-gonさん毎度でございます〜
さてさて、コチラではライブフォークの質問にお答えしていきますね。
> 考えてみれば、こちらの掲示板にスレ立てるのって、初めてだったり・・・(笑
そういえばそうかもしれませんね(笑 が、その為の掲示板なのでまた疑問等あれば遠慮無くお使い下さいな。
> 本題のFフォークの方ですが、私の走行距離が5000qほど。 > 前のオーナーさんがOHしていたか謎なので、ほぼフルOHのようなものになりそうです。 > 交換予定部品は、 > > ・オイル&ダストシール > ・シートパイプリング > ・シートパイプ(オクでHDサスの中古を購入しての流用?) > ・フォークオイル > > です。
ふむふむ、元々の程度が分からないまま5000km乗った、という事であれば、確実に 劣化は進んでいる事間違い無しです(汗
基本、いくらライブ系のフォークが「10インチスクーターのワリには」良いモノだとしても、 作りはモノホンのフォークに比べるとプアですし、絶対的な油量も少ないので負担は かなり大きいんですよ。 新品からでも5000kmも走ったらO/Hしても全く悪くはありませんしね。
> 今回のOHで重要な点は、 > ・一人暮らし始まったおかげで貧乏なため、あんまりお金をかけられない(フォークオイル抜きで3000円以内・・・かかっても5000円以内を目標に・・・)
なるほど、今は学生生活+一人暮らしをされているのでしたよね。 確かにこれだとローコストハイパフォーマンスを求める事になるかなと。
フォークオイル抜きで3000〜5000円以内となれば…贅沢を言わなければそれでも 十分いける範囲になるかと思いますよ。 ただし、現状で致命的な破損等が無いのが前提になりますが。
ではひとつひとつお答えして行きたいと思いますが…Bが2個あるのは何故、と(笑
> BオクなどでHDサスを購入し、現在付いている金サスと、両方バラし、状態のいい部品を選んで使うもちろん同じ部品は同じフォークから選びます) > という案があるのですが、こっちのほうがシートパイプが新品な場合に必要と思われる、後々のばらして点検という作業も省けていいかな、と思うのですが・・・ > これってアリでしょうか?
これ、今のフォーク以外に中古品を1セット購入し、部品取りとしての併用という事ですね。 ふむふむしかしコレだと、中古で購入するべきフォークの程度が今の物と同じか良い事が 大前提ですよね。 運良く良い出物に当たれば良いのですが、シートパイプは別に新しい物を求めなくても 良いと思います。
確かに、シートパイプ自体も結構負荷は大きいんですが、意外とここって明確には減りづらいので、 その走行距離が正確であるならば交換せずともいけるのでは、と。
そもそも、中古で入手したとすればシートパイプ双方の劣化を計測判断すのはかなり難しく、 劣化判断も上手く行かないかもしれませんし。
>こっちのほうがシートパイプが新品な場合に必要と思われる、後々のばらして点検という作業も省けていいかな、と思うのですが・・・
えと、可能であればシートパイプを新品交換されるおつもりの様ですが、どうしても形式の 異なるものを入れてみたいのであればともかくとして、別にそのままでもさして問題は無いと 私は思いますよ。
後、シートパイプを交換すると言う事はシートパイプリングも当然新品交換になりますが、 両方を変更するとさすがにちょっと乗っただけでフォークオイルが汚れる事はあるので 一度ばらして掃除した方が無難と言えば無難になります。 仮に純正新品でフォークを買ったとしても、意外と初期馴染み後の汚れって出るものなので…
> Aフォークオイルのことですが、お勧めの銘柄があれば教えてください。 > 正直、やったことのない作業ですので、どんなオイルをどれくらい入れれば良い感じになるのかってのがわかりません・・・
これはですね、個人的なお奨めであれば、私はホワイトパワー製のフォークオイルを 好んでいますよ。
別にSHOWAやヤマハ純正、カヤバ等でも良いんですが、フォークオイルというものは 規格の「番手」が同じでも、メーカーや銘柄が異なるととんでもなく硬さも性能も異なるので 同じ10番でも同じ特性にはならない、という事を念頭において下さいな。
そもそも、基本的にヤマハやカヤバだと、油量の少ないスクーターのフォークに使用すると その特性ゆえか結構「渋く」なるので、私はあまり好きではありません。 ホンダ純正指定やSHOWAなら悪くなくて無難ですが、特筆すべきものが無いです(笑
そこでホワイトパワーなんですが…これはちと高価ではありますがしなやかさや熱の入った 状態での気泡の出づらさ、というかタレにくさというか、高負荷時の安定性においては 一番だと私は分析していますよ。
なのでオイルそのものはホワイトパワー、番手はとりあえず10番がお奨めです。 次点でSHOWAの10番でしょうか。
次に、仕様といった感じの件ですが…
> ・体重60〜65kg > ・ブレーキは190oディスクにブレンボカニラージ(φ34ピストン?)
