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記事No 7582
タイトル 2JA ファイナルギアについてご教授ください
投稿日 : 2018/06/10(Sun) 09:37:52
投稿者 ぱぱ
参照先
はじめまして。2JAについて大変お詳しいのでご質問させてください。
宜しくお願いいたします。

現在のギアは規制前27Vの11.25ですがこれを部分的(2JAなど流用)に使用し、更にハイギア(10前後〜10中盤)をめざしております。

規制前27Vのプライマリ12丁を2JAプライマリ14丁に変更することにより9.63までハイギアとなりますが、この14丁プライマリだけを組み込むことは可能でしょうか?

また、後期27Vメインアスクル42/11の流用によっても規制前27Vと2JAなどの組み合わせによてっは狙っている10前後〜10中盤のギア比を確保できます。

問題は丁数が違うことによりギアの径が違うため部分的な変更では組み込めないかが不安で中古での購入も躊躇してしまいます。

とてもお詳しのでご教授いただけましたら幸いです。

宜しくお願い意申し上げます。

記事No 7584
タイトル Re: 2JA ファイナルギアについてご教授ください
投稿日 : 2018/06/11(Mon) 09:46:33
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ぱぱさん初めまして。
当HP管理人のねぎのリーダーです。

さてさて、2JAのご質問という事ですが、申し訳ありませんが実は私は2JAや
縦型系JOGに関してはさほど詳しくありませんので、自分的に分かる範囲にて
お答えさせて頂きますね。


> 現在のギアは規制前27Vの11.25ですがこれを部分的(2JAなど流用)に使用し、更にハイギア(10前後〜10中盤)をめざしております。

現在は定番的な27V、初期型の縦JOGのギヤを組まれているのですね。
50cc用ボルトオンではお察しの通り、これが一番ハイギヤであると思います。


> 規制前27Vのプライマリ12丁を2JAプライマリ14丁に変更することにより9.63までハイギアとなりますが、この14丁プライマリだけを組み込むことは可能でしょうか?


まず、14丁のみの組み込み、という事ですがこれは私は現物で試した事は
ありませんが、合方のカウンターの丁数だけでは物を判断しきれないでしょうね。

27V=12-45 12-36 (45/12)x(36/12) 3.750x3.000=11.250
2JA=14-52 11-38 (52/14)x(38/11) 3.714x3.454=12.828

実際の丁数はこうなっていますが、この場合2JAの14丁ドライブギヤにはまる相方の
カウンターギヤが52丁という数字になっていますから、これはまず27Vのカウンターの
45丁にはいくらなんでも大きすぎて合わないと思います。

ギヤ自体はどちらも直歯だったかと記憶していますが、ギヤというモノは歯数が合って
いるかどうかのみではなく、歯の山や谷、実際の回転円である「ピッチ円径」といった
数値等が複雑に設計されているものなので、本来は異なるギヤ同士の歯当たりを
起こす組み合わせというのはトラブル覚悟の上でやるものですから…


> また、後期27Vメインアスクル42/11の流用によっても規制前27Vと2JAなどの組み合わせによてっは狙っている10前後〜10中盤のギア比を確保できます。

こちら、流用方法として順番としては2番目と3番目の合体しているギヤASSYでの
交換をお考えの様ですが、もちろんここは圧入で簡単にはバラせないのでその
手法に辿り付かれたと思うのですが…実際の流用としてはそこのカウンター部分を
プレスで抜き換えた上で、ギヤの順番的に「1-2」と「3-4」の組み合わせは換えずに
行っていくのがこの手のエンジンの定番手法なんですよ。

実際、私がアルミフレーム2JAで行っているのは27Vギヤと35Rアクティブの
ギヤを真ん中の2枚で分解&組み合わせた仕様でして、丁数としては

13丁(35R)-45丁(35R) 12丁(27V)-36丁(27V)=10.383

としています。

要は、ドリブンシャフト13丁と真ん中のカウンターセット45-11丁のギヤを
35Rアクティブの物を用意し、27Vの真ん中カウンターセット45-12丁も
用意して双方を分解、その上でアクティブカウンター45丁に27Vの12丁を
入れてこしらえる、という事ですね。

