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記事No 6240
タイトル Re^6: 工具について
投稿日 : 2011/09/27(Tue) 22:34:12
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
DIO50RRさん毎度でございます〜

さて今回も長くなりそうなのでひとつひとつお答えして行きますね。


> まず腰下ツールですが改めてリーダーさんの腰下分割・組立コンテンツを読んだところ、最低限その車種に適合するクランクセパレーター、プーラー、クランクインストーラーがあれば大丈夫なのではないかと今更思いました。
> ベアリングの取り出し、挿入は熱膨張を使えば可能ですし、クランクシャフト側に残った場合でも、恐らく新品社外補修orロングクランクシャフトを入れると思います。ブレててまたベアリングがやられるの嫌ですからね。特にホンダのクランクの場合は(笑

腰下O/H作業ですが、これはおおむねおっしゃる通りの工具があれば可能ではありますね。
が、こういったちとコツの要る作業は「工具さえあれば誰にでも出来る」といった物では
ありませんから、本番の前に一度は要らないエンジンで練習する事をお奨めしたいです。

クランクベアリングの脱着に関しても、熱膨張を利用する場合、温度計とかがあったと
してもベアリング自体の嵌め合いの具合、というものは他の箇所でも似た様な
作業経験が無いと、どういった感じの作業なのかが分からないですからね。

手順やら何やらではなく、「ベアリングの嵌め合い」をいった事象を知らないと
実際に何がどうなっているのか、を理解する事は難しいです。


クランクシャフト自体は、当然ですが新しいモノに交換するにこした事はありません。
台湾系の物は大端部やコンロッドが弱そうといったデメリットはありますが、本体は
硬いですし通常用途であればそれなりの耐久性もありますので、私も一応は
お奨めしたいです。

が、これも良し悪しを含めて「純正品」と同じ物では無い、という事は頭に置いて
おかないといけませんが。


後、ロングストローク化はですね、ポートタイミングやら何やらを正確に把握出来ない
場合は、やっても無駄どころか逆効果になる場合もあります。
排気量自体は適当でもロングストローク化を行えば上がりますが、そんな事より
ポートタイミングが常識外れの角度になっていないかどうかが大切で、この辺は
それなりにハイレベルな物事の理屈になりますね。
当然、あてずっぽうでどうにかなるモノではありません。


> そんでもってリーダーさんが愛用されているカムイ二輪館のツール。カムイってなんだ?と探してみると近場に店舗がある事が判明!あの二輪館とは別物の者だったようで。
> まぁ通販もあるみたいですが"ttp://kamui-hachioji-s.ocnk.net/product-list/53"
> 通販もあるみたいで便利ですね〜

ええ、これはカムイ八王子という所のオリジナルツールで、今でも売ってるのが
ミソだと思います(笑
が、何となく値上がりしてる気がするのは気のせ(以下略


> 早速必要なツールリストですが
>
> ・スクータークランクアッセンブリーツールセット(ディオ系用)
> ・スクータークランクセパレーティングツールセット(ヤマハ用ですがこれはリーダーさんが仰ってる様にこの板と組み合わせれば使用可能な様なので??)
> ・スクータークランクインストラポットツールセット(ヤマハ用 下のアダプタを同時購入)
> ・スクータークランクインストラポットツールセット用オプションアダプター(ホンダ50cc、ヤマハ90/100cc用アダプタ)
>
> で合計2万を切るではないないですか!
> ちょっと可能性を感じたのですが、以上のツールを揃えれば腰下分割・組立は可能でしょうか?
> 他に必要なツール、注意点などあればアドバイスお願いします!

工具の内容としてはこの4点を揃えれば後はハンドツールでいけますね。
低トルク管理が出来るトルクレンチや、ケースのねじ山をさらうタップとかも要りますが
この辺は別に特殊では無いので割愛しておきます。

ちなみにヤマハやスズキだと、クランクケース左右の締結ボルトの頭が+な為、
同様の寸法のスチールボルトに交換しなくては締め付け時のトルク管理自体が
出来ないとかもありますが、ホンダはそのままいけるのでちょっと手間が省けたり。


> ・スクータークランクアッセンブリーツールセット(ディオ系用)

まずこれはDio系クランクケースにくっつけて、ヤマハのセパレーターを噛ませて使う
様にした板工具です。
…何か私のより簡略化されてる気もしますが(笑


> ・スクータークランクセパレーティングツールセット(ヤマハ用ですがこれはリーダーさんが仰ってる様にこの板と組み合わせれば使用可能な様なので??)

