側の
最大径というのは大抵はかなり「下の方」なので、実際のエンジンとしての
実働時にはその「ピストンの下の方」がシリンダー上面から20oの位置にまで
来る事は無いので、その寸法位置同士が焼き付く、という事は物理的には
ありえませんので。


> ピストンは最大径しか来てないので、再度ピストントップから、10mm, 36mm(ピン穴中心), 53mm(スカート下端から5mm) の位置の前後幅の径を測るように依頼しています。

最大径となる部位は主にピストンのスカート下端から5〜10o以内の所に
来るのが基本なのですが、これは上の方から下の方までの前後幅をいくつか
測った上で、一番太い所を決定しているはずです。

なお、私の言っているピストンの最小径となる部位は、トップリングの
装着位置のさらに上、「肩」の真下あたりなので計測依頼されている
上から10o点、ではなくもっと上の方が良いでしょう。
トップリング上にマイクロメーターを置く様な計測方法になるはずです。

スカート下端から5o点、というのも一つの目安ではありますが、この3VR
ピストンの場合は、装着においてスカート部を4〜5oはカットしなくては
いけない、といった点はお忘れなき様に。
ただし、5o程度ならば計測位置が違っても寸法的には0.05oもは違わないので
それでもいけるとは思えますけれどね。

…しかしこの計測図示、シリンダー上面から100o点、という数値ありますが
これだと横方向はスリーブが無くて測れないのでは、と思いますが(汗


> 3VR ピストンを加工ベースにお願いする予定ですが、依頼内容は、純正ピストンなので寸胴ではないとして、スカート部の 49.955mm を考慮し、
>
> 上から 10mm 位置の前後幅が 49.65mm の場合は 7/100、49.75mm の場合は 8/100、で真円にするという具合に 0.1 mm 差が縮まる毎に 1/100 クリアランスを拡げる。
>
> という感じで問題ないでしょうか?

こちらもちと補足させて頂きますが、私の言う「ピストンの寸胴具合」というのは
上の方と下の方が同一寸法に近い、といった意味合いでは無いんですよ(汗

あくまで表現として寸胴ちっく、といった表現を出しているだけであって、実際の
ピストンというモノはその具合の差はあれ、上の方と下の方が同一寸法に近い、
といった物はまず存在しないです。


個人的な手元の3VR新品ピストンの計測数値だと、

・上(肩部分の直下)=49.612o
・中(ピストンピン穴位置)=49.918o
・下(スカート下端から10o点)=49.950o

といった感じですね。
千分台の数値は目見当なので無視でOKですが(笑


なので、このピストンの場合は「上の方と下の方の寸法差」がおおむね
「0.34o」程度ありまして…
50φピストンにおいてこの位の上下差であれば、寸胴ではなく結構な
円錐台形状を保っている、十分な合格点の寸法差が設けられている
ピストン設計である、といった分析になります。
(…こういうのは純正、社外、各サイズ、各車種等を色々知らないと
判断のしようが無い物ですが)

…純正品なので当然と言えば当然ですが、このあたりはいくつも同様の
純正品を計測しても、0.1oもは寸法差異は無い事が大半なので、
まさにこのあたりこそが「純正部品のお値段に見合った精度」という
事になっていますね。

これが、もっとピストン径がでかく、仮に60φあるピストンで上の方と
下の方の寸法差が0.34o程度しかなかったりした場合だと、当然のごとく
この3VRピストンと同一のピストンクリアランスを取った場合には
確実に熱膨張への余裕が少なくなるのでデンジャラスである、という事です。

こういった具合の差であれば、表現としては「3VRの純正的な寸法差よりは
寸胴に近いピストン形状である」と表現していますね。


> 企業秘密で明確なことは書けないのは重々承知していますので根拠は明かさず、そのデータだったらこれくらいのクリアランスなら抱き付きの危険性かなり減らせるよというアドバイスいただけるととても嬉しいですm(_ _)m

で、その「上下寸法差」ですが…この数値がどの位ならばトップ側の熱膨張を
どの位加味してやってクリアランスいくつにするのか、といった点こそが
前述した様なノウハウになるんですよ。

