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記事No 8107
タイトル 楽しいボアアップ
投稿日 : 2020/11/22(Sun) 23:48:04
投稿者 ライブディオ大好き
参照先
ネギのリーダーさんお久しぶりです。
リーダーさんライブディオのボアアップのお勧めとかはありますか?
台湾性のボアアップキットはパワーは純正よりも少しだけあるのですが、エンジンのフィーリングがモッサリしていて乗っていて楽しくないのです。
純正シリンダーは低回転普段はスカスカでパワーバンドに入った途端にドカンとパワーがでるなかなかスポーティーな味付けだと感じます。低回転は普段使わないので気にならないですけどね。
ならば純正シリンダーをボアアップしたらどうなるのか?とか気になったのですが、ポートの位置が変わったりそう簡単なものでもないようですね。
純正シリンダーのボアアップ経験などももしあれば話が聞きたいです。
形状を調べるとaf27系のピストンと互換性があるようで少なめな排気量であればaf27ボアアップとして売られている43Φのピストンが入るかもしれないなどと考えておりました。

また、マロッシが良いとかといった話も聞きますが、なにが良いかなど調べても情報がなかなかでてこないですね。

何だかんだで、ライブディオが当時人気が出たのは純正シリンダーのスポーティーでレスポンスの良い味付けが要因の1つなのではと感じており、その味付けをスポイルしないボアアップができないかと考えているところです。

記事No 8108
タイトル Re: 楽しいボアアップ
投稿日 : 2020/12/04(Fri) 16:45:30
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ライブディオ大好きさんお久しぶりでございます。
最近レス遅れ気味で申し訳ありません(汗

さてさて、ライブDio系のボアアップキットについて、という事ですが…
いつもながら私見ではちと厳しい意見になるかと思いますがご容赦をば。


> リーダーさんライブディオのボアアップのお勧めとかはありますか?

お奨め、となれば正直市販品ボルトオンレベルではありません、と断言しますね。
エンジンとして最低限度のバランスと言いますか、…常識的な排気、掃気の
タイミングおよび圧縮比、ピストンクリアランス等が真っ当なレベルで取れていると
いった物は、少なくとも私は見た事がありませんので。

例えば、排気タイミングはかなり早くて高回転にパワーバンドが移行するが、
排気ポートの弦長は狭すぎてパワーが出ず、掃気タイミングは遅すぎて
効率が悪く、ヘッドでの圧縮比は当然ノーマル以下、という感じだとか。

これだとピークパワー発生回転数が上がるものの、そこのパワー自体は
ノーマルと比べてもほぼ変わらず、ピーキーにはなるのでドッカン感は出ても
実際にはもっさりしたパワー感、圧縮比も低い為に全体的にメリハリがなく、
オイルや慣らしをどうやろうが、ピストンクリアランスが不適切な為焼き付きの
不安はパワーが出ていないくせに付いて回る、という、もはや何がやりたいか
分からないうんこパーツなんてザラにあります、というのが私の見解ですね。


> 台湾性のボアアップキットはパワーは純正よりも少しだけあるのですが、エンジンのフィーリングがモッサリしていて乗っていて楽しくないのです。

これは、基本的に2stエンジンでは排気量がそれなりに上がっていれば、
パワーバンド内の力強さが上がらずとも、パワーバンドより「下」では
それなりにノーマルよりはマシになりますが、だからといって全開加速を
行った時、パワーバンド内で変速させていてもその時点でのパワーが
ノーマル同等かそれ以下、レベルでは楽しくもなんとも無いでしょうね。

…と言いますか、排気量を2割とか3割とか上げていて、「ノーマルより
少しだけパワーアップ」なのであれば、純正シリンダー等を加工修正して
その「少し」を上回る事は簡単に出来る、という(笑


> 純正シリンダーは低回転普段はスカスカでパワーバンドに入った途端にドカンとパワーがでるなかなかスポーティーな味付けだと感じます。低回転は普段使わないので気にならないですけどね。

これは2stである以上、原付一種であればどのメーカーの味付けもさして
変わらないと言いますか、小排気量かつ2stで、パワーバンド以下のパワーを
それなりに出す、なんてのは物理的に不可能だからなんですよ。
例外として、ヤマハ3YK等の横型エンジンは一次圧縮効率の良さにより
適当なチューンをしても下が無くならないといった特殊性もあったり。

このあたりはフルノーマルであれば、メーカー側がそのピーキーさを極力
感じさせない様な駆動系セットを施してきていますから、これらに関しては
無難なバランス、という意味では純正メーカーは凄いセッティング能力だなあ、と
私は考えてますね〜


> ならば純正シリンダーをボアアップしたらどうなるのか?とか気になったのですが、ポートの位置が変わったりそう簡単なものでもないようですね。

そうですね、これはもともとのポート位置の「付き方」や通路自体の
曲がり具合にも大きく左右される為、一概には言えませんがおおむね、
ボーリングの場合は全てのポートが下がり、タイミングが遅くなるのが
基本なので、元々純正値でもパワーを出すには遅めのタイミングとなって
いる排気ポートなんかは、正直ボーリングのみではどうにもならないレベルに
なってしまいがちです(汗

排気ポートの「弦長」も、ライブDio系ですと元々40φシリンダーの70%近くの
弦長を持っていますが、これを仮に45φまでボーリングすればその45φに
大して70%の弦長が必須となりますし、これが元から出来ているボアアップの
キット物なんて私は見た事ありません。

かつ、ライブDio系だと掃気タイミングも遅い為、ちょっと許容出来ない所まで
タイミングが遅くなる上、2oとかボーリングすると掃気ポートの吹き出し角度が
かなり変化する為、デチューンどころかデンジャラスな方向に向いてしまいます。

当然のごとく、ボーリングボアアップであれば何oのボーリングであれば
各ポートの位置関係が何o下がるかをざっと考えておき、下がった分は加工で
なんとか出来る範囲なのかを考慮し、出来ないならばシリンダーベースに
プレートを入れてかさ上げし、上面をカットするとかの手段も取りますし。

各ポートタイミングは計算しつつ角度で出せないといけませんし、それが
出来た上でボーリング後の加工修正が現実的に出来、許容範囲になりそうだ、
となって初めてやってみる価値が出る物ですね。