これはもちろん、27Vカウンター45丁に対してアクティブの13丁ドリブンシャフトが
合わないから、なんです。
45丁の丁数のみでは同じでも、ギヤというものは合うとは限らないという代表例かなとも。

基本的にこの世代のヤマハ縦型系はギヤ自体は直歯なので、実際にはカウンターを
分解せずにいける組み合わせもあるとは思いますが、私の知る限りではこれが
狙い通りの減速比であったのでこれにしている、というだけですね。


> 問題は丁数が違うことによりギアの径が違うため部分的な変更では組み込めないかが不安で中古での購入も躊躇してしまいます。

なので、こちらに関しては前述の通り、合うわせてみないと分からない点が
ほとんどですし、品番で共用部を探せばある程度把握は出来ますが、私自身
昔調べた事がありますが現実的にはほとんど不可能であった、という事に
なりますね…(ホンダや横型ヤマハなんかは斜め歯も多いので余計無理だったり)

ただし、カウンターギヤの抜き換えによっては結構な自由度が出ますが、その
反面、やはり「純正で噛んでいる組み合わせ」以外を行うのは無理では無いかと
私は割り切っています、といった点も付け加えさせて頂きます。

ではでは、分かりづらいとは思いますが不明瞭な点があればご指摘下さいませ。
管理人でした〜


P・S
おまけで私の知る限りのその世代の車両のギヤの丁数を記しておきますね。

27V 83年〜JOG 12 45 12 36 (45/12)x(36/12) 3.750x3.000=11.250
27V後期 12 42 11 38 (42/12)x(38/11) 3.500x3.454=12.089

54V 84年〜チャンプ 13 45 11 38 (45/13)x(38/11) 3.461x3.454=11.954
54V後期 (55Tチャンプ) 12 42 11 38 (42/12)x(38/11) 3.500x3.454=12.089

1YT?2UL エクセル 12 42 11 38 (42/12)x(38/11) 3.500x3.454=12.089
(1HVボクスンも同等?)

35R アクテイブ 13 45 11 38 (45/13)x(38/11) 3.461x3.454=11.954
35R アクティブスポーツ 12 45 11 38 (45/12)x(38/11) 3.750x3.454=12.952

2JA 6ps JOG 14 52 11 38 (52/14)x(38/11) 3.714x3.454=12.828
2NA チャンプRS 14 52 11 38 (52/14)x(38/11) 3.714x3.454=12.828
3CP 6.3psJOGスポーツ 13 48 11 38 (48/13)x(38/11) 3.692x3.454=12.752

3FC チャンプCX 13 52 14 43 (52/13)x(43/14) 4.000x3.071=12.284
3AA BW`s 13 52 12 44 (52/13)x(44/12) 4.000x3.666=14.664

↑3AAタイプは意味無いですが(笑


記事No 7585
タイトル Re^2: 2JA ファイナルギアについてご教授ください
投稿日 : 2018/06/12(Tue) 15:39:15
投稿者 ぱぱ
参照先
ご返信いただきありがとうございます。

アクティブの持ち合わせがありましたので管理人様と同じくアクティブ+27Vの組み合わせをおこないました。

これにより下のセットを駆動系で再調整しようと思います。

大変参考になりました。ありがとうございます。

記事No 7588
タイトル Re^3: 2JA ファイナルギアについてご教授ください
投稿日 : 2018/06/15(Fri) 07:53:27
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ぱぱさん毎度でございます〜

さて、合体ギヤの件は早速実行された様ですね。
総減速比10.383ですから目的の減速比に近いと思いますし、手持ちパーツも
あった様で何よりです。

…しかし、この1次側と2次側、双方固定の純正組み合わせ方式だとこのパターンが
一番ハイギヤになるので、これ以上は無いというのも何とも歯がゆいですが…
なお、以前キタコから出ていたハイギヤはこれと同じなのであくまで私は、ですが
これ以上のハイギヤを知らなかったりします_| ̄|○