これまた前述した様に、純正品ピストンであれば「混じり物」が多々あり
純アルミに近い様なピストンの材質では無い為、ピストンクリアランス的には
純正レベルにまで詰めてもまあいける範囲では、といった分析にもなって
来ますしね。

なので、シリンダー内径計測数値を鑑み、かつ手元にもある3VRピストンの
寸法が「最近発注した同一純正品」でも公差の範囲に寸法が収まっている、と
いった事を両方ともふまえた上であれば…ピストンクリアランスとしては
7/100〜8/100程度を取っておけば良いのでは、と私は分析します。


正直、純正規定最大値の5/100程度でもいけるかもとは思いますがシリンダー側の
スリーブが薄い事による経年劣化での内径の変形等を加味すれば、
ある程度は余裕を持っておけばベターかな、といった感じでしょうか。

かつ、以前のピストンの材質や、排気量がノーマルの1.6倍にもなる事も鑑み、
ノーマル強制空冷システムの余裕の無さも勘定に入れれば、純正ピストンが
相手とはいえ純正クリアランス準拠で行くには不安があるかとも。

なのでこの場合、シリンダー内径を50.03φ程度の目安でホーニングして
いけば公差も含めた仕上がり寸法となるでしょう。
…というのが個人的な分析、と言うか設計になりますね。


なお、シリンダー側に関しては内径を機械加工でいじくる場合だと、
スリーブの下の方はどうしてもたわんでしまうので、金属バンド等を用い
ある程度薄い部分が広がらない様にした上で加工する、といった手法を
取っている所もあるかと思います。

これは内燃機屋さんの「物の見方」にもよりけりなのですが、この
台湾製50φシリンダーにおいても、元々の状態ですでにシリンダー内径が
上の方と下の方でかなり異なっている、という現状はそういった加工の
手法にもコストや手間を掛けているかどうか、という点が如実に現れて
いたりしますんで。

それにしても、前後方向においてシリンダー上面から30o点と60o点で
内径寸法に0.025oも差が出ている、というのはいくら社外品といえども私の
経験上では結構酷い部類です、といった点は補足しておきますね(汗


最後に、肝心要の問題であった、焼き付き具合の要因としては元々入って
いたピストンの寸法等も取らなければなんとも言えませんが、おそらくは
3VRピストンよりははるかに「寸胴に近い」寸法になっていたかとは
思えますし、かつピストン材質的にも熱膨張が大きめであり、さらに
冷却システムが純正ノーマルのまま、となればいくらキャブセットやオイルで
誤魔化しても無意味な範囲であったであろう、と私は分析してますね…
(シリンダーの内径精度も、ですね)

もちろん、分析した上での8/100クリアランスで絶対に安心である、とは断定は
出来ませんが、運悪く何かが起こるとしても何も計測や対策をせずに壊れて
しまうよりは納得のいくトラブルが起こるであろう、という事で。

こうして、きちんと考えた対策を打った上でトラブルが出てしまった場合は
その後の対策もまた立てやすくなる、というのが建設的なノウハウとなる事を
願いたいですよ。



> そうなのですね、台湾キットも送る前に測れれば素人測定によるややこしい心配の話にならなくって良かったですね。^^;
> 内燃機屋からのデータが来たので今は色々腑に落ちています。
> 今回はこれが顕著に出た結果となりましたね。0.14mm の件については測定の仕方を学んでいくということで、というかマイクロメーター買います。

そして別ツリーの件ですが、おっしゃる通りであれこれする前に計測だけでも
行っておけば色々と割り切る事も出来たかと思いますね。

が…ネタバレみたいになりますがこういった事を懸念された方がおられた場合、
今回のゅぅ@ジョルノさんが私にアドバイスを求められた様に、あれやこれやと
数値等をはっきり出した上で納得され、「次」からは自分でもやってみようと
して器具を購入したり、内燃機屋さんへ足を運んだりされた方、というのは
過去に何人もおられたんですよ。

私はメカニズム的なモノを言う時には良くも悪くもはっきり言いますから、
手前味噌ではありますがそうやって他人様の次なる一歩のきっかけとなった事も
多々ありますんで、ゅぅ@ジョルノさんに対しても何かの足しになって
貰えれば、と考えておりますです。