それと、シリンダーヘッドでの圧縮比も、ノーマルが7.1:1なのであれば少なくとも
これと同等にはなる様に圧縮比計算を行い、シリンダーヘッド等の容積も
決めて加工しないといけませんし、効率よいパワーの為にはヘッド自体は
圧縮比が合っていればOKという物でも無いので、スキッシュエリア角度の
ピストン肩角度との整合性や、上死点時のその部位の距離、「スキッシュ
クリアランス」とかも考慮した設計が必須です。

ノーマルヘッドの様に、ほぼ効率無視で圧縮比だけ合っていればよく、かつ
スキッシュクリアランスはガバガバといった状態であればほとんど何も考えて
いなくとも他の所の不整合でボン、という事はまずありえませんが、シリンダー等
各所が変わったのであればそれにあわせた辻褄は全ての事に対して必須で
ある、と言えるでしょう。


> 純正シリンダーのボアアップ経験などももしあれば話が聞きたいです。

そして純正ボーリングボアアップという手段は何車種かのパターンでやった
経験はありますが、前述の様な辻褄をきちんと合わせていく事が一番大事と
言いますか、それが出来ないならボアアップする意味がほとんどない為に
リスクやランニングコストのみを高め、もわっとしたパワー感だけが得られる
満足感のみ、となってしまいますのでね…

当然、社外品の不整合点を分析し、それをまともに近づける修正を行う方が
ボーリングボアアップよりははるかに難易度は低いですが、それでも
こういっては何ですが、仮にチューニングの中級者レベルではなんとかなる様な
難易度では無いでしょう、と言えます。


> 形状を調べるとaf27系のピストンと互換性があるようで少なめな排気量であればaf27ボアアップとして売られている43Φのピストンが入るかもしれないなどと考えておりました。

確かに、AF18系の43φ社外ピストンであればピストンピン径は同じ12φですが、
ピン上寸法がライブDio系とはかなり異なってきます。
当然、ピストンのピン上がシリンダー上面より突出する場合、それに対する
辻褄を合わせるにはシリンダーをかさ上げしたりしないといけませんが、それで
各ポートタイミングは狙った所に収められるのか、というのがまず一つ。

次に、流用ピストンにおいて「リングの合口部」の位置がとても大切で、
リングの合口部というのは第2と第3掃気ポートの間に位置していまして、これも
AF18系とAF34系の構成では純正でかなり異なっています。

他車でも、ピストン流用の場合はこれが一番の問題になり、これが合わないと
合口が掃気ポート開口部のギリギリを通るとかでは不味いですし、実際には
AF18系と34系の場合、ボーリングしても合口部が現実的に収まる範囲には
来ません、というのがあったりしますね…

そして、ピン下寸法もあまりにも異なっていた場合、下死点時にクランクウェブに
ピストン下端が接触する可能性もあります。
この場合だと、ある程度であればピストンの下側をカットして回避する事も
ありますが、あまりにもピン上に対してピン下が短くなると耐久性的な不安も
出てくるので、許容範囲はあるものですね。

最後に、社外品のピストンだとピストンそのものの材質や、リングのしなやかさ等に
問題があるものもあり、仮に3φボーリングかつ排気弦長70%の運用では、
リングが排気ポートに飛び込みがちになる、といったケースも考えなくては
なりませんし、台湾系ピストンの場合はリングが炭素鋼に近い材質っぽいので、
国産リングの様に柔軟性がなく、折れる時は一気に折れるといったパターンも
あったりしますし…ピストンに関してもピン穴周辺の強度が足りておらず、
運用上でクラックが入る、といった場合もありますからね。

このあたり、と言いますかざっと羅列したこれらの点でも、まだ最低限度レベルの
「エンジンとしての構造分析と流用の可否」といった設計段階のお話なので、
単純に流用ピストンでボーリングボアアップ、なんてのはかなり難しい物である、と
いった事はご理解頂けるかなと思います…


> また、マロッシが良いとかといった話も聞きますが、なにが良いかなど調べても情報がなかなかでてこないですね。」

マロッシってたまに仕様変更するので一概には言えないのですが、私の経験上では
排気ポートはボア径の62%程度しかなく、排気タイミングはBBDC95°近くあって
ちょっと早すぎるかなと。
そして各部掃気は形状はまあまあですが、タイミングは元々遅いライブDio系の
ノーマルと変わらないレベルでした。

ヘッドは当時のモデルには付いてませんでしたが、仮に純正ヘッドをポンと
乗せると整合性もクソもなく、その時点での圧縮比は当然ノーマル以下、といった
タダで貰ってもそのまま使うのはイヤだ、といった低レベルの品でしたよ。

ピストンクリアランスも広くは無いですが、私なら安全の為に一度内燃機屋に
クリアランス指定のホーニングに出しますし、これの数値を決めるのはピストンの
上の方と下の方の寸法差がどれくらいあるとか、材質が熱膨張しやすそうだとか、
色々考慮して決めないといけないので一律これが良い、ってのもありません。

当時はこれが40000円とかで売られていましたが、それだけのコストをかけるなら
ボーリングボアアップ加工でもなんとか出来そうな予算になりますしね(笑


で、何が良いのかといった情報が無い、といった点についてはですね、これは
そんな情報なんて無くて当然なんですよ。
何故かと言えば、そんな良い物なんて「市販品のポン付けキット」では一切合切
この世に存在していないから、という至極単純な理由になります。

これって、原付二種のノーマルエンジンを、各部修正で「排気量なり」の
パワーを出せる様にした場合だと、正直ノーマルとは比較にならない位の
パワー感を生み出せるのですが、原付一種ベースで排気量を上げる、となれば
せめてそれ位の激変とパワーアップはあってしかるべきなんですが。

現実として、それを実現できているアフターパーツメーカーは無い、というだけです。
もちろん、チューニング屋とかレース屋とかできっちり仕上げてくるのを旨としている
SHOPとかだと話は別ですが、大手メーカーの場合はパワーアップさせすぎると
つまらないトラブルでのクレームも多くなるでしょうから、やりたくても出来ないという
面は確実にあると私は分析していますしね(泣

…いつものクチですが、私自身もそういった社外品メーカーキットで想像した様な
結果を得られていれば、今の様にあれこれ勉強したり自分でチューニングを
手掛ける様にはなっていなかっただろう、というオチですよ。


