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記事No 5125
タイトル Re: ランププレートと再加速(死ぬほど長文です)
投稿日 : 2008/08/20(Wed) 03:44:04
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://wwwi.netwave.or.jp/~leader/
ジョルノおやじさんまたまた毎度です〜
早速質問板をご活用頂きありがとうございます。
ではではつたないながらアドバイスをさせて頂きますね。


さてさて、ざっと仕様と対策、それについての疑問を拝見しましたが…
まずはこの辺から行きましょう(笑

> そんなに簡単な問題では無いのは解ってますが、WR重量を変えずにスロットルOFFでのプーリー側での変速暴走を押さえ込むにはこういう考え方で良いのでしょうか?

これはまず、メールではご説明しましたがココを見られている方々には
何の事なのか分からない可能性もありますんで一部抜粋してお届けします。

以下、「加速中にアクセルを戻した場合駆動系はどう動くか」の
説明文です↓


ここはコンテンツにはまだ書いていませんが、アクセルOFFの「減速時」には、
トルクカムはベルトを挟む力が一気に抜け、開いていく方向に動いているんです。
分かりやすく言いますと、「アクセルOFFで駆動系がシフトアップしている」と
言う事なんですよ。

簡単にだけご説明しますと、前述した様にトルクカム自体はアクセルOFFにて
ベルトを挟む力が無くなり、大きく開いてベルトが食い込みシフトアップが
行われます。

(WRに掛かる遠心力はエンジン回転が落ちない以上変わらないので、トルクカムで
ベルトを張る力が抜けてしまえばプーリーががばっと開いてベルトがもっていかれて
しまう訳です)


といった感じですね。


さて、この「アクセルOFFで駆動系がシフトアップ(一気に変速が進む)」と
言う事に関しては疑念を抱かれる方も多いと思いますが。
これ、始動後に駆動系カバーを外せる車種で、人に乗ってもらい
自分は地面に腹這いになりつつアクセルをコントロールして貰い
駆動系の動きを見てれば一発で分かるんですけどね(笑
…さすがにコレは危険なので、そういうモノだと思って下さいませ。

簡単にご説明しますと、ドライブ側はWRの遠心力、ドリブン側は
トルクカムの効きにて「ベルトを適度に張っている」力のバランスが、
ドリブン側だけ一気に0になるのでそりゃドライブ側のWRは勢いよく
外に飛び出しますよね、って事です(笑

ちなみにアクセルOFFでもエンジン回転はいきなり0にはなりませんので、
ドライブ側の「力」は一気に0にはならない訳です。


と言う事で、この症状を緩和しようとする対策、と言う事がご質問の
メインになりますが、これは正直、実践された様なランプ角度の
変更程度では全くもって抑制は出来ないと言うのが結論です。

お気づきの通り、

>ジョルノ純正のプーリーとZXの同部品を比較してみました。
>!?!?(・・;)あれっ?ランププレートの角度が違う!ジョルノがやや平たいのに対してZXは少し角度がキツイな。。。

これはHGとAHのランプ角度の違いになるんですが、これは確かにあります。
ですが、これはプーリーのWRガイドが同一という大前提があればこその
ランププレートのみの「特性変化」を試せると言う事なので、
プーリーごとZXの物にしては分かりづらいです。

ですが…まずこれはZXランプの方が角度はきついどころか緩いです。
しかもAH刻印のランプは2段階になっており、これが前半はZXより緩く
後半はきついという傾斜になっています。

ジョルノのランプがAH刻印で無いのであれば私の誤解になるんですが、
そうであれば残念ながら計測が間違っていますよ(汗


で、このランプの傾斜角度ですが…

これ、角度がきつければきつい程、


「WRの遠心力でランプが押される時に

プーリーを横方向へスライドさせる力が弱くなる」


という仕組みになっているんですね。

要は、WRガイド角度もそうなんですが、傾斜がきつい程、WRには
遠心力が掛かっていても、プーリーをスライドさせる力に変換されにくい、と
言う事なんです。

なので、「加速側変速」に対してはこの傾斜による特性変化を生かして
セッティングを行う事が可能なのですが。


「アクセルOFF時のシフトアップ」に対しては、先にご説明した
「それまで効いていたトルクカムの力が抜ける」という動きを
ランプの角度を変えたからと言って抑制出来る程の物では無いんです。

「トルクカムが効く力」と言うのはかなりすさまじい物なので。
アクセルOFFにてそれまでベルトを挟み込みぱっつんと張る力を
持続していた物が一気に0になるのですから、これを抑制する事はほぼ
不可能に近いんです。

そしてそれに加え、トルクカムの力が0になる事により、今まで
トルクカムの力によってベルトを張りじわじわ変速を行っていた
WR自体も、掛かっていた遠心力を100%発揮して一気に外側へ
飛び出していく事になるんですよ。

なのでこの力を抑制する事は無理に等しいんです。
仮にプーリーを電子制御にし、WRがアクセルOFFでも外に出ないシステムを
作ったとしても、ドリブン側はトルクカムがさほど開かないかも
しれませんが、ベルトがたわみまくって無茶苦茶になるでしょうしね。


が、実は一つだけ手法があるにはあります。
これは前述した様に、

「トルクカムが強く効いていればいる程、アクセルOFFでトルクカムの
力を抜いた場合にシフトアップする量が大きい」

という事なので。

「トルクカムの効きを必要最低限にまで弱くしておけば良い」

んですよ。


となると…取れる手法は浮かび上がって来ますよね?
仮に45°一直線のトルクカムだと、変速の最初から最後までずーっと
「最大の力」で効き続けているので、どの変速域でアクセルを戻したと
しても、「トルクカムの力が抜ける」力…って言葉が変ですけど、
そのトルクカムが開く方向へと働く力は強烈に大きいままなんです。

