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記事No 5781
タイトル Re: エンジンOH後・・・
投稿日 : 2010/05/20(Thu) 03:48:29
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
樺蔵さん、初めまして。
当HP管理人のねぎのリーダーでございます。


さてさて。
エンジン始動不良のトラブルの様ですが、対処をざっと拝見させて
頂く限りでは、さほど間違った事は行われていないと感じましたし、
それで始動不能であるとなれば結構難しいかなと思います。

ですのでまず、ひとつひとつに対して私が気になった事を書き連ねてみますね。

> プラグのスパーク確認 ○ 十分飛んでます

まずこれですが、プラグの先端をアース部分から1cm程度離して
クランキングしても、アース部へ向かってスパークは確認出来ますか?
接地アースでは確認として不十分なので、一度お試し下さいな。

そして、あまりに火が弱いとかで無くとも、お持ちであれば純正
ノーマルのCDIを使ってみて下さい。
始動時の点火力ではノーマルに勝てる社外品はありませんので。


> キャブまでの燃料及びオイルの循環 ○ キャブのドレンから出てきます

キックを何回も踏んだ後、プラグは「ガソリン」で濡れていますかね?
これが濡れているのであればシリンダー内部までの混合気供給が
行われているという確認になります。

キャブまではガスが来ていても、シリンダー内に混合気が入って
いないのでは意味がありませんからね。


> キャブの詰り ○ キャブOH済みです

これは組み間違い等が一切無いのが前提ですね。
ただ、古くなっているキャブだと、一回ばらしてゴム類を再利用すると
変形してしまっていてガス漏れ二次エア吸いを引き起こす事が多々あるので、
始動性と言う点では切り捨ててはいけない所です。
本来は、ゴムリング類まで新品交換しないとO/Hとは言えないんですね。


> マフラー詰り ○ パイプユニッシュで洗浄後焼き入れ

これは単純に、元々が実働であったのであればいきなり詰まったり
する事は、ハチに巣でも作られない限りはありませんが、マフラーの
エキパイ部から口で吹くなりエアを吹くなりして、出口からきちんと
エアが排出されているかどうかの確認が良いでしょう。

いくら薬漬けにしても焼きを入れても、実際の通り道にあるカーボンが
取れていないのでは何の意味もありませんから。


> バッテリー ○ 充電済みで元気です

これはですね、ライブの場合はキック時に13V以上の電圧を確保出来て
いないと、点火力が極端に下がってしまうので始動性も悪くなります。

充電済みと言う事で心配は無いとは思いますが、無負荷で12V程度しか
電圧が出ないバッテリーと社外CDIとの組み合わせになると、かなり
始動性は落ち込んでしまいますからご注意下さい。


> 圧縮計は無いのですがプラグホールから十分な感触はあります。

これはプラグホールから圧縮を確認出来る程度であれば、性能はともかく
始動性を確保する程度であれば十分です。

極端な話、純正の1本リング仕様でもエンジンが極度にかかりづらく
なるなんて事はまずありえませんので。


> キックもOH前に比べて程よい感じです(キックし過ぎて足首痛いですが・・・

キックの時の足の感覚で、正常時と変わらないのであればそれは
信用してOKだと思われますよ。



と、これだけのチェック項目では、よほどの見落としがない限りは不備があるとは
思えないのですが…

が、何か不具合があるからこそかからないのは確かなので、改めてのチェックと
簡単な所の見落としに気をつけて見直されると良いかと思います。



次に、経緯を拝見しますと一度はリングを引っ掻いてしまったみたいですが。
が、かといってちゃんと直したのであればその位で始動不可能な位にまでトラブルが
発生するとはなかなか思えませんし…

シリンダーは再利用されているという事ですが、これも多少傷がある程度では始動も
不可能、なんて事にはまずなりえないのでこれは除外しても良いでしょう。

リングが吹っ飛んでケース内を暴れまわったとしても、クランクオイルシールが
破損してエンジンがかけられない、とまでなるのは私も見た事がありませんし、
そこまで逝っているのであれば目視でシールがおかしくなっていますしね。


と、文章を拝見する限りでは、エンジン破損とO/Hと同時に間の悪いトラブルが
起こっていない限りは、おかしい所はさほど見受けられないというのが感想です。

とはいえ、少しでもエンジンの具合と言いますか仕様が変わっているのであれば、
エンジンのかけ方によってもかかりやすい、かかりづらいという事は出てくるので、
ここはもっと極端に、エアクリ吸入口を塞いでエンジンをかけてみるとか、逆に
エアクリのフタを取っ払ってかけてみるとか、の実験もしてみれば、方向性も
出てくるかと思います。