> 何だかんだで、ライブディオが当時人気が出たのは純正シリンダーのスポーティーでレスポンスの良い味付けが要因の1つなのではと感じており、

うーん、これは私の分析はちょっと異なってます。
ライブDio自体、当時快速であったヤマハ3YK型エンジンにかなり似せてきた設計に
しているんですが、それまでのAF05〜AF28までのノウハウをすべて捨てた上での
新設計ですから、正直それが当たったかどうか、となればあまり当たらなかったんです。

何故かと言いますと、ライブDio系はシリンダーや腰下でエンジンパワーを稼いで
いるのではなく、ノーマルマフラーのチャンバーとしての性能をかなり上げており、
そこでスペック上での7.2psエンジン、といった感じにしている設計なので。

3YKの場合、チャンバーを変更していってもかなり素直に特性変更が出来、かつ
パワーも出せるんですがライブDio系の場合、それがかなり難しいです。
仮に両者共にチャンバーのみの変更でパワーアップさせろ、となったら私では
絶対に3YKJOGに勝てるライブDioを作る事は出来ない、と言い切れますし。

なので、ライブDio系でチャンバーのみの変更でパワーアップさせろ、というのは
かなり難しいチューンになりますし、正直ノーマルマフラーのままでピークが
上げられずとも、他をなんとかしてパワーアップに繋げる方がはるかに効率が良いと
いうのが、AF34Eエンジンパッケージの正体なんですよ。

おっしゃる様な、シリンダー単体であれば正直、構造としては前モデルである
AF18系の方がはるかに優れており、レーシングエンジン的な掃気通路の
形状や角度はピカイチで、これは他のメーカーやモデルの追随を許しません。
その位、AF18系シリンダーは変更がしづらい掃気通路の構造が良く、これは
3YKでもライブDioでもかなわない点である、という事が挙げられますね。

なので、はっきり申しますがライブDio系エンジンはハイチューン向けではなく、
私もやった事がありますが縦型シリンダーの掃気効率を得る為に、リード90の
シリンダー等を加工装着するのが流行ったりしたのはそのあたりに大きな
理由があったりもするんですよ。
こういっては何ですが、AF34Eってのは私から見ると駄作…とまでは言いたくは
ありませんが、良いエンジンでは無いです_| ̄|○


>その味付けをスポイルしないボアアップができないかと考えているところです。

これはですね、排気量を上げた分パワーを出し、それに加えて50tのままの
様なフィーリングとレスポンスを付与すれば良い、という事なのであれば、
前述した様に、各部の整合性をきちんと取るだけでそれは簡単に出来る、と
言いますか…世の中にはそれが出来てすらいないキット物しかない、と
言うだけなんですよね。

なので、結論だけを申しますと社外品ポン付けや、加工がどうこうで絶対に無理、
それが出来る人が修正した、もしくはこしらえたボアアップを使うしか、そういった
特性を得る事は出来ないでしょう。

手前味噌ですが、私はそれがある程度出来ると自負しておりますし、世の中の
パーツやチューナー等のあれこれもそれなりに知った上でモノを発言して
おりますのでよろしくです。

このあたりは、加工や修正が出来るかどうかとか、良い内燃機屋さんを知っているとか
そういう問題ではなく、物事をきちんと分析し、それをどうすれば良いのかの設計を
現物合わせではなくきちんとこなせるのかどうか、という点が一番大切ですので…
このあたりが、圧力ゲージ測定とか全円分度器前提という手法をあまり好まない
理由の一つでもあります。

…こればかりは「きちんとしたボアアップ仕様」というのに乗った事が無いと、イメージすら
沸かないですし、市販キット物がいかにもっさりなのか、という事も分からないですから。
ある程度の経験も必要な面もありますから、かなり難しい物ではありますしね。


後、最後にちょっとだけアドバイスですが、ボーリングボアアップ前提であれば、
まだ絶版ではないと思いますがキタコの45φなんていかがでしょうか。
キタコのピストンは材質はそれなりで、リングはリケン製なのでかなりしなやかで
耐久性もある為、想定外の負荷をかける為のボーリングボアアップには結構
向いていると私は思いますよ。

ただし、当然ですが各部の辻褄合わせは必須ですが、あくまでボーリング用の
ピストンとしてはベースとして考える事が少なめで済む、という事なので
参考までにどうぞ。


ではでは。いつもながらかなり長くなってしまいましたが、参考になれば幸いです。
管理人でした〜

記事No 8109
タイトル Re^2: 楽しいボアアップ
投稿日 : 2020/12/06(Sun) 18:55:06
投稿者 ライブディオ大好き
参照先
毎度、手抜かりなきコメントありがとうございます。


ボアアップキットはどれもこれも、とても18ccとは思えないとんでもないパワーアップとか書いていたりしますが、これは規制後ベースであったり、カーボンが溜まったり本来の性能がでていないエンジンでボアアップしたという話かもしれないですね。

T社のキットも純正より少しパワーがあがって、ちょっと違うな?!と思ったりもしましたが、実際に動画を取って確認するとせいぜい1割程度のパワーアップでした。


最初の市販品の例は自分は所有していませんが、ネットで見たところによるD社の特徴に似ている気がしますね。高回転型にすれば、駆動系を弄らなくとも最高速が上がって満足してもらえるという狙いもあるのかなと思ったりします。


現在付けているT社ボアアップもはっきりわかる微妙さというわけではなく、純正に交換するとやはり乗りやすいし、純正シリンダーはいろんな局面で無理なくそこそこ速く走れるという感覚があったという感じですね。

純正ベースのボアアップというのはそこで思いついたことで、まだトライするかわかりませんが、ポート形状を確認すると各ポートが下側にずれそうですね。それと気になったのが第三掃気ポートのみは下がる量が他のポートよりも大幅に多くなりそうです。自分が見た感じだと45φまで加工すると、第三掃気ポートは3mmほど他のポートは1mm以内の移動になりそうです。

自分が所有するキタコのキットを確認するとまるで純正をボアアップしたかのように第三掃気ポートのみポート位置が下側にずれていたので案外致命ではないのか?などとも思ったりもしますが・・・
この辺りは実際のところどうなのでしょうか?もしわかるようで位したら教えて頂きたいです。