ではでは、お役に立てた様で幸いです。
管理人でした。

P・S
発進あたりの変速比は、縦型JOGだと元々の構造上、あまりロー発進には
しづらいので難しいのですが頑張って下さいませ〜

記事No 7591
タイトル Re^4: 2JA ファイナルギアについてご教授ください
投稿日 : 2018/06/19(Tue) 09:26:03
投稿者 ぱぱ
参照先
ご返信大変ありがとうございす。

このハイギヤ−ド化による駆動系の変更についてご教授ください。

一般的にハイギア化を行なうと下〜中速がモッサリ感が出てくるのではと思います。

ハイギア化によっておこる0発進〜中速のセットは駆動系かと思いますが、注意点、駆動系内の変更を行なったほうが良いセッティング(ウエイト、クラッチ関係、スプリングなど)のアドバイスをお願いできます幸いです。

宜しくお願いいたします

記事No 7592
タイトル Re^5: 2JA ファイナルギアについてご教授ください
投稿日 : 2018/06/21(Thu) 08:50:53
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ぱぱさん毎度でございます〜

さて、ファイナルギヤをハイギヤード化する事による発進時の問題ですね。
これはエンジンパワーや駆動系構成にもよりますが、はっきり分かる位にまで
発進加速が低下しているのであれば何らかの対策を行うべきかなと。


> ハイギア化によっておこる0発進〜中速のセットは駆動系かと思いますが、注意点、駆動系内の変更を行なったほうが良いセッティング(ウエイト、クラッチ関係、スプリングなど)のアドバイスをお願いできます幸いです。

まず、おっしゃる通り発進時を主眼としますと、スクーターの総減速比と
いったモノはまずエンジン回転数が駆動系で減速され、2次的にファイナル
ギヤでも減速されてリヤタイヤが回転する訳ですが…

これ、まずはクランクシャフトからリヤタイヤまでの「総減速比」を算出して
おくのが基本となり、それとギヤ交換後の数値を比較していくのが良いでしょう。

仮に、2JAのJOGあたりを例に出しまして…駆動系が最小変速状態での
変速比、すなわち一番ロー発進の状態でおおむね「2.5」あたりとします。
(※これについては後述)

ファイナルギヤはノーマルの「12.828」と、組み換えられた「10.383」の二種類とします。
「総」減速比となると掛け算ですから、単純に

・2JAノーマル=2.5x12.828=「32.07」
・ハイギヤ=2.5x10.383=「25.957」

となります。
要はクランクシャフトが何回回ればリヤタイヤが一回転するか、ですね。

と、この数値だけを見ても基準としてはちと難しく、比較になるモノがないと
分かりづらいのですが、7.2psクラスのスクーターでもこの総減速比は
ノーマルであればおおむね「30」弱とされている事が多いです。

その位あれば、体重が120kgあるとかで無い限り、ノーマルエンジンでも
ある程度スムーズな発進は可能になる、と言えるでしょう。


ただ、組み換えギヤでの総減速比としては26近い数値となりますが…
正直、これだと50ccノーマルパワーでは「発進時には」ちとハイギヤかな、と
思える数値になりますから、これをロー方向にするには発進時の駆動系の
変速比を
現在よりもロー側に振っていくのが最初の手段となります。

コレには定番的にはプーリーボスにシムを追加し、最小変速状態の変速比を
現在よりローに振っていくのが一番ですが…残念ながら縦型JOG系の場合、
ノーマル構成だとかなりベルト長が余り気味なので、あまり良い方向には持って
いけませんが、それでも多少は改善の余地はありますね。

これはまず、サービスマニュアル値にも記されていますが最小変速状態の
変速比を数値で知らないと何も始まらないので、「ドライブ側を何回回せば
ドリブン側が一回転するか」を手回し計測で確認します。

ドライブフェイスの適当な所にケースとの合わせ位置をマークし、同じ様に
ドリブンフェイス(クラッチアウターでは駄目ですよ)にもマークし、ドライブ側を
手で回していけば、おおむね2.5回転とかでドリブン側が一回転するはずですよ。


