[記事リスト] [返信する] [新着記事] [過去ログ] [ワード検索] [留意事項] [管理用]

記事No 6350
タイトル Re: レスその1 減速比測定について
投稿日 : 2011/11/22(Tue) 22:35:53
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com
金ちゃんさん毎度でございまっす〜


さてさて、前回のノーマル駆動系の減速比ですが、さらに改めて計測等を
行われたみたいですね。
…各パーツまで別の新品を用意されるとは本当に頭が下がります(汗

と、早速ですが分析結果の方は…


> 手回し実測・・・2.687
>
> ドライブ側45.00φ ドリブン側111.70φ
>
> 107.7÷41=2.626
>
> ・・・と0.06程度誤差がありますが手回しとかかり径では近似値が出ました。
> ただサービスマニュアルの2.850と0.16程度誤差があります・・・

これだと、前回金ちゃんさんがお手持ちのパーツで測られた最大減速比よりは
私の測った物の数値に近くなっていますね。

さすがにサービスマニュアル値まで100%合致、というのは難しいと思いますが、
実回転数との差異も無いのであれば、これはこれでいつも通りの正確な計測が
行われていると解釈して良いでしょう。


で、何故に差が出るのか、についてはですね、前回もご指摘がありましたが
プーリー表面の鋳型のザラザラとかの具合でもちょびっとは変わったりも
するんですよ。

出来ればこれもしばらく使い、全面を慣らした後にて計測するのも良いと私も
考えていますね。
純正新品だと社外品とは違って結構ざらざらでベコベコなのが定番ですし。


後、ベルトもちょっと馴染んだものを使われたみたいですが、ベルトというものは
新品から使って熱を入れて動作を繰り返すと、少しは幅も狭くなって長さも
縮んでくるんですよ。
よく言われている「伸びる」なんてのはもう末期症状です(汗

ゴムなので当たり前といえば当たり前なのですが、ド新品もしくはそれに近い
物での計測だと、「V形状」になっている部分のプーリー&フェイス間や
ドリブン&トルクカムの皿の間へはまり具合、といった物まで違ってきたりもします。
くさびの打ち込まれ方、とでも言いましょうか、そんな感じの所ですね。

これ、ちょっと分かりづらいかもしれませんが、ベルトへの側圧というものは
すでにご自身にて分析された通り、ホンダ系なら8.5oの厚みのある物の
かなり「上の方」、上面から2oの部分へ対し、側面から数十kgものぐいーっと
挟む力が掛かっている訳です。

なので、実際には「上面の幅」がほぼ変わらないとしても、そこから下へ向かって
いる側面の角度、とでも言いましょうか、くさび形状の部分は馴染みが出てくると
プーリーやフェイスの面角度に形状的な影響を受け、意外と形状が変わって
来たりもするんですね。


上記のマジック計測でのベルトかかり径では

> ドライブ側45.00φ ドリブン側111.70φ

となっていますが、これが私の計測値だとベルト幅は同じく上面18o幅ですが

> ドライブ側 43.8φ ドリブン側 109.9φ

こんな感じになっており、少なくともベルトのかかり径としては小さい、すなわち
「円の中心側へ向いてベルトが食い込んでいる」とも取れるんです。
上面幅が同じでも、多少の食い込み具合の相違が出る、というのはこういった
「状態」の違いも出てきたりもしますよ。

ベルトの上幅が同一でも、実際に組み込んだ状態では収まり具合が異なる、と
いった状況もベルト自体の具合によっては起こりえるんですね。
…ドリブン側の差異はちと納得出来ませんが(笑

ちなみに私が計測に使ったベルトはレース用途のセッティングパーツの一つでして、
新品ではなくそれなりに熱と負荷を与え、距離も数十kmは走らせて完全に
純正プーリーに対して「馴染み」が出来ているものであり、計測基準としては
そういった物を使っているという事も後出しながら捕捉させて頂きます。

実際にベルトの上幅自体は計測誤差も出るものですが、ノギスの口をベルトの
側面に対して長く挟める様に挟んでやり、それを数箇所計測した平均値を
取っていきますが、それでも各部では多少の誤差もありますしね。


そして、馴染んで上面のはじっこがちょっとめくれているみたいなベルトだと
上幅が「ほぼ」同じでも下側の形状も全く同じか、といえば違ったりもします。
同一寸法のベルトでも組んでしまうと計測結果が違う、という訳で…

なお、ベルト側面の角度というものもこれはこれで測ってみると面白いのですが…
正直、ここまでこだわっても活用のしようがありませんし、そういう事もあるのだと
いった認識さえ持っておけばOKでしょう。

プーリー側にしても、多少でも「面」が減ってくると15°だった物が鋭角的に、
すなわち16°とかに近くなっていく減り方をしたりもしますから、ベルトなんて
もっともっと角度的、寸法的な変動は大きいんですよね。


…本当に後出しで申し訳ありませんが、前回の金ちゃんさんの計測では明らかに
こういった誤差、許容範囲を含めてもちょっと減速比が外れすぎているといった
感じを受けたので、ボスの突出具合も含めプーリー本体の誤差に原因があったと
読みましたが、「馴染ませてからもう一度測ってみる」といった点までご自身にて
到達されたので、遅まきながらベルト変化の件を出させて頂きました。

