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記事No 6248
タイトル Re: ライディング・切り返しについて相談
投稿日 : 2011/10/01(Sat) 20:57:16
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
ジョルノおやじさん毎度でございます〜

さてさて、珍しくと言いますか非常に稀なライディングについてのご質問ですね。
一応この辺も私の守備範囲内なので、何でもご質問下さいな。
…この手のご質問は文章では表現しづらいのでいつもより長くなりがちですが(汗


> なんでか?って言いますと、ギアー付の空冷2st12インチスポーツ車にこっそり乗ってみたり、あれこれナニして二種状態の物に修正して、気が付くと、同じカタチのバイクが二台。。。と言った感じで、浮気が本気を超えてしまったことを認めざるを得ぬ事態 orz

確かこれは以前にも伺ったかと思いますが、12インチのはしりでもあるヤマハの
自然空冷2stスポーツ(?)車ですよね。
この辺、ポン付けごにょごにょとかが行える世代の車両なので、いじくっても結構
面白いというのは分かりますです(笑


> そんな今日この頃なのですが、40過ぎてるオッサンがこんな物に乗ると当然、目を三角にして『カメッ!!!』という具合になってしまうんですが、あれだけ車体がコンパクトだと誰でも膝が擦るわけでして。そういうフォームで走るのが楽しかったりで。

12インチだと他のバイクとはこれまた一味違った乗り味ですが、これはこれで
ホンダNSR50だと「3/4(スリークォーター)スポーツ!」と言われた事もあり、
スポーツモデル車サイズダウンという事で、やる気にさせる車両である事は
間違いありませんね〜
…ちなみにバリバリ伝説は私もそれなりに好きですよ(笑


> そこでスクーターを引っ張り出して走り比べてみると、どうにも同じようなライディングに至らず膝下にはまだまだ余裕あったりするんです。

そしてスクーターとのスポーツ特性の違いですが、こればっかりは同じバイクとはいえ
かなり異なる点があるのが現実です。

まず、スクーターというのはエンジンがリヤミッドマウントなので、かなりフロントへの
荷重は少ない上、ブレーキング時には何もせずともフロントへの過負荷には
なりづらいですが、10インチの小径タイヤへの負担を鑑みるとこれはこれで
どうしようも無い点になります。

が、その反面ブレーキング時には人間が動いて後方への荷重移動を行わないと
すぐにフロント限界が来てしまいますし、コーナーリング中もハンドルに寄りかかる
様なスタイルではすぐにフロントが過負荷+リヤすっぽ抜けでさくっと滑りますが(笑


対して普通のバイクだと、エンジンはフロントミッドマウントで車体の中心にあり、
人間があまり前後に移動せずとも、ある程度はブレーキングやコーナーリングに
対して理想に近いポジションになっています。

いくら旧式ヤマハの12インチ車両とはいえ、その辺はさすがにスクーターとは
比べるべくもない良バランスに近い、というのが大前提ですね。


なので、スクーターでバランスの良いライディングを行おうとすれば、普通の
バイクに比べるとかなりの割合で積極的に人間の荷重移動、バランス調整を
行ってやらねば全く上手くは走れないんです。

元々のシート高さと10インチタイヤではハングオンスタイルを取ってもそうそう
ある程度のバンク角で膝が地面に接する事はありえず、基本的にスクーターで
ハングオンスタイルの膝擦りを行うのであれば、かなりの無理膝が前提で
半分尻をずらしたスタイル程度では、タイヤのバンキング限界を越えても
膝が地面に設置する事は無いでしょう。

タイヤ自体は10インチとはいえ、ノーバンクからフルバンクまでの範囲というのは
ありますから、その6〜7割バンクの時点で膝が設置する、といったライディング
スタイルを自分で決めていかねばなりませんね。

これは体格や車両によっても大きく左右されるので、どの位が最適なのかは
練習して身につけるしかありません。


> 以前は気にならなかったタンクが無いとかステップが無いといった要素が浮上し

これは、あくまでスクーターを普通に乗っていたのではまず必要とは感じませんし、
スポーツタイプのバイクに乗り、人間での積極的なコントロールやバランス感覚を
体感で知らないとそうそう分からない、と言っても良いでしょう。

ジョルノおやじさんはスクーター以外の車両でそういった点を体感したからこそ、
スクーターに乗った時のバランス感に不安を覚えている訳ですね。
これはいつものクチのチューニングではありませんが、「それしか知らない」のでは
色々と制限は出てしまう物なので。


で、スクーターにタンクが無いのは当然として、ステップは無い事は無いでしょう(笑
実際に股の間にタンクのある普通のバイクでも、確かにタンクホールドは必要ですが、
攻める系統の走りであれば両足の太ももでしっかりタンクを挟み込んでから
ブレーキングする、なんて事は状況的にほとんどありえないので。

ならどこでホールドしているのかといえば、結局はスクーターと同じで
かかとの内側や足の親指の付け根等の狭い範囲にて、全ての荷重を
受け止めているんですよ。
(タンクの後方のカドも補助的には使いますが…)

スクーターの場合は、バックステップ乗りを行っても車種によってはステップの
位置が悪くて真っ当なホールド感が得られない場合もありますが、それは
各自で何とかするしかなく、かなりの脚力と言いますか関節の柔軟性も
必須になってきますね。


これはとても大切な事で、別にハングオンしなくとも、スクーターのブレーキング時に
左手を離してもがっつりブレーキングが出来る、位の下半身ホールド感を練習で
身につけるのが最善です。