純正ベースのボアアップはいろいろハードルが高そうなのでトライするかわかりませんが、各ポートの修正を行って純正並みに走るようにとなるとどの程度の費用を考えるとよろしいでしょうか。
純正ベースボアアップはやはり気になってはいます。


これだけ手抜かりなきお返事は書くにも時間がかかると思いますので、暇暇にコメント頂けたらと思います。

では、どうもありがとうございました。

記事No 8111
タイトル Re^3: まずボアアップのレスとか
投稿日 : 2020/12/24(Thu) 01:33:09
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ライブディオ大好きさん毎度でございます。
何か例年よりあれこれ忙しい管理人です(泣

さてさて、今日もいつもながらのマニアックなレスを早速。
あ、画像板の方も拝見したのでそれも含めますね。


> ボアアップキットはどれもこれも、とても18ccとは思えないとんでもないパワーアップとか書いていたりしますが、これは規制後ベースであったり、カーボンが溜まったり本来の性能がでていないエンジンでボアアップしたという話かもしれないですね。

50→68tへの変化であれば、さすがに4割近い排気量の増大になって
いますから、どんなにダメなボアアップキットでも少しは「パワーバンドより下」の
領域程度は微妙〜に力強くなるものですから、そういった点を体感して
感想を述べている方も多いと思われますね。

ただ、ピークパワーの出る回転数がノーマルより低くなったとか、ボアアップだから
オーバーレブが伸びなくなったとかというのはあってはいけないですけれど(笑

もちろん、体感って個人差も大きいですから、「とんでもないパワーアップ」と
いうのも、本来の68tを体感した事が無いと比較対象もありませんし、これは
満足度の問題も大きいので人それぞれかなとも…
あ、メンテ不足ってのは性能比較という意味では問題外で(略


> T社のキットも純正より少しパワーがあがって、ちょっと違うな?!と思ったりもしましたが、実際に動画を取って確認するとせいぜい1割程度のパワーアップでした。
>
> 最初の市販品の例は自分は所有していませんが、ネットで見たところによるD社の特徴に似ている気がしますね。高回転型にすれば、駆動系を弄らなくとも最高速が上がって満足してもらえるという狙いもあるのかなと思ったりします。

実際にはどれくらいのパワーアップなのか、となれば…仮にノーマルの
ピークの出るのが7000rpmとし、そこで変速させての加速タイムと、
ボアアップのピークパワー時、これが仮に6000rpmだとしてもその6000rpmで
変速させてノーマルより加速が良ければパワーアップ、と言えるかなと。

おっしゃる様に、それなりのハイポート仕様(とはいっても排気だけ)の特性を
付与した場合だと、パワーバンド内がすっかすかでも一応ノーマル並みの
オーバーレブ領域程度までは持って行けるはずですから、それもメーカーの
考えうる「性能向上」には間違いは無いでしょう。

が、何かを犠牲にしすぎても構わない、、というのなら別に排気量を上げなくても
良いのではというツッコミも出てきますが…


> 現在付けているT社ボアアップもはっきりわかる微妙さというわけではなく、純正に交換するとやはり乗りやすいし、純正シリンダーはいろんな局面で無理なくそこそこ速く走れるという感覚があったという感じですね。

このあたり、熱問題や運用上でのリングやピストンの耐久性はともかく、
排気量を上げて余裕のあるエンジンなのにノーマルより乗りづらい、というのは
さすがに個人的にはいかがな物かなと思ったりしますね…

とはいえ、このあたりは前述した様に、仮にライブDioベースならば排気タイミングで
BBDC84°、掃気でBBDC58°、圧縮比は7.1:1程度で排気ポート弦長は
ボア径の70%近く、といった特性を「ボアアップ仕様」にて付与してやれば、そこまで
ノーマルフィーリングと激変した様な「パワー特性」にはなりづらいのですけれどもね。
(※とはいってもパワー自体はもりもり出るのでドッカン的な体感は受けます)

このあたり、開発メーカーさんはそれを分かってやっているのか、もしくは全く
何をどうすればノーマル風になるのかわかっていないのか、私には知る由も
ありませんけれどもね〜


> 純正ベースのボアアップというのはそこで思いついたことで、まだトライするかわかりませんが、ポート形状を確認すると各ポートが下側にずれそうですね。それと気になったのが第三掃気ポートのみは下がる量が他のポートよりも大幅に多くなりそうです。自分が見た感じだと45φまで加工すると、第三掃気ポートは3mmほど他のポートは1mm以内の移動になりそうです。

そうですね、ポートという物は基本的にシリンダー内壁面から見ると、通路は
「下がって」いく方向性になっているのが基本ですから、開口部の位置そのものは
「加工後に何o位置が変化した、その状態でノーマルピストンのピン上寸法を
基準として、BBDC何°のタイミングになったのか」を出していかないといけません。

と言いますか、これが出来ないとポートタイミングの調整というものは正確には
出来ないですし、ご存じかとは思いますが上から何o、ではピストンのピン上の
寸法等が変わった場合には何も分からなくなってしまいますのでね…


> 自分が所有するキタコのキットを確認するとまるで純正をボアアップしたかのように第三掃気ポートのみポート位置が下側にずれていたので案外致命ではないのか?などとも思ったりもしますが・・・
> この辺りは実際のところどうなのでしょうか?もしわかるようで位したら教えて頂きたいです。

第3掃気ポートですが、これは第1第2と比べると通路が垂直に通っており、最後の
吹き出し角度もかなり急になっている為に、どんな車種でも基本的には第3掃気の
開口タイミングってかなり下がるのが基本なんですよ。

が、これは正直、第3掃気のタイミング修正って難易度としてはかなり易しいと
私は感じていますが、あくまで掃気の順番としては「最後の修正」なので、実は
第3掃気ってかなり滅茶苦茶でも意外と性能や特性への影響って小さいです(笑

むしろ、第1第2の方がタイミングは当然としても、出口付近5oあたりの吹き出し
角度や方向性によってはかなりやばい事にもなりがちなので、言葉を返せば
純正より5oとか広げてボーリングする、というのはそういったリスクもはらむ事を
理解して望まないといけない、とも言えますね。


> 純正ベースのボアアップはいろいろハードルが高そうなのでトライするかわかりませんが、各ポートの修正を行って純正並みに走るようにとなるとどの程度の費用を考えるとよろしいでしょうか。
> 純正ベースボアアップはやはり気になってはいます。

