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記事No 5145
タイトル Re: 連続投稿ですみません。穴が。。。
投稿日 : 2008/09/14(Sun) 06:18:07
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://wwwi.netwave.or.jp/~leader/
ジョルノおやじさんお久しぶりでございます〜


…いやはや、やってしまったご様子ですね。
しかしこれはある意味やむを得ない事ですので、余裕の少ない
2st50ccをチューンすると言う上ではやってしまう事もあると
言う事で。


ではでは一つづつ分析してみましょう。


> ・ですが、どこか微妙に低速域で振動がある回転数が気にかかるようになってきました。次第にその振動はゴゴゴゴン!!!と車体を震わせる感じになり、低速走行(30キロあたり)での連続走行に不安を感じるようになりました。

振動…と言う事で、これは腰上が原因での振動であれば、そうそう
普通には走れないLVにまで性能低下が起こっているかと思います。
腰下であれば特に異音は酷くなりますが、明らかに異常な振動が
出たのであれば、これは一概にセッティング不足とかといった
物だけでは無いかと思いますよ。
弱っていた所やおかしなトラブル気味の所もあったのでは、と。


> そう言えば、始動直後の暖機からの走行開始の時に時折不規則にパキッ!っという音が一発入る事がありました。ですが回りきって走る分にはこれといった違和感もなく。。。

明らかな金属音で「パキッ!」と言うのは怪しいですね。
しかしこういう音だと、リングが掻いたとか、何かしらの
トラブルが出ていた可能性がありそうです。
クランクベアリングという可能性も否定出来ません。


> ・軽トラで持ち帰ってみるとシリンダーの下のクランク回りはアルミのクズが飛散しており、中へ落とさぬように丁寧にふき取ってみるも化なり内部までアルミ破片が入り込んでいる様子。
>
> ・そっと空冷ファンを手で回してみるとカキッ!っと何かが引っかかって動かない。

ピストンに穴開きだとアルミの粉は大量に出るので、それがクランク
ベアリングに引っかかっていたのでしょうね。


> ・ベアリングのオイル穴の中にもアルミ屑が入り込んだ様子。とにかくこれを掃除しなくては。。。ということでホースとエアガンでジャージャーブシュブシュ!と洗浄。オイル穴は狭くて厄介。パーツクリーナーのノズルを深く差し込んで幾度と無くうがいみたいな洗浄を繰り返し。。。どうにかそれなりに動くようになったので、石油でガボガボ洗い。ベアリングに金属ダメージの出ないタイプの潤滑スプレーを吹き込みオイル巡りの悪そうなベアリング穴に2ストオイルを三滴ほど垂らしてエアガンでオイルをぶち込み。

ケースを割らずに洗浄するにはこの手法でOKですね。
いくら洗ってもベアリング周辺には多少はアルミ粉が残るものでは
あるんですが、実質はアルミがベアリングに噛み込んでも、硬度の
差からして、ベアリング鋼にメタメタにキズが入る程にはピストンの
材質は硬くありませんから、よく洗浄すればとりあえずOKです。


> ・傷物の古いピストンだけど手持ちのパーツで洗浄済みのシリンダーと組み合わせてエンジン再始動。アイドリングの落ち着きは良くないけどそれなりに回るエンジン。

ピストンのみ交換、と言う事ですね。
シリンダー壁面に大きな傷がなければ再利用は出来ますし、
アイドリングが落ち着かないのはピストン自体の劣化が大きいと
思いますよ。


> ・5キロほどを走行してはアイドリングを整えるも新たな異音は消えず。下げすぎるとエンジンがピタッと止る感じです。そして以前からの低速での振動も消えず。

しかし異音が消えないと言う事であれば、ピストンの首降り(カラカラ音)や
リング鳴り(チャリチャリ音)以外だと、クランク周りを疑うしか
ありませんね。

この辺は「共振している回転数」という物もあり、ある回転域に
達するとぴたっと振動が止まると言う事もあるので。
ピストンの首振りなんかは、アイドリング時よりも多少回転を
上げた状態の方が安定する物ですし、一概には言えないです。


> ・最高速は落ちたが、10キロほど落ちたが、登坂力や加速力は激しくは落ちず(速度とパワー感はやや落ちてる。登坂時65キロ→61前後)

最高速が落ちたと言う事ですが…これは明確に回転数で確認出来ないと
なんとも言えないですよ(汗
MAX回転数が落ち込んでいるのか、はたまた力が無くなって速度が
出ていないだけなのか判断のしようがありませんからね。

ですが、シリンダーに大きな傷、と言うかえぐれている様なスジが
無いのであれば極端に「力」は落ちないです。
そのシリンダーに新品のピストンとリングを組んでみないと、
正確な劣化状態の判断はしにくいですね。



> オークションで純正部品の腰上中古を落札したところです。(ひっかき傷など無くまだまだ使えると思います。とのこと。。。)