本当に左手をハンドルから離すのではなく、多少浮かせてやり、「ブレーキング時に
ハンドルを押さえない、しがみ付かない」といった状態を作り出し、その状態を
下半身のみで安定させ、フロントブレーキ1本でのセオリー通りのブレーキングを
練習するととっても勉強になりますね。

これは別に「攻めるぞ!」といった時でなくとも、普段乗っている段階でもいくらでも
練習が出来ます。

リヤブレーキは「制動」に使うものではなく、リヤミッドエンジンのスクーターの場合
ブレーキングの最初の一瞬だけはリヤを先にかけはじめ、リヤを沈ませてから
フロントを全力でかける、という方向性でして、この割合が通常のバイクよりは
大きめになっている、という面もあったりしますよ。
(スクーターのレーシングマシンのリヤブレーキはスカスカに調整する事が大半です)

まずは、こういった直進状態とそこからのブレーキングにて、しっかりと下半身で
車体をホールドして股の間で遊ばせる、といった感覚を養っていくことが
スクーターのみならず、バイク全般のライディングの基本となって行きますね。

これがある程度出来ないと、コーナーリング時のバランスやら切り返しやらは
次の段階でして、「直線で出来ない事はコーナーでは絶対出来ない」という事だと
考えて頂けると幸いです。


> バンク状態からの復帰でどうやって躰を切り返せば良いのだろうと困ってます。

と、実際の切り返しだと、これはセオリー通り、わずかにハンドルを切り込ませて
フロントが地面から起き上がる力をきっかけとし、外足を踏ん張っていきながら
腰からぐいっとシートへ向けて体を起こす、といった感じでしょうか。

もちろん、スクーターならではの極端なハングオンスタイルを取っている場合、
重心もかなり地面に近く、体を引き起こすのにはかなりの力も要りますが、
これも出切るだけハンドルに負担や外乱を与えずに下半身のみで復帰を行うと
いった点がミソです。

実際にはハンドルも結構使いますが、まずはほぼ下半身のみで体の引き起こしと
切り返しを練習しないと、ハナからハンドルに頼っていたのでは悪いクセが付いて
しまう事が多いので…


> 以前はリーンイン程度のコーナーリング姿勢でしたので気が付かなかった事なんですが、最近はちょっとした拍子に尻をシートから外してしまうしで、、、

いや、リーンウィズから派生するリーンイン、アウトは全ての基本ですよ。
これがしっかり出来ていて初めて、重心を大きくずらすハングオンスタイルが
可能となるんですね。

リーンウィズは当然として、リーンインでもアウトでも、尻の着座位置はシートから
動かしませんし、それは「タイヤの接地面の延長線上に尻がある」という事なので、
一番、尻でタイヤの状態を感じ取りやすく、上半身の移動においてはあくまで
副産物でしかありません。

尻が浮いたりずれたりするハングオンスタイルはこの基本を崩してしまうので、
重心(腰と尻)がタイヤの接地面よりイン側に、そして下に移動する事により実際の
タイヤのコーナーリングフォースは強く出来ますが、コントロール自体はかなり
難しい事になってきます。

特に、見よう見まねでシートにぶら下がっている様なスタイルだと、タイヤの挙動が
おかしくなった時に復帰するためのコントロールが出来ずそのまま転倒、という
事もあったりするので、曲がるからといって常にハングオンスタイル風味で曲がって
いくのは危険もはらみますよ。

むしろハングオンは単体のコーナーを大きく攻める為のスタイルであり、よほどの
事が無い限り、街乗りスタンスではリーンイン程度が一番振り回しやすいです。
きついUターンとかだとリーンアウトも交えますし、この辺の使い分けが一番
大切な事ではと私は考えていますね。


と、長くなってしまいましたが。
スクーターといえど、いやスクーターであるからこそ、人間できっちりと車体を
ホールドしていないと危険な面もあり、「ながら運転」では絶対に身に付かないと
いった所でもあります。

何も考えずに普通にシートに座り、足はステップボードに揃えておいてもそれなりの
走行バランスを保つ事が出来る様になっているのがスクーターなので、さらにそれを
崩すとなれば人間の前後左右への積極的な荷重移動が必要であり、それをスムーズに
行うには下半身でのマシンホールドが一番大事となる、という事になります。

これはハングオンだろうがリーンウィズだろうがバイクだろうがスクーターであろうが
基本中の基本です。


そしてそれをスムーズに行うには、まずはストレートでのブレーキングがしっかりと
出来る事が最優先事項であり、真っ直ぐ走ってる状態でロクに止まれもしないのに
「スムーズに曲がろう」なんて考える事自体がおかしいので(笑

人間って、それなりの気合いと根性があればそれなりに加速とコーナーリングって
出来ますが、ブレーキングだけはそうは行きません。
上手い下手が一番出る所なので、これが出来ないと他も出来ない、と言っても
過言では無いでしょう。

コーナリングにしても、ブレーキングが一切伴わないコーナーリングというのは
なかなかあるものではありませんしね。



最後に補足ですが、モトチャンプとかでもよくある、現在のスクーターハングオンの
定番とも言える「外足外し」のスタイルは、本来は邪道とも言えるスタイルであり、
あれはコントロールの面から言えば諸刃の剣である、といった事もお忘れなき様に
お願いしますね。


ではでは。
不明瞭な点があればツッコミ下さいませ。
管理人でした〜

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