まずこの辺は無視して良い範囲ですね。 体重の問題も、標準体重的な範囲内なのであればそこまでシビアになる必要はありませんし スクーターだと体重が影響するセッティングはフロントよりリヤの方がはるかに大きいです。
> ・リヤサスはKYB(品番VS305Sと思われるもの)で、5pロングなので若干寝ています。若干柔らか目と感じたのでイニシャルは一番堅くなるようにしています。
リヤサスはカヤバのVSという事ですが…これ、私的には伸び側減衰力とスプリングの 反発力はかなりバランスが悪く、イニシャルを最強にしてしまうと減衰力は無いに等しい LVの、ただのバネになってしまっているかと推測します(汗
基本的にカヤバのリヤサスは、ノーマル車体バランスの原付一種に使おうとすると 特性のバランスがちぐはぐなものばかりで、SG以外は私は良いと感じないんですよね。 私、ハイグレードのSGR255Rとかも持ってますがあまりに役に立たないのでSSマシンの リヤサスに成り果ててますしね(笑
VSも単純にノーマルより硬ければ良いのであれば贅沢言えない値段ですが、ちょっとでも 特性とかスポーツ志向を求めるのであればあまりよろしくない、という事で。
後、全長は表記上305mmでもこれはスプリングの硬さや1G沈下量の変化で数mmは平気で 変化してしまいますから、5mm長いとしても激変のあるLVでは無いでしょう。
> ・ルックス的に若干のローダウン気味が良い(2cm前後の範囲ですが、スプリングが劣化していれば自然となりそうですね・・・) > ・使い道は街乗りとちょっとしたジムカーナ&山道 です。
次にコレですが…ルックス的に20mmのローダウンが良いとなると、これはフォークの 油面やらの調整では不可能ですよ(笑
そもそも、有効ストロークを殺さずフロントを下げたいのであればフォークを突き出して やるしかありませんが、ライブの場合フルストローク60mmを使い切った時点で ステムのアンダーブラケットまでの距離はすでに20mmもありませんから、「下げる余地」は 全くと言って良い程ありません。
これを、フォークのストロークを殺してまで下げるとなればスプリングカット等で出来ない事は ありませんが、正直普通に乗るのならともかく、ジムカーナ的な走りなんて絶対に不可能に なってしまいますよ。
「ローダウン」となれば、見た目と性能は両立させる事はほとんど無理です。 車のシャコタンみたく、バイクはシャコタンにしてもそこまでメリットはありませんし、フロントを 下げるのとストロークを殺すのは完全に別問題だとお考え下さいな。
これが、-gonさんが今回の様にジムカーナ的な走行をして不満を感じた、といったことでは 無く、フォークの性能や旋回性、街乗りにおける安定性まで全て犠牲にしたうえで完全に ローダウンのみやりたい、というのであれば話は別ですが、その方向性ではどちらも上手く 行かなくなる、という事は明言させて頂きますね(汗
あ、もちろんスプリングの劣化で0G沈下量が20mmも増えるなんてありえないというのは もはや言うまでもありません。
> シートパイプリングを交換しますので、オイル交換は前提ですので・・・オイル量に関しては乗ってみてからの微調整が可能ですので、「だいたいこんなもんじゃない?」といった感じで提示していただけると目安となって助かります。
次にコチラですが、これ本来はフォークオイルというのは「油量」ではなく、「油面」にて 管理するものなんですよ。
オイル量…と言いますか、これはスクーターはサービスマニュアル見ても「油量」での 設定ばかりで、本来の調整である「油面」の値って分からないのが嫌ですね(笑
これもスクーターをナメてる気がして嫌いなんですが、ライブの様に左右対称の油面で OKな場合だと、きっちりとした油面調整を強くお奨めしますよ。
で、油量としては規定68ccなんですが、銀色のHDサスの場合、この状態での油面は おおむね76〜77mmになります。
なお油量64ccで85〜86mm、8〜9mm程度の違いになりますが、これはまず自身のフォークに 正確に68ccを注いでみて、実際にどの位の油面なのかを測定してみるのが良いでしょう。 片側に規定の油量を入れ油面を測り、反対側には「その油面」をアテにしてオイル量を 決定すると左右で硬さがちぐはぐ、という事が防げます。
