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記事No 2647
タイトル Re: Re: Re:余談ですが…
投稿日 : 2024/05/15(Wed) 18:49:39
投稿者 ねぎのリーダー@管理人   <neginoleader@yahoo.co.jp>
参照先 http://wwwi.netwave.or.jp/~leader/
(ノД`)さん、お久しぶりでございます〜

進角の加工は成功された様で何よりですよ。
1mm…と言わずもっと行っても大丈夫だとは思いますが(笑


さてさて…興味深いご意見、どうもありがとうございます。

>同型エンジンで同じ回転数でノーマルとハイチューン車両を比較した場合ノーマルに対してハイチューン車両はパワーがでる=燃焼効率が良い=点火から最大燃焼圧力までの時間が早くなる=遅角が必要

とありますが、これは排気タイミングを全く変えない、すなわち「燃焼時間が大幅に変わらない」という
限定された場合での理論としては正解かと思います。

圧縮比のUPや排気量のUPでパワーバンドを変えない、もしくはノーマル排気タイミングで
混合気の充填効率&正圧派の反射タイミングを変更してパワーバンドを高回転化している
チャンバーの使用だと、ピストンスピードの速くなる高回転では自然と点火タイミングは
遅らせてやらないと異常燃焼の原因になったりしますね。

(もちろんどんなCDIでも、アイドリング2000rpmよりは高回転10000rpmの状態の時の方が
遅角しているのが一般的です。それが固定点火時期では無いCDI点火のメリットですので)


しかし2ストエンジンの場合、使う回転域(パワーバンド)は、基本的にチャンバーの形状と
排気タイミング(形状ではありません)で決定される物です。

少し難しいお話になりますが、「排気ポートの排気タイミングを上げるとパワーバンドが
高回転に移行する」理由は、「排気温度と流速」が密接に関係しています。

コンテンツ内でも簡潔に説明していますが、排気ポートを上げる(上に削る)と、点火され爆発し、
燃焼した混合気は「シリンダーから出て行く」タイミングが速くなるのです。

そうすると、「ヘッド&シリンダーにあまり放熱を行わない高熱の排気ガス」が排気される訳ですから
自然と排気の「流速」が上がり、チャンバーで反射波を生み出すタイミング(同調)も高回転と
なるんですね。


この様な場合、点火時期がノーマル(無加工を基準)だと、排気ポートの「排気タイミング」だけが
速くなってしまい、点火時期そのものが遅くなるという事と同意となってしまいます…
燃焼室に「火」が点いてから「排気ポートが開く」までの時間が速くなってしまうと言う事ですね。
(クランク回転角度で考えてみると分かりやすいかと思います)

もちろんあまりにも点火時期が早い場合だとノッキングの原因となりますが、ある程度は
BTDC(上死点前点火角度)のセオリーはあるはずなので、それを大幅に超えるほど進角させては
駄目ですね。


ちなみにこれはあくまでパワーバンド内でのお話であって、高回転でかなり遅角させないと
「伸びきり」が出ない回転数になって来るとまたお話は別です。
一般的に「高回転で遅角させるとオーバーレブ特性が良くなる」と言うのは、あくまでノーマルエンジン&
ポートタイミングでの無難な点火時期での「調整幅」のお話であって、ハイチューンだと
高回転型エンジンになればなるほど、ノーマル基準の点火時期よりはどんどん進角させる
のが普通なんですよね。
少なくとも私は、ハイチューンエンジンだと「オーバーレブ回転域」はほとんど無いですよ。

なので私、ノーマルパワーバンド用で設計されているチャンバーやノーマルマフラーだと、
よほどパワーバンド幅に許容量のあるチャンバー等で無いと「排気タイミング」の変更は
行いませんしね。
(排気タイミングを2〜3mm上げても耐えられるチャンバーは市販品ではなかなか無いです)


以前お伝えした「ローターベースもしくはピックアップマグネット加工」での「トータル進角」だと、
元々ベースとなっているCDIの進角特性を全体的に「同じ角度だけ」変えてしまうので余計に
注意が必要です。
スクーターチューンだとパワーバンドしか使わずに走らせられますが、パワーバンド以下の
回転も「エンジンが吹け上がる」為には必要ですからね。

余談ですが…リミッターの無いノーマルCDI(3KJJOGやスーパーDio)等だと、排気ポートを上げて
なおかつローターベースを加工し全体的な進角を行ったとしても、元々のCDIの「高回転での進角特性」
が全く足りず、ある一定の回転域以上ではどうセッティングしても点火が追いつかない場合も
あったりしますので。


無茶苦茶長くなってしまいましたが…「進角」と一口に行っても色々な要素がからんでくる
物なので、一概には「ハイチューンで燃焼効率が良いと遅角」とは言い切れないんですよね。
むしろハイチューンであればある程、進角させて排気タイミングとの同調を取りパワーを出すのが
セオリーかと思われます。
…もちろん熱量も増えるのが当然ですが、それが原因で焼き付くのなら単純に冷却もしくは
潤滑不足ですね(笑

発熱量を下げるには点火時期を遅角させ、ヘッドやシリンダーにあまり熱を持たせないまま
排気ガスを排気してしまえば良いのですが、それだと燃焼時間も短くなってしまい、「粘りのある爆発」が
行われずパワーも出せませんしね。


すごい長文失礼しました…
不明瞭なところがあればご指摘下さいね。
管理人でした〜

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