ライブディオ大好きさん毎度でございます〜 以前のスレッドが下がり過ぎているので新しくレスで立てますね。
さて、いつぞやのボーリングシリンダーを各部分析された上で試して みられたのですね。 …結果は芳しく無かった様ですが、自分である程度分析&設計したエンジンの 仕様で実働させてみる、というのはとても楽しい事なので、失敗も経験の内と いう事でさらなるチャレンジを期待しておりますです。
> 圧縮比の計算方法は理解したのですが、測定精度が自信ないです。 > 計算上圧縮比純正弱の6.7で組み上げました。
画像の数値を拝見しながら分析してみますと、圧縮比の計算に必要な数値と してはピストントップの容積、これは社外43φだと2.4tで現実的です。 ここが間違っているとかなり計算結果がかなり狂いますが、こればかりは色々な パーツを計測してみないと正確性って出てきづらい物なので…
> 排気ポートタイミング BBDC83度 > 掃気ポートタイミング BBDC54度
これはご自身にて計算されたのだと推測しますが、数値だけを見ると排気は ノーマル風ですが、掃気はかなり遅くなっていますからこれではちょっと 2stエンジンとしての真っ当なパワーという物は出せない数値になります… ライブDioは純正値でもかなり遅めなのでボーリングだと余計に仕方ありませんが、 これをシリンダーのかさ上げでカバー出来ればそれに越した事は無いでしょう。
> ガスケット無しの状態でピストン肩の飛び出し2.2mmでだったのでベースガスケット3mmを足して調整しました。
で、これがちょっと気になったのですがノーマルシリンダ‐自体の全長は変更せず、 ベースガスケット3o(実際2.8o)となればピストン肩落ちは0.6oとして良いと 思いますが、肩落ち0.6oかつ排気ポート上面まで25.5oの勘定であれば、 排気タイミングはBBDC81.6°位になりませんかね? BBDC83°になるとすれば肩落ち値がもうちょっと大きく無いとおかしいかなとも。 (コンロッド芯間80oストローク39.3o前提です)
> ベースガスケットの圧縮量についてはシリンダーヘッドボルト4本の締め込み回転量から測定したので正確に取れていると思います。12nで締め込んで2.8mmになっていました。 > 2.2から差し引いてピストンの肩落ち0.6mmについては大外ししていないかと思います。 > ネジの回転数は9回転ほどありましたのでノーマル11回転と比べて危ないレベルまで少ないということはないかと感じました。
そうですね、紙ガスケットを3o分だと1.2kgでもちょっと締め付けが弱い気もしますが、 1o分でも0.1o弱の潰れは発生すると私も分析しているので、それ位の勘定で 間違ってはいないと思います。 ただ、私は一般的な0.5oとか1.0oのみの場合だと潰れは加味しないですね(笑
後、M6ヘッドボルトに関してはP1.0ですから最低でも6回転は締まっていれば 物理的におかしくはならないです。
> シリンダーヘッド容積6.4ccについてはあまり自信がありません。
えーと、これはおそらくですが純正のノーマルヘッドの容積だと思うんですが、これは 一般的なBR〇HSとかでも個人的にはおおむね6〜6.2cc程度に収まっている事が 多かったです。 どんなへっこみプラグを使ってもよくいっても0.2ccもは容積を換えられないので、 ここはちょっと計測誤差があるのかな、と私は推測してみますね。
> 実際の始動結果ですが、まずマフラーの位置が合わずという問題がでたためガスケット位置の固定具のない社外純正タイプマフラーで対応しました。
そうですねえ。さすがにベース3oでノーマル比2.5o程度もシリンダーが動いてしまうと ノーマルマフラーのポン付け装着は個体差にもよりますがまず無理ですね。 これだけはマフラー側を長穴加工するか、もしくはベースかさ上げを行わなくても良い 根本的なシリンダー側の設計も必要になってきますのでね。 エンジン側だけの設計では他につじつまの合わない所も出てくることもある、というのは 意外と大切な点だったり。 (ライブDio系の場合、ヘッド位置の高さが変わるとシュラウドの位置関係も変わります)
> MJは88番で40〜50キロ程度しか出さなかったのですが、1キロほど走ったところで異音がでて抱き付きを起こしてしまいました。 > > 事前にリスク要因として話していたKJT製のピカピカアルミピストンと、40umのピストンクリアランスの設定がまずかったのではないかと思います。
そして実働ですが、以前おっしゃった様に4/100のピストンクリアランスでは純正品を そのままスープアップした43φ品があったとしても厳しかった事でしょう。 ファンもノーマルでは20%の排気量アップには足らない場合もありますし、それでも 熱膨張しまくるであろう社外ピストン前提では、まともに走れただけでもまだまだ 御の字だと私は感じますよ。