ちなみに、前述の通り、スクーターのフォークは径が細く、1cc違っても油面がかなり変動して しまうので、調整は普通のバイクに比べてものすごくシビアです。 油量をアテにしていると、左右で硬さが違ってしまうというのはザラにありますしね。
ちなみに私、フォークのO/Hが終わると片方ずつインナーチューブにタイラップを巻き、 尻にフォークを突き刺しそのまま中腰で座り込み、ぐっと耐えながら「人間が1Gで座った状態」にて、 どれだけストロークしているか、を計測して、これで左右に極端な差が無いかを判断します。 もちろん尻に刺す必要はありませんが私はその尻具合の荷重が一番分かりやすい、と いうだけ(以下略
とりあえず、O/H前提なのであれば規定油量でOKだと思いますし、それで不満が出れば 変更してセッティングしていけば良いので、まずは「正確にノーマル新品状態を再現する」と いう事が「出来る」様になるのが一番です。
ホント、スクーターのフォークは油量や油面が適当だと途端にガチガチ+アンバランスに なってしまうので繊細な作業が必要ですよ。
> Bシートパイプリング交換に伴う慣らし後のオイル交換ですが、この作業は全バラせずにオイルを抜いて入れ替えるだけでOKでしょうか?
これは出来ない事は無いですよ。 フォークトップキャップを外してスプリングを抜きオイルを捨て、インナーチューブの上から ガソリンを入れてしゃばしゃばとストロークさせて洗うのを何度も繰り返し、完全に縮めた 状態で屋外に逆さ吊りで一晩放置すればたいてい100%に近い位はフォークオイルは 「上抜き」で抜けますね。
ガソリンを洗浄に使うのは内部に残らず揮発してくれるからでして、灯油とかだと内部に 残ってしまう可能性がありますんでこれは火気厳禁の作業でひとつ(汗
…こういう場合だと、多少フォークオイルが残っているとしても、「油量」で管理していると 元々より多くなってしまうというデメリットが大きいので、「油面管理」というのが本来の フォークオイル調整である、と言う事もお分かり頂けるかと思いますよ。
何度も言いますが、フォークオイル容量の少ないスクーターはこの辺が適当では絶対に ダメなんですよね。
> Cオリフィス穴以外にHDサスと金サスの性能差があれば可能な範囲で教えていただけると幸いです。
うーん、オリフィス穴の違い以外には明確な差は無いと思いますよ。 私、金フォークで油面を下げたりもしてみた事はありますが、基本的な特性は変わりませんし それでも奥の方の最後20%位のストロークは妙に渋いですし、特にフルブレーキング時には 踏ん張るのではなく完全にオイルロックしている感が強く、個人的には私は好みでは無いですね。 この辺は単純に見た目の好みの問題が一番大きいのでは、と(笑
で、ジムカーナ的な使用用途だと、低速で素早く大きな荷重移動を行わなければいけないので 余計に金フォークの「いかにもオイルダンパーらしい」特性は向かないです。 ストロークの奥の方で伸び側減衰力が強めで姿勢を維持してくれるのは良いんですが、 連続的なスラロームとかだとそれはデメリットにしかなりませんからね。 アクセルONで素早く伸びる特性で無いとタイヤの限界も低くなってしまいますんで。
> 以上4点ほど・・・いつもの感じで長くなりましたが、アドバイスよろしくお願いいたします。 > 可能なら、6/12の走行会までに作業を間に合わせたいです(汗
と、色々書いてしまいましたが。
・オイルのお奨めはホワイトパワー10番 ・シートパイプは新品交換までする必要は無いかも ・シートパイプリング新品+慣らし後の洗浄は上抜きでもOK(ただしオイル量は油面管理) ・油量はとりあえずノーマルで、片側を基準にして油面調整を行い左右のバランスを取る
といった感じでしょうか。 あ、後書かれてませんがフォークの底の銅ワッシャーはばらした場合は新品交換が 前提ですね。 …シーリングワッシャーなので当たり前なんですが一応の補足という事で。 液体ガスケットで片付けようなんてのは絶対にダメですよ。
なお、余談ですがオイルシールやダストシールはよっぽど劣化していなければ交換する 必要はありません。 これも最初は「渋い」ので、馴染むまでにはある程度時間が要りますしね。
で、一番大事なのはシートパイプリングで、これもどっかで書きましたがフォークの動作を O/Hするのにこれを換えないと全く意味が無いです。 フォークの構造を知っていたらO/H時にこれを交換しないなんてまずありえないですね。
