直也さん今晩は。 横槍ですが、思ったことがあるので返信いたします。
まず、僕はKITACOというメーカーの製品は非常に摩耗しやすいと考えています。 プーリーにしろWRにしろ、摺動部品全般が弱い気がします。 そして今回の直也さんのケースですが、ヒントは既にあるようです。 >今は勝負ベルトを育てるためWRを重くしセンスプを強化してブリブリ負担かけてますが…これだと減るのが断然早いです^^他も減りますが好みのベルトなんて売ってませんし…
このようにベルトを挟む力を強くするセットにしていたみたいですから、WRと共にプーリーが摩耗する条件が揃っていたんだと思います。 ベルトを強く挟むということはWRも強く挟まれていますし、その上、大きな負荷を6個で分配するのではなく3個に集中してしまいますから、余計に消耗が進んだ可能性が高いです。
そして摩耗したプーリーのローラーガイドですが、WRの動きが渋いのであれば ・シフトアップ時はWRは軽いものと同義 ・シフトダウン時はWRは重いものと同義 だと思います。
ところでこの擬似的なWRの重量変化ですが、例えば加速側について
プーリーを押し上げる力 ∝ WRにかかる遠心力 − プーリーとWRの摩擦力
と表記すると、先ほどの例についても理解しやすいと思います。 ※係数は大変重要なものですが、話題がズレるため省略します。 摩擦力が大きくなることで、プーリーを押し上げる力が変化するということです。
それで、ウェイトローラーの重量を変化させるのは、言うまでもなくこの遠心力を変化させるためですよね。 この遠心力は、ウェイトローラーの重量だけでなく回転数、回転半径にも依存します。 そして同一重量・同一回転数では回転半径が大きいほど遠心力が大きくなります。 因みに数式では遠心力をF、質量m、回転半径r、角速度ω (=2πN/60、Nはクランクシャフト回転数) として
F=mrω^2
って表記します。 ※教習所では回転半径が小さいほど遠心力が大きくなると教わりますが、あれは『周速度一定の場合』です。
今回の場合ですと、ローラーガイドの溝の深さが1mm近く摩耗していたということですから、プーリーの位置 (『ボスに対する移動量』です) が同じでもWRの回転半径が数mm大きくなり、発生する遠心力はかなり大きくなったのでは…と考えられます。 これは取りも直さず『新品プーリーで重いWRを組んだ状態』に近くなることは言うまでもないですよね。
半クラシフトアップも大きく、またそこからの変速の戻りも鈍くなるでしょうから、2速発進状態というのも納得できます。
プーリーの摩耗が与える影響について触れてみましたけど、このホームページのFN仕様DioのコンテンツにあるTodayプーリーの考察にも繋げられると考えています。 TodayプーリーではZXの駆動系と比較して、結局のところ『ウェイトローラーの移動範囲 (回転半径の変化幅) が全体的に外側になった (平行移動した) 』とも捉えられるからです。 4st50cc系の車種ではいずれも標準ウェイトローラーが軽いものが採用されていますが、これは仮にドリブン側が同じ構成だったとしても、エンジントルクが小さくドリブンが踏ん張らないからというだけでなく、WRの位置の違いも影響していると思います。
さらに、お節介を承知で書きますが、経済的な理由でパーツ代を節約するなら尚のこと純正品をお勧めします。 純正で12gのウェイトローラーもありますが、6gのものもあります。 今や直也さんはプーリー側の負担も考慮する必要があるとお分かりの筈ですから、僕としては是非6gの純正ウェイトローラーを6個入れてあげて欲しいと思います♪
最後に、 >ベルトを育てる って表現、面白いと思いました^^♪ ではでは。
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