ええ、中古であろうともノントラブルを旨とするなら純正品が
一番です。
純正のシリンダー&ピストン同士だと、いくら劣化していようが
多少キズが入っていようが、それが原因で致命的なトラブルの
原因になる事はまずありえませんからね。
ここでケチって安価品に手を出すと余計に痛い目を見ますので
お気をつけ下さいな。
(ピストン径の計測やクリアランス管理が出来ない場合に限り、です)
あ、もちろんピストンやリングは純正新品をオススメしますよ。



>原因が分からないと同じ事を繰り返すと思うのでアドバイスしてくださいませm(___)m。。。

ええ、また同じ事になってしまったのではつらいですからね…
多少厳しい視点でアドバイスをさせて頂きます。


>ノーマル時に碍子欠け落ち内面引っ掻きまくりとか

これはですね、プラグ碍子が欠損したとしても、明確にシリンダーの
内壁にえぐれたキズが付かなければ、「極度に酷い破損」の
直接原因にはなりえません。
言い方がおかしいかもしれませんが、エンジンってそこまでヤワでは
ないんですよ(笑

>始めてのポート研磨での組み上げ不良による抱きつきとか

組み付け不良、と言う事ですが。
これ、別の所でも書いたんですが、「多少の組み付け精度が悪い」程度で
破損の原因になるLVってのはそもそもパーツ自体の精度がおかしいんです。

エンジンを横にして組もうがヘッドボルトを適当に締めようが、
その程度でエンジン内部が破損するLV原因になる事はまずありえません。
ピストンピンクリップが脱落したとかリングが折れたとかであれば
話は別ですが、「形になる」LVで組めているのであれば、人間の
組み方一つが「破損」に繋がる事は無いんですよ。

原因を求めたいお気持ちは分かりますが、その辺りには今回のトラブルの
原因は無いと推測します。


> ピストンの状況は出口方向の側面(リング上部)に激しい削れ。ピストン上面(真ん中よりやや出口より)に8oΦ程の穴。

これは結構酷い症状ですね。
私も写真か現物が無いと判断はしにくいのですが、「ピストンに穴」が
開くとなれば、走行状態でも明らかな異常が起こっているはずなんですよ。

これが体感出来る、出来ないは別としても、異常に燃焼温度が
高かったり、圧縮比が高すぎるとピストンヘッドへのダメージは
大きくなりますが、一気に穴が開いたのであれば致命的な原因が
あるはずです。

以前にピストンヘッドを見られた時には、へこんでいたり真っ白に
焼けていたりはしませんでしたか?
わずかでも兆候があったのであればそれは今回そのしわ寄せが来て
しまったと言う事であり、燃焼温度の管理不足と言わざるを得ませんね。


> 側面の痛みはなくオイルの乗りも良好。ヘッドもうっすらとオイルで濡れていたが、ピストン上面はアルミグレーのガサガサ乾燥状態、爆発時の飛沫アルミが飛び散った様子で、プラグの碍子もアルミコーティング状態でした。

「側面の痛み」が無いのであれば、シリンダーで一番高温になる排気ポートの
周辺、そしてリング合口が通る部分への抱き付き痕は無かったと
解釈します。

オイルも乗っていたと言う事であれば、「潤滑不足」や「冷却不足」では
無い可能性が大きいですね。

ファンの風量が足りない等の冷却不足の場合、ピストン側面側、特に
排気側にダメージを喰らいますし、オイル潤滑が足りない場合は
全体的にピストン側面&シリンダー壁面にダメージを受けますのでね。


ここで、ピストンの破損具合に関して一つ伺いたいのですが。
クリップ脱落はまず無いと思いますが、ピストンリングの欠損や
折れ、欠け等はありませんでしたか?

以前伺った仕様では、排気ポートをかなり横に広げられていると
言う事なので、リングの破損&劣化具合も気になりますんで…



そして今後の修理方向ですが。

> 今後のマシン回復方としてベアリング交換も視野に入れるべき状況なのは確実らしいです。(出来るだけバラシた状態でバイク店に持ち込みの予定)

ええ、万全を期するならクランクベアリングは交換が良いでしょうね。
ケース割ってみると良く分かるのですが、ベアリング周辺には意外と
アルミ粉が残っている場合がありますんで。


> 気になるのはクランクです。乗っていて周期的な微震動がいつの頃からか現れていたというのもあります。(パワーをかけている時)

これはジョルノおやじさんご本人にしか分からない事です(笑
「元々の状態」を覚えていないと、何かトラブルが出始めても
感覚で気付けないのでミスを起こしがちになるんです。

微振動が出ていると言う事でも、それがクランクのブレによる物なのか、
はたまたカウル類の共振が酷いだけなのか、各部ブッシュが痛んで
いるだけなのか、もしくはケース自体ダメなのかと、色々原因が
考えられますからね。