エンジン腰上をO/Hしようとして、カーボンは取ったけど減ったピストンリングを換えない 人なんて居ますか?というのと同じですよ(笑
> ・・・しかし、いくらフォーク抜けてたからって、カウルを擦ってリアのトラクション抜けてハイサイドってマヌケすぎますよね(笑
うーん、これは擦る所がちとおかしい様な気もしますよ。 サイドカバーとアンダーカウルの継ぎ目辺りなら、通常のバンクではまず接地しないです。 当たるとすれば仕組み的にアンダーカウルの一部なんですが… -gonさんのおっしゃる所よりもっと下になりますね。
これも、フロント3.00でなおかつ極端なブレーキングを行いながら限界バンク程度でも 無ければなかなか接地するものでもありませんし、リヤがすっぽ抜けてコケる最中に そこを擦ったのでは?とも思ったりします。
> もっとバンク角がほしいです・・・12インチがうらやましい限りですねorz
いや、10インチスクーターってのはその10インチを駆使するのが面白いのであって、タイヤが でかけりゃ良いと言う物でも無いですし、いくら12インチだとしてもバンク角が稼げれば その分速く走れる、というモノではありません。
これ、10インチと12インチで比較して何が良いかと言えば、「接地面積」が大きくなるのと 外径が大きい事により同一スピードで走っているなら1回転辺りのタイヤの負担も減り、 なおかつ滑った時等のコントロールが容易であるという事が大きいんですよ。
小径タイヤというものは限界が低いのは事実ですが、それはバンク角の問題が一番 大きいという訳では無いんです。
ぶっちゃけると、いくら12インチでもウデが無いと10インチでバンク角の浅い車両に コーナーリングスピードでは負けることなんて多々ありますしね。
「バンク角の大きさ」に頼れるのは、本当に初心者の内だけなんですよ。 極端な話、安定して速く走るのに大切なのは「いかにバンクさせないで速く強く曲げるか」と いう事ですから。
私なんかはそれなりにサーキット走りますし、過去にはジムカーナもやってた事がありますが そのどちらでも、「よっぽど車体が流れない限りはどこも擦らない」走りですよ。 もちろんそれに耐えうる足廻りを作っておく事は大前提ですが。
バンク出来ないのもダメですが、バンク角のみに頼ってると上達は遅くなりますしね。 特にジムカーナだと、下半身では荷重移動が出来ず、リーンアウトの限界バンク走法に なりますが、だからといってタイヤそのものの「曲げ方」はバンキングのみにあらず、と いう事で。
下半身を動かせない分、上半身での前後左右への荷重移動はとっても大切ですね。 そういえばyoutubeでレッツかなんかで上手にジムカーナしてる動画を見た事ありますが、 私がノーマルスクーターでジムカーナやってもほぼあんな感じになりますから、実際は 詰めていけばその動画の様な走り方がベターなのでは、と考えてたりします。
後、ある程度テクを詰めたいのであればマシンバランスから考えないといけません。 タイヤサイズ等は当然としても、やりづらいマシンバランスでいくら練習しても身には つきづらいどころか変なクセが付くのがオチなので注意したい所です。 これも極端な話、前後ノーマルの足廻り+タイヤだと仮定すればでいくら走りこんでも 上達を阻害するだけなので。
> スノーボードで鍛えた投げ出された時の受け身が役に立ち?人間には一つも怪我がなかったってのが不幸中の幸いですね。 > 次回の走行会では気を付けます・・・
これもある意味大切ですよね。 スポーツの経験者さんであれば結構受身は取れると思いますが、とにかくハンドルから手を 離さない事と、離れたら体を丸めて衝撃に備える、という事が大切かと思います。
人間、コケると無意識に手や足を出してしまいがちですがそれは危険ですし、この辺も ある程度は慣れが必要かもしれません(汗
ではでは。 長くなりましたが参考にして頂けると幸いです。 管理人でした〜
P・S ライディング等のお話もあればまた改めてご質問下さいな〜 私一応スクーターでのジムカーナ経験もそこそこありますんで宜しくです。
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