かつ、排気ポートの弦長はそれなりに無いと熱がこもりますし、タイミング的には 角度的に純正値に近くとも、排気ポート開口部が上から25.5oならそれでも ノーマルよりは「物理的に低い位置に排気ポートがある」事になる為、これも 排気のブローダウンとは別に、熱が逃げないという物理的なデメリットになります。
掃気もBBDC54 °ですとあまりにも掃気時間が短いですから、これもピストン表面を 掃気しきれず熱がこもる要因の一つですし、そもそもボーリング掃気ポートの場合、 掃気吹き出し方向がとんでもない方向へ向いている事が大半なので、これも タイミングや性能特性では無く、エンジンと言いますかシリンダー内の熱問題の 一貫となってしまいますからね。
このあたりがおかしいと、いくら物理的な圧縮比がノーマル以下であったとしても 排気ポート周辺、すなわちシリンダーとしての熱問題の解決にはならないと いうのが2stの難しい所でもあります。
だいぶ難しいお話になってきましたが、ポートタイミング自体は適正値であっても 物理的にシリンダー内部に熱が残りやすい構造になってしまった場合には、 ピストンクリアランスの不適切さをさらに助長する結果になる、とも言えますので。
排気ポートの弦長にしても、これは純正の原付二種ならタイミングも遅い上に 弦長もボア系の60%ちょいとかしか無い場合も多いですが、純正構成の場合は メーカー設計にて「その熱のこもりやすそうな状態」で完全に冷却出来るように 最初からシリンダーフィンやシュラウド、ファンを設計しているからなんですよね。 同系統エンジンの一種、二種でファン等が同じなのって私は見た事無いです(笑
> ウエイトローラーセッティングまで到達出来なかったのですが、殆ど純正と同じフィーリングでした。 > > 残念ながらパワーアップ感は感じませんでしたが、多少ポートタイミングが早くなっているので高回転で力がでた可能性はあるかと思っています。
そうですね、まずは安定した実働を行えるのが自前設計のエンジンとしても 一番大切なので、今回の様に数値をきちんと取って分析されて行けば、 あてずっぽうではなくきちんとした理詰めでのエンジンをこしらえられると 思いますよ。
…いつものクチですがそれをやらないとぶっ壊してまた直して作って、の 繰り返しにしかなりませんからねえ。 もちろんそれも必要な事ではありますが、数字出さずにやれるほど2stエンジンって 簡単じゃあないです、と言うだけですね〜
後、特性に関してはその排気タイミング変更では全く変わらないと思います。 厳しい様ですが、せめてBBDC88°程度は越えないと明確な特性変化って 起こりづらいので。 かつ、掃気がBBDC54°ではノーマルより遅すぎる為に逆にデチューンに なっている可能性の方が高く、圧縮比も低いのでは排気量UPのみのプラス分は おそらく他のデメリットに全て相殺されてしまっている、と分析させて頂きますね。
ただ、誤解して頂きたく無いのは、数値としてきちんとした物を提示して頂けて いるからこそ私も忌憚のないアドバイスが出来る訳でして。 あやふやな何o削りました、とかじゃ正直さっぱり分からんものなので(爆
> クリアランス指定80um位で再トライしようかと考えているところです。
こちらはそれで宜しいかと思いますよ。 ただ、出来ればマイクロメーターを購入してKJTピストンの上の方と真ん中の方と 下の方の寸法を取ってみるとなお良いでしょう。 …測り方にはそれなりにコツは要りますが、それを言うなればボーリングした シリンダーも本当に指定数値になっているのか、という点も出てきますし。
ピストンの材質は当然としても、寸胴なのかそうでないのかでも必要なピストン クリアランスはかなり変わってきますので、このあたりもいずれ避けては通れない 道になってしまいますので、ね…
とはいえ、自身でシリンダーボーリングを行い、流用ピストンを用いてきっちりと 各部の数値を出そうとした上の設計を行い、かつ実働までもっていく、という レベルとなれば結構なものです、と私からは評価させて頂きたく思います。
「パーツがはまるレベル」なら正直多少スキルがあればボアアップもどきなんて 誰でも出来ますが、ライブディオ大好きさんの通っている道って結構なレベルの ところなので、是非是非今後とも進化を期待させて頂きますね。
ではでは、いつもながら長くなりましたが今回はこれにて失礼をば。 管理人でした〜
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