おお、みゃびんさんお久しぶりでございます〜
前回はロングクランクの件でご質問されてましたね。 ロングクランクは組まれなかったと言う事ですが、あれは基本的に 組むだけなら簡単ですが他の辻褄合わせが出来ないと何の役にも 立たないので…一長一短でしょうか(汗
さてさて。今回はベルトの件と言う事ですが。 まずはこれ…ホンダ系スクーターには他社と大きく違う点で、 グレード違いのエンジンだとパーツ単体の構成が違うのではなく、 腰下構成からして「全く別物」であると言う事をまず認識されると 良いでしょう。
> 今までベルトに注目した事が無く > 非ZXとZXのベルトが全然違うものだと知らなかったです
ええ、これは「知らないと分からない」点ではありますし、パーツリストを 見ても品番だけの差異でサイズとか書いてる訳ではありませんからね。
と言いますか、前の話と繋がりますけれども、「ZX」グレードと その他のモデルでは、駆動系のみでも「クランクケースを除く 全てのパーツが異なる物で単純な互換性はまず無い」というのが 一番大事な事なんですよ。 ポン付けで変更しても良い点はクラッチシュー位です。 (アウターやセンターSPは同じなので割愛)
なので、元々違う物として作られている物に異なった物を 入れてしまうと
> 加速最悪の最高速-20kmでした…
当然、こうなって当たり前なんですね。
> 長さはなんとなく理解できたのですが > 幅がどう影響するのかよくわかりません… > 幅が広ければプーリーの端まで使いやすいのかな? > シーブ下まで入りにくくなるのかな? > とかしか思うくらいです…
そしてこちらですが。 これ、ベルト自体の長さや幅が違うと言う事はお分かりかと 思いますが、幅にしてもZXなら18o、非ZXなら15oのベルトが 「ちゃんと収まる様になっている駆動系構成」で元々が作られて いるので、3oも幅が違うモノなんて互換性うんぬんなど考えるだけ 時間の無駄と言い切っても良いです。
そりゃ、無茶苦茶やれば太くて長いベルトも入らない事はありませんが、 最低限度ノーマルと同等の減速比(変速比)を最大〜最小値まで 保てる構成に出来るのか、と言われればまず無理ですからね。
世の中には非ZXにZXベルト等をぶちこんで最高速がどうこう、と 書いてある所も見受けられますが、そんな適当な事で安定動作する程 駆動系って簡単ではありませんから…
ベルト幅が細ければ最大変速時のドリブン側中心へ向かって落ち込みそうな 物ではありますが、そんな単純な物でも無いです。
長さが同じで幅だけ狭ければ確かに落ち込むでしょうが、反対に 幅が狭いが故に、ドライブ側での最大変速量ってのは減ってしまい プーリー&トルクカムのスライド量なんて双方共に変化しないですからね。 他を無対策では何の効果も無いと断言しますよ(笑
プーリーのストローク量にまだ余裕があり、ドリブンの開き具合にも 余裕があれば効果が無い事は無いでしょうが、そこまでベルトを めり込ませると危険な部分も出ますし。
これ、幅だけ細ければ発進時のみはメリットが出ますが、最大変速側には どう影響が出るのかも考えないと駄目で逆もまたしかり、と言う事です。
> 今のまま15o幅の非ZX用のベルトを使って改造していくのと > 今のセッティングを忘れてZX用のベルトをつけて > それに合わせてセッティングするのはどちらがいいのでしょうか?
ですので、これはもう答えがお分かりだと思いますが。 ちゃんとした15o幅のベルトを使ってやっていく方が良い、と言いますか それしか選択肢はありませんね。
そもそも、ZXのベルトを無理矢理入れても何もメリットがありませんし ご心配されている「耐久性」など全くもって無くなるとも言えます。
で、この細ベルト仕様の通称「小径駆動系」のタイプは何につけても チューンする余地がほとんどなく、はっきり言いますがいじくるだけ 無駄に近いので私はこの手に手を入れる事はあまりお奨めしては いないんですよ。
むしろ、クランクシャフトを交換出来るスキルをお持ちならば、 ZXのクランクシャフトを入れた上で駆動系をフルZX化するのが 一番簡単で悩まない方向性ですね。
> 結局、乗り手の好みとか、仕様の問題になると思うので > 非ZX用とZX用のベルトにはどんなメリット・デメリットがあるのかご教授頂ければ幸いです
これは…くどい様ですが好みの問題ではありません。 「物理的に出来ない&やってはいけない事」なんですよ(笑 はまるからといって入れても、それに対するメリットデメリットを 明確に出来なければ、それこそ何の意味もありませんし。
各部寸法等を取り綿密に計算等を行っても、私の経験ではいくら 頑張ってもZX用ベルトを細ベルトの変わりに入れてもメリットなど 全く見い出せませんでしたしノーマル以上に性能が上げられる事は 120%出来ないです、と言わざるを得ないですよ。
そして最後に、現在の仕様を拝見しますに…
> 軽量強化クラッチ > 横綱プーリー改 > トルクカム改
これだけやっていれば上等だと思いますよ。 むしろ、ハイスピードプーリーで最高速を伸ばし、トルクカムを 改良して自分が気持ちいい特性にされていると思いますので これ以上求める事は無いのではと私は考えます。
「駆動系」というのは文字通り、「エンジンパワーをいかにロスなく リヤタイヤに伝えるか」が一番の目的であり、パーツを変更して いけばどんどんその効率が上がるというモノではありませんからね。
正直、私が非ZXの駆動系を「調整」するのであればギヤ交換と トルクカム加工程度しかやらないです、と言いますか、色々な 所の設計限界がありすぎてやりようが無いのですよ。 もっと上が欲しいならプーリーも加工しますが、加工した所で そこまで性能向上は無いですけれど_| ̄|○
特に、耐久性を加味するならば駆動系のセットと言う物は物凄く 大事になりますが、快適性やパワー、速度を求めたいのであれば
「エンジンパワーが出ていないのに駆動系で無理をしても無意味」
だと言う事なのです。
本当は、ある程度エンジンパワーを上げてから、そのパワーを いかにリヤタイヤに上手く伝えるという手法が王道なんですね。 私はFNクラスマシンの解説等ではノーマルの駆動系構成を 変更していかに効率良くするかは紹介していますが、あれはあくまで 「エンジンの改造を一切行えないクラス」だからこその手段であり、 ノーマルに近いライトチューンのエンジンに対して駆動系構成を 一番にどうこうするってのは本来おかしいんです。
WRとクラッチミート回転数をエンジンのパワーバンドに入れるのは フルノーマル車でも行うべき点ですが、ハイスピードプーリーや トルクカム加工ともなれば「必要になってからやればよい」のです… 「何が気に喰わないのか」が明確になって無いと駆動系をいじくる メリットなどひとつもありませんので、ね。
とまあ、話が横に逸れましたが(汗 そのくらい駆動系ってのは難しいモノでして、非ZX系の様に元が イマイチなモノだと下手に触らない方がまず良い結果が出る、と 言う事が一番のアドバイスになります。 双方のベルトには「互換性もメリットも全く無い」と言う事で。 …極端に言えばJOGにDioのベルトを突っ込んでるみたいなモンですから(笑
ではでは。 ツッコミ等あればどしどしお寄せ下さいませ(笑 管理人でした〜
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