逆に、ホンダの90°溝部分だと、トルクカム機構としては意味が無いので
ここにハマった状態で加速している時にアクセルOFFでも「さほど」
シフトアップは行われないんです。

とはいっても、OFF後すぐに再度アクセルを開けた場合でもトルクカムの
「効き」自体が無いので、なかなか駆動系自体が最小変速状態まで
戻りませんけどね(笑


…いいかげんややこしくなってきたので簡単にまとめますと、


「トルクカム溝は寝ていれば寝ている程、「効き」も強くなるが

アクセルOFF時の反力(シフトアップ方向へ向かう力)も大きい」


と言う事になります。

素早く再加速したいのであれば、トルクカムは必要最低限度に
効かせられる溝角度で良いんですよね。

その上で、「トルクカムの効く力+センタースプリング反力」にて、
「ベルトを挟み張る力」が足りないと感じるのであれば、そこで
初めてセンタースプリング強化を考えるんです。

とはいっても、ホンダ車のノーマルセンタースプリングだと仮に
ボアアップ程度のパワー+60°一直線溝トルクカムだとしても
強化の必要は無い位に硬いですけど、ね。


と言う事で。
無茶苦茶長くなりましたが、「アクセルOFF時のシフトアップを抑制するには
ドライブ側の構成をどうこう考えても意味は無い」と言う事で。
むしろ、

>これと併合してやや立ち気味のトルクカム溝角度で

コチラの方が真理を突いていますからね(笑


そしてもう一つ。
ここまで変速特性をいじくられるのであれば、最低限タコメーターは
必須ですよ。
もしお持ちであれば申し訳ありませんが、駆動系の「構成」を換えた場合、
「変速回転数は今までと絶対に同じになる様にWRで調整する」のが
絶対不変の駆動系のルールですからね。

変速回転数が今までと違ってしまい、「違った回転で加速している」のに
性能を比べよう、なんてのは何の意味もありませんから。

正直、私に同じ様な事をやれと言われても、これだとタコが無いと
理想まで詰めるのは絶対無理だと断言出来ますよ(汗



そして、現在の仕様を拝見していて思ったのですが、

>・ガスケット代わりにアルミ缶一枚

ヘッドガスケットにうっすいアルミ缶一枚というのは危険ですよ。
最低でも0.2o厚は欲しい所です。

これ、最近はヘッドガスケットレスとかって手法がありますけど、
よほどシリンダー上面&ヘッド面の精度が出ていないと明らかに
耐久性なんか0になると私は考えていますよ。
少なくとも、ストリートエンジンでこの様な手法を取るのは
正気の沙汰とは思えませんので絶対オススメ出来ません。

しかも、ヘッドはアルミですから意外と「面」が熱で歪む事が
あるので、ヘッドガスケットが無い、もしくはあまりに薄いと
万が一の時や経年劣化に対しての保険にならないんですよ。


後、

>・D社強化ベルト(それに合わせてボスにベアリング追加)

ベルトはともかく、ボスにベアリング追加とはどういった狙いなので
しょうか?
これは単純に興味がありますね(笑


そして最後になりますが、

> こちらのHPの駆動系解説でもその事に触れていたのでモニターに焼けが付くほど熟読させてもらいました(真剣。)

ここまで熟読して頂けると本当にありがたいですよ〜
どうもありがとうございます。


>こちらの管理人さんはハイプリに対してマイナスイメージの事を書かれていたり、

ええ、別にハイスピードプーリーが全部ダメって訳ではありませんが、
加速や再加速特性まできちんと考えて作られている物はなかなか無いと
言う事なんですよね。
そんな事で後々までトラブル?を引きずるのであれば、ノーマルで別に
いいじゃん、と(笑


>浅く広い一般的な改造に疑問を投げかける内容。

ええ、これはビッグマウスを承知で物を言いますが…
一番最初にロクでもないプーリーを入れてしまった場合、後々まで
響いてくると面白くもなんともなくなっちゃうんですよ。
「第一歩」からして間違った風潮が大きいというのは是正すべき
所だと私は考えておりますんで。


>特に駆動系に関してはある程度から先の理解が出来た時点で思わず感激。特にトルクカム溝角度についての講釈では結論が書いてない(思わず燃えちゃうね)

トルクカムのコンテンツについてはまだ言いたい事の3分の1も出して
いないのですが、あれでも各所で賛否両論あったみたいですから(汗
私の意見も参考に、ご自身で考えられるきっかけになってくれれば嬉しいなと
思っておりますよ。

もちろん、結論は安易には書きませんし、「これだ!」と決定付ける
仕様と言う物がある訳では無く、トルクカム溝にしても駆動系構成によって
ベストの形は違って来ますのでどんどんお悩み下さいな(汗


> 〔追伸・駆動系をバラシて組み直してはテストランしている自分に対して初老の母から『いい年こいて、高校生みたいなバイクの音させて、何考えてんだい!?』とお褒めの言葉を頂きました(^^)!〕

確かにこれはあるかと思いますけど…
大人ですし近所迷惑とかも考慮の上で楽しみましょう(笑
私みたく「何も言われなくなった」ら終わりですんで_| ̄|○


ではでは。
かなり長くなってしまいましたが、何かの参考になればと思います。
管理人でした〜

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