ただし、前回の純正プーリーがいまいち納得行かない物体であるのは
否定のしようもありませんが(汗


と言う訳でして、コンテンツのどこかにも書いていますが、ベルトってのは本当に
こういった変化が色々な所に絡むので、ぱっと見の寸法のみではどうにも分からない
事もあります。

が、だからこそこういったマジック計測等を活用すれば、計測値がおかしかったり
「いつも通り」にならない場合の補正、すなわち「構成の修正」が出来る様になって
行くんですよ。

これを、この寸法のベルトだから絶対にこれでOK、といった活用の仕方であれば
寸法だけ測って組んだ場合だとこういった微細な変化に対応し切れませんし、
マジックでベルトかかり径を取っておけば、多少ボスワッシャーを追加するなり
抜くなりでさくっと狙っている状態への補正を効かせる事が出来るんですね。

これこそ、私の提唱する駆動系構成のバランス取りの一環、セッティングという物の
一環であり、こういった理論を持たないと減速比、変速比の補正すら出来ないという事、
これはとーっても大切なんですよ。


金ちゃんさんも経験された様に、今回の計測と前回の計測では下手すれば発進時の
最大減速比的には「同じパーツを組んだのに」0.2以上の差が出ている訳でして。

これだけ違えば実際の走行でも発進において違いを感じ取れるかと思われるLVなので
組んで測って違っていたならそれを「無理の無い範囲で」補正出来る、その手法自体は
すでに今までの経験で身に付けられていると思います。

極論を言えば、WR重量がいくつ、と言うのと似通っていて、ベルトやらプーリーの
寸法でも、ある程度の目安は出せますが実際に運用するとなるとこのベルトと
このプーリーであれば皆同じになる、といった事は無く、人に聞いても参考にしか
ならない事柄のひとつである、とも言えたりしますね。


…あまり細かいところにこだわってもキリがありませんが、それを判断出来るのは
一度細かい所までこだわってみた人間のみです、という事は断言出来ます。

もちろん、最初は誰でも体感等でのトライを試みるものですが、それだけでは
どうしても納得出来ない、不可解な部分が出てきたならばどうするか、といった
そうなった時の方向性がその後の明暗を分ける、とも言えるかなと。

私も捕捉捕捉で色んな事を書きまくりましたが、正直金ちゃんさんにここまで
深く取り組んで頂けた事にはちょっと驚いていたりしますよ。
もちろん良い意味で、です。


ちなみにおまけでキリがないLVであれば、クランクシャフト自体のケースへの
組み付け時にも、左右へのほんのわずかなズレというものは出ますし、それが
駆動系ドライブ側の装着位置そのものの初期ズレに対しても影響があり、
決して完全な0ではありません。

フェイスの絶対位置は可能な限り不変であるべきなのですが、ここまで気に
しているとボス長すらほとんど換えられなくなるので、さすがにここまでは
気にしても意味がない、という事の一例だとお考え下さいな(笑



> 今回気を付けた点は、出来るだけ正規の寸法のパーツを使い
> 動きの良いスライドピースを組み、新しいトルクレンチを使用した位です。この件につきましてはある程度走行した後にも再度計測を行うつもりでおります。

ナット締め付けのトルク値なんですが、これははっきり言って関係ありません。
コレが異なると最大変速具合が違う、といった事も昔は耳に入ったりも
しましたが、気にしてもしょうがないLVな上に、私自身もトルクレンチって
自分の車両のドライブフェイスナットには使いませんよ。
慣れと感覚で締めてたりします。

元々、ホンダ太軸系クランクシャフトへの6kg-mってのはちと締めすぎだ、と
考えていますし、トルクレンチでその位までトルクを掛けているとクランクが
おもむろにしなっているのが手でも分かりますから私は少々怖いんですよね。

実際は4kg-m程度でも外れたりはしませんし、一度締めて何千kmも全く
触らないしチェックもしないのであればさすがに不味いでしょうが、自分でばらしたり
組んだりを頻繁にする方であればそこまでの高トルクは要らないであろう、と
私は経験上ではありますが一応の分析としていますよ。

サービスマニュアル値はあくまで「廃車になるまでノーメンテで走っても外れる事が
無い位の指定トルク」であると私は考えていますね。
普通はそんな所は頻繁にばらしたり組んだりはしませんから。

初期型Dioの細軸クランクとかであれば、ナット自体が薄かった事もあり何もして
いないのに外れてしまうトラブルもあった模様ですがすかさず対策されていますし、
当時は初期型Dioに乗ってる人のフェイスナットはフロントホイールを止める用の
ロックナットに交換する、なんてのも流行ったもんですよ(笑


と、いつもながら分割しておきますね。
ご質問の件は次回にて。

- 関連一覧ツリー (■ をクリックするとツリーを一括表示します)


- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ
参照先
画像UP
暗証キー (英数字で8文字以内)
投稿キー (右画像の数字を入力) 投稿キー


- 投稿記事修正/削除フォーム -
処理 No 暗証キー

- WebForum -