…私は持論をオラオラ押し付けて聞き手側の意見を意に介さない、なんてのは
大嫌いなのは言うまでも(以下略


> サービスマニュアルについての補足もありがとうございます。使用限度というのは経年劣化的な数値の目安ではなく、それはちょっとおかしいよ的な目安なのですね。

サービスマニュアル記載値については、実際には記載値までパーツが
磨耗してしまうともうとんでもない事になっているというのが
現実だったりしますよ。

単純なところで、ベルトなんかは幅は1mm程度減ったら交換限度、と
なっていますが、これもちゃんとした理由があってそうなっているので
それ以上に減っても平気で走っているとプーリーやら何やらを痛めつけても
当然の報いになっているだけですからねえ…
何かの我慢大会でもやってるのかと(以下略


> 半端ない高回転ですね!そこまで行くと最大回転数は 14,500rpmとか行くのでしょうか?街乗りだと尻への振動で疲労が半端なさそうですね。笑

FS-JOGですが最高回転数は残念ながら試しようがありません(笑
サーキットのストレートエンドでぎりぎり最大変速するかしないか、と
いった調整になっているので、それ以上の回転数を知ろうとすれば
もっと長いストレートが要りますんで(笑

が、パワーは出ませんが別に13500rpm変速とかでも走れる事は走れますし、
さすがにSSマシンの様には行きませんがやろうと思えばその位は行っても
おかしくないかなと思ったり。

ちなみにお察しの通り、振動はハンパないどころかお尻の皮が剥けていく
レベルなので特殊な尻の皮の鍛え方をしていない場合にはこういうのは
お奨め出来ませんね(爆


> JCC は台湾製だと思いますが、使ってらっしゃるということは無名のものよりかは幾分マシで使えるということでしょうか?

そうですね、台湾系のピストンメーカーの品になります。
とはいっても、これは今の時代に44φで流用出来るピストンが無いだけで
あって、私も仕方なくJCCを使って設計しているだけなんですよ…

44φならばヤマハ純正の4輪バギーの「YT60」のピストンを流用して
いくのが縦型JOG系のボーリングボアアップでは定番中の定番でしたが、
これはピストンそのものの強度がイマイチなのと、今ではすでに
廃盤になっているので。

43〜44φならばキタコのピストンでも良いのですが、それなりのコストが
かかる事もあってあえてJCCで作ってみた、という興味本位の設計の
エンジン仕様でもありますしね(笑
なので、パワーの出し方的にはかなり遠慮はしていますよ。

…無名、と言うよりは他のモノに比べてまあまあマシだったから、と
いった点も大きいですが、しばらく前にこのJCCを買っていた所に同じ
ピストンを2個発注したら、KJT製が送られてきて参りました(泣
もうこのサイズのJCC44φは生産されていない様なので、手持ちの物を
使い切ったらまた何か考えないといけませんね。


> これ今他のG'のコンテンツ読んでいたらやはり既にキタコなどで見つけられていたようですね。失礼しましたm(_ _)m

そしてピストンピンですが情報ありがとうございますです。
こういうのは別に情報が重複しても問題は無いどころか、他の選択肢も増えて
いく可能性もあるのでどんどん出して頂ければ、と思いますよ。

ここを見て役に立てるのは私だけとは限りませんし、私はWEB上の有用な
情報はどれだけ重複していても貴重である、と考えてますんで。

ちなみにピストンピンの流用だと、ピンの径と長さが同一でも、実際の
ピンのはじっこの面取り具合によってはクリップがちゃんとはまるか
はまらないか、といったチェック点もあるのでなかなか難しいものです。


後どうでも良い余談ですが、リンク先の一つのKX60、これって43φとして
ホンダAF18系のボーリングボアアップに用いられる事もあったピストンです。

当時の改造レギュレーションである60ccにする為にこれを用いた上で、
シリンダー側をそれなりに調整して流用する、といった手法は数少ない
ホンダAF18系エンジンベースのアルミフレームスクーターでの定番と
なっていたかと。

ただしこれは元がメッキシリンダー相手のピストンなので、前述の様な熱膨張が
云々に対してのあれこれがややこしく、そう簡単に流用が出来るものでは
ありませんが、選択肢の一つではあったという昔話ですね〜


ではでは、いろいろくっついて長くなりましたがまたツッコミあれば
宜しくお願い致しますね。
管理人でした〜

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