そうですね、これはハードルが高い、と言いますかエンジンとしての各部の役割や
特性変化の為のあれこれといった物をそれなりに把握しており、かつボーリング後の
シリンダーにそれをきちんと付与出来る手法も合わせ、両方が出来ないとなかなか
難易度は高いと私は考えていますよ。

とはいっても、ポートタイミングをきちんとクランク角度で算出する事は、各部の
パーツ寸法を取った上で逆算すれば出来ますが、これが実際にエンジンを
仮組みし、全円分度器が無いと分からない、といったレベルであれば正直、
ボーリングボアアップを「きちんと」やるには10年早いです(汗

で、一応私の基準ですが、そういった点を全て計測し分析し計算し、ボーリングした
シリンダーに対して使用するピストンもふまえ、全てがいける、といった場合での
加工工賃ですが、モノや車種によって異なりますが以下の様な感じでしょうか。
あくまでライブDioベース、かつシリンダーかさ上げ等の追加工が要らない場合です。

・排気ポート加工調整等=6000円〜
・掃気ポート加工調整等=物によりますが12000円〜
・ボーリング加工(外注)=10000円〜(※ピストンクリアランスは私が各部分析の上で指定)
・シリンダーヘッド加工調整=6500円〜(※目的の圧縮比を事前に決めておきます)
・各部計測、分析、特性把握、設計等=5000円〜

と、基本はこんな感じでしょうか。もちろんベースとなるピストン代等は勘定に
入っていませんが、シリンダーは焼き付いた物とかサビたゴミとかを加工ベースに
するのが定番なので基本タダで(笑

で、実際には手を動かして加工修正するよりも、こういったピストンを使った場合には
合口位置はどうなるのかとか、ピストンクリアランスの決定の為の計測等とか、
ピストンピン上寸法が異なる場合の各ポートタイミング等の算出とか…
シリンダーヘッドでの圧縮比計算、スキッシュ周りの設計等、こういった頭脳労働を
行う方がはるかに難易度が高く、どちらかというとそちらの方が「お高い」という
ハズなんですが、そんなのを自分が満足するレベルで価格提示していたら誰も
依頼してくれませんからねえ(泣

掃気ポートの修正に関しても、ただアングルリューター等を持っていれば出来ると
いうものではなく、それはあくまで「目的の為の道具」の一つであって、仮に道具が
あったとしても第1掃気タイミングを2o上に削らないといけない、となったら
その時点で「リューター加工のみでは不具合が出る場合がある」といった事も
あったりしますんで。

下手にやると悪化しかしないのが第1第2ポートなので、このあたりは知識や情報
のみではなく、計算や経験が必要な場面なので正直、難易度で言えばかなり
難しいどころの騒ぎではない、とも言えますね…


とまあ、こういうのって手法として「ボーリングボアアップ」というものがある、という
事は知られていても、実際にはどんな調整や計測、設計が必要であるのかは
当然ですが「出来る人」や加工のショップさんならタダで大公開する訳は無いので、
余計に何をするのか分かりづらい、というのはありますね。
(※ただしショップ等でも全然分かってない所もある、というのは言うまでも無いかと)

嫌な言い方をすれば、こんなの一から説明しても理解して貰える訳が無いので
黙ってお金を出せ、ならお手伝いして差し上げます、とも言えてしまうのですが…

手法を提示した所で、ではアングルを用いて指定寸法で加工できるのか、とか、
寸法の出せない掃気通路の奥はどんな感じに仕上げるのか、等の現実的な
問題も出ますから、それをやりたいが為に道具を用意し、練習や実験を重ねた上で
やっと本番でのトライ&エラーが出来る、なんてところまで到達するのはもはや
一部の変態とか私とかしか居ないでしょう、という事で(爆


ではでは、画像板の方も拝見しましたのでこの↓のツリーにレスをぶら下げて
おきますね。
管理人でした〜

記事No 8112
タイトル Re^4: こちらは画像板のボーリングボアについて
投稿日 : 2020/12/24(Thu) 01:35:15
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
では続いてボーリングシリンダーへのレスです。


>ライブディオの純正シリンダーをボーリングしてみました。
>af27用ボアアップキットの43φのピストンとの調整ですが、ピストンリング合口部の位置は意外にデンジャラスなことにはなりませんでした。
>ピストンリング合口がある位置にマジックで印をつけています。

社外のAF18系用43φだと、ライブシリンダーのボーリングではリング合口の
問題は出なかったのですね。
これはなんとも僥倖だと私は思いますよ。掃気のどちらかにギリギリとかであれば、
邪道ですが1本リング仕様にしてシリンダーをちょっと「ひねって」組めばギリで
回避出来る手法もあったりするんですが、基本はやはりそんな事せずに誰が
組んでもそれなりの物になるのが理想ですんで。


>第2、第3、掃気ポートの中央にきています。

なお、リング合口点の確認はマジックでマーキングが一番確実ですし、この
位置であれば何があってもトラブルにはならないと言えるでしょうね。



>事前にわかっていたことですが第3掃気ポートは周りよりも2mmほど下がっています。他のポートはボーリング 前より0.5mm位下がった感じだと思います。ピストンピンからピストントップが2mmほど高いので合計2.5mmほどシリンダーを上に上げないとと考えると、ベース4mm位足さないといけない気がします。これが、結構危険かもと感じています。

第3は2o、第1第2は0.5oで済んでいるのですね。3φボーリングですと
壁面換算で1.5oですから、そこまでどかんと下がらないかなとも。

で、第3は前述した様に修正は簡単ですし、タイミングを上げても第1第2と来て
3番目に開く様にしておけばベターなので、手が滑らなければOKでしょう。
が、そういった場合はきちんと、通路出口の噴射角度をノーマルと同じ様に
可能な限り近づけないと、掃気流でピストンを冷却出来なくなるので注意です。


>ピストンピンからピストントップが2mmほど高い

そしてこれなんですが、これは「ピストンピン中心からピストントップ」までの
距離の事でしょうか?ピストンの「肩」まででは無いですかね?
当然、ピストントップの高さ自体もノーマルとは異なりますが、ピストンの肩までなら
AF18系ピストン準拠だとAF34系との差はおおむね+3o位ありますが…