ですね。ちなみにコレ、ヤマハの純正と同等品のはずです。


> ・スクータークランクインストラポットツールセット(ヤマハ用 下のアダプタを同時購入)

これもヤマハの純正品+αの構成のはずです。
おまけのベアリング内輪引き用のカラーと、これまたヤマハ純正のインストラ
ポット用のアダプターがくっついているのでお値段はこんなものでしょう。


> ・スクータークランクインストラポットツールセット用オプションアダプター(ホンダ50cc、ヤマハ90/100cc用アダプタ)

これはホンダ用+ヤマハニ種用のヤマハ純正M12用アダプターだと思いますが、
これってスクータークランクアッセンブリーツールセットもしくはインストラポットに
おまけされてるアダプターと同じなのでは?

何故これだけバラ売りなのか分かりませんが…ホンダ太軸クランク用だと
左右共異なるネジ径になるのでアダプターが2種類要るんですが、これは
購入するなら販売構成をきちんと問い合わせないとダブってしまう可能性が
あるかと思いますよ。

と、これらとおまけの筒状カラーを組み合わせればベアリングの内輪引きも
可能かと思いますが、これは無けりゃ塩ビパイプででも作れば良いので。
コレ全部はとりあえず必須である、という事でOKでしょう。


そしてもう一つ、「スクータークランクアッセンブリーツールセット」と
「スクータークランクセパレーティングツールセット」の2つですが、これを
両方買うのならば、スズキ純正の3本爪アダプターでも代用は効きます。
(ちょっと前の画像板のログにあるかと)

…どちらを選ぶかは人それぞれですが、車種によってはスズキ純正の方が
融通は効く方向性になってますし、私も結局両方持ってますしね(笑



> 実は知人のバイク屋に放置してある赤G'をレストアしてもう一台オクムラ仕様を制作しようと企んでましたが先日購入者が現れたようで・・・売れてしまいました(泣
> この時代にG'を買おうとしている自分の様な変人が身近に居たとは、逆にお会いしたいぐらいですが(笑
> 残念であります・・。

ほうほう、これはなんとも奇特な方ですねえ〜
しかし今でもGダッシュがそこそこ人気あるのは分かるのですが、ちょっと
イメージが先行しすぎな気もしていますし…それが時代って物なのでしょうね。
と言いますかその方とは是非お友達になっておいた方が良いのではと(笑


> そうなんですよね・・腰下ツールがそろったら今のエンジンのO/Hがてら太軸ZXクランクでも入れようかなと企んでます!

む、ちょっと誤解があるみたいですが、私の深読みしすぎであればご容赦をば。
これ、今のエンジンというのは細軸タイプクランクの小径駆動系エンジンでは
無いのでしょうかね?
これにはいわゆる太軸タイプのクランクシャフトを組み込む事は出来ませんよ。

寸法的には入る事は入りますが、左側オイルシールの寸法が異なるので結局は
使えないんですね。
これをやるにはAF27系のクランクケースが必要になるんですよ。


> 精度がどうなのか不明ですがKN企画とかが出してる台湾製のクランクシャフト、なかなかリーズナブルで財布に優しいですよ
> 社外品はあまり好まないですが、こればっかりは純正品を注文するとなると結構費用掛かりますからね。。

えと、台湾系のクランクシャフトはですね、各部寸法といった意味合いでの精度は
それなりに出ていますよ。
1本2本ではなく、色んなモノをそれなりの数を計測したり分析したりした上では
私はそんなに悪くは無い品だと判断していますね。
出所が同じっぽい物であれば、製品のばらつきはそんなに無い、という感じです。

ホンダのクランクシャフトは基本的にそれなりの柔らかい材質で、しなり等も
考えて設計されているのだと思いますが、その反面、軸の部分はかなり貧弱で、
ぶれるぶれないの前にほんの少しの作業ミスで「軸が曲がって」しまう事もあり、
この点においては台湾系の硬めの材質の方が優れていますね。

が、芯が出ているかどうかはそこまで精度に大差のある物でもなく、社外品だからと
いってもそれなりの精度は出ています。

コンロッド大端部も純正は比較的弱いので、大端ベアリングの潤滑用の穴が切られて
いない純正に比べれば台湾品はちゃんと考えている様にも見えるのですが、実際には
大端部の焼けは起こりづらいですが劣化やガタはそれなりに早めに来ます。

