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記事No 6066
タイトル イ〜キさんのご質問 2stとイリジウムプラグについて
投稿日 : 2011/06/08(Wed) 20:36:11
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
と、画像板からこちらに場を移してプラグのお話をさせて頂きますね。

まず、イ〜キさんのおっしゃる、「2stにはイリジウムプラグは意味が無い」という事
なんですが…

これ、私も「イリジウムプラグ」って商品名のブツが世の中に出始めた頃は、色々な
サイト等のインプレでそういう意見も目にしましたが…
私からの意見だと、意味が無いなんてありえない、と言わせて頂きますね(笑

こいつ天邪鬼だな、と思われるかもしれませんが、別スレの「ノッキングにはハイオクで
対策する」とかいった事と同じで、ある意味の風聞だけでそういった事を判断するのはあまり
良くありません。
…ネットにある情報で多数を占めるからそれが正しい、なんてのは色んな意味で
恐ろしいですよ(笑


で、色々な意見を見てると、2stだと燃焼室内プラグの負担は4stに比べてはるかに高く、
プラグに対する負荷がでかいのでそこまで耐久性も出ず、せっかくの極細電極での
強力スパークを保てない、生かせないという感じだと私は把握しています。

が、それを言うならばですね、高負荷の掛かる2stエンジンだと、「プラグ自身の
融解、破損」を防ぐために電極部分が高負荷耐えられる、といった設計になって
いる面はとてつもなく大きいんですよ。

これは経験された方もおられると思うんですが、安物プラグである程度使い込むと
碍子部分にクラックが入ったり物理的にもげ落ちたりしてしまう事ってあるんですね。

これも、「プラグそのものの耐久性」が低い為に起こるのであり、それを防ぐために
高級プラグだと電極がイリジウムでアースフックはプラチナ、なんてモノもあります。

…碍子部分が欠けたりしてもエンジン内部ってそれなりにダメージ喰らいますよ。


あ、ついでにちと補足しておきますが、プラグの熱価とかってのは、「プラグ本体が
負荷に負けて焼損しない様に調整する」物であり、燃焼室温度を下げられるのは
あくまで副産物になります。

高級なプラグは点火力の向上は当然としても、プラグ本体が「硬くて強い」という点も
覚えておかなければいけません。


で、確かにイリジウムだと電極が細い為、そこにカーボンが堆積したりしてしまえば
どうしても点火力は衰えてしまいますが、そんなものは標準プラグでも同じ事なんですよ(笑
汚れてくれば性能は低下する、という至極当然の事です。

これ、「値段のワリに持たない」という事を「2stには意味が無い」といった感じで
値段的コストパフォーマンスのせいにしているにしか過ぎない、と私は考えています。

そこそこ高いのにあまり持たないじゃないか、といった風潮が引き起こした大いなる
誤解というがこじつけだと思いますよ。


で、それもある意味当然と言えば当然なんですが…
通常、排気量に関わらずノーマルエンジン車であれば、標準装着プラグをそのまんま
使い続けていても、トラブルが起こるかよほど距離を走らないと交換なんてしませんよね?

本来は2stである以上、何千kmも持つ訳がない「プラグ」というものをあまりにおろそかに
しているからこそ、それなりの値段であまり長時間使えない、といった品物が良い印象を
受けないのでしょう。


2stスクーターでも、ここを見られる方であれば皆さんある程度はノーマルではなくて
エンジンパワーを向上させ、プラグに対する負荷も大きい仕様になっている場合が
ほとんどだと思われますが、仮にそういうエンジンに450円LVの標準プラグを入れて
いても、実際に何km程度の運用で交換されているでしょうか?

450円ならば1000kmも行かずに交換しても私は普通だと思いますし、いじくったエンジンで
あれば、差を感じるとか気にする方であればピストンリングでも3000kmとかで交換して
行きますよね?

それは行うのに、もっともっと負荷がでかくていじめられてるプラグの交換サイクルは
長い、という事自体がすでにおかしいんですよ。
もっと言えば、2stエンジンを運用する限り、プラグなんてケチっては何も出来ない…と
いうのは私のいつも言ってる口癖になりますけれどね(笑

「高い点火力」をきちんと維持しないとエンジンのパワーもスムーズさも好燃費さえも
求められませんしね。



そして補足ですが、R-7376とかの高級な部類のレーシングプラグってありますよね。
これって、電極はイリジウムでアースフックはプラチナなんですよ。

融点がニッケルとは桁違いの所にあるものなので、2stエンジンでの運用といえど
そうそう電極が融解したり破損したりする事は無いですし、私もこの手のプラグが
「破壊」された事って一度もありませんしね。

言葉尻だけを取るのであれば、「2stにはイリジウムは向かない」なんて、じゃあ
レーシングマシンでレーシングプラグを使っている場合はどうなるのよ?と(笑
「お高い」プラグってほぼ例外なくイリジウム電極ですよ。

イリジウム電極が2stエンジンに不向きなのならハイチューンエンジンやレーシングな
2stエンジンだとどんなプラグを使えば良いのでしょうか?(笑
ランクを落としてNGKのプラチナVXなんでしょうかね?