ここ、仮にポートタイミングと言いますか、「シリンダー上面からポート開口部までの
距離」が純正と同じとした場合、この43φピストンのピン上寸法がノーマルに比べ
+3oなのであれば、その3o分クランクが回転する分、開口タイミングは
遅くなってしまいますね。

これを解決するには、単純にシリンダーを3oかさ上げすればその時点でやっと
ノーマルと同じポートタイミングになりますが、ボーリングにてポートタイミングが
遅くなっているのであればそれも加味しないといけません。

排気ポートならまだどうとでもなりますが、第1第2掃気ポートを仮に0.5o程度、
加工で上げてやるのか、もしくはシリンダーかさ上げ量を3oではなく3.5oとして
カバーするのか、といった点も選択肢になります。

しかし、それをやっても「掃気ポートタイミングは純正準拠」なので、パワーを
求めるならば私はライブDioのBBDC58°の掃気タイミングは遅い、と考えて
いるので、ノーマルフィーリングを求める場合でも掃気タイミングは純正準拠の
数値では留めませんね〜


で、それでシリンダー自体を3oかさ上げしたとして、今度は下死点の問題が
出てきます。
ライブDioの場合、純正だとピストンが下死点でも掃気ポートって全開にはなって
おらず、いくらか余裕があります。

これって、下死点時に「ピストンの肩部分と掃気開口部下側がツライチ」なのが
理想なんですが、これが仮に下死点時に掃気ポート開口部の下側が、
ピストンの肩より上にある場合、かなり不味い事になります。

その場合、掃気終盤において掃気流自体がピストンの頭を「舐めなく」なる為、
かなりの高温になる可能性がありまして…掃気ポート開口部の「下側」って、
下死点時には宙に浮いている様な状態になるよりはまだ「ピストンの肩に
被っている」方がはるかに安全だったりしますが…大抵、ノーマル車だと
そうなってますよね。


>ベース4mm位足さないといけない気がします。これが、結構危険かもと感じています。

これは何を基準とし、どこをどう変更したからこの数値になるのか現段階では
私は把握出来ませんが、仮に4oかさ上げでシリンダーを上げるとなると、
3oのプレートをこしらえた上で、上下に0.5oのガスケットでサンドイッチすると
いった手法になります。

言うまでもありませんが、プレートオンリーで液体ガスケットで留めるなんてのは
適当極まりない手法なので私からは絶対お奨めしません。

そして、4oのかさ上げならヘッドボルト式締結のホンダスクーターの場合、
クランクケース側へのネジ山のかかりが浅くなり、多少オーバートルクで
締結しなければならないボアアップ仕様の場合、かなりリスクが高まります。

AF18系に長いヘッドボルトがあったはずですがそういうのを使うか、もしくは
クランクケース側にスタッドを立ててナットで留めるか、もしくはボルトを
作成するか…色々選択肢がありますね。

なお、シリンダーヘッドを加工する場合、設計上では「面」自体は3〜4o程度
落とす事も珍しくは無い為、そちらの設計を鑑みた上でヘッドボルトのねじ山の
かかりを計算すると良いでしょう。
(※そういったつじつま合わせを狙い、容積や特性は同じでもヘッド側の設計や
加工寸法そのものを変更していったりもしますよ。私は、ですが)


>キタコの45はもう廃番ですかね。45.5なら入手できそうですが。

あらら、キタコの45φってもう無いんですかね…
オーバーサイズは万が一の場合に使う物なので、最初からその寸法で作るのは
勿体無いんですが、45.25φももう無いんでしょうかね?あったらそっちで(泣


>ポートの狂いも大きくなりそうなので、一旦43φでチャレンジしてピストン品質面の問題が無視できないとなれば45.5φにチャレンジかと考えております。

ピストンの品質ですが、これは正直、AF18系43φだと台湾系の品ですよね。
私も昔使いましたが、JCCの43φだとリングは硬いですがまあそこまで悪くは
ありませんでした。
が、見るからにアルミ素地ぴっかぴかのタイプは色々ヤバいでしょうね。

どこかで書きましたが、まずピストンという物は純アルミではなく、混じり物を
たくさん加えて熱膨張や強度に対する対策としているのですが、見た目で
あまりにぴかぴかなものは見るからにそういった混じり物をケチって作成して
いるものだ、という事なので、まず熱膨張に耐しては多くを望めません。
間違いなく、安牌を取りピストンクリアランスは大きめに取るべきでしょう。

そういえばピストンクリアランスはどのくらいを指定されたのかというのも気に
なってしまいますが、ピストンの上の方と下の方の寸法差、これを把握した上で
熱膨張を鑑み、それで決定しないといけないものなので。

…知識のないところだと、ピストンの一番大きな部位の寸法を基に、それに
対して純正でありえそうな数値、5/100とか6/100でOK、とする事もあったりも
しますが、それで全て上手く行く訳ではない、といった点も補足しておきます。


もっと怖いのはリングでして、炭素鋼バリバリの硬くて柔軟性の無いリングだと、
下手な排気ポート加工や、やってるつもりだけの意味のない面取り加工では
さして負荷をかけなくとも折損する可能性が高くなります。

リング自体は、ボア径が大きければ大きい程、屈曲率が低くなる為に同じ
材質や太さでも負荷に強く、排気ポートへ潜り込む率も下がるのですが。
50φを超えるボアだとほとんど考えなくても良い位なので、一時流行りましたが
無茶苦茶な弦長を持たせた排気ポート加工とか、あれってボア径が大きめの
エンジンでやってるから「持ってる」だけでして、質の悪いリングだと40φ+α程度の
ボア径で無茶すると高確率でボン、となりがちです…

とまあ、そんなこんなで私はキタコのピストンをお奨めしているワケですが。
廃盤では仕方ありませんが、キタコのピストンも説明書に書いていますが、
かなりの「寸胴」寸法なのでピストンクリアランスは大きめに取ってボーリング
しないと一発でボン、という事で。

これは特性とか性能とか以前の問題で、エンジンとして最低限度必要な
機能、能力が付与されていない状態なので…そういった点をいかに無くして
リスクを低減出来るかどうかが「自前ボーリングボアアップ」の醍醐味であり、
かつ、市販品ではなかなか出来ない事でもある、とも言えるので…
是非是非、このあたりをお勉強しつつ理想を形にして頂きたく思いますよ。