で、これが実際の実回転による発進時の変速比になるのですが、コレを把握した
上で、ボスにシムを足していきある程度まで発進時のロー傾向を探っていきます。

なおこれには注意点も多々あり、鉄則として「ベルトの裏側がボスに接触して
いない」事と「無変速状態にてドリブン側トルクカムが最小に閉じていない」事です。

このあたりは当サイトの「スクーター改造」内の「駆動系の「変速比」の計測と算出」を
ご覧頂きたく思いますが、マジックでベルトのかかり径をなぞり、その円の値から
計算でも出せるので是非熟読頂きたく思いますよ。


で、こうやってボスを長くしていくとプーリー構成やベルトサイズにもよりますが、
どんな車種でも物理的限界としては「3.0」に近い数値あたりが限界になります。
それ以上やると、ベルト裏がボスに接触していたり、トルクカムが全閉じ状態で
発進する事になるので、駆動系構成としては致命的な不具合になります(汗

仮に、3.0あたりまで詰められたと仮定すれば前述の組み換えギヤでの
総減速比は「31.14」あたりとなり、ノーマルどころかローギヤ仕様の2JAをも
上回るロー発進が可能となりますね。


なお、こういった構造作成はまず最初に行うものであり、数値である程度物事を
考えないと絶対に出来ないんですよね。

「セッティング」ではなく「駆動系構成」を形作るものですから、エンジンパワーに
見合っており、加速をロスしないファイナルギヤを付与させた上でという前提に
なりますが…余談ですがハイスピードプーリー化云々、というのはこのあたりを
全部ケリを付けてから最後にまだ最高速度が欲しければ追加で行うものでして、
正直、世の中の風聞ってのは逆転しまくっている、とも言えたりしますんで(笑


とはいえ、エンジンパワーがそれなりにあれば発進時の総減速比が27あたりでも
別に問題のある数値ではありませんし、50ccエンジンのノーマル風味であれば
私なら別に発進に苦しむレベルではない数値から、とは解釈しますね。

ちなみにリヤタイヤが10インチの原付二種だと総減速比は20前後とかですが、
さすがに排気量があってもここまでハイギヤードだとちと不満は出ます…
ファイナルがハイなのは当然ですが、駆動系構成が結構なハイギヤ発進に
なっている、という構成になってますんで。


そして、この発進時の変速比がある程度決まれば、次にエンジンのパワーバンドと
相談して、必要ならばクラッチイン回転数を調整していきます。

クラッチイン回転数は、駆動系の発進時の変速比が変わると他を何もいじらなくとも
変化していくものなので、先にクラッチスプリング等をいじくっていくと何がなにやら
分からなくなりがちなので注意です。
(これはシム調整をやってみると分かると思いますがクラッチイン回転数の変動は
如実にタコメーターに出ます)

ノーマルエンジン風味で、パワーバンドがノーマルとさして変わっていない場合には
あまり調整する必要は無いかもしれませんが、意外とアンダーなところで繋がって
いても人間って気付きにくいものなので、試す価値はあるでしょうね。


後、WRですがこれは発進時の具合の勘定には一切含めてはいけません。
WRというモノは、「エンジンの一番美味しい回転数を維持していく為の調整」にのみ
用いるものであり、変更したから発進が遅くなった、とかは気にしては駄目ですね。

全開加速を行った場合に、仮に7000rpmが一番速いのであれば、パワー特性以外の
点を変更したとしても(プーリー交換等)、まずその7000rpmの変速回転数にWRを
合わせていく事が一番大切であり、これがズレているとセッティングもクソも無いので(汗
なので、WRに関しては発進云々とは完全に分けて考えるべきです。


とまあ、色々記してしまいましたが。
ややこしい事を考えない場合は、駆動系構成を完全なるフルノーマルに戻し、WRのみの
調整を行った上で、ボスへのシム調整に挑むと良いでしょう。

なお純正でもそうですが、プーリーを変更すると発進時の変速比って結構変化して
いたりするので、2EXや3CPプーリーの素の状態でどれだけ違うのか、等を確認して
みても面白いと思いますよ。
社外品プーリーを使われていると純正よりはロー発進になっている事も多いですが…
ちなみに私のサーキット用FS-JOGだと発進時の駆動系変速比は2.8位にしてますね。


ではでは、長くなりましたが今回はこの辺りで失礼します。
管理人でした〜

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