私はストリートでもそれなりのプラグを使いますが、それが本当に向いていないので
あれば、色々なプラグ周りのトラブルが頻発していないとおかしいでしょう。
もちろんそんな事は無く、「プラグ自体の耐久性」も、450円の物と数千円の物では
桁違いに高いですから。


そして、ちゃんと運用していればそんな阿呆の様に汚れまくったりはしませんし、
「硬い」電極もそうそうカドがなくなって来たりはしません。

カブらせたら復帰しづらい、というのはありますが、これは当然でして、一般的な
「BPR○HS」とかホンダ指定のうんこプラグ「BR○HSA」とかだと、電極部分と碍子、
アースフックが「極端に燃焼室に飛び出る設計」になってますよね。

これは、プラグ表面にオイル等がべったりついたとしても高温の燃焼室にさらされやすく
そのおかげで表面を焼き切りやすい、というメリットがあります。

が、対するレーシングプラグ的な物だと電極部分はねじ山の中に隠れていますが、
これだと当然のごとく、「カブった時には復帰が難しい」のですが、その反面のメリットとして
「高温の燃焼室内、火炎核にさらされづらい」ので、電極部の負荷は飛び出しタイプに比べて
かなり低いんですよ。

だからこそ、阿呆の様にカブらせなければ、同一グレードのプラグでも電極へっこみタイプの
方が耐久性については上だったりします。


…一般に何故その手の物が装着されておらず、純正互換イリジウムプラグもBPRタイプしか
無いのか、と言えば、エンジンかけてかけてすぐに走り出す、とかチョーク引きっぱなしで
無理矢理アクセル開けて走る、といった状況を想定しているからですね。

世の中、そういった使い方の方が一般的ですし、そんな事されると電極突出タイプに
しておかなければカブりまくって走らせられない、というクレームが多量に来る事は
間違いないので(笑

これも「エンジンかけてすぐ走り出す」といった運用を大前提とした設計なのであり、
性能的なモノを求めれば反比例して当然なんですよ。
それを「汎用性」と言っても良いかと私は考えています。



で、ここで一つの例なのですが。
私、イ〜キさんにもチューニングした腰上+ヘッドの運用だと、プラグは突出タイプは
避けて運用して下さい、とお伝えしましたよね。

なのでもちろん画像板のプラグのタイプでOKなんですが、これを入れたからと言って
始動時にカブりまくって走れないとか、低速走行を繰り返していると次回の始動性が
極端に落ちた、といった症状はありましたか?

それらが無いのであれば、ご自身の運用においては「多少はノーマルに対してカブりやすい
プラグ」でも十二分にいける、という証明なんですよ。


…正直、電極も碍子も引っ込んでおらず、電極先端のみが細いタイプのLVの
ストリート用イリジウムプラグ「ごとき」を使った程度でカブらせるとか、短時間で
汚れきってしまう、となれば一体どんな無茶な運用をしているんだ、としか思えません。

点火力のヘボい社外CDIを入れ、プラグキャップは経年劣化でガッタガタ、コードも
硬化している上に錆が出ていてIGコイルは新車から一度も交換無し、配線も
劣化しきっていてDC点火車だとバッテリーは上がり気味、夏でも冬でもエンジンをかけて
すぐさまカブらせまくりながら全開走行、チョークがある場合だとエンジンが暖まっても
いないのにチョーク引きっぱなしでブリブリと走行してる、なんて感じであればいくら
プラグの性能が良くてもそれを生かすことなんて出来ませんし、表題の通りプラグ自体が
「デメリット」になる事は間違いありませんね(笑

と言いますか、そんな無茶運用にてプラグだけ高級にしてもそりゃ無意味に近い、と
いう事は断言出来ますね。
やらないよりは良いですが、電極が高級な事による「高い耐久性」も意味が無いと…
自分で壊している、と言い換えても良いと私は思いますよ。



とまあ、何か最近ご質問へのレスが妙に長い気もしていますが(汗
今NEWコンテンツ書いてるのでそれの影響かもしれませんがスルーして下さいな。

結局「イリジウムは2stには意味無い」というのは、人間の使い方次第、と言う事です。
何も気にせずエンジンをかけがつんとアクセルを開けて調子良く走りたいのであれば
フルノーマルが一番ですよ、と。

別にノーマルエンジンでも高級プラグを入れる事に悪い事はありませんが、エンジンを
いたわる、といった使い方をしないとプラグなんてすぐにへそ曲げるので、それが嫌なら
プラグに高性能は求めずカブりづらいというメリットしかない安物を使っているべきだ、と
私は考えています。

エンジンパワーを上げるチューニングにおいて「耐久性を削ってパワーに換える」と
いう事と同義で、何も犠牲にせずに全てが良くなる、というのはなかなかありませんので。



最後に余談ですが。
私、車でもイリジウムプラグは愛用していますよ。
さすがにバイク程はコストを掛けないのでイリジウムタフってタイプですが、これでも
軽自動車に入れる場合だと常用回転数も負荷も高いので、1万km程度で新品に
交換しています。

もちろん、この位の交換サイクルだと「交換しても体感出来ない」事もありますが、
それは本当は良い事なんですよ。

オイルとかでもそうですが、消耗品を交換して「変わった」と体感出来てしまえば
今までのモノはすでに劣化していた、という事の証明にしかなりませんから。

オイルの添加剤とかも試す時はオイルを交換してから、なんて絶対やりません。
汚れ気味にしたオイルの上に目的のブツを混ぜないと効果が分かる訳が無いので(笑



と、長くなりましたが。
イリジウムは2stには無意味、なんてのはありえない、と私は考えています。

…そもそも一般向けに「イリジウムプラグ」って言葉が出始めてまだ10年も経ってないと
思いますが、そんなもんプラグの世界には元々存在していました、というのもありますから。
ホント、点火系って何故か他に比べてナメられてるなと思う今日この頃ですよ_| ̄|○

ではでは参考にして頂ければ幸いです。
管理人でした〜

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