>元々、ジャンクになっていたシリンダーの再利用なので上手く使えれば貴重な資源の再利用になりますね。

そうですね。こればかりは焼き付いていてもフィンとかスタッド穴とかに問題が
無ければ、かなり有効活用が出来るのでその点だけはメリットが大きいと私も
考えておりますよ〜



ではでは、いつもながら長くなりましたが参考にして頂けると幸いです。
管理人でした〜

記事No 8113
タイトル Re^5: こちらは画像板のボーリングボアについて
投稿日 : 2020/12/27(Sun) 09:56:31
投稿者 ライブディオ大好き
参照先
リーダーさん、お返事ありがとうございます。

ピストンのクリアランスはピストン下の狭いところを基準に40umです。
純正のサービスマニュアルのデータを送ってこれを参考に少し広めでと伝えていたので、すが指示が曖昧でしたね。純正が50umなので少し狭い感じです。

そしてピストンはjccのピストンを使う予定だったのですが、何故か送られてきたのはKJTのピストンでリーダーさんのいう、材質をケチった色にみえますね。


いろいろと不安要素満載ですが^ ^


エンジンを下ろすようになったのはここ最近で社外ボアアップキットを二つほど、エンジンの積み下ろしも10回程度しか経験なく、排気ポートと掃気ポートの違いも最近わかったレベルなので、リーダーさんのコメントの理解度はあまり期待しないでください。

ある程度読んだら実地をして、また読み返してで理解度を上げていこうと思います。

少し、コンテンツを見ていたらGダッシュ再生計画とかでよく似たような純正シリンダーボアアップをされていたのですね。


自分はこれから、何度かやらかしながら純正ボアアップを作ることになると思うので遠い道のりです。

af27用43Φピストンを使ったボアアップはリーダーさんなら完成できるのではと思っております。もし取り組むことになった際は、是非コンテンツの作成もしてほしいですね。

画像板に別の角度から撮った43Φ対応シリンダーの写真を載せておきます。
と思ったのですが、ここにも画像添付機能があったのですね。


記事No 8114
タイトル Re^6: いつもながら補足とか
投稿日 : 2020/12/31(Thu) 20:56:21
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ライブディオ大好きさん毎度でございます〜

さてさて、前回のレスはかなり長くなりましたが、2stエンジンというものはシンプルと
いえど、やはり「最低限度」の事でも色々ある、という事で…


> ピストンのクリアランスはピストン下の狭いところを基準に40umです。
> 純正のサービスマニュアルのデータを送ってこれを参考に少し広めでと伝えていたので、すが指示が曖昧でしたね。純正が50umなので少し狭い感じです。

取ったピストンクリアランスは0.04oという事ですね。
私は表記的には「4/100」とか「0.04」と表記しますが意味合いは伝わるかなとも。

で、純正値ですと公差を含めると広くとも5/100程度ですし、これは新品同士の
シリンダー&ピストンを用いて多数の平均値を取っても、おおむねこれ位の
範囲には収まっていますから、このあたりはさすが純正、という事になります(笑

加工指示は純正より広め、という事だった様ですが、これは純正値でも公差は
ありますから、広く取る場合であれば公差の最大値の5/100を上回る数値を
指定してあげれば良かったんですよね。

これって最終的に砥石での調整になる為、加工屋さんも寸分の狂いなく0.01を
合わせてこられるか、となればそれは不可能な場合もある為、そういった点も
ふまえて寸法指定と公差を伝えないといけなかったりしますよ。


で、絶対的にその4/100でどうなのか、といった点について個人的な意見を
述べさせて頂きますと…これは前述の様に、ピストンそのものの材質や、
熱を受ける上の方の寸法と、ピストンクリアランスの基準となる下の方の
寸法、この2点の「寸法差」によってもピストンクリアランスは加味していかないと
いけません。

下に一例の図を記しますが、もちろん0.1単位で変わっている物の為、目で見ても
分からないものですが絵は極端に書いておきました(笑

まず、ピストンと言うものはトップ側は燃焼圧力波を直接受け止める物なので、
当然ですが熱膨張は大きく、「上の方」のピストンクリアランスとしては下の方より
かなり大きめになる様な設計がなされています。

図ですと、右側のピストンが40φ準拠として上の方が39.75o、下の方が39.95oと
なっていますが、おおむね純正仕様で40φならこの上下寸法差もこの位で
取ってきているものです。

で、これがピストンの材質的に、熱膨張が大きそうな場合だともっと上の方の
寸法はでかくなってくる、といった推測が出来ますから、上下寸法差にて0.2oとか
しかない場合は、ピストンクリアランスを6/100〜7/100程度まで大きめに取る事が
必須となりますね。

かつ、その上で上下寸法差が純正よりもさらに小さい、となればもっとピストン
クリアランスが要りますし、ボア径が大きくなりピストンが大径になると、上下の
寸法差、というものは小さなものと同じではいけなくなり、それらも踏まえないと
適正に近いクリアランス、というのは求めていく事が出来ません。

なので、正直申しますと社外のぴかぴかピストンで、3φボアが大きくなっていると
いった点を鑑みた場合、ピストンクリアランスが4/100ではかなりデンジャラスな
数値になっている、と私からは判断せざるを得ませんね…

もちろん、内燃機屋さんのノウハウにもよるんですが、このあたりって社外品が
前提であった場合、純正と同程度のピストンクリアランスで安定、という事は
私の知る限りではまずありません、という事で参考までにどうぞ。


あ、前述しましたキタコのピストンなんかは、材質的には熱膨張が少なめの
素材ですが、この「上下寸法差」は結構寸胴気味なので、説明書にも8/100程度は
ピストンクリアランスを取ってください、と記されている理由はそこにあったり。
…以前、キタコピストンを純正値クリアランスでボーリングに出して、ほぼ一発で
ぶっ壊した人も知ってますんで(汗

実際、このあたりは実際の設計や運用等、色々な経験値が無いと分析、指定が
難しいものなので、こういっては何ですがお任せレベルでピストンクリアランスを
決めていくと、いきなり成功する確率は高くはない、という事で…