そして最後に蛇足ですが…


> 走行8万越えのくたびれた?終わりかけ?のライブディオ(AF34前期)をOHしようと思い腰上をばらしました



走行80000km、というのは凄いですね。8000kmの間違いで無いのであれば
私もそこまで持っているライブは見た事はありませんよ(汗

が、そこまで距離がかさんでいると…何があってもおかしくないどころの騒ぎではなく、
ちょっとした拍子というかある日突然何かが致命的にぶっ壊れてもおかしく無いです。

これは言葉が悪いですが、そこまで走っているのであれば正常な状態でもかなり
始動性が悪かったのでは、とも推測出来ますしね。
(整備の頻度にもよりますが)


> このあと、組み付け後高回転までよく回り調子よく走っていたのですが
> 急にエンスト後ブルンブルン言うだけでかからなくなり腰上をばらしたら
> ピストンリング、下の段が三分の二ほど砕けてなくなってました。

ひとつ気になるのはこの症状です。

通常、ライブの排気ポートの上側を一直線にした程度では、面取りをしていなくとも
リングが引っかかってしまうというLVにはなりえないんですよ。
(弦長をアホみたいに広げたり、排気ポートの下半分をがっつり広げたりして
しまった場合は別ですが…)

よほどシリンダーが減っていて、ピストンが極度に首を振っていたのであれば
考えられなくもありませんが、その加工具合ではそうなる事自体がかなりの
おかしさがあるかな、と推測します。


面取り具合がどの程度だったのかは写真が現物が無いと分かりませんが、
リングってのはポートの「下側」で引っ掻くものなので、ある意味正常なリングの
ぶっ壊し方ではあるのですが…

コンロッドの大端部の「横方向」へのガタも少なからずあるのではとも思えますし、
これもあまり酷いとピストン自体が暴れやすくなってしまう物なので、この辺りも
大端部ががたつくという致命的破損ではなく、劣化による他所への悪影響は
あったかと分析しますよ。

走行8万kmも乗っていれば大端部のサイドクリアランス(コンロッドとウェブの隙間)は
1oとかありそうな気もしてしまいますしね(汗
そうなっているとフルノーマルで乗るにしても問題ありのLVですし、ご存知かとは
思いますが原付一種でDio系となると、そんな距離を乗る事自体がすでにかなりの
想定外になりますからね。


>リングの砕けたものはマフラーに行って若干詰まっていたので洗浄しながらコンコン叩き出しました。

次にこれですが、これはリングが2/3も無くなっていたのであれば、腰下を割れとまでは
言いませんが、せめて下ろして洗浄しまくって逆さにしてエアブローしまくり、といった程度は
必須かと思います。

意外とクランクベアリング周辺というのはそういった金属片が残りやすく、放置して
いて何かのはずみでそれが腰上まで達してしまうと…一発でシリンダーに傷が入って
しまいますからね。


後、これは最悪の想像ですが…
一度始動しそうになったのは確認されているという事ですが、その一撃ですでに
シリンダー等が残留リングカケラ等で破壊されている可能性もありますよ。

始動不良の現段階ではありますが、腰上を一度でもあけて確認されましたかね?
行っていないのであれば、ガスケット等は勿体無いですが一度は目視しておいた方が
宜しいかなと思われます。
…短時間の始動、とはいえその位エンジンの力ってのは馬鹿に出来無いんですよ。




>G’ドリブンフェイス・クレアカム

後、これは私がいつもやるつまらないツッコミですが…
AF34型で非ZXの腰下、クランクシャフト等を使ったままでクレアカム装着となれば
大径ドリブンをセットで装着していると思われますが、これをやっても本来の効果は
あまり無いですし、駆動系他の箇所は一切ノーマルと構成を換えてはいけないですよ。


> エンジン→排気ポート加工・シリンダーヘッド面研(1mm程度)

最後にこちら、排気ポートの高さを一切変えていないのであれば、誤差にもよりますが
ヘッド面研1mmはやりすぎですね。
圧縮比的には危険な域に突入していますので個人的には0.5o程度で留める事を
お奨めしますよ。


>また、リングが砕けるのは怖いと思い

これは他に原因が無ければ、元々ボアの68%程度しかない排気ポートを横に広げず、
なおかつタイミングも速めないのであれば、ぶっ壊すほうが難しいと言ってもよいので
そこまでびびらずとも良いでしょう。

が、シリンダーがすっかすかに減っているとかコンロッドガッタガタとかであれば話は
別ですが、「面取り」をしっかりと行っておかないと駄目です。
カドを撫でた程度では意味はありません。

特にライブの場合は、元々排気ポートの下半分が無駄に広いので、リングに対する
無意味な負担は大きくなりがちなんですよね。



と、長くなりましたが…
トラブルとそれをO/Hした後の対処等には問題ないかと思いますが、走行距離が
そこまで逝っているのであればもう何が起こってもおかしくなく、O/Hと同時に何か
致命的な部分のトラブルが出た、といっても決して珍しくありませんね。

こういった事は消去法で一つずつ潰していくしか無いのですが、それも改めて
きちんとしたチェックが行えているかどうか、も改めて見てやって下さいな。

ではでは。
不明瞭な点があればツッコミ下さいませ。
管理人でした〜

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