ここは対策を取られているのにそこまで耐久性が向上していないというのもこの手の
クランクのミソです(笑


…後、純正がいまいちだというのはあくまでその「柔らかさ」にあり、ちゃんと気を
遣えばそうそう破損するものではありませんし、クランクベアリングへの影響も
0ではありませんが、トラブル発生の場合は人為的な影響が大きいんですよ。

ぶっちゃけると、台湾品は手荒に扱っても曲がりづらいが大端部等の耐久性は
大して変わらない、そしてコンロッド本体は弱め、といったデメリットもありますから
そういった面も含めれば「値段相応」だと私は考えています。

とはいえ、一切慣らしをしないとか安モンオイルでぶん回すとかの無茶をしなければ
一般用途でそこまでおかしな事にはなりませんね。
そんな事してたら純正でも耐久性は落ちて当然です(笑


> で、ちょっと前にリーダーさんが出品してたオクムラマフラー、実は狙ってたりしましたよ(笑
> というよりこの時代であの綺麗さはびっくりしました!
> まぁ流石に投資金も尽き見送りましたが・・・

あらら、そうだったのですか〜
確かに見た目は綺麗だったんですが、中身はそれなりの爆音でしたよ(笑
が、性能的には問題ないのでどこかで活用されている事を祈りたいです。


> 因みに振動があったシューはこんな状態でした↓
> "ttp://www.fastpic.jp/images/481/5118140011.jpg"
>
> そして気になるのがシュー面に若干凹んだような線の後。
> 使用前からの跡だったんですが・・・
> アウター内側にも同じ位置に一周線が入ってます。
> 恐らくシューが削れて平らになっていくと思われますが・・・これは無視して良いLVでしょうか?

画像拝見しましたが、なんか真ん中だけ当たってないですね(汗
が、これはアウターの方が何らかの理由でへこんでいるとかの可能性も
ありますけれども…他がこれだけ馴染んでいるのならば私なら軽く擦って
直らないのならもう無視しますね。

前述の様に、そこまで気にしてもアウターが逝かれるとまた一から同じ事の
繰り返しですし、あまりこだわりまくっても意味が無いんですよね。

気をつける、こだわってみるという事で明らかなる見返りがあってなおかつ
耐久性や安定性に対して良い方向に向くのであればそこまでこだわる意味も
出てきますが、そこまでやるならまだ他の所に気を遣う方に脳味噌を回す方が
建設的です。


> 点火ですが〜こちらも気にしながら再セッティングしてみます!
> 世間では定番のRS125 IGコイルを入れる予定なのでそれで点火力のフィーリングも感じてみたいですね〜

RS125のIGコイルはそれなりの効果はあるのですが、他の点火系がヘボいと
あまり体感は出来ない、と言う事も付け加えさせて頂きますね。
古い車両であればアースが弱くなっているとか、キャップやコードも当然の
ごとく劣化していますし、そもそもプラグが安物だとそこまで効果が出ないです。


> やはり行きつくところリード125スプリングですか〜
> このKG8スプリングどうやらスプリング長が短い為に入れにくいのと消耗が早い様ですが、これは一度試して見る価値はありそうですね!

クラッチスプリングですが、これもキャブセットみたいなものでして、まずは
最初にこれはやりすぎじゃないのか?的な所までクラッチイン回転数を
上げてみるセットを施した方がどうあっても建設的なんですよ。

ちょっと強いスプリングを入れるなりしても、あまり変わらないとかタコメーターでも
差が出ないとかになると次にまたそれよりちょっと強い物を入れる、といった
非効率的な方向性になりますから、クラッチイン回転数がいきなりパワーバンドに
入ってしまう様な極端な症状を、「最初に体感」しておいた方が良いでしょう。

「極端にクラッチイン、ミートが高い」といったものがどういう物なのかを体で
知っていないと、徐々に上げていっても実は全然理想点にすら到達していないと
いった事はよくあるんですよ。

特にクラッチイン、ミートといった物は「体で知っていないと分からない」という
傾向が強いので、一度は無茶なセットを施してみる事を体感する事を私は
強くお奨めしたいですね。


後、寸法的に完全にぴったりではない流用品の場合は、多少の耐久性の低下は
気にしていては何も出来ないです(笑
(と言いますか社外品でもそんなバッチリでない物なんてザラです)

多少伸びてセットはされますが、だからといって明らかに反力が低下したり
使えないLVにまでは劣化はしないですね。
線径も太いですし、この辺はさすがの純正クオリティになっていますよ。



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