んで、↓にざっと書いた絵ですがこれはこれでかなりの企業秘密の一つなので、
一応他言無用レベルという事でよろしくです(爆


> そしてピストンはjccのピストンを使う予定だったのですが、何故か送られてきたのはKJTのピストンでリーダーさんのいう、材質をケチった色にみえますね。

あらら…これは仕方ありませんね。私も結構前、JCCを指定してもKJTの物しか
送られてこなくなり、JCCはもう手に入らないと割り切っていますしね。

ピッカピカなのは仕方ありませんが、熱膨張が大きそうならば余計に前述の様な
上下寸法差の把握と、それに合わせたピストンクリアランスを指定すべきに
なるんですよ。

正直、このあたりは単純にボーリング加工云々では測れないものですし、一律で
「〇/100あれば安心!」とかって言ってるとただの馬鹿なので、失敗も繰り返して
学んでいくしかないものですから構造的なお勉強も必要な難しい事ではありますね〜


> エンジンを下ろすようになったのはここ最近で社外ボアアップキットを二つほど、エンジンの積み下ろしも10回程度しか経験なく、排気ポートと掃気ポートの違いも最近わかったレベルなので、リーダーさんのコメントの理解度はあまり期待しないでください。
>
> ある程度読んだら実地をして、また読み返してで理解度を上げていこうと思います。

いえいえ、人間なんて分からない事があって当然ですし、ピストンの材質云々は
ともかく、「上下寸法差」の考慮なんて他所のところで同じ様な情報を見た事すら
私はありませんから、こういった機会からでも学んで頂ければ嬉しいです。
もちろん不明瞭な点があれば可能な限りアドバイス致しますので何でもどうぞ。


> 少し、コンテンツを見ていたらGダッシュ再生計画とかでよく似たような純正シリンダーボアアップをされていたのですね。

そうですね、あれは確かJCCの43φピストンを用い、この安物をベースとしたら
どれくらいになるのかな、と思いクリアランスもきつめに作って実験したんですが、
常に高負荷を掛けなければ結局、数年間トラブルが起こる事はありませんでした。

ただ、それはあくまでピストン云々のみならず、各部のエンジンとしての整合性を
きちんと詰めて作成しているから、といった点はご留意下さいな。

…いつものクチになりますが、社外品ボアアップなんて私から言わせれば、
最低限度きちんとすべき点すら出来ていないゴミばかり、ですからねえ…
パワーがあるとか無いとかではなく、インプレする以前の問題であるという(略


> 自分はこれから、何度かやらかしながら純正ボアアップを作ることになると思うので遠い道のりです。

そうですね、これは腰上のみでストロークもノーマルとはいえ、大抵の部分の
見直しと再設計、そして整合性を求められますから簡単ではありません。
が、まずはポートタイミングと圧縮比、この2点を純正値に収められる様に
頭をひねっていくのがスタート地点になりますね。


> af27用43Φピストンを使ったボアアップはリーダーさんなら完成できるのではと思っております。もし取り組むことになった際は、是非コンテンツの作成もしてほしいですね。

そうですねえ…リング合口の整合性が取れるのであれば、ピストンピン上の
寸法差をどう許容するのか、もしくは出来るのかが問題になってきますが、
かなり追加工等が発生するのは間違いない為、試算でそういったパターンに
なった場合は、他のパーツを用いて再設計する方向に舵を切る、という決断も
チューニングとしては必須になりますので。

正直、トライしてみろと言われればやってみたくはありますが、設計的に
どうしても無理があったり、なるようにしかならない点が多すぎる場合であれば
他の方法を考えるべき、といった答えになる事も結構ありますよ(笑

そもそも、社外品のボアアップとかストロークアップとか、流用での整合性を
なんとかしてくれと依頼された場合、無理な物は無理と言う事も大事なので…
仮にコストがいくらかかってもOKだとしても、物理的に無理な物は無理ですしね。


> 画像板に別の角度から撮った43Φ対応シリンダーの写真を載せておきます。
> と思ったのですが、ここにも画像添付機能があったのですね。

そうなんですよ。ここのメイン板にも画像添付機能はちょっと前からくっつけて
いるので、出来れば画像板の方はもうそっとしておいてやってほしいです(笑
あっちのは勝手が違って改良しづらいのでどうにもならない、とも言いま(略

とはいえ、文中に画像を貼れれば一番面白いのですがそれは難しいので、
旧態依然としたこの形式でも、要点をまとめ画像を貼れれば意思の疎通は
出来ている、と私は信じておりますですよ。


ではでは、いつもながら長くなりましたが参考にして頂けると幸いです。
管理人でした〜


記事No 8149
タイトル Re^7: いつもながら補足とか
投稿日 : 2021/09/20(Mon) 20:25:59
投稿者 ライブディオ大好き
参照先
お久しぶりです。

計算の着手に時間がかかり、漸く純正シリンダーボアアップを実行しました。

圧縮比の計算方法は理解したのですが、測定精度が自信ないです。
計算上圧縮比純正弱の6.7で組み上げました。

排気ポートタイミング BBDC83度
掃気ポートタイミング BBDC54度

ガスケット無しの状態でピストン肩の飛び出し2.2mmでだったのでベースガスケット3mmを足して調整しました。

ベースガスケットの圧縮量についてはシリンダーヘッドボルト4本の締め込み回転量から測定したので正確に取れていると思います。12nで締め込んで2.8mmになっていました。
2.2から差し引いてピストンの肩落ち0.6mmについては大外ししていないかと思います。
ネジの回転数は9回転ほどありましたのでノーマル11回転と比べて危ないレベルまで少ないということはないかと感じました。

シリンダーヘッド容積6.4ccについてはあまり自信がありません。


実際の始動結果ですが、まずマフラーの位置が合わずという問題がでたためガスケット位置の固定具のない社外純正タイプマフラーで対応しました。


MJは88番で40〜50キロ程度しか出さなかったのですが、1キロほど走ったところで異音がでて抱き付きを起こしてしまいました。

事前にリスク要因として話していたKJT製のピカピカアルミピストンと、40umのピストンクリアランスの設定がまずかったのではないかと思います。

ウエイトローラーセッティングまで到達出来なかったのですが、殆ど純正と同じフィーリングでした。

残念ながらパワーアップ感は感じませんでしたが、多少ポートタイミングが早くなっているので高回転で力がでた可能性はあるかと思っています。

クリアランス指定80um位で再トライしようかと考えているところです。

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