そして、ピストン直上から力がかかってダメージが出た今回の状況ですと、
もっちーさんのおっしゃる様にコンロッドエンドにもダメージが
ある場合があります。

この場合はわざわざコンロッドをチェックしないといけないですし、
クランクの再利用自体、ホンダではやらない方が無難なのですよ。

万一クランクシャフト&ケースが振動原因だとしても、これは新品パーツを
キッチリ使ってO/Hを行ってみないと分からない事なんですね…


> 過激な使われ方の少ないジョルノという車種なので中古エンジンを買うのも有りなのかな?とも思いますが、、、

これはもっちーさんもおっしゃる様に一番安価ですが、はずれを引いたら
元の木阿弥になってしまいます。

太軸小径駆動系の縦エンジンだと中古ではごろごろしていますが、
きちんと管理されていた物なんてその中の0.01%にも満たないと
思いますし。


仮に素人が一度でもドライブフェイスを雑に外しているものであれば
それだけでクランクシャフトが「曲がって」いてもおかしくないのが
ホンダエンジンと言う物ですから。

ジョルノだと過激に扱われないエンジンではありますが、かといって
大人しく乗っていても「丁寧に」扱っているわけではなく、「雑に」
扱われていたら何の意味もありません。
フルノーマルで常に全開走行+ノーメンテエンジンとかではボロも
いい所ですしね(笑


正直、中古も悪くは無いですが見極める目が無いと、「安定した」物を
選ぶのは至難のワザになってしまいます。
私も偉そうな事を言ってはいますが、はた目から全てを判断するのは
難しいと言わざるを得ないですから…(汗

こればかりは、ホンダ縦型50ccを選んでしまうとどうにもならない
しがらみとメーカー設計の悪さが出ているので、諦めるしか無いのが
現実なんです。
一つの例えでヤマハエンジンに比べると死ぬほど管理がシビアで劣化進行も
酷いですからね。


> 動けばよいという考え方ではなく、快適に走れるエンジンを目指すにはどの方向性で望むのがベストでしょうか?


これは先に極論を述べさせて頂きましょう。
ずばり、「お金をケチらない事」です。

中古エンジンベースでも良いのですが、チューンドエンジンで安心快適を
求める事自体が元々50ベースでは無理がある上、さらにパワーを
上げようとしているのですから、中古を買ってきてそのまま組んで
はいOK、ではよほど運が良くない限りいつかはまたトラブルに見舞われますから。

新品クランクシャフトを奢ってやり、きっちり腰下を組み直して
各部にも目を向け、お金で解決出来る所は全てお金を突っ込む、と
いった感じが理想ではあります。

特に、これからチューンを進めたりするのであれば余計にキッチリとした
物が必要ですし、最初の投資を行っていれば後々下らないトラブルで
頭を悩ませる必要が少なくなって来ますしね。

最近は台湾クランクも安いですし、外国品嫌いの私でも台湾クランクには
信頼を置いているので、中古でエンジンを購入し、これらを利用して
きっちり組み直すのが一番近道で安心だと思います。

もちろん、これはちゃんと組める人が気を遣って組まないと、
新品クランク組んだのに異音がする、と言う事にもなりかねませんから
作業環境も大事です。

もしやるならば腰下のみバイク屋さん任せの予定の様ですが、それだと
本当に気を遣って組んでくれるかどうかは店によって様々なので。
と言いますか、「普通」のバイク屋さんに出すと9割方痛い目を
見ると言う事はアドバイスしておきますね。
素直にチューニング屋に頼むか、私に頼むってのも(以下略


で、言葉がきついのは承知で物を言いますが、後々安心したいのであれば
それなりの投資は必要と言う事なんです。
「あと1年しか乗らないから」とか「飽きたら次の車両を買う」とかいった
スタンスの方だと、元々チューニング自体に余裕の無い50ccをいじくるのは
難しいのですよ…

トラブルも含めて楽しめる位で無いとダメ、とまでは言いませんが、
その位の覚悟があった方が良い事は間違い無いです。
ぶっちゃけた話、中古車両にチャンバー装着や排気ポート加工、
圧縮比まで上げてしまってぶん回して何もトラブルが出ない方が
おかしいと思いますよ。


そして、ここまでパーツ単位で安心を「買って」おいた上で、
適当ではなくある程度の理論に基づいてチューンを進めるのが
一番の上策なんですね。

仮に、今回の件でも圧縮比が異常に高かったという可能性は
捨て切れませんし、私は症状を伺う限りその可能性はかなり高いと
思っていますよ。
これも、私のコンテンツを参考にして頂いてご自身のエンジンの
圧縮比の計算をきちんと行っていれば、未然に防げたかもしれませんしね。

これもo単位で削ったり変更してしまった物であれば、数値的には
極度に変化してしまう物なので、限度は大事だと言う事ですね。
2種の様に元々圧縮比が低い物であればある程度圧縮比が上がっても
問題無いのですが、1種の場合元々さほど低くはありませんから、
チャンバーとの相乗効果だとすさまじい熱を持ってしまいます。

これでプラグ番手が6番とか、ファンカバーに隙間多量にあるとか、
オイルが安物だとかだとすれば確実にトラブル原因でしょう。
「元々30km/h程度での安定」を仮定して作られているエンジンと
言う事も忘れてはいけない所になりますね。



と、また長くなってしまいましたが。
対策としては中古載せ換えも悪くはありませんが、各部を新品に
リフレッシュした方がはるかに良いですし、原因としては圧縮比と
冷却の問題があるのでは、と思います。

ではでは。
またツッコミ等あれば宜しくお願い致しますね。
管理人でした〜

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